2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第1220回 トレンド経営学『会議で心がけるべき3つのポイント』(全1記事)
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加藤想氏:今日は、会議を行う際に心がけるポイントについてお話をしていきます。
日々の仕事の中で、会議の時間は一定数あるんじゃないかと思います。特にマネージャー層とか役職が上がっていくと、いろんな定例会議に呼ばれます。自分の手を動かす時間よりも、むしろ会議時間のほうが長いという方も多いのではないでしょうか。生涯の会議時間は、約3万時間と言われています。年に直すと、8年分会議に費やしている計算になります。
では、そもそもどんな時に会議をするのがよいのでしょうか。個人的には、テキストコミュニケーションよりも効率的な時に、会議を実施するように考えています。
基本的に、仕事はいろんな関係者がいるものです。「それぞれの関係者の意図がそろって、前向きに動ける状態をどう作るのか」が、日々の仕事の中でも重要です。この状態にするために、テキストのほうがうまく進められるのであれば、会議よりもテキストでのコミュニケーションを優先すべきだと思います。
テキストであれば、いちいち会議の時間を設定したり、その時間を拘束されることもありません。後でその内容を見返すことができ、いちいち会議の議事録やメモを取るコストもかからないので、可能であればテキストコミュニケーションがよいと思います。
ただ、よく「情報共有だけの会議はすべてやめるべきだ」という意見があります。私もこの意見にはある程度は賛成ですが、必ずしも情報共有の会議をすべてなくすべきかと言うと、そうじゃない場面もあると思います。
会議1回で全体の認識がそろったほうが、テキストコミュニケーションで共有するよりも早い場合は、情報共有の会議もありかなと思います。その前提で、個人的に心がけているポイントが3つあります。
1つ目は、会議の終了要件は何かを言語化することです。よく、「会議の目的は何か」を押さえると言いますが、個人的には、目的を押さえるよりも、「会議の終了要件を言語化する」と言ったほうが、ブレずにいい会議ができると考えています。
目的と言ってしまうと、例えば、「この会議の目的は、今後の施策を考える上でポイントを洗い出すことだ」となります。ただ、これでは「何を持って、そのポイントを洗い出したと言えるのか」に目が向かなくなってしまいます。
会議の終了要件と言うと、「どこまで言えれば、会議を終わらせていいんだっけ?」 という方向に意識が向きます。ですから、会議の終了要件という言葉を使うほうが、個人的にはしっくりきます。
次の2つ目のポイントとしては、参加者が適正かどうかです。いわゆるキーマンがその会議に参加しているかということなんですが、キーマンは、必ずしも意思決定者だけではないと思います。
実際に手を動かす人のほうが現場のことをわかっているので、その方に「この進め方で合ってるのか」を指摘してもらうという意味でも、意思決定者以外にもキーマンがいるかを確認したほうがよいです。
また、関係者が多いプロジェクトの会議の場合は、そのプロジェクトに賛成か反対か。あとは影響度が高いか低いかを考えて、参加者の候補が見えるようにマッピングした絵を作っておくのをおすすめします。場合によっては、先にA部長を説得した後で、B課長も巻き込んだほうが効率的な場合があるので、事前に参加者をしっかり確認する必要があります。
ちなみに、先ほど申し上げたような、そのプロジェクトに賛成か反対か、影響度はどうかという各人のマッピングの絵を作ったら、痕跡が残らないように、必ず消しておかないといけません。後で誰かに見られた場合にプロジェクトが炎上する場合がありますので、注意が必要です。
そして最後、3つ目のポイントとしては、会議の参加前に「自分のバリューは何か」を考えることです。会議に参加する5分前でもいいので、必ず「その会議で自分が発揮できるバリューは何か?」と考える時間を持つことが大事です。
会議に参加をして、ほぼ何も発言をしないということは、その会議に参加しても意味がない、価値がまったく発揮できていないということです。ですので、必ず何が発揮できるのかを考えた上で、会議に臨むべきだと思います。
仮に、5分考えても自分の価値が発揮できないという場合は、「私はこの会議に参加をしても意味がないと思うので、欠席させていただきます」と、会議の主催者に潔く言うほうが、お互いにとってメリットがあるんじゃないかと思います。
というわけで、今回は会議に参加する時に心がけるポイントをお話ししました。会議の終了要件の確認、参加者が適正かどうか、自分のバリューを事前に考える。この3つをお伝えしました。会議の時間をゼロにするのは難しい営みかと思います。ぜひ、自分が参加する会議については、より生産性の高い時間を過ごすために意識してもらえたら、うれしく思います。
というわけで、今日の放送はここまでとします。また次回の放送もお楽しみに。
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