2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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SNSを取り巻く環境が著しく変化していく今。本セッションでは、コミュニケーションとマーケティングの原点に立ち返り、企業のSNS担当者が「今すべきこと」について語られました。本記事では、株式会社ホットリンクの鈴木脩平氏、サムライト株式会社の半澤弘幸氏、株式会社PLAN-Bの森山佳亮氏が、具体的なSNS施策やKPI設定のポイントについて解説しました。
森山佳亮氏(以下、森山):先ほど、(施策によって)どういう数字を見るべきかが変わってくるというお話もありました。このあと、今お話しいただいている内容をどのように再現していくか、うかがっていきたいと思います。
アカウントをどのように運用していくのかや、先ほどお話しいただいたKPIの部分ですよね。あと企業さまはかなりリソース配分に困っていらっしゃって、全部に対応するのは難しい。
今回のカンファレンスは、試したいと思える知識や本音をテーマにさせていただいております。SNSマーケティングのさまざまな課題をベースに、お話しいただきたいなと思っています。
WhatよりHowの部分になりますが、先ほどお話があったように、「SNS売れ」を作るロジックをしっかり体現していくために、半澤さまは、施作自体はどう行っていけばよいと思われますでしょうか。
半澤弘幸氏(以下、半澤):そうですね。まず「売上がほしい」「今まさに困っているんだ」というご相談を受けるケースがけっこうあります。ソーシャルの施策には、やはり時差があることは、最初に説明させていただいています。
ただ時差がある中でずっと待っていればいいのかと言うと、企業さまも待てないと思うんですよね。そんな時に、「この施策がどこに影響しているのか」という進捗がちゃんと見えるようにしてあげるのがまず大事だなと思っています。
次のスライドは参考例の一部で、売上の相関関係と影響を測ります。
例えば実際ECをやられてる方は、口コミを増やしたあと、それがどこに変数として現れて、どこにつながっていくのか。ちゃんとKPIとして設定をするのは大事だよと言われてると思います。それを体感して納得してやってもらうのが、かなり大事だと思いますね。
まずは口コミがどれだけ生まれたのかを追っていくことですね。これは短期ですぐ出てくる指標です。その中でも弊社は、Xの場合ですと「期待」とか「使ってみたい」「気になる」みたいな興味関心の口コミと、使ってみてどうだったかという、購入やレビュー系の口コミを、分けて考える必要があると思うんですよね。いきなり「期待」の口コミがパンッと生まれることはないので。
森山:そうですね。
半澤:特にXは、レビュー系を見て「ちょっといいかも」「自分も気になっていた」とか「自分も悩んでいたんだ」みたいに、「気になる」とポロっと言いやすい。「期待・認知・意向」は出やすいです。
まずここをしっかり追っていくところから始めます。そこができてくると、指名検索やサイトへの流入に現れてきます。弊社の場合ですと、指名検索のキーワードごとに、実際どのぐらいインプレッションが出たか、クリックはどうかみたいな、生々しい数字を追ってく感じになっていきます。
森山:(笑)。
半澤:特に新商品の場合は、そもそも検索されていないところからスタートするので。そこからどこを境に実際に指名検索が生まれるようになったのかもわかれば、お客さんが「もう数字に現れているよね」と安心できます。
森山:なるほど。
半澤:いくら口コミをがんばっても、例えばECサイトの設計や動線が悪いと、そこでCVR(コンバージョンレート:Webサイト訪問者のうち、問い合わせや購入などの成果に至った割合)が落ちてくるので。そこの課題の切り分けもしやすくなるかなと思います。
森山:なるほど。確かに。今おっしゃっていただいたように、それこそ新商品を作ってローンチをしていくタイミングは、いろんな企業さまに多くあるのかなと思います。このローンチのタイミングには、具体的にどういう施策をやったほうがいいんでしょうか。
半澤:やはりお客さまは商品を使ったことがないので、そもそもこれがいいのか分らない、というスタートラインだと思うんですよね。その時に大事になってくるのが、先ほども話した、話題化のきっかけになるゼロ起点。影響力のある人に発話してもらうのが、けっこういいと思うんです。そもそもその人が信頼されていることを、ちょっとお借りするイメージのほうが近いかなと思いますね。
森山:何か具体的な流れのイメージはありますでしょうか。
半澤:具体的な流れですと、コスメ商材はすごくわかりやすいです。メイクかスキンケアかで分かれてきますが、例えばスキンケアの場合は、ある成分を信頼していて、成分だけを追っているようなユーザーさんもいます。Xの分脈だと、この商品がなぜいいのかを「成分がこうだからすごくいいかも」と打ち出せる。
もちろん薬機法とかは気をつけないといけないですけど。そこができてくると、「あの人が言っているみたいだから」「あの人が言うんだったら、いいのかもしれないな」と、その周辺に広げていくのが、すごくいいかなと思いますね。
森山:なるほど。ありがとうございます。我々もインフルエンサーでプロモーションさせていただく時に、どういうインフルエンサーを使うのかはすごく気にかけますね。それがそのあとの口コミの作られ方に影響してくることもあるので。
例えば、今お話をいただいた「成分が売り」であれば、モデルさんみたいなインフルエンサーを使ってきれいなブランディングをするのも大事だと思うんですけど。それよりは成分をレビューできる人とか、成分にめっちゃ詳しい人たちに、屈託のないご意見と、その人たちだから言える知識をいただきたい。
「その人が言うからこそ納得感がある」というようなインフルエンサーをアサインしていきたいですね。その意味で言うと、一番はじめに誰にお話をしていただくのかは、かなり重要かなと思いますね。実際にインフルエンサーの口コミによって、そのあと出てくるUGCのかたちが変わるのは、ホットリンクさまでも意識されていますか?
