2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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SNSを取り巻く環境が著しく変化していく今。本セッションでは、コミュニケーションとマーケティングの原点に立ち返り、企業のSNS担当者が「今すべきこと」について語られました。本記事では、株式会社ホットリンクの鈴木脩平氏、サムライト株式会社の半澤弘幸氏、株式会社PLAN-Bの森山佳亮氏が、SNSでの話題化が消費者の購買行動に与えるインパクトについて語りました。
森山佳亮氏(以下、森山):ここからは「SNS売れを作っていくには」という、これも大きなテーマになってくるかなと思います。
ちょっと前で言うと、「TikTok売れ」みたいな言葉が非常に流行ったように、SNSを起点として、購買をどう作っていくのか。コントロールという言い方をすると、なかなか難易度が高いお話かもしれません。そのあたりを深掘りしていければなと思っております。
私もいろんなお客さまとお話をさせていただいている中で、実際にSNSのご担当者さまが、非常にたくさんのタスクを抱えながら、本質的には「事業貢献も考えないといけない」とか。周りからは「フォロワー数、フォロワー数」と言われたりだとか、非常に悩みも多いのかなと思っております。
その中で、まだSNSマーケティングにそこまでご理解がいただけていない社長さまや上長の方からは、「売上につながっているのか」と非常に聞かれるのかなと思うんです。ホットリンクさまでは、SNSから行動変容を促し売上を作っていく時にどうすべきか、お考えはございますでしょうか。
鈴木脩平氏(以下、鈴木):そうですね。ホットリンクの考え方のベースとしては、広く認知を、しかも安く取ることが、まず根本の思想としてあります。安く認知を取る時には、口コミをいかにたくさん増やすか。結果的に口コミを出した人の周辺に情報が伝播していって、物を買ってもらうという行動変容になるだろうと考えております。
ホットリンクでは、ULSSASというSNSの行動フレームワークを提唱しております。
口コミを起点として、口コミを見た人たちが、それをインスタやXで「いいね」したりとか。しなかったとしても興味を持った状態になると、そのあとXなりInstagramなりのSNSでその商品を検索してみて、口コミが出ているかチェックしにいきます。
その口コミがすごく好意的なものであれば、今度はそれがどこのお店にあるのかとか、あとは実際にそのECサイトに行ってみようと、指名検索をします。結果的にECサイトなりを訪問したあとに物を買ってもらう。そして口コミを見て商品を買っている方なので、また(その人から)口コミが出るだろうと考えます。
その口コミを見た人たちが、また同じように「いいな」と思って、SNSで指名検索をして物を買う。それをぐるぐる回していくことによって、結果的に口コミがどんどん増えていくんじゃないかなと考えて、支援をしていますね。
森山:例えばドラッグストアで実際に売れてるシャンプーも、パッと口コミを調べると、本当に驚くような量が投稿されていることがありますよね。一般的に「本当にこれに口コミを投稿するか?」と思うようなものでも、SNSを眺めてみると、実際はかなりの量の口コミが投稿されていることが非常に多いです。
鈴木:多いですよね。あとすごく大事だと思っているのは、広告を出すと、もちろんその瞬間は口コミが増えるんですけど、広告が終わってしまうと口コミが減ってしまうので。
この口コミをいかに緩やかに増やしていくかで、結果的にそのSNSの支援におけるROI(Return of Investment:投資収益率)が高まると考えています。あとは、(口コミの数は)緩やかに上がっていくものなので、企業さんが我慢できるかが、大きなポイントになってくるかなと思いますね。
森山:確かに。ここは短期的ではなく、中長期的に見ていかないといけないんですね。ありがとうございます。実際にホットリンクさまで取得されているデータを見てみましょう。ちょうどこの(スライドの)グラフで言うと、青の折れ線のところがツイート件数で、結局これはどういう図になるんですか?
