2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
第203回 東急ハンズ、日立物流、日本電産が社名変更をした理由とは?「社名変更の意義を考える」(全1記事)
リンクをコピー
記事をブックマーク
入山章栄氏(以下、入山):今回のテーマは「社名変更」です。会社の名前を変更することがテーマですけど、世の中にはいろんな会社があって、ある時、急に名前が変わることってあるよね。
田ケ原恵美氏(以下、田ケ原):ありますね。
入山:例えば、凸版印刷がありますけど、タガエミちゃん、社名変更で思いつくものというと、どうですか?
田ケ原:やっぱり最近だと、旧TwitterのXです。
入山:そうだよね。あれ、毎回めんどくさいよね。
田ケ原:そうですよね。
入山:僕はついつい「Twitter」って言っちゃうけど、ラジオとかに出ていても、「旧Twitter」「X」って言わなきゃいけない。
実は最近、日本で社名変更している会社って、大手でもけっこうありまして。例えば、東急ハンズはもともと東急不動産ホールディングスと資本関係があったから、東急ハンズと言っていたわけですが、2022年10月に大手のホームセンター、カインズの子会社となったのをきっかけに、東急が取れて「ハンズ」という名前になったんですね。
あとは総合物流企業で日立物流という会社があるんですが、2023年4月にアメリカの投資ファンドが買収を行ったことをきっかけに、社名をロジスティードに変更しました。そもそも日立物流は「ロジスティード」というサービスを持っていたんですね。
田ケ原:そうなんですね。
入山:物流を「DX=デジタル変革」するような。その名前をそのまま当てはめたんだろうね。
田ケ原:なるほど。他にも何かあるんですか?
入山:最近だと有名なのは、日本電産が会社の創設50周年をきっかけに、商品名のニデックに変更しました。僕も日本電産で馴染みがあるけど、今はニデックと呼ばなきゃいけないんですよね。
田ケ原:そうですね。
入山:意外と名前が変わっているよね。
田ケ原:確かに。ここ1年の話でも、大きな会社も含めて社名変更がけっこうあるんですね。
入山:企業は時として名前を変更しますが、会社にとって大きな意思決定だし、浸透させなきゃいけないから、すごく大変なわけですよね。
それでもあえて変えるには、理由があると思っていて。僕から見ると、最低でも3つくらい大きな理由があると思います。
1つ目は資本関係です。例えば、先ほどの東急ハンズが典型的ですけど、今までは東急不動産が親会社だったから、東急ハンズとついていたわけです。だけど東急傘下じゃなくなったから、名前を変えましょうというパターンですね。
2つ目は、事業展開を進めていく上で、名前を変えていく必要があるんじゃないかと、経営判断として変えるパターンですね。
例えば冒頭の凸版印刷は、ペーパーレス時代に突入したことで、印刷事業の売上が減ってきたそうです。より事業を進めていく時には、印刷を取ってTOPPANホールディングスに変えたほうが、ある意味、事業の幅が広げられるわけですよ。
田ケ原:なるほど。
入山:実際に今、凸版印刷も大日本印刷も、印刷以外のいろんな事業をやっているんですよね。そういうのを展開するためにも、名前を変えたということだと思いますね。
田ケ原:なるほど。
入山:そして3つ目は、海外展開ですね。
田ケ原:やっぱりそうなんですね。
入山:海外に行って名前を認知してもらう時に、日本語の言葉だとどうしても伝わりにくい。僕が思うのは、日本の会社って「日本なんとか」といっぱいついているじゃないですか。
田ケ原:日本電産も、まさしくそうですね(笑)。
入山:日本電産は「日本」とついちゃっているし、それこそ昔、NECは日本電気だったしね。なので名前を変えて、本当に世界にこの言葉で通用するものを作りたいと考えると思うんですよね。
わかりやすいのは、先ほど言った、日本電産がニデックという名前に変えたことですね。昔だと松下電産(松下電器産業)です。今はPanasonicと言います。あれも松下電産という名前より、Panasonicのほうが世界に響きやすいと考えたと思うんですよね。
田ケ原:なるほど。
入山:こう考えると、理由があっていろんな会社が名前を変えているということだよね。
田ケ原:そうですね。いろんな背景とか目的があると思います。
入山:名前を変えることでうまくいくのは、必ずしも会社だけじゃないと思うんだよね。
田ケ原:それはいったい何ですか?
