プログラム開始当初、企業からは不安の声も

細野頌子氏(以下、細野):地域企業さまの近くで今回のプロジェクトの支援をしてきた、地域コーディネーターからコメントをいただきたいと思います。最初に、香川県エリアの企業さまを中心に支援していただいた、株式会社地方創生の岩田さん、守谷さんからコメントをいただければと思います。よろしくお願いします。

岩田愛菜氏(以下、岩田):ありがとうございます。では、株式会社地方創生の岩田からお話しさせていただければと思います。先ほどから企業さんの事例を興味深くお聞きしていました。ご紹介にあったように、今回は地域側のコーディネーターという役割で、香川県の高松市の企業さんを中心にご支援をさせていただいておりました。

DXというテーマで企業さんにヒアリングをさせていただきながら、現状よりもう少し業務効率化したい部分や、「生成AIを使ってこんなことしてみたいと思っていた」など、まずは企業のみなさまの課題感や取り組みたいことを一緒に整理させていただきつつ、本事業のプログラムで解決してみましょうということで数社にご参加いただきました。

「外部の方と一緒に協働をしたことがない」という企業さんがほとんどだったんです。参加にあたって、どんな方と会えるのかがすごく楽しみだという反面、2ヶ月という短い期間でうまくコミュニケーションを取りながらやっていけるのか? とお話しされている企業さんもいらっしゃいました。

ですが、実際にプログラムがスタートするとかなり専門的な提案があったり、なんでも相談に乗ってくれる人材チームの方が本当に心強いなという印象で、私たちも見ていました。毎回、小さなことでも教えてもらいながらプロジェクトが進んでいる様子を何度か見させていただきました。

手作業で行っていた業務を効率化し、大幅な時短に成功

岩田:基本的には人材のチームのみなさんに進行してもらいつつ、プロジェクトの前半は企業の課題から優先的に解決できそうなものを話し合いました。現状の分析であったり、企業さんの持っているデータの中で使えそうなものがあれば、それを元にオンラインツールでやり取りしながらコミュニケーションを取っていきました。

後半は、人材チームの方がテーマに沿った実践方法を教えてくれたり、レポートにまとめてくださったりという流れで進んでいきました。

私は高松の企業さんを2社ほど見ていたんですが、1社では「手作業でやっていた社内データの転記の作業を効率化して、今まで時間がかかっていたところをすごく短縮できるようになった」という事例がありました。

もう1社は、今のSNSの投稿データから効果的な発信の仕方を分析しました。「プレスリリースの自動化のために生成AIを使ってみましょう」という提案や、企業さんからも「短い期間でこんなに深いところまで考えてくれると思ってなかった」という声をいただきました。

このように、外部の人材と一緒にDXを推進することで成果に結びついた事例をこれからも増やしていければなと思っていますので、お聞きいただいてる企業さんの中で少しでも関心のある企業さんは、ぜひこういった機会を活用していただければなと思います。

2023年度はありがとうございました。弊社も引き続き伴走させていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。

なかなかDXに踏み出せない企業にもおすすめな理由

岩田:私からは以上となりますので、続いて守谷さんからお話しいただけますか。

守谷沙織氏(以下、守谷):株式会社地方創生の守谷と申します。私は香川県琴平町の担当で、先ほど事例にあったKONPIRA DROP STORIESさまを担当しました。

このプログラムをKONPIRA DROP STORIESさんの池(龍太郎)社長に紹介したところ、「ちょうどこの間、『デジタル化を進めませんか?』という営業の人が来たところだったんです」というお話をうかがいました。

企業として問題は多く、DXを進めていきたい。興味もあるしやりたいんだけれども、わからないことが多すぎて、営業の方が言うことにも「良い悪いも今は判断できないんです」ということでした。

「このプログラムは、参加者と企業さまが一緒に学ぶことがテーマなんですよ」と説明したところ、ぜひやってみたいと言っていただいて、参加となりました。

マッチングしたチームのみなさんは「このDXの推進事業は2022年度も参加していて、2回目なんです」といった方や、もともとIT関係にお勤めでスキルもあるが「スキルアップしてやっていきたい」という方が多かったので、すごく安心感のあるチームでした。

プログラム開始後も、池社長が週に1回のミーティングをすごく楽しみにしてくださっていて。「毎回勉強になる。本当にこれ、無料でいいんですか?」という声もあったりして(笑)、すごくうれしかったのを覚えてます。

