2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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ChatGPTなどの生成AIが個人のキャリアに大きな影響を与えると言われる今。本イベントは、そうした技術革新が進む中でどのように生き抜くべきか悩んでいるミドルキャリア世代に向けて開催されました。本記事では、『生成AI導入の教科書』の著者で、AI専門メディア AINOW編集長の小澤健祐氏が、ミドルのキャリア自律や生成AIの力を最大限に引き出す方法について解説します。
小澤健祐氏(以下、小澤):私のパートは以上とさせていただき、ライフシフトラボでキャリアコーチをしている山岸さんとお話をしていけたらと思います。ふだんは45歳以上の方のキャリア相談にのっているんですかね? 簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?
山岸博幸氏(以下、山岸):はい。山岸博幸と申しまして、現在59歳でございます。2021年12月から45歳からの実践型キャリアスクール「ライフシフトラボ」のトレーナー、高校生のキャリア支援や企業研修のテクニカルサポーターなどをやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
小澤:まず最初に今の私の話を聞いて何か思ったことなどあれば、うかがいたいのですがいかがでしょうか。
山岸:そうですね。まさに私もこの年齢ですので、「AIで仕事を奪われる」とか「対人支援業務はどうなるのかな?」みたいな不安もありました。でも学んでいくうちに、ソフトスキルといいましょうか、「うまく使いこなすとパワーにもなるな」と感じたので。
どうやって活かしていくかを考えることで、自分自身もそうなんですけど、ミドル・シニアの経験がメタの部分に活かせる。逆にチャンスがたくさんあるんじゃないかなと感じ始めております。
小澤:ありがとうございます。ちなみに生成AIは掛け算の技術だと思っていまして。例えば何もない人が生成AIを使ったら、いわゆる一般的な評論家っぽい企画書しかできないし、それも色がないものができてしまうと思うんですね。
ただ中身がある人、何かしら持っている人と掛け合わさった時に、(生成AIは)その価値が何倍にもなっていく技術だと思っていて。そのあたり山岸さんはどのように感じられているか、うかがってもいいでしょうか?
山岸:先ほど小澤さんのお話にもあったんですけど、現場で使えることが大事だと思います。現場で起きている課題を明確に伝えてあげると、ちゃんとした答えが返ってきますし、そこが曖昧だと不明確な答えが返ってくる。
そのへんの使い方、「問いかけ力」と言いますかね、いわゆるプロンプト(ユーザーが入力する指示や質問)ですけど。今までミドル・シニアの方の培ってきた文章作成などのご経験と「どういう指示をするといい反応が返ってくるか」が結び付くと、いいやりとりができるんじゃないかなと自分でも感じています。
小澤:本当にそうですね。けっこうみなさん、ChatGPTと言うと「普通の文章を入力すれば」と思っている方も多いとは思うんですけど、実はそうではなくて。「こんな文脈で、こういう目的の下、こういう条件で、こういうアウトプットを出してください」と指示をしないと、ChatGPTは質のいいアウトプットを出してくれないんですね。
ただ「こういう文脈で、こういう条件で」とやってほしいことの要件を細かく定義できる力は、実は若い世代には意外と難しいところもあると思うんです。ふだんから山岸さんは、ChatGPTに入力する文章(プロンプト)の勉強会にもけっこう参加されていると思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
山岸:実際に学ぶことによって、正しい使い方が理解できてきました。今小澤さんもおっしゃった通り、そこが曖昧で指示がしっかりしていないと、自分の期待する答えが出てこないと思うんですよね。
小澤:ちなみに山岸さんは今59歳ということですが、2023年から生成AIについて学習を始められたんですか?
山岸:一応この仕事をしている関係もありまして、少し前から(生成AIの)動きには敏感になってはいたんです。最初はちょっといじるぐらいだったんですけど、いろいろな方のお話を聞いて調べていく中で、指示の仕方がすごく大事かなと。
あと「ここを避けてしまうと、今後非常に苦しくなるな。早く正しいやり方を知らなきゃいけない」と感じましたので、ちょうど9月くらいから実際のスクールに行き出した感じです。
小澤:なるほど。じゃあそのスクールに行って、実際に生成AIの活用スキルを学んで、「こんな変化があったよ」というのがあったらぜひうかがいたいなと思います。
山岸:そうですね。実際のご相談内容に応じて「どういうアドバイスをしようかな」という時に使わせていただいたり。相談者の方が(生成AIを)使っている場合は一緒に見比べて、「こんなやつが出ましたね」「僕がこんな問いかけをしたら、こんなことが出ましたよ」と。逆にそこがカウンセリングの場面になることもあります。
実践にも役立つと言いますか、助かっています。あと正直に申し上げたら、SNSの投稿文の原案を作るのにも使っています。
小澤:実際に現場でも使ってみてご自身のアウトプットや市場価値が上がっている感覚というか、「仕事(をこなせる)量が増えたな」といった感覚はありますか?