入山:アニメにも通じるんだよね。ということで、この曲を聞いてもらおうかな。映画『紅の豚』から、加藤登紀子で『時には昔の話を』です。僕、この曲が大好きなんですよ。
田ケ原:そうなんですね。
入山:映画『紅の豚』は1992年公開で、もう30年前なんですね。お馴染み、宮崎駿監督によるスタジオジブリ制作の劇場用アニメーション作品です。僕はこの『紅の豚』が大好きなんです。
田ケ原:(笑)。
入山:やっぱり大人の作品なんですよね。めちゃめちゃ大人の作品で、「かっこいい大人って何なんだ」ということをすごく表した映画だと思うんですよ。
この『紅の豚』、原作は宮崎駿さんの短編漫画なんですよ。
田ケ原:そうだったんですね。
入山:そして名前はぜんぜん違うんです。『飛行艇時代』です。
田ケ原:へえ~。なんでこうなったんですかね(笑)。
入山:なんでなんだろうね。もともとは『飛行艇時代』という作品なんですよ。だけど、それを映画化する時に、あえて『紅の豚』という名前にしたんだよね。
それだけの理由ではないけど、結果、大ヒットしたということですね。原作を映画やアニメにした時に、名前が違うというのもよくあるよね。
田ケ原:確かにありますね。『(Dr.スランプ)アラレちゃん』とかもそうですね。
入山:よく知っていますね。『(Dr.スランプ)アラレちゃん』は、実は週刊少年ジャンプで連載している時は、『Dr.スランプ』という漫画だったんですよね。
田ケ原:今回は企業が会社名を変えるところからの話になっています。必ずしもうまくいくとは限らないんですけど、社名を変えたことでうまくいったところは、どんな企業があると思われますか?
入山:うまくいった理由は社名を変えただけではないんだけど、一番わかりやすいのは、やっぱりSONYだよね。
田ケ原:そうですよね、
入山:2021年からはソニーグループといいますけど、SONYは1958年に創業しました。もともとの会社名は知っています? 東京通信工業株式会社というんですよ。
会社名を変える時、SONYの由来はラテン語で、「SONUS(ソーナス)」というんです。これは音という意味があるそうです。それと当時流行していた「SONNY BOY(ソニーボーイ)」を混ぜてくっつけたと。ただし、それを全部くっつけると「ソンニ」になる。
田ケ原:確かに。
入山:「ソン二」というと、日本語の語呂合わせで「損する」みたいになる。なので、それをちょっと懸念した創業者の1人である、すばらしい伝説の経営者、盛田昭夫さんが、そこからNを1個取って、「S・O・N・Y」でSONYとしたんだそうです。
田ケ原:今のSONYが、そうやってできあがったんですね。
入山:こうやってできたんだね。
田ケ原:しかも、かなり大きな会社なので、造語にしたのも当時は珍しいのかなという気がしますけどね。
入山:画期的だよね。でも、今となっては世界中の人がSONYという言葉を知っているわけだから、すごいことだよね。
田ケ原:そうですね。
入山:他にはこちらも有名ですね。ベネッセコーポレーション。こちらは知っている方も多いと思いますが、もともとは福武書店という名前ですよね。昔は中学生向けの本とか生徒手帳の発行を手掛けていた会社です。
こちらもラテン語なんですね。1990年に、まずはラテン語の造語で「よく生きる」という意味の「ベネッセ」をフィロソフィーブランドとして導入して、つまり「会社としてこういう言葉を使っていきますよ」と。
やがて、その会社の理念を会社の名前と一体化させようということで、5年後の1995年にベネッセコーポレーションという社名に変更したと。こっちもラテン語の造語がもとなんだね。
田ケ原:他には何がありますか?