“対価を求めない関係”だからこそできること

守谷:そして、回を追うごとに池社長とチームのみなさんの関係性も深まっていきました。ふだんはオンライン上でのやり取りがほとんどだと思うんですが、チームのみなさん全員に琴平町まで来ていただいて、リアルでお会いして直接現場を見たり話を聞くこともありました。

そして最終報告会のあとも、事業は終わるんですが、双方が「今後もつながっていきたい」ということで、すごく良いかたちで終わったんじゃないかなと思っております。なので、単なる受け入れ先の企業さんと受講者というよりは、一緒に2ヶ月がんばった仲間みたいな感じで終わったかなと思います。

「DXに関係して、こういうことをしませんか?」と、仕事として請け負ってくれる人はたくさんいると思うんです。例えば「システムを導入しませんか?」「効率化できますよ」みたいに、仕事として持ってくる人はいるかなとは思うんですが、そうなるとやはり「仕事」なので、どちらも利益や対価を求めてしまうかなと思います。

ただ、こちらのプログラムは、本当に純粋に企業さまのためになることを考えて提案してもらえる、すごく貴重な体験ができるんじゃないかなと思います。ぜひいろんな方にプログラムを体験していただければと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。

細野:岩田さん、守谷さん、生の企業さまの声や反応を交えてご紹介いただきまして、ありがとうございました。

目先の業務で手いっぱいで、後回しになりがちなDX

細野:では続きまして、主に愛媛県のエリアの企業さまの支援をご一緒してくださいました、中央会計株式会社の稲見さまからもお願いいたします。

稲見益輔氏(以下、稲見):みなさん、こんにちは。中央会計の稲見と申します。私は今、全国に約1,000社のお客さまがいる税理士事務所と、愛媛県松山市のコワーキングスペースと、経営者の勉強会など(を開催する)団体を運営していて、仕事やプライベートでも日々経営者の方とお話をする機会が多いです。

DXやデジタル化、事業の変革に関して経営者の方にお話を聞くと、だいたい「重要度はめちゃくちゃ高い。でも、緊急性はどうしても低い」というふうになってしまいます。

緊急性の話で言うと、もしかしたら日々の業務を「非効率かもしれない」と感じていたとしても、今は売上が立っているし、人手も厳しいけどなんとか業務が回っている。

でも、この先5年、10年を考えた時には新しい事業を作らないといけないし、人手不足がどんどん進んでいくわけなので、効率化も進めていかないといけないということは、みなさん本当によくおっしゃっているし、理解している。

ただ、やはり日々の仕事でかなり手いっぱいの業務があって、緊急性や優先順位がなかなか上がっていかない。「そこまで手が回らない」という状態になっています。そういう中で、このプロジェクトがすごく大事だなと思うのは「重要度が高いけど、緊急性がちょっといまいち」(なDXに取り組める)というところです。

なぜ(業務改善が)進まないのかというと、経営者の方が「いやぁ……私自身、ITはちょっと詳しくないしなぁ」「社内にもなかなか詳しい人がいないしなぁ」という状況があります。

外部人材が無料で地域企業を手伝うメリット

稲見:さっきの守谷さんの話とも一緒なんですが、「このシステムがいいですよ」とか、例えば会計ソフトで「こういうデジタル化がありますよ」という営業をされても、同じような効果を出せるシステムは、Aも、Bも、Cも、Dもあるわけです。

「どれが一番良いんだろう?」「本当にそれを入れるべきなのか?」というのは、けっこうリテラシーが高くないと(判断が)難しいし、比較検討の時間がめちゃくちゃかかると思うんですよね。そういった中で「選べない」と(いう状況がある)。

これを解決するには、その企業さんのことを知って、ちゃんとフラットにAとBとCを比較して「御社にはこれが合うと思いますよ」とおすすめしてくれたり、サポートしてくれたりする人が絶対に必要なんじゃないかなと日々感じています。

デジタルにすごく詳しくて、どんどん新しいものを取り入れて、いろんなサービスを調べるのが好きで詳しいという人が、本当は社内の中にいればいいと思うんですが、そういう方がいる会社ってなかなかないので……(笑)。

そういう方が、今回は外部で、しかも無料で手伝ってくれる。手伝う方にとっても研修の1つになっているので、フラットに進めていくことがとても重要なんじゃないかなと感じています。