鈴木:このグラフの見方は、黄色い縦棒グラフが販売金額、売上ですね。POSデータです。青い折れ線グラフが、特定のブランドのキーワードが入ったツイートの件数ですね。赤い折れ線グラフは、Googleトレンドなので指名検索だと思ってもらえればいいです。
やはり口コミを先に増やしていくと、ユーザーがその商品を検索しにいって、結果的に物が売れ、グラフも緩やかに右肩上がりになっています。口コミが増えると指名検索が増えて、売上が増えるというお話をさせていただいていますね。
森山:ありがとうございます。ポスト数がビューンと上がった瞬間があると思うんですけど、そこで指名検索がちょっと伸びたんですね。
鈴木:そうですね。
森山:売上も伸びる感じですね。あのビューンと伸びた2~3ヶ月後に、(売上の棒グラフに)もうひと山きていると思うんですが、若干遅れというかリードタイムも出て、あとでグっと効いてくる感じ。
鈴木:やはり口コミを見た後に、すぐ買う方もいらっしゃいますし、その時は買えない方もいらっしゃると思うので、タイムラグは発生してきます。でも大事なのはこの口コミがゆるゆると、上がったり下がったりを繰り返しつつも、結果的に右肩上がりにしていくことで、その周辺の多くの人たちに情報が伝わってくると思うので。
単月の売上も大事ですけど、それが上がり下がりしつつも右肩上がりになっていることがすごく大事かなと思います。
森山:確かに。よく言われる、売り切れマーケティングではないですけれども、口コミがバーンと上がった瞬間に、ドラッグストアから品物が消えて、みんなが「ないない」と言ってけっこう騒いで、そのあと卸された瞬間に、またぐわっと売れることもよくあります。あれも1つの口コミというか、UGC(User Generated Content:企業側ではなく一般ユーザーによって制作・発信されるコンテンツ)みたいな感じですか?
鈴木:そうですね。
森山:なるほど。確かにこれも、そういうのが起きたのかなぐらいの(口コミの上がり方の)グラフになっています(笑)。でも口コミと売り上げの連動の仕方だったり、口コミがこれぐらい量が出てくるものって、けっこう商材によって分かれるというか。全部が全部こういう感じでもないんですか?
鈴木:そうですね。やはり商材によっては、口コミが出ないものがあったりします。ホットリンクでは、「三枚おろし理論」という考え方があります。1つ目は口コミがあるかどうかですね。その次に指名検索があるかどうか。この2つが揃っていれば、もう確実に口コミを増やすことができる商材であると考えています。
次が、口コミがなくて指名検索があるもの。興味があるから指名検索されているので、コンテンツなり、キャンペーン等で口コミを増やすことで、結果的に口コミが増えるだろうと考えています。
鈴木:3番目の、指名検索がなくて口コミがない状態。これはそもそも商材によっては、もう知られすぎていて口コミがないパターンもありますし、ぜんぜん知られていないパターンもあるので、これに関してもけっこう広告で押して認知を広げるとか。
それこそ企画もので芸能人の方を使ったりして、アプローチをしていかないといけないと考えているので、やはり3番目が一番費用がかかるし、口コミがあって指名検索のあるものに関しては、そんなに費用をかけずに口コミを増やせるのかなと思っています。
何でもかんでも口コミで行きたい気持ちはわかるんですけど、大事なのは、自分たちの商材がどれに当てはまるのか考えていただくことで。当てはまったものの戦略は何なのか、ぜひ本で読んでいただけるといいかなと思います。
(一同笑)
森山:なるほど(笑)。でも例えば口コミがなくて指名検索があるグループで言うと、それこそコンプレックス商材。テレビCMとか、テレビ通販とかでされて、みなさん気になって指名(検索)はあるが、それをみんなに教えたいかと言うと、そうではないみたいなこともけっこうあるかなと思うんですけど。コンプレックス商材になってくると、けっこう難しかったりするんですか?
鈴木:そうですね。やはりコンプレックス商材に対して口コミをすることは、友だちとかに「私、こういうことで悩んでるんだ」と開示してしまうことにもつながるので。すごく信頼してる友だちだったらいいのかもしれないですけど、なかなか開示しにくかったりすることを考えると、口コミは非常に出にくくなってしまうかなと思いますね。
森山:じゃあそのバイアスもけっこうある感じですね。
鈴木:そうですね。
森山:なるほど。整形とか最近徐々にオープンになってきていますよね。
鈴木:それはたぶん、「それ、もう言っていいじゃん」というマインドに振り切れているか、「いやいや」というマインドで、大きく二極化しているのかな。
森山:まだまだこれからかもしれないですね。ありがとうございます。ちなみにサムライトさまでは、クライアントさまのSNSのご支援が非常に増えてきているのかなと思うんですけれども。今お話しいただいた行動変容と売上について、施策のご提案はどんな感じで進めていらっしゃいますか?