鈴木脩平氏(以下、鈴木):そうですね。商品によってどんな口コミが出ているかを調べた上で、相性のいいインフルエンサーを起用します。ホットリンク(の例)で言うと「ジョンソンヴィル」というソーセージがあって。リロ氏というキャンパーのインフルエンサーの方がいらっしゃるんですけど、その方を起用した結果、ソーセージがボーンと売れたことがあったんです。
企業側は、世界観や起用するユーザーのコンテンツを、「ああして欲しい。こうして欲しい」と言いがちです。だけどそれを言わないで、インフルエンサーのいいコンテンツの中に商品を置きに行くと、その周辺の方たちが拡散してくれたり、口コミを出してくれたりします。いかにインフルエンサーのコンテンツの中に置くか、発話の仕方も影響しているのかなと思ってますね。
森山:なるほど。インフルエンサーのクリエイティブ自体も企業側がコントロールするべきだというものもあれば、目的によってディレクションのやり方も変わってくるのかなと思いますね。やっぱりUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)を作っていく目的だと、ある程度のベースの企画と、いつもインフルエンサーがお話をされている内容をしっかり踏襲していくのは大事という感じですかね。
鈴木:そうですね。
森山:なるほど。わかりました。ありがとうございます。では、そこからもうちょっとうかがえればと思います。先ほど、半澤さまにお話いただいたKPIですよね。指名検索を測っていくというお話もあったかと思いますが、具体的にどれを見るべきかは整理されていますかね。
半澤:「KPIのこれを見ろ」みたいなところで言うと、具体的なシートの一部のコピーをスライドに出しています。
森山:これはありがたい。
半澤:結局、どこまでCVに近いところの数字に寄与してるのかが、売上につながっている確証になるなと思っているので。
まず、ソーシャルだからと言ってサイト側のことを見ないわけではなくて、その販路の最終的なゴールをしっかり捉える。デジタルで追えるという意味では、ECとかサイトの情報は、GA(Googleアナリティクス)で取れますので。
GA側の情報や、サーチコンソール(Webサイトのパフォーマンスが分析できるツール)での指名検索のキーワードをしっかり追っていくところを、弊社ではやっていますね。
なのでソーシャル側から言うと、インフルエンサーの方に発話してもらって、拡散してもらうだけではやっぱり弱いので。ムーブメントみたいな話題性を作るのであれば、そこからXであれば第三者配信とか、Instagramであればパートナーシップ広告を使って、面で拡散していく。
森山:なるほどですね。
半澤:そうすると、単純にオーガニックで取れないところの拡散性が疑似的に作り出せるので、そこからキーワードに落とすかたちです。弊社の具体的なやり方は、商品名やその商品の差別化ポイントを、インフルエンサーに「ここだけは入れてください」とオーダーする。
それが施策後、アド(広告)を回した後にキーワードとして出てきているのかを見ていく感じです。
森山:なるほど。今、XとInstagramを入れていただいていると思います。口コミを見ていくのであれば、基本的にはXとInstagramは見ておいたほうがいいんですかね。
半澤:そうですね。あとは商材ですよね。ターゲットになるユーザーさんがどこのプラットフォームをよく活用してるのかも把握された上で、プラットフォームの選定をされたほうがいいかなと思います。
森山:TikTokでもうちょっと口コミしてほしいなと思っているのであれば、しっかりTikTokを追っていくのも選択肢としてはあるんですよね。
半澤:そうですね、ぜんぜんありだと思いますね。
森山:ありがとうございます。ホットリンクさまにもおうかがいしたいと思います。あらためて「SNS売れ」を作っていくロジックを体現するために、どのような施策をご提案されていらっしゃいますか。
鈴木:ホットリンクでは、口コミをいかに増やすかが至上命題になっています。どういう口コミを出すか、どういう人たちが口コミを出しているかの属性の把握がやっぱりすごく大事だなと思っています。
この属性の把握で言うと、先ほど半澤さんもおっしゃられていたように、口コミを見ることがすごく大事です。
どういう人たちが発話しているか、どういう人たちがエンゲージしてるか。どういう興味・関心のある人たちが自分たちの商品にも興味を持っているかを、エゴサーチをして把握することがまずすごく大事かなと思っております。