あとは緊急度の話で言うと、これは2ヶ月の短いプロジェクトなので、プロジェクトを進めようと思うと期間は短いんです。その中で「週1回のミーティング」という締め切りを設けることで、緊急度は上がりますよね。

「何日にミーティングがあるから」と時間を取らないといけないので、すごく強制的に進められる良い機会のプログラムなんじゃないかなと思います。

今はまだ地方のデジタル化や事業変革の一歩目かもしれないですが、2023年度もとても良かったと思いますし、2024年度以降もブラッシュアップしていくと、どんどん(地方企業のDXが)進んでいくんじゃないかなと感じております。以上です。

細野:稲見さん、ありがとうございます。本当に、日々たくさんの経営者のみなさまと話をしてる中での声も交えながら、お話しいただきました。

人手不足が深刻な介護業界が抱える課題

細野:では、このあとはいよいよ、今年度の事業に参加いただいた参加企業さまと、受講生チームによる成果発表とトークセッションに移っていきたいと思います。

実際に参加された企業さまの中から、株式会社ココロココの常務取締役の久保慶高さまにお越しいただいております。久保さん、よろしくお願いいたします。

久保慶高氏(以下、久保):株式会社ココロココの久保慶高と申します。よろしくお願いします。簡単に、会社の紹介だけさせていただいてもよろしいでしょうか。

細野:はい、お願いします。

久保:ココロココは、愛媛県・香川県で住宅型有料老人ホームと言われる高齢者向けのマンションの運営と、機能訓練特化型デイサービスという高齢者向けのジム、介護が必要になった方の訪問介護、福祉用具、居宅事業など、20事業を展開している会社です。

今回プロジェクトに参加するにあたって、介護でも人手不足があったり、いろんなことでDXが必要だというお声がけをいただいて、すぐに参加しようと思ったところです。詳しくは、トークセッションでお話しさせていただければなと思います。

細野:ありがとうございます、よろしくお願いいたします。

プロジェクトに関わったデジタル人材チーム2名の紹介

細野:加えて、今回ココロココさまとマッチングをして一緒にプロジェクトを進められた、デジタル人材チームのアナーキーズというチームから、リーダー・サブリーダーのお二人にもお越しいただいております。では、こちらも自己紹介を簡単にお願いできますでしょうか。

三橋明佳氏(以下、三橋):アナーキーズでリーダーを務めさせていただきました、「漁neko」こと三橋と申します。もともとはSEだったんですが、コロナ禍で医療の世界に転職しまして、今は医療系のDX推進室に勤めております。よろしくお願いいたします。

細野:お願いします。

山本大輝氏(以下、山本):アナーキーズでサブリーダーを務めさせていただきました、「モスコミ」こと山本大輝と申します。私は大学院で応用数学、有限要素法を学んでいて、現在はIT企業でCAE(コンピュータを活用した工学支援システム)の解析技術者として実務を行っております。

DXに関する業務はまったく行っていませんでしたが、この企業協働のプログラムに参加させていただきました。本日はよろしくお願いいたします。

細野:ありがとうございます。お願いいたします。本当はアナーキーズのチームメンバーのみなさんに来ていただきたかったのですが、今回は代表してお二人に参加いただいております。

今回のデジタル人材チームのみなさまは、漁nekoさん・モスコミさんのように、ニックネームのような呼び名をつけて参加していただいてましたので、このあとは私からも「nekoさん」「モスコミさん」と呼ばせていただければと思います(笑)。

デジタル人材が地域企業協働プログラムに取り組む目的は?

細野:では、久保さん、nekoさん、モスコミさんを交えながら、トークセッションに移っていきたいと思います。このあとは、ここ(スライド)にあるようなテーマで私から質問させていただいたり、みなさんで会話を深めていくような時間にしたいと思います。

最初に左上の部分(プロジェクトで実施した内容と成果)ですね。今回、ココロココさんとアナーキーズさんの協働プロジェクトの中で、どんな内容を実施されて、どんな成果があったのか。

みなさん気になるところかと思いますので、最初にアナーキーズのnekoさんから実際のプロジェクト内容についてご紹介いただきながら、そのあとでトークに移っていければと思います。では、nekoさん、お願いしてもよろしいでしょうか。

三橋:それでは始めさせていただきます。今回、アナーキーズはこちらに表示されている6名で参加をさせていただきました。全員分野は違うんですが、エンジニアという共通項がございます。

