2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第1047回 仕事に役立つABC『会議をコントロールするコツ』(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
熊谷翔大氏:今日は会議をコントロールするコツがテーマです。この毎週水曜日の放送を聴いてくださっているリスナーの方から、先日相談をいただきました。その内容は、「社内のミーティングや会議で、自分よりもポジションが上の方が参加する時に、うまくコントロールできなくて困っている」とのことでした。
具体的にお話を聞いてみると、例えば上の人がちょっと違う方向に話を持っていってしまったり、時にはぜんぜん違うことを言い出したりして、会議の参加者がそっちに引っ張られていってしまうと。
その方の頭の中には「なんとなくこうだ」という意見が浮かんでいるんだけれども、伝えることができずに、会議をコントロールできずに困っているということでした。似た経験をしたことがある方も少なくないんじゃないかなと思います。私ももちろん経験がありますので、めちゃくちゃ共感しました。
ポジションが上の偉い方はパワーもありますし、声も大きいので、会議やミーティングの時にもばーっと話をされるんですけれども。実務を一番わかっている人からしたら「いやいや、そうじゃなくて……」とツッコみたくなるんですよね。でも、その場で上の人に対して「あ、そうじゃなくて」と言い返すのって、至難の業だと私も思っています。
この話を踏まえて、今日のテーマの「会議をコントロールするコツ」について、私が考えている結論を先にお話しします。それは、会議中にズレた話を引き戻すのは正直難しいということです。
勝負が決まるのは、会議が始まる前だと私は考えています。どういうことかと言うと、特にポジションが上の方の考えを変えられる人は、例えばめちゃくちゃ頭の回転が速くてロジカル。かつその上の人からすごく信頼を得ていて、その仕事の前提がガラッと変わるような新しい情報を持っていて……みたいな、よっぽど好条件が揃わない限りは、正直無理だと思うんですよね。
もちろん仕事においては、がんばって説得するのが必要な場面もあるんですけれども、それを毎回やるわけにもいかないですよね。「めんどくさいやつだなぁ」と認識されてしまって、どんどん話を聞いてくれなくなる悪循環に陥ってしまうこともあるかと思います。
だからこそ、勝負を分けるのは会議が始まる前だと私は考えています。私自身も、いろんな工夫を重ねたり、特に前職時代の先輩、上司の動き方を見て盗んで、会議の前に実践していることがいくつもあります。
いろんな本やインターネットの記事に、基本的な会議のコツや進め方の情報はたくさんあるかと思います。今日はせっかくですので、私が思う、会議前に実践したい2つのコツについてご紹介いたします。
まず1つ目、その会議でポジションが一番上の方に、事前に持っていきたい結論を伝えておきましょう。これはある意味当たり前のことですし、一番の正攻法だと思います。その会議における意思決定者は、おそらく参加者の中で最もポジションが上の方だと思いますので、その人が会議中に違う方向にいってしまうと困ります。だからこそ、そうならないように根回ししておくイメージです。
もしあなたが直接その方に事前に連絡をして働きかけることができるのであれば、それが1番早いし効果的だと思います。私も直接連絡をして、先に伝えておいて、懸念点をあらかじめヒアリングしておくんですよね。会議の時間は、その懸念点を解消するために使う。そんなふうに考えて動くことも少なくありません。
もし、直接事前に連絡することが難しいということであれば、ぜひ上司を使いましょう。上司に対して「○○さんにこういうことを言っておいてください」と根回しするイメージです。上司だったらアプローチできることもあるかと思いますので、うまく使うことをおすすめいたします。
続いて2つ目ですが、自分が働きかけることができる人の中で、ポジションが最も高い人に根回ししておきましょう。
これは1つ目の方法が使えない時の2番目の策かと思います。その会議の意思決定者に事前に根回しできない時。そこで大切なのは、会議中に話がズレていってしまった時に、「そうじゃなくてこっちのほうがいいですよ」と味方になって言ってくれる仲間を作っておくことです。
実際どんなふうに根回ししておくかと言うと、例えばこんな言い方をします。「おそらく、次の会議では一番ポジションが上の○○さんがこんなことを言い出すと思うんですよね。その時にこんなふうに話をしてもらってもいいでしょうか」とお願いするイメージです。
自分の上司や先輩、時には他部署の方にもお願いすればいいんじゃないかと思います。1人だけで会議を進める必要はありません。頼れる人には頼りましょう。
ということで、2つのコツをお伝えしました。1つ目は、その会議においてポジションが1番上の人に、事前に持っていきたい結論を伝えておく。2つ目、自分が働きかけられる人の中で、最もポジションが高い人に根回しをしておく。まとめて一言で言うならば、「健全な根回しをしておきましょう」ということです。
根回しというと嫌な響きに聞こえて、「やりたくない」「それはずるい」みたいに捉える方がいるんですけれども、そんなことはまったくありません。特にお客さまや会社にとって良い方向に仕事を進めていくために必要であれば、丁寧にコミュニケーションをはかって根回しをする。これはめちゃくちゃ大切な仕事の1つです。
世の中、根回しについて教えてもらえる機会は、実はあんまりないかと思います。けれども、意外とうまく健全な根回しをしているビジネスパーソンの方もいるはずです。
周りの先輩や上司、同僚を振り返ってみて、「この人は(根回しが)うまいな」と思った方がいれば、何を考えて動いているかを聞いてみてください。何かヒントを得ることができるのではないでしょうか。
今日の放送で参考になりそうなことがあれば、ぜひ今日から、実践していただけるとうれしいです。
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.11
自分の「本質的な才能」が見つかる一番簡単な質問 他者から「すごい」と思われても意外と気づかないのが才能
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.12
自分の人生にプラスに働く「イライラ」は才能 自分の強みや才能につながる“良いイライラ”を見分けるポイント
2024.11.15
好きなことで起業、赤字を膨らませても引くに引けない理由 倒産リスクが一気に高まる、起業でありがちな失敗