入山:もう1社はRIZAPですよ。前回でもちょっと話になったけどね。RIZAPは瀬戸(健)さんという方が立ち上げた会社なんですが、もともとは健康食品の会社だったんですよ。
田ケ原:そうなんですね。
入山:はい。なのでRIZAPの前身の会社の名前、びっくりしますよ。健康コーポレーション株式会社です(笑)。
田ケ原:確かに。食品とかを売っていそうですね(笑)。
入山:意外だよね。今はRIZAPのロゴも含めてかっこいい。
田ケ原:そうですね。トレーニングの会社という感じですね。
入山:華やかなイメージがあるじゃないですか。もともとは健康コーポレーション株式会社で、2016年に「どん底の状態からでも、その人が望む限り高く飛躍できる」という思いを込めて、上に上がるという意味で「RISE」。それと「UP=上」をかけてRIZAPという言葉を作って、社名にしたということなんですね。
田ケ原:そうなんですね。
入山:おもしろいよね。
田ケ原:社名の由来を聞くの、おもしろいですね。
入山:知らないし、こうやって由来を聞くだけでも「こんな考え方で作っているんだね」と、参考になるよね。
田ケ原:参考になりますね。あとは「社名に込める思い」みたいなのが体現されているような気がしますよね。
入山:そうだね。タガエミちゃんもいろんなベンチャーをやっているからわかると思うんですけど、会社の創業期って、とりあえず新しい事業を始めるじゃないですか。
これを見て考えられることは、そんなに深い思いや願いがあってというよりは、「とりあえず事業をやってみよう」と言って始めるから、けっこう適当というか、思いつきで社名をつけるわけですよね。
田ケ原:そうですね。
入山:会社がだんだん成熟して、「もう一段飛躍しなきゃ」となると、まさに会社のビジョンですよね。
「この会社っていろんなサービスや製品をいっぱい出しているんだけど、結局、何のためにやっているんだろうか。どういう思いでこの会社って成長しなきゃいけないんだっけ?」と考えると思うんですよね。
その時に、「この会社は音の会社だよな」とか、「人を向上させる、飛躍させるための会社だよな」とか、「人がよく生きるための手伝いの会社だよな」という、いわゆる会社のミッション・ビジョンですよね。
核がハッキリしてくるから、そこで初めて本当の名前がつけられるようになって、まさに会社がビジョンを持って次のステージに生まれ変わる。「本当の社名になる」みたいなことなのかもしれない。
田ケ原:「次の10年、20年を見据えて」というところで社名を変えようと決心される会社さんが多いんですかね。
名前を変えてヒットしたというのは、必ずしもイコールではないと思いますけど、おのれを知って次のステップに行くところにつながっているわけですよね。
入山:そうだね。そして名前を変えて、SONYやRIZAPみたいにヒットするわけじゃないですか。
「名前を変えてヒットした」というくくりでいくと、僕のイチ押しがあります。
田ケ原:一押し?
入山:はい。『未来少年コナン』です。
田ケ原:それは企業の名前ですか?
入山:知らないの? じゃあ、この曲を聞いてもらいましょうか。鎌田直純・山路ゆう子で、『いま地球が目覚める』です。
これも懐かしい。本当に懐かしい。タガエミちゃんは『未来少年コナン』、知らないよね。
田ケ原:曲だけ知っているという感じですね。
入山:曲は知っていますか。
田ケ原:はい。
入山:1978年にNHKで放送されました。実はこちらも宮崎駿さんの監督作品で、僕の理解では、おそらく宮崎さんの初めてのアニメ作品なんじゃないかな。
田ケ原:そうなんですね。
入山:僕が子どもの頃に流れていまして、大ヒットしましたね。こちらも原作とタイトルが違うんですね。原作はなんと、『残された人びと』です。
田ケ原:ぜんぜん違いますね。
入山:アニメでは「大きな戦争で多くの方々が命を失った」という設定なので、そこに残された人々の物語ということなんだろうね。
田ケ原:そうですね。
入山:それをテレビアニメにするには、ちょっと不向きです。
田ケ原:そうですね。ちょっとナイーブというか。
入山:特に子ども向けにはちょっと難しいですよね。なので、『未来少年コナン』という名前になって。でも、結果的に大ヒットしたということですよね。
入山:というわけで、タガエミちゃんはスタートアップ企業にとても詳しいと思うんだけど、名前を変えているスタートアップ企業も、きっといっぱいあると思うんですよ。
田ケ原:そうですね。
入山:スタートアップは比較的若い会社だけど、もう変えちゃったみたいな。タガエミちゃん、思いつくところってあります?
田ケ原:まさしく有名なのは、メルカリさんかなと思います。
入山:メルカリって、もともとメルカリじゃないの?
田ケ原:そうなんですよ。同年中に変更されています。
入山:できたその年に変えちゃったということ?
田ケ原:そうなんです。
入山:もともとはなんていう名前なの?