ダイジェスト版でお伝えいたします。まずお伝えしたいことなんですが、私たちが地域企業協働プログラムに取り組む目的は何かというところです。最初から認識の相違がまったくない状態になるのはなかなか難しいのかなと思ったので、あらためてここでお伝えしようかなと思いました。

「企業さまのリアルな現場の事情をヒアリングした上で、DXのお悩みに対して一緒に取り組み、伴走していくプロセスそのものを体験して学ぶこと」が、私たちの参加の目的です。

なので、例えば「AIを使ってこういうことをやりたい」「こういうデータ分析をやりたい」というものがなにかしら決まっていて、それをやるために参加しているわけではないんですね。あくまでも企業さまがやりたいこと(DX)を実行して、最終的に企業さまのビジョンを実現できるようにすることが目的です。

2ヶ月という短い期間におけるゴール設計

三橋:やはり、最初にきちんと誤解のない状態にする必要性をすごく感じました。なので、まず私たちは「デジタルトランスフォーメーションとはどんなものなのか」というところから丁寧に説明をして、信頼していただくべきだと思って、このようなスライドから打ち合わせを始めました。

ココロココさんのご要望は、デジタル化を進めることで介護業界を改革することや、コンサルティングをすること、保険外事業も作っていきたいということでした。それはつまり、最終的にデジタルトランスフォーメーションを行いたいということなんです。

これは、ココロココさんの経営理念をゴールの礎にした簡易的なロードマップです。こういうロードマップを策定した上で、「デジタルトランスフォーメーションに向かって進んでいきませんか?」と、ご提案いたしました。

そしてアナーキーズが目指したことは、IT人材不在のココロココさんの現状に合わせたDXプランを検討させていただいて、たった2ヶ月という短い期間の中で、できる限り優先順位の高いものを使えるかたちにしてご提案することでした。

それから、地域企業協働が終わったあとでもココロココさんが迷うことなく、DXを滞りなく進めていけるようにするために役立つ、質の高い成果物をなるべく作ってお渡ししたいと。それを目指して全員でがんばりました。

アナーキーズができることは、あくまでもご提案や選択のサポートをすることであって、「何を選ぶか」というのはココロココさんであることはご承知置きいただけたらと思います。私たちが何かを押しつけたりするようなことは、絶対にないんですね。

アバターで参加できるツールで気軽にミーティング

三橋:2ヶ月間の取り組み内容について、まずはミーティングで使用したツールです。ご存知の方もいらっしゃるかもしれないんですが「MetaLife」といって、Web上に複数名が集うことのできるワークスペースのようなものを作って、そこでミーティングできるサービスがあるんです。

こちらを使用して、週1回くらいの頻度で平日の夜にミーティングを行っておりました。思い思いの格好をしております。特に自分が映らなくてもいいので、意外と気楽に、緊張することなくお話しできたんじゃないかなと思っております。

アナーキーズからのご提案と成果物は、こちらの3つが主になります。1つ目は、先ほどお話しした「優先度の高いものからやっていこう」ということで、在庫管理システムをなるべく使えるかたちにしてお渡ししたいということになりました。

IT人材が不在であれば、ノーコードでアプリケーションを作れるkintoneを使って、在庫管理システムを作ってみたらどうだろうということになりました。全員エンジニアなんですが、ノーコードツールを使ってアプリケーションを作るということで試行錯誤しました。

まずは既存の業務フローを可視化した上で、業務効率化が可能な部分を割り出して、そこをkintoneを使った在庫管理システムに置き換えていくと、どんなふうに業務の効率化ができるのかもお見せできるようにいたしました。

2ヶ月の協働が終わったあとでも、ココロココさんがご自分でさらにアプリケーションを作り出していくことができるように、作成手順のハンズオンレクチャーも2週にわたってさせていただきました。

モスコミさんを中心としたkintoneチームがあったんですが、kintoneチームがハンズオンレクチャーの動画を作ってくれましたので、こちらは最後にご紹介させていただきたいと思います。

請求書作成については、プラグインというものを使用すれば作ることができます。こちらはちょっと時間がなくて、詳細なご説明はできなかったんですが、こういったものはすべてドキュメントでお渡ししております。

ツールの導入・運用に必要な資料もすべて提供

三橋:2つ目が新規事業・データ活用方法についてです。ミーティングを進めていく中で「こういったことにも興味がある」と久保さんがおっしゃっていたことを、私たちが「それなら何かできることはないかな?」と調査したり、いろいろと検討してご提案をお出しいたしました。

