CLOSE

40分で有識者から『SNS×AI』の要点を吸収する会(全3記事)

「AI関連の情報、多すぎる問題」一晩でも“浦島太郎”状態に… SNS×AIのプロたちがすすめる情報収集のノウハウ

SNSサミット 2023 presented by SAKIYOMIでは、これからの時代を生き抜く武器である「SNS」について各媒体の先駆者をゲストに招き、マーケティング、デザインなどあらゆる場面で必要とされる「SNS思考」について語られました。本記事では「40分で有識者から『SNS×AI』の要点を吸収する会」のセッションの模様をお届けします。本記事では「AI関連の情報、多すぎ問題」と題し、情報収集におすすめのツール活用法などを明かしました。

AIは、人間にはできない「ありえへん組み合わせ」を思いつく

樋田洋斗氏(以下、樋田):もう1個インスタ絡みの話なんですが、僕はSAKIYOMIの創業メンバーなんです。その中で一番苦労したのが「コンテンツのネタ思いつかん問題」。絶対にAIで解決できるやろと思っているんですが、知らんツールを掛け合わせて、ネタ探しみたいなことをできたりしないんですか?

茶圓将裕氏(以下、チャエン):ネタもChatGPT一択かなというか。基本、文章系はChatGPTのAPIを使ってツール作られているので、大元を作ったほうが早いという話です。

人間のクリエイティビティって、しょせん過去の経験の一部でそんなに創造性はないので、AIのほうがありえへん組み合わせを考える。それでいうと、クリエイティビティやネタ出しとかはChatGPTでいいんじゃないかなと思います。

樋田:ありがとうございます。木内さん、あります?

木内翔大氏(以下、木内):そもそも画像系のSNSだとしても、情報提供型の運用なのか、エンタメ寄りの運用なのかでぜんぜん違うと思うんですが、さっきの話はわりとエンタメ型の話で、ネタとおっしゃっているところは、たぶん情報提供型の運用の話かなと思っていて。

生成AIの相性がいいのは、今は情報提供型のSNSのほうが運用しやすいなと感じています。僕らも、XでAIの情報提供をしている情報提供型でやっていますが、そういうのはテキストがメインコンテンツになってきます。ChatGPTやテキスト生成のツールは豊富に実用的なものがあるので、それを使っています。

ChatGPTのネタだしの精度を上げるコツ

樋田:ChatGPTでネタ出しをしていくと、出てくるやつが「ありきたりだな」というものに陥っていくんですよ。「もう一癖」とか「その観点なかったわ」みたいなものを、どうやってChatGPTに吐き出させたらいいんですか?

木内:まず、ChatGPTにありきたりだということを伝えて、ちゃんとフィードバックすることが大事になってきます。あとは新規性とか、ありきたりじゃない要素は何なのかをしっかり定義する。

プロンプトエンジニアリングの基本的な考え方としては、しっかり要件を定義していくこと。「要件」とか「変数」という言い方をするんですが、要望をちゃんと定義していくと品質が上がっていくので、「ありきたりなアイデアを出さないで」「もっとポジティブな言い方で新規性の高いアイデアを出してください」とかってやると、当然(新しいアイデアが)出やすくなってきますね。

樋田:わかりやすくストレートに、「ありきたりなやつはやめて」と言ったら、ChatGPTは避けてくれるんですか?

木内:そうです。そもそも(人間は)指示をせず、抽象的な指示を出しちゃうじゃないですか。基本的に今の生成AIは人と一緒なので、ちゃんと指示をすれば動いてくれるので、それがプロンプトの一番のコツになってくるのかなと思います。

樋田:なるほどですね。

プロのプロンプトを応用するという手も

樋田:具体度の高いプロンプトを入れ込むためのフォーマット、定義づけという話もあったじゃないですか。「こういう定義づけが必要だ」みたいなフォーマットってあったりするんですか?

木内:そうですね。それがプロンプトエンジニアリングとか、プロンプトデザインと言われているものですが、今言ったように「要件を明確にしましょう」「構造化しましょう」「役割を与えましょう」というかたちです。

役割というのは「あなたはプロのInstagramの運用者です」とか。役割を与えるとか、いろんなTipsがあって、それでかなり具体的な長文のプロンプトを入れて動かすというのが1つのやり方です。

樋田:ありがとうございます。チャエンさん、何かあります?

チャエン:そうですね。例文を出すのが簡単かもですね。定義とかはけっこう難しいと思う。具体例を出して「これっぽいものを作る」と言うか、量で「100個出せ」「500個出せ」と、圧倒的な量で凌駕する。

理想は、うまい人のプロンプトを見てコピーする。今、シュンスケさんやシリさんの2人は圧倒的かなと思います。けっこう仲がいいんですが、1個のプロンプトを作るのに数時間で1,000回とか、プロってそのレベルなので。彼らのプロンプトのテンプレを使って変数を変えたりすれば、サクッとできるかなと思います。

樋田:めちゃおもしろいですね。「こういうアウトプットを出してくれ」という例文を書くということですか?