田ケ原:株式会社コウゾウだったんですよ。
入山:え~。
田ケ原:「メルカリ」がサービス名だったんですけど、そちらのほうが急激にサービスのユーザー獲得ができて有名になりました。
なので社名を変えようということで、サービス名に揃えて、2013年に株式会社メルカリに変更されたということです。
入山:ある意味、日立物流パターンということね。
田ケ原:そうですね、
入山:会社名からサービス名に名前を切り替えたということですね。
田ケ原:そうですね。
入山:そうなんだ。もともとコウゾウというんだね。
田ケ原:そうなんです。他に私が聞いたのは、ココナラさんです。
入山:はいはい、ここは知っています。ココナラはスキルを貸し借りするので有名なところですよね。
田ケ原:もともとワンコイン(500円)のスキル販売サイト「ココナラ」を手掛けていた株式会社ウェルセルフさんが、社名変更されたのが2014年みたいですね。
入山:実は僕、よく知っていまして。ココナラという会社の創業者は南章行さんという方なんですけど、僕の大学のゼミの後輩なんですよ。
田ケ原:そうなんですね。
入山:はい。なので、実はめちゃめちゃよく知っていて。最初にウェルセルフという会社を立ち上げました。
ウェルって、「よりよい」みたいな意味じゃないですか。セルフは「自分」ということでしょ? だからもともとは健康のビジネスを考えていたんです。
田ケ原:そうなんですね。
入山:ヘルス系ですね。
田ケ原:めっちゃ意外ですね。
入山:健康医療系のビジネスをやろうとしていて。それが思ったよりなかなかうまくいかなかったんですよ。それである時、ベンチャー業界では「ピボット」といいますが、業態を変えて「ココナラ」を始めたら、それが大成功したんですよね。
「ココナラ」で突っ走り出して、ここもまさにサービス名である「ココナラ」が有名になったから、会社名をココナラに変えたということだよね。
田ケ原:なるほど。
入山:こう考えると、タガエミちゃんがよく知っているとおり、ベンチャー企業の場合は事業が当たらなければどんどん変更(ピボット)するから、当たったら当たったサービスをそのまま社名にするパターンがけっこう多いんだよね。
田ケ原:ありますね。まさしくそれが、クラウド人事労務ソフトのSmartHRさんです。
入山:有名ですね。
田ケ原:ここも、もともとの会社名は株式会社KUFU(クフ)だったそうです。
入山:もともとは「K・U・F・U」でKUFUというの?
田ケ原:そうなんです。2017年に株式会社SmartHRに変更されたそうなんです。
入山:これも知らなかったね。
田ケ原:そうなんですよ、なんで変えたのか、宮田(昇始)さんがブログを書かれていました。
入山:宮田さんって、創業者の方ですね。
田ケ原:そうです。「2つ理由があります」と書かれていました。
1つは説明コストが高いということです。KUFU(クフ)という会社名にも愛着はあったんですけど、名刺交換の時に「『SmartHR』というサービスをやっているKUFUの宮田です」と挨拶するので、それぞれ覚えてもらわなきゃいけないというところで、説明コストが高いと判断されたみたいです。
入山:そうかそうか。会社名と今売り出したいサービス名が違うと、2つ覚えてもらわなきゃいけないから、より大変なんだ。
田ケ原:そうなんですよ。まさしくそれが2つ目です。
入山:1個のほうがいいんだね。
田ケ原:はい。新聞がサービスを紹介する時に、プロダクト名じゃなくて社名、例えば「KUFU、年末調整機能を公開。スマホで完結」みたいな記事が出るんです。
入山:そういう見出しが出ちゃう。「KUFUという会社が新しいサービスを出しますよ」ということが記事になっちゃって、結局、サービス名・商品名が見出しに出てこないということね。
田ケ原:そうなんです。「社名とサービス名をうまく融合させて」というか、一致させることによって、メディアに載ったり認知されたりするのが重要なんじゃないかと考えられたそうですね。
入山:おもしろいね。これはやっぱりベンチャー特有だよね。
田ケ原:そうですね。
入山:もちろん中小企業さんもそうだと思いますけど、名前を覚えてもらうことってすごい大事じゃないですか。だからこそ、名前をちゃんと絞る。そうかそうか。
田ケ原:(笑)。
入山:おもしろいね。
田ケ原:ちょっと私の話になるんですけど、支援先にアナザーワークスという複業マッチングプラットホームをやっている会社があります。
実はこのアナザーワークス、もともとは、社名も展開しているサービス名も「アナザーワークス」だったんです。
だけど、サイドビジネスの副業から複数の「複」の複業を当たり前にしたいという思いがあって、サービス名だけ「複業クラウド」という名前に変更したんです。
入山:アナザーワークスという会社が「アナザーワークス」というサービスを出していたのに、今度は複数の「複」の「複業クラウド」にサービス名を変えたんですね。
田ケ原:そうなんです。
入山:おもしろいね。これは逆じゃない? 「ベンチャーは社名と製品名が2つ揃っているほうがいいよね」という話をしていたのに、アナザーワークスはあえて変えたんだ。
田ケ原:そうなんです。
入山:これはどういうことなの?