山岸:まず対話がしっかりできたり、使う上での課題をしっかりとお話しできるようになりました。
例えば原稿や要約、案を作る時は、骨組みだけでもしっかり出てくるので、非常に時間短縮になります。ヒントをもらえたり、違った視点が返ってきたりしますし、骨組みがある程度見えてくるのでとても役に立っている実感を得ています。
小澤:ありがとうございます。今日はミドル・シニアの方々のキャリアということで、こういった話もさせていただきました。
僕は「クリスマスツリー化現象」と勝手に名付けているんですけど。山岸さん的には、実際に生成AIを使われてプレイヤーが要らなくなることについて、何か感じることはありますか?
山岸:そうですね。「仕事がなくなる」「奪われる」などのDXとリスキリングがごっちゃになってしまっているお話もよく聞くんですけれど。自分もマネジメントレイヤーで使いこなせますし、より良いアウトプットを出すために、部下とどうやって議論ができるかにもつながってくるかなと思います。
これからは、現場と開発者の中間的な役割も非常に大事になり、マネジメントレイヤーが求められるかと思います。そうなると、ミドル・シニアの方のほうが業界知識や今までの実践知を持っていらっしゃるので、逆にパワーを発揮できるんじゃないかなという気がします。
小澤:山岸さんも前に大きな営業組織を持っていらっしゃったと思うんですけど、マネジメントレイヤーって、すごく学習しづらいものだと思っているんですね。
例えば20代、20歳、25歳で、大きい会社で数十人を束ねた経験がある人はほぼいないと思います。起業をした場合、何十人かをマネジメントして会社を大きくしちゃったという20代はいるかもしれないですが、一般的に20代ではそんな何十人もの組織を持っている人はいないと思うんですね。
ここ(マネジメントレイヤー)のスキルを得ることの難しさもあるし、生成AIで組織を作ったりマネジメントしたりするのは、まだまだ難しい部分だなと思うんです。おそらく今までマネージャーもされてきた中で(山岸さんが)感じることがあったらうかがいたいなと思うんですが、いかがでしょう?
山岸:そうですね。一人ひとりをどう捉えるかがすごく大事かなと思います。もしかしたら(生成AIで)性格検査ができちゃうかもしれないですね。「このタイプはこう扱えよ」「こう対応したほうがいいよ」みたいな。
小澤:確かにそういうところでは使えるかもしれないですね。組織マネジメントに部分的には使えるところはあるかもしれないですが。
山岸:そこでは使えるかと思うんですが、その答えを聞いた時にどう思うか。やはり人間は、正しいことを言われたからすぐに言うことを聞けるかと言うと、そうでもなかったりね。
あと、日々の細かな見えない部分でどういう動きをしているか、表情の違いとかですね。そこを敏感に見ていくことも、部下との関係にはとっても大事なことだと思います。だからそのへんは、AIではなかなか取って代わられない部分ではないかなという気もしますね。
小澤:ありがとうございます。もう45分なので、少し終着に向かっていければと思います。今ライフシフトラボでも、リスキリングやキャリア自律の重要性をみなさんにお伝えをしている中で、ただ単にITのスキルを新しく得るんじゃなくて、「今まで自分の中にあった価値を再認識しましょう」というお話をされると思うんです。
これからは、みなさんもITのスキルを習得する以上に、まずは「自分にしかない価値は何か?」を認識する。そこに生成AIを掛け合わせていけば、ミドル・シニア世代は本当に無限の可能性があるなと思っています。キャリア自律についていろいろとお話しされている山岸さんのご意見をうかがえたらなと思うんですが、いかがでしょう?
山岸:新しい世界に行くとすごく刺激になりますし、「AIの活用をどうしているのかな?」と実感し、肌感覚を持っていただく。当然学ぶことも大事なんですが、実際に外に行ってみるのもすごく大事かと思いますね。先ほど小澤さんがおっしゃった、生成AIのコミュニティに入ってみるのも、いろいろな方と会話ができてすごくおもしろそうかなと。
「自分自身の強みはどういうことなのかな?」ということと合わせ技にすると、自分が本当にワクワクできるところ、結果としてリスキリングにつながる経験になっていくかなと思いますし。
生成AIを知ること、世間の動きを知ることによって新しい刺激を受けたり、マネージャーとして現場で活躍するイメージを持てたり、そういう機会にもつながっていくとすばらしいのかなという気がしますね。
小澤:ありがとうございます。
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