チャエン:そうですね。

樋田:へえ!

チャエン:一番手っ取り早いですね。

樋田:なるほどな、確かに。それに寄せて出してくるということですもんね。めちゃおもしろいです。ありがとうございます。

どんなSNS運用でもカギになるのは「文章生成」

木内:あと、ここで言っておいたほうがいいと思うんですが、プロンプトのところでいうと、まずはどんなSNSを運用するにしても、今話したような文章生成がカギになってきます。その場合、ChatGPTがどこまで使えるかって話になってくると思います。

「ChatGPTの使い方ってプロンプトエンジニアリングだよね」となっちゃうんですが、さっき言ったように、プロンプトエンジニアリングって構造化したり、例文を出したりとか、けっこう大変なイメージがみなさんもあると思うんですね。

そこで1つおすすめしたい、これだけはやっておいてほしいなと思うのは、ゴールシークプロンプト。ゴールシークプロンプトというと、けっこう難しいプロンプトという印象が強かったりするんですが、ゴールシークプロンプトは別名「プロンプトを作るプロンプト」と言われていて。

ChatGPTが要望を聞いて自分で作ってくれて、最適なプロンプトで処理してくれるプログラムなので、ゴールシークプロンプトをコピペして打って、ChatGPTの質問に答えていると、適切に処理してくれるというふうになっています。

さっきのシュンスケさんという方が、ゴールシークという発想をしてゴールシークプロンプトを作ってくれているんですが、そこそこ中級者向けというか、けっこう難易度が高いゴールシークプロンプトなんです。

ただ、海外ですごく簡単なゴールシークプロンプトが公開されていて、それが日本語訳されていて、うちのチームも使ってたりするんですが、それはすごくおすすめなので。

コピペしてChatGPTで聞いてくるので、その質問に2~3個答えるとまた聞いてくるので、答える。出力させて結果がありきたりだったら、「ちょっとありきたりなので新規性の高いアイデアを出してください」とフィードバックすると(新しいアイデアが)来ます。そのプロンプトは、また僕のアカウントでも共有しますので、ぜひぜひ使ってみると楽じゃないかなと思います。

樋田:こういうのですよね、欲しかった情報。バカ参考になる。

チャエン:(樋田氏のアカウントをフォロー)しようかな。

樋田:してない!? してないんですか(笑)?

チャエン:さすがにしていますよ。(これでフォローしてなかったら)ここ、仲悪いみたいな(笑)。

木内:仲悪いですよね(笑)?

樋田:一緒に仕事をしているからね。いやぁ、いいですね。今のめちゃくちゃおもしろかったですわ。ありがとうございます。

一晩で“浦島太郎”になる「AI関連の情報、多すぎる問題」

樋田:ちょうど今のテーマで10分くらいしゃべったので、別のやついきますか。じゃあ今、目が合った白Tのお兄さん。今のやつ以外で、9番は最後にしゃべりたいので避けてほしいです。それ以外だったらどれでもしゃべってくれるので。

参加者2:8番でお願いします。

樋田:8番。ありがとうございます。「AI関連の情報、多すぎる問題」、めっちゃわかりますよね。みなさんもたぶんXをやられていると思うんですが、多すぎると言っても、このお二人が発信している情報でさえも多すぎるぐらい。(1日あたり)2ポストくらいしてます? もっとしてます?

チャエン:木内さん、もっと多いですよね。

木内:僕は毎日平均10ツイートして、たぶん暇な人だと思われている(笑)。そのくらいしているんですが。

樋田:いやいや、すごいですね。この2人から発せられるものは、たぶんまとめてシャープにしてくださって10ポスト、数ポストとかのレベル感なので、もっと(情報が)あふれているはずなんですよね。

木内:僕らが追い切れてないですもんね。

チャエン:一晩飲みに行ったら終わるので、飲みに行くのが怖いくらいですね。一晩で浦島太郎状態になっちゃうので。

Xのレコメンド機能で効率的に情報をキャッチ

樋田:ツールの数とかもバカ増えちゃっているので、そもそも一次情報は何のソースでキャッチしているんですか?

チャエン:Twitter(現X)一択。海外勢のつよつよ(ポストを見ます)。

樋田:そうなんですね。

チャエン:タイムラインを見ていて、「AI好き」というブックマークとかいいねをしまくったら海外のAI情報しか出てこないので、暇な時にパーっと見たらスッと情報が手に入るという感じですね。

樋田:レコメンドでAI関連だけ出るように。

チャエン:レコメンドで「AI関連くれくれ」みたいな感じで。

木内:XのレコメンドのAI、すごいですよね。

チャエン:めっちゃいいんですよ。反応したら、すぐそういう系の情報をくれるので。

樋田:木内さんも基本はXですか?

