2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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東京・立川を拠点に起業に関連したさまざまなイベントを開催しているStartup Hub Tokyo TAMA。本記事では、『秒で使えるパワポ術』『秒で伝わるパワポ術』の著者で、シリョサク株式会社代表の豊間根青地氏が登壇したイベントの様子をお届けします。今回は、伝わりやすさの3要素の3つ目「画像」ついて語られました。
豊間根青地氏(以下、豊間根):最後に画像の話をさらっとして終わるんですが、今、2つのスライドを作りました。
文字と色の話で、バリューチェーンのスライドとお客さまの声のスライドを作った。これだけでも、一応内容としてわかるのはわかるんだけど、なんか寂しいですね。殺風景なわけです。なので、これにビジュアルの要素を足していきます。
ビジネスシーンでスライドを作る時の、使ってほしいビジュアルの要素は2つありまして、「アイコン」と「写真」です。1個目はアイコンですね。アイコンを使うと何がいいかというと、ざっくり内容がわかる。これも一種の2階の情報なんですが、ざっくり内容がわかるのがいいところです。
例えば一番左にある「契約農家(岡山県)」という四角形って、当たり前なんですけど、文字を読んで「あ、なんかこれ、農家の話をしているんだな」と、「農家」という文字の意味を理解しないと、この四角形が何の四角形かってわからないですよね。
なんですけど、ここにアイコンをつけてあげると、これはたぶん実際には麦のアイコンなんですが、穀物のアイコンがあると「ああ、なんか農業っぽい話をしているんだな」ということがぱっと見てわかるわけです。
他にも「なんか工場の話をしているな」「なんか人の話をしているな」というのがぱっとわかると、文字を読まなくてもなんとなくその図形がどういう属性・特徴を持っているのかがわかるわけですね。これが見やすさを作っています。これがアイコンの力です。
ただ、「パワポにアイコンを使うといいよね」と単に手段として使うと、けっこうこうなるんですね。アイコンがデカデカと黒々と目立つような資料ってよく見たことがあると思うんですけど、これはおすすめしないです。
アイコンは大した情報を持っていないんです。要はこれはすごく抽象的な絵なので。例えばこのおじいちゃんとおばあちゃんのアイコンって、これがおじいちゃんとおばあちゃんである以上の情報は持っていないんですね。これをデカデカと黒々と見せても、特に情報は増えないのでわかりやすくならないです。
どうするかと言うと、スライドの主役は常に文字と構造です。文字と構造、図形がまず目に入って、それだけで成立している状態を作ってから、そこにプラスワンでぱっと見てわかるようにするためにアイコンを入れるという主従関係がある。
アイコンは真っ黒よりは、ちょっとグレーにするとか、ちょっと小さくするというふうに、あくまで文字・図形が先としたほうが、スライドはわかりやすくなります。
これはテクニカルの話なんですけど、パワポのアイコンのファイル形式はSVGがおすすめです。いろんなファイル形式がありますが、JPEGはまず避けてください。JPEGは背景透過ができなくて、白い背景がくっついてきちゃってすごくダサいので、JPEGは基本避けてください。
PNGは背景透過ができるので、これも悪くはないんですけど、SVGはパワポの図形みたいに色を変えたり、グループ化を解除すると分解することができて、けっこう取り回しが利きやすいので、SVGがあるならSVGを使うのがおすすめです。
桃太郎のアイコン素材は、「アイコン フリー素材」で検索すると最初に出てくる「ICOOON MONO」という、日本のアイコンを牛耳っているアイコン素材サイトを基本的には使っています。
ちなみにパワポはMicrosoft Office 2016以降だと、挿入タブに「アイコン」というボタンがありまして、パワポから直接アイコンを挿入することもできます。
最後は写真の話です。みなさんはスライドで写真を載せることはけっこうあると思うんですね。ただ、プレゼン資料において写真の使い方は、実は大きく2種類あって、写真の種類によってアプローチがまったく真逆になります。そこを意識いただきたいという話をします。
2種類というのは、「具体的な写真」と「抽象的な写真」です。
具体的な写真はそれそのものの写真です。例えばお客さまの声のスライドって、犬養さんとか猿飛さんの写真が載っていますよね。
これって「犬養さんの写真」とか「猿飛さんの写真」という、コメントをしてくれた人の写真そのものなので、この写真じゃなきゃいけないわけです。実際にはフリー素材なんですが、そういう体なわけですね。というのが具体的な写真です。
一方で抽象的な写真は、「すきま時間で、鬼退治。」というコンセプトを示したスライドでは、後ろにシーツに桃が載っかっている写真がある。これっておしゃれで桃っていうイメージは持っているんですけど、別にそれ以上の意味はないんですね。だからこの写真じゃなくてもいいわけです。こういうのが抽象的な写真です。
この2つは、同じプレゼン資料に使う写真とはいえ、真逆のものだと考えてください。
まず具体的な写真は、あるなら載せてください。
例えば鬼退治のフローが簡単ですよというスライドがあったんですけど、ログインして、案件を確認して、これこれこうっていうフローが文字と四角だけで書いてあると、何をどう操作する話をしているのかぜんぜんわからないわけですね。
そこに対して、具体的なアプリのスクリーンショット。スクリーンショットも一種の写真ですが、具体的な絵が入ってくると「ああ、なるほど。こういう画面のここを押すと、こういうのが使えるんだな」と、めちゃくちゃわかりやすくなります。なので、そのものの具体的な写真があるのであれば、なるべく載せてください。
さらに言うと、「具体的な写真を載せたほうがいいよ」という話は、あるなら載せるというだけじゃなくて、具体的なビジュアルを作りにいくという思想も大事です。資料をわかりやすくするために、具体的なビジュアルを作るということですね。