半澤弘幸氏(以下、半澤):そうですね。先ほど鈴木さんからもお話があった口コミについて話します。「口コミが生まれている状態はどういうこと?」と言うと、SNSで話題化されている状態です。SNSで話題ということは、可処分時間もおのずと取れていることになるので。
そうなってくると、XだったりInstagramで、わりとどこのプラットフォームに行っても、特定の商材の口コミが出ている状態が一番理想的です。弊社でご支援する時にはこういったことをご紹介させていただきます。
じゃあそのプラットフォームの中でどうやれば口コミが広がるのかを、もうちょっと細かくお客さまに理解していただきたいなと思っています。この左側の図が、まさに口コミの伝播の簡略図です。
最初はキーとなるような、インフルエンサーとか影響力がある方にまず投稿、発話してもらう。その方を参考にしているオピニオンリーダーみたいな方が、周りにクラスターで点在していますので、その方がまた拾う。
その方に何度も何度もこの商材に接触させることによって、「あ、これ流行っているのかな」と気にさせる状態が作れるんですよね。さらに、それを参考にしている、もうちょっと受け身の方々に届ける。
この(スライドの)図で言うと、例えばXの中で口コミの広がりがある。さらにInstagramの中でもある。YouTubeでもこの商材を見るようになってきたら、おのずと「これ、ちょっと最近よく見るな」というところまでは描けます。
森山:そうですよね。
半澤:そこから「これ、いいのかな」と思わせるには、商材の特徴や商材の個別的な優位性をピックアップして、それをインフルエンサーに抽出して紹介していただくのがいいのかなと思うんですよね。
森山:なるほどですね。ありがとうございます。「卵が先かにわとりが先か」という話かもしれないんですけれども。話題化の起点になっているのは、お金で雇っているかどうかはさて置き、やはりインフルエンサー発信が多かったりするんですかね。
半澤:やはりそうですね。特にXがそうですが、「この人はいい情報を流してくれるな」と思ったら、たぶんみなさんもフォローされるかなと思うんです。
その人の情報が欲しいからフォローする。その方が何度も言っていて、別の方も言っていると、もうその時点で、ある程度信頼度が得られている状態です。InstagramとかYouTubeとかでも(口コミを)見ると、「ちょっとこれ気になるな」という状態にいけるのかなと思います。例えばそれが店舗にあれば、友だちに(口コミをして)リアル口コミが生まれるところまで、描けると思いますね。
森山:ありがとうございます。指名検索したりいろんなものを経由して、実際に口コミが売上にひもづいていくと思います。具体的にインパクトをしていく流れはどう整理しておけばいいですかね。
半澤:そうですね。まず売上。そもそも「売上ってどんな構成要素になってるの?」という話をします。弊社では大きく2つに分けられると見ています。スライドを見ていただくとわかるんですけど、大きく言うと、初めての人が「いいと言われているから買ってみる」という「トライアルの売上」と、もうそれを使っている人が「気に入っているから何度も使っている」という、「リピート売上」の2つに分類されると思います。
弊社で相談されるケースでは、まずこのトライアルの売上について「潜在層にタッチポイントを作って売りたいんだよ」と言われることが多いですね。
そうなってきた時に、各ソーシャルメディアのアカウント運用とか、口コミを生むような施策はどこに起用するのか。お客さんも「これをやったから、いつから売上が上がるのかな」と楽しみにされても、実際そこには時差もありますし。どこに影響しているのかを理解した上で、ご検討いただきたいなと思います。
森山:なるほど。
半澤:そこで言うと、今スライド内で赤字になっている口コミは、やはり大きく2つのポイントに寄与するかなと思います。弊社では中長期の施策としている、想起を狙えるような……例えばZMOT(Zero Moment of Truth:顧客が何を買うかは来店前にすでに決まっているという理論)と言って、購入前の検索時に思い出してもらう心理作用。
あとはその商品の陳列棚やECサイトを開いている状態で、「あ、これいいかも」と最終的な決め手になる作用。この2つの要素があると思います。口コミと言われる施策の中では、この2つの要素に寄与すると見ているので、今度はそれぞれ見ていく指標が変わってくるんですよね。
森山:へえ。なるほど。
半澤:最終的にはCV(コンバージョン、成果)とか、購入数とか売上を見ていくんですけど。その前段階に、例えば途中まではいい感じにいけたけど、最後のCVで……というケースもあるので。そこの切り分けをしやすいように、この施策がどこに影響するのかを簡単に視覚化したのが、この(スライドの)図になっています。
森山:口コミがよりそこにインパクトしやすいんですね。だからECの方に流れを作っていく意味では、アカウント運用とかアンバサダーが主になってくる感じですね。
半澤:そうですよね。最終的にECとか店舗で口コミをパッと見てみるのは、けっこうどっちにも効くかなと思うので、そこがまさにこのFMOT(First Moment of Truth:消費者が売り場で最初に商品を目にする瞬間)ですよね。
森山:なるほど。そういった投稿を見てECにやってきて、いろいろ検討している時に、押しの一手でバーンと口コミが入ってきて、それが最終決定要因になっていくことは確かに十分ありますね。むしろ自分の今の購買行動を考えてみると、かなりありますよね。
半澤:たぶんいろんなシーンでこの行動は起きてるんだろうなと思うと、やはり口コミの重要性が高いのかなと思います。
森山:わかりました。ありがとうございます。
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