木内:基本はXですが処理しきれないので、正直僕はチームでやっています。

チャエン:(1人で)10投稿は絶対に無理ですね。

木内:なのでリサーチチームを作って、同じようにタイムラインを最適化させて良い情報を出すんですが、そこからのピックアップや評価をチームでやって、編集会議で「これを投稿しましょう」とやっている感じです。

樋田:システマティックにXを運用しているという感じなんですね。

木内:一応そうですね。

樋田:おもしろいですね。

AI情報を手に入れるには、誰をフォローすればいい?

樋田:たぶん、ほんまにこれからAIに力を入れていきたい勢は、お二人のXをフォローするのが最初のステップとしていいと思うんですが、その1個先で、「自分も一次情報を取りに行きたいねんな勢」が何名かいると思うんです。

(会場を指しながら)僕の知り合いなんですが、うちのAIツールを作ってくれている子なんですよ。より一次で、自分が誰よりも(情報を追いたい)みたいな。(実際にそう)思っているかどうかはわかんないですけど、そうなった時に、海外勢のおすすめXアカウントはあります?

チャエン:僕、それまとめますわ。僕のフォロー欄がいいんですけど、ぶっちゃけ、見ても良いか悪いかがわかんないんですよ。

樋田:確かに。

チャエン:判断基準は過去の積み重ねなので、一朝一夕じゃむずいかもですが、「フォローしておく人まとめ」みたいなものを作って(Xに)上げます。

木内:それ、めっちゃうれしいですよね。

樋田:リスト、めっちゃ有益じゃないですか。

チャエン:無料で公開するので。

樋田:ありがとうございます。また有益情報をいただきました。

木内:あと、たぶんそのテーマは深いので、一応来月それのプレゼンタイムをやろうかなと思っていたくらいです。

樋田:へえ。

チャエン:じゃあ(リスト作るの)やめます(笑)。

木内:いやいや(笑)。

よく見るサイトはウィジェット機能を活用

木内:「情報収集、何からしたらいいの?」という広いニーズで、いろんなマインドセットと手段をまとめようと思っていたんです。その中で、フォローすべきアカウントも、チャエンさんも僕もあるし、あとはリストいいっすよね。

チャエン:リスト。

樋田:Xのリストの機能ですね。

チャエン:ああ。僕、意外と使ってないですよ。

木内:ええ! マジですか。

チャエン:僕はフォロー減らしているのと……。

樋田:あれ、フォローなくてもいけますよ。

木内:AIのリストです。

チャエン:そのページへ行くのが面倒くさいので、ひたすらタイムラインを見てブックマークしまくって、あとで(見返す)という感じですね。

木内:わかります。

チャエン:あと、ぶっちゃけ「NewsPicks」のAIまとめが一番いいですよ。

木内:あれ、めっちゃいい。

チャエン:正味あれだけでいけるんじゃないかくらい、うまくまとめている。あと僕は、ウィジェットでiPhoneの画面に「NewsPicks」やGoogleのAI情報出しているので、すぐに見れるようにしたほうがいいですね。

暇やとけっこうスマホを見るじゃないですか。ウィジェットでやって、その時に強制的に目に入るようにする。僕は隙間時間でのリサーチを意識していますかね。

樋田:もう、このレベルまでいくと変態ですね。お二人のXをフォローするのと、チャエンさんにリストを作ってもらって、来月は木内さんにプレキャンしてもらって、それでわりと情報は洗える。

漠然とした情報収集で終わらせないために

木内:あとは、そもそも情報取集を考える時に、僕らみたいにAIニュースインフルエンサーとかじゃないと思うので、漠然と情報収集しちゃうとけっこう大変だと思うんですよね。

「水平の情報」と「垂直の情報」があると思っていて。水平というのは汎用的。ChatGPTもそうですし、AI関連のビジネスニュースとかが水平の情報になると思います。たぶんみなさん専門領域がおありだと思うので、専門領域の垂直領域の情報収集は押さえないといけないですよね。

今のは水平の情報収集の話がメインだったと思うんですが、垂直で、自分の業界で、どういう技術が出たらキャッチアップしないといけないのか、どういう人をフォローしておかないといけないのかというほうが、大事かなと思います。Xで、自分の業界のインフルエンサーをフォローして、専用リストを作ってみるとかが一番いいのかなと思います。

チャエン:僕が使っているアプリで、キーワードを設定したら勝手にまとめてくれる「Inoreader」。あれ、いいですね。

木内:いいですね。

チャエン:「AI」とか「生成AI」で(キーワード設定を)やっといたら、Googleからその記事が全部集まるので。

樋田:それ、めっちゃおもろいですね。

チャエン:本気で行くなら(「Inoreader」は)いいかもしれない。

樋田:シンプルないい情報をありがとうございます。めちゃめちゃいいですね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 今までとこれからで、エンジニアに求められる「スキル」の違い AI時代のエンジニアの未来と生存戦略のカギとは

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!