SNS運営担当者からすると、何かを投稿するってハードルがそんなに高くないというか。日々業務でやっているのでけっこう気楽にできると考えがちです。
けれど一般の消費者の方からすると、実はけっこうハードルが高いんです。例えばこれがすごくいいなと思っても「どうやって投稿しようか」とかでだいたい止まっちゃうんですよね。ここを突破することが口コミにつながるので、やっぱりすごく大事なのはユーザーに「こういう口コミを出してね」という例をアカウント運用で見せにいくことです。
鈴木:今資料でお見せしているシャトレーゼさんの事例だと、「レモン・ザ・スーパー」という、すごく酸っぱいアイスがあるんです。それをジンと炭酸で割ってかき混ぜると、すごくおいしいんですよ。
「こういうのを作ってね」と、アカウント運用で見せにいくと、一般の消費者の方で「私もやってみたよ」という方たちが出てきます。でもこれをやらないと、「あ、こうやって投稿したらいいんだ」という事例を、ユーザーが思いつかない。
こういうのを数多く投稿していくことがすごく大事です。そして出てきた口コミに、公式が「いいね」とか、リツイート(リポスト)をしにいくと、そのユーザーの方もそうですし、その周辺の方も「シャトレーゼさんって口コミを出すと反応してくれるんだ」となるので。
特にリツイートをしにいくと自分たちのフォロワーの方にも「こういうクリエイティブだったらリツイートしてくれるんだ」という認識を作れます。それを何回も繰り返していくと、徐々に口コミが増えてくる。
一方で、企業側からすると、このクリエイティブをすごくきれいに作ろうみたいな企業さんも……もちろんそのブランドにもよるんですけど。
クリエイティブも、ある程度一般の人が作れるぐらいのレベルのものを投稿したほうが、やっぱり口コミを出してもらえやすいです。リツイートとか「いいね」するものに関しても、きれいなものだけ並べてしまうと、「あ、このぐらいきれいじゃないと反応されないんだ」と思ってしまう。
そのへんはブランドのレベルによるんですけど、そのハードルを下げたほうが結果的にたくさん口コミが出てくる。そして口コミを出した人の周辺はもちろん、フォロワーにも知ってもらえるので、結果的に指名検索なり来店につながって売上が上がると考えて、日々支援しています。
森山:確かに。「投稿しようキャンペーン」みたいな感じで組まれていらっしゃるのはよく見るんですけど。そこまでしなかったとしても、日々の投稿の中でそういうヒントを与えてあげるだけでも十分だったりするんですね。
鈴木:そう思いますね。結局、「どういう投稿にしよう?」となった瞬間に、ユーザーは「よくわからないな」となる。「こういう見せ方で撮ってね」とか「こういう使い方があるんだよ」と日々見せることが、アカウント運営にとってはすごく大事です。
もちろんバズるコンテンツもすごく大事だと思うんですけど、一方でそれを頻発するのはなかなか難しいと思うんですよね。そう考えると、「こういうコンテンツを出してほしいんだよね」という思いを日々のアカウント運用で伝えにいく。
毎日エゴサして、出てきたものに関しては「いいね」「リツイート」をしてエンゲージをしにいって「もっと出してほしいんだよね」という雰囲気を作りにいくことが、結果的にUGCが増えることにつながると思います。ただ、さっき言ったようにコンプレックス商材とかになってしまうと、なかなか口コミが出てこないので。
森山:確かにそうですよね。
鈴木:コンプレックス商材の(UGCを)リツイートをしてしまうと、今度はそれを見せしめにしてしまう感じもある。ユーザーからすると「いやいやいやいや……」と思う。
森山:「内輪だけのはずが」となりますよね。
鈴木:そうそう。「内輪だけだったのにこんな3万人もいるフォロワーに見せられちゃうのかい」となったりするので。そのへんは若干のさじ加減は必要ですね。
森山:配慮が必要ですよね。なるほど、ありがとうございます。今、映していただいているスライドだと、右側のユーザーのツイートを、公式アカウントがリツイートすることによって、新しいUGCがまた生まれてくると。
鈴木:そうですね。周辺に伝播していって、「この商品に関して口コミをすると公式アカウントが反応してくれるんだ」とみんな理解をするので。
森山:なるほどなぁ。確かに。
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