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第881回 仕事に役立つABC『部下の言葉を聴く勇気』(全1記事)

職場で毎日16時に「どう?」と声をかけて回るようになった上司 マネージャーの変化がチームにもたらす好影響

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル「ちょっと差がつくビジネスサプリ」。本記事では、部下の言葉を聴く勇気について語られました。 ■音声コンテンツはこちら

職場で毎日16時に「どう?」と声をかけて回るようになった上司

熊谷翔大氏(以下、熊谷):今日は「部下の言葉を聴く勇気」がテーマです。この放送を聴いておられる方の中には、部下、そしてチームメンバーを抱えて仕事をしている方がたくさんおられるかと思います。もちろんそうでないあなたも、近い将来、何かしらマネジメントの立場を担うことになるのではないでしょうか。

マネジメントの仕事、いわゆるいいチームを作って成果を出す仕事においては、どうやって部下、メンバーとコミュニケーションを図って、いい関係を築いていくことが何より重要で、難しくてやりがいのある仕事なのではないでしょうか。

私自身もメンバーと一緒に仕事をさせてもらっていて、うまくいくこともそうでないこともあります。だからこそ、「もっといいマネジメントの方法がないかな?」と、本を読んだり人からアドバイスをもらったりということを日々やっています。

今日は、私が日々試行錯誤をする中で、グロービス経営大学院の講師の方から聞いた話で、実践して良かったと思う方法をご紹介します。

それは、ある管理職の方が、毎日16時に「どう?」と職場で聞いて回るようになったという話なんですね。職場のメンバーは急に「どう?」と聞かれるものですから、びっくりして「特に何もないです」みたいな反応だったと。

それでも毎日夕方16時に「どう?」と聞いて回っていると、メンバーも「どうやらこの上司は、毎日16時ぐらいに『どう?』と聞いて回っているんだな」ということがわかってきたようです。

それを繰り返しているうちに、メンバーも「困っていることをしゃべっていいんだ」という感じになって、コミュニケーションがどんどん円滑になり、結果的に職場もその上司の仕事もうまく回るようになったというエピソードだったんですね。

今のは一例ですけど、その講師の方いわく、「うまく回っている職場の管理職やマネージャーは、けっこう似た動きをしている人が多い」というお話でした。あなたは今のお話を聞いて何を感じたでしょうか? もちろん正解はないので、いろんな捉え方・考え方があっていいと思います。

「どう?」の声かけで得られた2つの効果

私はこの話を聞いて「けっこうおもしろそうだな」と思って、毎日はできていませんが、週に1回のメンバーとの30分の1on1の時に「どう?」と聞くようにしています。かれこれ2年以上続けています。

実践してみてどうかというお話ですが、やっていて「いいな」と感じています。理由は大きく2つありまして、1つ目は「メンバーとのコミュニケーションがしっかり図れる」ということですね。

「この上司は話を聴いてくれるんだな」という認識を持ってもらえるだけで、「信頼してもらえているな」と感じます。それだけで十分価値のあることじゃないかと思います。

2つ目は「特にネガティブな話が早いタイミングで耳に入ってくることが増えた」というところです。困っていることとか、それこそ上司に対して不満に感じていることなども、時にはストレートに直接伝えてくるようになってきたと感じています。

人間ですから、ストレートに言われると正直つらいこともあります。それでも問題が大きくなってから耳に入ることに比べたら、先んじて手を打つことができるので、これ以上ありがたいことはないと感じています。私自身も「メンバーに本当に感謝だな」と日々感じています。

ということで、私自身の経験も踏まえつつ、グロービスの講師から教えてもらったお話をさせてもらいました。少しでも「参考になりそうだな」と思っていただいたのであれば、ぜひ今日から「どう?」と、部下、メンバーに声をかけていただくといいかなと思います。

最初は、うまくいかないこともあるかと思います。でも、それでいいですよね。もしあなたが心を込めて声をかけ続けることができれば、きっと自分からコミュニケーションをとってきてくれるメンバーもが少しずつ出てきてくれるのではないでしょうか。

そして、部下、メンバーの言葉を聴く時に大切なのが、今日のタイトルにもある「勇気」ではないかと思います。素直に話を聴き、時には苦言も聴くというのはつらいこともあります。ですが、まずはリーダー、マネジメントを担うあなたが勇気を持って一歩を踏み出すことが、いいチーム作りにつながるのではないかと思います。

職場のマネジメントに日々奮闘するあなたを、私は心から応援しております。ぜひ一緒に前に進んでいきましょう。今回はここまでです。

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