2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
第905回 仕事に役立つABC「職務経歴書を毎年書こう」(全1記事)
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熊谷翔大氏:長い人生において、キャリアについて考えることは誰もが経験するはずです。もちろん転職といった節目のタイミングで、しっかりキャリアを考えることもあるかと思いますが、転職以外の場面でも日々「本当にこのままのキャリアでいいんだろうか?」と、悩むことは少なくないかと思います。
そこで気をつけたいのは、「なんとなくキャリアを考えるのはけっこう難しい」ということですね。しかし、キャリアを考えるための具体的なアクションがない中では、なんとなく考えてしまいがちです。
そこで、具体的なアクションの1つとして非常にいい方法だと考えているのが、今日のテーマの「職務経歴書を毎年書く」です。これは決して転職の勧めではないので、ご理解いただけるとうれしいです。
最初に質問なんですが、あなたは職務経歴書を書いたことはあるでしょうか? 転職経験がある方は、その時に書いているかもしれません。では、転職経験がある方は、最後に職務経歴書を更新したのはいつでしょうか? もしかしたら、転職してから一度も書いていないという方も少なくないかもしれませんね。
職務経歴書は、これまでの業務経験と仕事で活かせるスキルを確認する書類なので、もちろん転職する時に書いて使うものです。なんですが、転職する時だけに使うのは非常にもったいないツールだなと、私は考えています。
転職するか・しないかにかかわらず、毎年書くのが一番良い使い方だと思っています。私も転職して丸4年になるんですが、毎年書くようにしています。
過去と未来の2つの観点から、職務経歴書を毎年書く2つのメリットについてお話しします。
まず1つ目は過去の観点ですが、「これまで自分がやってきた仕事、スキルを経年変化で捉えることができる」というメリットがあります。職務経歴書は何十枚も書けるわけではないので、これまでやってきた仕事をある程度抽象化してまとめる必要があります。
そして「抽象化してまとめる」というプロセスなんですが、「こんな仕事をしてきました」と事実だけを書くのではなくて、「こんな仕事の問題を解決するために、こんなことをやってきました」と、目的まで言及するのが良い方法です。
うまく抽象化して、やってきた仕事の目的まで考えて書く。それができれば、自分のキャリアにおける特色や強みがわかってくると思います。
そして、毎年職務経歴書を書くことによって、特に直近1年間でどんな変化があったのかがすぐにわかります。直近1年でいいチャレンジをしている方は、はっきりと職務経歴書に変化が表れますし、一方でそうでなければ「うわ、1年前と何も変わってないじゃないか」と、気がつくことができます。
続いて2つ目が、未来の観点でのメリットなんですが、「今の仕事を続けて、自分が実現したい状態に向かっていけそうかを考えやすくなる」です。
職務経歴書を書くと、「こんなふうに書けたらいいのにな」「ここが足りてないな」というのがわかります。その足りていない差分こそが重要なんですが、特に向こう1年ぐらいの間にやろうとしている仕事で、その差分が埋められそうかを考えることが大切です。
もし今のままではその差分が埋められなさそうであれば、環境を変えたり、何より自分のスキル・能力を高める努力をしたり、何かしらのアクションが必要だと思います。いずれにしても、職務経歴書を踏まえて、しっかりと自分の近い将来に目を向けて考えることが何より大切です。
ということで、職務経歴書を毎年書く2つのメリットをお伝えしました。1つ目が過去の観点で、「これまで自分がやってきた仕事、スキルを経年変化で捉えることができる」。2つ目が未来の観点で、「今の仕事で、自分が実現したい状態に向かっていけそうかを考えやすくなる」という話です。
いかがでしたでしょうか。職務経歴書には1つだけデメリットというか、大変なところがあるんです。それは、真面目に書こうとすると時間も労力もけっこうかかることですね。もちろん、必要な労力だとは思いますが。
もしあなたが「今は腰を据えて書く時間がないな」ということであれば、年末年始などのまとまった時間を取れるところに、今のうちから「職務経歴書を書く、更新する」とカレンダーにスケジュールを入れておいていただけるといいんじゃないかなと思います。
決して転職のためではなくて、自分自身のキャリアを客観的にしっかりと考えるために、職務経歴書をうまく使っていきましょう。それでは、今回はここまでです。本日もすてきな1日をお過ごしください。
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