あと、ココロココさんの業務の中で「活用できていなかったデータがある」ということだったので、活用方法のご提案もさせていただきました。

そして、1番(ノーコードツール「kintone」を使った在庫管理システム)と2番(新規事業&データ活用方法)の導入と運用のためのさまざまな資料もすべてドキュメントでお渡ししておりますので、かなりのボリュームの成果物をお渡ししたんじゃないかなと思っております。

どのように資料共有をしていたかなんですが、事前にアジェンダを作りまして、ミーティングの中でプレゼンテーションさせていただいた資料を、こういった感じでリンクにまとめて毎回お渡ししておりました。

アジェンダは、毎回ちょっと違うものになっております。最後はUFOが迎えに来て、私たちは宇宙に帰っているという仮の設定でございます。

そして、ノーコードツールのkintoneを使ったシステムに関してです。こちらは一部伏せ字も入ってくるんですが、差し支えのないものだけご紹介させていただければと思います。業務フローの可視化ですね。

そして、これをkintoneの在庫管理アプリケーションにすると、どのように作業方法が変わるのか、フローが変わるのかを比較できるようにしております。

こちらは、請求書作成のプラグインの導入方法についてのドキュメントですね。

“エンジニアにとっての当たり前”は当たり前じゃない

三橋:新規事業・データ活用方法と導入から運用のための資料も、一部なんですがちょっとずつご紹介していきます。国の施策が絡むものについては、実際に役所関連に問い合わせて導入の予定なども聞いております。

こちらは在庫管理データの活用についての資料の一部ですね。「こんなふうにデータを利活用できるといいんじゃないのか?」ということをお話ししております。

これは最後の運用手順についてです。これは大事なことなんですが、コードがバラバラになったりすると、あとあと標準化するのがすごく大変になってしまいます。IDを重複させないようにすることは、エンジニアにとっては当たり前なんだと思うんですが、エンジニアじゃない人にとっては当たり前ではないことだと思います。

なんで必要なのか、この先どのように整理して管理していくことが必要なのか。こういったことを丁寧にまとめてドキュメントにしてお渡ししております。

DXのいろんな手段を投入したあとで、どんなふうにその手法を現場に浸透させていくか、役割マップを作ってみました。現場にDXを浸透させるキーマンみたいな人間を1人作って、その人から同僚にDXの手法を教えたり、広めたり。あるいは、その同僚からのフィードバックを情報収集してもらった上で、DX責任者に渡す。

そして責任者は、どのような方法でDXを進めていくのかを再度検討する。こういうサイクルでやっていったらいいんじゃないかなというものを、マップで示しております。一応、簡単にROIも計算しております。

これは最後に出したスライドです。

本当にあっという間だったんですが、「2ヶ月(のプログラム)が終わったあとでも、ココロココさんがDXを滞りなく進めていけるようにするにはどうしたらよいのかと、本当にメンバー全員が頭をひねりながらがんばったんですよ」「本当にたくさん勉強させていただいてありがとうございました」と、みんなでお伝えいたしました。

IT人材もいない、アナログな環境からのスタート

細野:何度もnekoさんがおっしゃったように、2ヶ月間のプロジェクト中のテーマだけではなく、そのあともココロココさんで継続していけるようなものとなるように、みなさんがすごく考えてくださったのが伝わる内容だったなと感じております。

このあと、あらためてトークセッションでも聞いていきたいところではありますが、成果発表の内容、みなさんから話を聞いた時の率直な感想など、せっかくなので久保さんからのコメントをお聞きしてもよろしいですか。

久保:あらためて成果発表のスライドを見て、非常にいろんなことをやっていただいてありがたいなと、まず感謝が出てきました。DXと聞くと、本当にIT人材もいないし、アナログなところもかなりあった中でのスタートだったので、非常にご迷惑をおかけしたんですが。

三橋:いえいえ(笑)。

久保:それでもいろんなところで寄り添っていただいて、あとでお話ししますが、最終的にはシステム導入に至ったり。在庫(管理)に関しても、ちょうど今はどんどん進んでいるタイミングなので、非常に有意義な時間を過ごさせていただいたなと思います。こちらこそありがとうございました。

三橋:それはうれしいですね。ありがとうございます。

細野:ありがとうございます。今後の取り組みのところも、ぜひあとで触れられればと思います。