キープレイヤーズ・高野秀敏氏が「優秀だ」と感じる人は?

司会者:高野さんが「この人は優秀だよな」と思う、会社員の方の水準はありますか?

高野秀敏氏(以下、高野):1つのパターンとして、例えばインターネット系や人材系の営業出身の人については、「起業したらお客さんはいくらでも新規で取れるし、自分が2,000~3,000万円稼ぐことならすぐにできます」という人ですね。

あとは最近、総合商社の方で起業される方が非常に多いと思います。これは非常に感覚的なことですが、地頭、コミュニケーション、人望的な部分で、「この人が声をかけたら『一緒にやりたい』という人がたくさんいる人」がいるんですよね。こういう高いレベルでのビジネスの全般的な能力がある人は、すごく魅力的に見えますよね。

司会者:それは、お話をしてコミュニケーションすることによって感じとるものなんですか?

高野:そうですね。なので、これはなかなか人に教えにくいところです。自分も24年ぐらいビジネスをやっているので、長くやってきたからわかっていることなのか。

はたまた、自分もこの特殊技能が社会人1年目の時からわりとあった気がするというか、そういうふうに言われていたので、人と話した時になんとなく感じる第六感みたいなところが大きいかもしれないですね。

司会者:中には、高野さんが「この人、もうちょっとがんばればいいのにな」と思うような方もいると思うんですが、こういうところをがんばったほうがいいなと思うことはあったりしますかね?

高野:そうですね。月並みなんですが、会社員の時は目の前の仕事をがんばり、上司の方から満額の評価をいただけるようになることが大事です。一方で起業するとなると、「結果だけはすごく出してるけど、上司との関係値が悪い」「あいつは仕事だけはできるけどなぁ」みたいな人が多いのも事実なんですよね。

“いい人”と“仕事ができる人”は違う

高野:ただ、ここがポイントです。「サトウさんってどうですか?」と人に聞いた時に、「ん~。まぁ、いい人ではあるよね」みたいに言われる人は、あんまり起業には向いてなくて。

一方で「あいつは本当に問題あるよね。ちょっと荒くて、会社でもいろいろ問題をしてるんだよ」と言われても、「仕事はどうですか?」と聞かれると、「仕事だけはできるよ」「仕事は突き抜けてるから、それはもう言うことない」みたいなゾーンの人は起業向きですよね。やっぱり、組織でバランスよくやるのには向いてないんでしょうね。

総合的にすべて満点じゃない人のほうが、成功しているような感じがしますかね。

司会者:高野さんの周りの創業者の方は、バランス型と突き抜けた型、どちらが多い印象ですか?

高野:大成功している人はいろんな意味で突き抜けてますね。ただ、バランス型でIPOしている方もいます。

司会者:なるほど。

高野:だから、「こうじゃないと絶対にダメ」みたいなものは、たぶんないと思います。ドラッカーも言ってるとおり、成功する人は十人十色なんだと思いますね。

司会者:なるほど、わかりました。とはいえ、ある程度突き抜けたほうがいいというのは事実ですか?

高野:会社員の時は、仕事だけがめちゃくちゃできた人以外で(起業している人は)いない気がしますね。

司会者:じゃあ、とにかく突き抜けること、仕事ができることが大事ってことですね。

高野:そうですね。問題の中身にもよりますが、ちょっと問題があったとしても片目をつむったほうがいいかなと、自分は思っていますね。

司会者:わかりました。ありがとうございます。