例えば今日、豊間根がスタハに来てこの講演をしたということを神田さんがあとで報告する資料を作るとしたら、今日のサムネイルや豊間根のプロフィールとかだけじゃなくて、やはりこの絵が欲しいんですね。
豊間根が今この演題の横で話しているとか、みなさんが実際に集まってくれている様子の写真があったほうが、圧倒的にイメージがしやすい伝わる資料が作れます。というふうに、伝わる資料を作るためには、具体的なビジュアルを自分からあらかじめ取りに行くというスタンスもすごく重要です。
一方で、抽象的な写真は使っちゃダメじゃないんですけど、使いすぎに注意です。こういう「信頼があります」とか「人材がすごいです」みたいな、「『人材 フリー素材 写真』で検索しただろ」という感じのプレゼン資料がたまにあるんですけど、こういうのって何も意味がないんですよね。
無意味なシーンはノイズになる。意味がないですし、安っぽくなりやすいので、「写真を使わなくてもいいんじゃない? アイコンでよくない?」とか、あるいは「そもそも文字だけにするか」というふうに、むやみに使わないことが大事です。フリー素材の写真を入れすぎると、プレゼン資料って絶対に安っぽくなります。使うとしても、ここぞという瞬間だけにしたほうがいいです。
でももし使うとしたら、なるべく質の高いものを使うのが大事です。写真ACとかは質が若干低いというか変なのが多い。おすすめなのは2つありまして、Adobe StockというフォトショやイラレのAdobeが提供しているストック素材サイト。「Adobe Stock 無料」で検索すると、無料で使える素材も実はけっこうあります。だからおすすめ。
あとO-DANという、海外の商用利用フリーの写真素材サイトを横断して探せるサイトがあります。桃太郎のパワポのシーツの桃の写真とかは、O-DANで探した写真です。ただ、O-DANはちょっと海外っぽいバタ臭い写真が多いので、Adobeのほうがおすすめな場合もけっこう多いです。日本っぽいやつを無料で探したい時はAdobeのほうがおすすめです。
今、アイコンと写真の話をしてイラストの話をしなかったんですが、ビジネスシーンの資料は、イラストはあんまりおすすめしないです。イラストってやはりどうしても、それの色があるんですよね。世界観があるので、そのイラストがあるポップな雰囲気でいい時はそれでいいんですけど、そうじゃない時、真面目な時はあんまり使わないほうがいいです。
特に、「いらすとや」は何でもあるので、便利なので使いがちなんですけど、いらすとやは1枚でも紛れ込ませると、プレゼン資料をいらすとやの世界が乗っ取ってしまう。今日の講演資料みたいに、ちょっとカジュアルな雰囲気でいい時以外は使わないで、アイコンにしたほうがベターです。
「まっすぐコピー」の話は次回に回します。
神田:はーい。
豊間根:ということで、文字はYu Gothic UIとMeiryo UI、新聞を見習って太さと大きさで強調する。
色はまず白・黒・グレーで、塗りつぶし・濃淡で強調する。画像はアイコンと写真を使って、文字にイメージを足しましょうというお話をしました。
3つのカテゴリと6つのステップをお話ししてまいりましたが、すみません、時間が押しました。みなさん、こういう視点でプレゼン資料のことを考えることってあまりないんじゃないかなと思います。
問いを立てて答えを整理して伝わりやすくすると、みなさんの問題がどんどん解決していくと思いますので、ぜひ今日のお話を活かして、みなさんのプレゼンをうまくしていただければと思います。私からのお話は以上です。ありがとうございました。
(会場拍手)
神田:ありがとうございました。すみません、質疑応答をいただければと思うんですけど、今日はちょっと時間がオーバーしているので。
豊間根:すみません、押しました。
神田:1個だけ来ているので、そちらに答えてもらって終わりにしようかなと思います。
豊間根:お願いします。
神田:「豊間根さん、ありがとうございます。桃太郎パワポで最初のほうに出てきた桃の木の写真は、抽象的な写真でしょうか?」。この方、めちゃめちゃ見ていますね。ありがとうございます。
豊間根:鋭いですね。
神田:「なぜ載せる選択をしたか、教えてください」と。
豊間根:ありがとうございます。目次や扉に入っている、これのことですね。
おっしゃる通り、まず抽象的な写真です。そもそも桃太郎パワポは架空の話なので、具体的な写真はあり得ないんですけども。
入れる選択をしたのは、デザイン的に扉スライドなわけですね。扉スライドは、話の切り替わりを意識してもらう必要があります。
扉スライドは、最初に示した章の中の「今1個目が始まるよ、2個目が始まるよ、3個目が始まるよ」と頭を切り替えてもらう必要があるスライドなので、他の本文スライドとはレイアウトやデザインが少し違うスライドにして、「違う種類のものだよ」ということを示すことを意図しています。
それをする際に左側に全面的に大々的に写真を配置したくて、桃太郎なので桃を選んだというのが選んだ経緯です。別に桃の木の写真じゃなくて、桃を切って並んでいるシーンとかでもよかったわけです。だから、これがこの写真である理由はそんなにないですね。という感じでございます。
ただ、めっちゃマニアックな細かな話をすると、プレゼン資料とかでばーんと出す写真は、あまり主題が明確すぎないもののほうがいいですね。
桃が1個ぽんと載っているみたいな写真よりは、桃の木の遠景や街並みみたいのとか、集合写真みたいな。1個だけどーんと主人公があるみたいな写真だと、こういう背景っぽく使う時にはそぐわないことが多いので、あえて言えばそういう理由もあります。これはかなりマニアックな話です。
神田:ありがとうございます。では、オンラインはいったんここまでとさせていただけたらと思います。豊間根さん、ありがとうございました。
豊間根:ありがとうございました。
(会場拍手)
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