田ケ原:理由としては、会社が今ご紹介いただいた「複」業なので、「サイドビジネスの『副』ではなくていろんな働き方を推奨したい」「複数の『複』の複業をみなさんによく知ってほしい」という意図があります。
その中で今、新聞のガイドラインに『記者ハンドブック』というのがあるんです。
入山:新聞のガイドライン?
田ケ原:はい。文字を書く時に、「こういう表記をしなさい」という、新聞表記を揃えるための辞書みたいなものがあるんですよ。
入山:新聞社の方々が何かを書く時に、「こういうふうに書きなさいよ」というガイドラインがあるわけね。
田ケ原:そこの表記では、サイドビジネスの副業の「副」しかないんですね。
入山:つまり日本で副業というと、複数の「複」よりは、副班長とか副社長の「副」しか使っていないから、新聞のガイドラインはそれしかないんだ。
田ケ原:そうなんです。どうやって「複業」と書いてもらうかというと、商標登録するしかなくて(笑)。
なので、「サービス名はこれだけど」というので取り上げてもらうために、サービス名を変更したということです。
入山:つまり、「複業クラウド」という複数の「複」を書いてもらって、その考え方を理解してもらうには、サービス名を変えて商標登録すれば、「商標登録したんだから使ってください」と言えるわけだ。
田ケ原:そうなんです。そういう意図があって、こちらに直していただいたというのがあります。
入山:おもしろいね。これもまさに会社の思想じゃないですか。アナザーワークスの場合は、複数の「複」ですよね。
田ケ原:はい。
入山:「こういう働き方を世の中の人に知ってもらいたい」という思いやビジョンがあるから、製品名を変えて商標登録して、「複数のほうの『複業』を世の中に広めてこう」という機運をベンチャーとして作っているということだね。
田ケ原:そうですね。一部、啓蒙活動に近いですけど、社名はそういう使い方もできるのかなと、やってみて思いました。
入山:名前、大事だね。
田ケ原:そうですね。
入山:名前を変えることで、世の中も変えられるかもしれないということですね。
田ケ原:そうですね。そういうふうになればいいですよね。
入山:いや~、いい話を聞いた。
関連タグ:
2024.11.21
40代〜50代の管理職が「部下を承認する」のに苦戦するわけ 職場での「傷つき」をこじらせた世代に必要なこと
2024.11.13
週3日働いて年収2,000万稼ぐ元印刷屋のおじさん 好きなことだけして楽に稼ぐ3つのパターン
2024.11.20
成果が目立つ「攻めのタイプ」ばかり採用しがちな職場 「優秀な人材」を求める人がスルーしているもの
2024.11.20
「元エースの管理職」が若手営業を育てる時に陥りがちな罠 順調なチーム・苦戦するチームの違いから見る、育成のポイント
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.11.19
がんばっているのに伸び悩む営業・成果を出す営業の違い 『無敗営業』著者が教える、つい陥りがちな「思い込み」の罠
2024.11.18
20名の会社でGoogleの採用を真似するのはもったいない 人手不足の時代における「脱能力主義」のヒント
2024.11.13
“退職者が出た時の会社の対応”を従業員は見ている 離職防止策の前に見つめ直したい、部下との向き合い方
2024.11.21
初対面の相手から本音を引き出す「核心質問」のやり方 営業のプロが教える、商談成功のカギを握る質問力アップのコツ
2024.11.22
40歳以降の「つみたてNISA」と「iDeCo」運用の優先順位 老後のための資産形成のポイント