2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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山本沙弥氏(以下、山本):本日のゲストをお呼びしたいと思います。F太さん、本日はよろしくお願いします。
F太氏(以下、F太):よろしくお願いします。
山本:ではさっそくですが、簡単に私からF太さんのプロフィールを紹介したいと思います。1984年、宮城県生まれ。公認会計士を目指すも勉強が捗らず、その不安をTwitter(現X)でつぶやいていたところ、多くの方にフォローされるようになりました。
その後も、試験に落ちたり仕事をクビになったりしながら苦悩を発信し続けていたところ、さらにフォロワーが増えて作家として独立されました。
2020年4月に出版された共著『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』は、発売から3年経った今も多くの方に読まれていらっしゃって、10万部を超えるベストセラーとなっております。こちらは間違いないでしょうか?
F太:すごくきらびやかにご紹介していただいて、ありがとうございます。
山本:ありがとうございます(笑)。
F太:今日のテーマが「ターニングポイント」ということで、どんな話ができるかなといろいろ考えてたんですが、まさに僕を育ててくれたと言っても過言ではないのがTwitter。名前を「X」に変えたり、今が一番ターニングポイントじゃないかって思うんですよね。
山本:確かに。
F太:今はその渦中にありすぎて、まだ自分の現状を客観的に把握しきれてない部分があるんですが、そういうぐちゃぐちゃとした状態にいるからこそお伝えできることもあるんじゃないかなとは思っているので、いろいろお話ができればと思っています。
山本:ありがとうございます。TwitterからXへの社名変更で、活動されている方の動きもかなり変わってきたんじゃないかなと思います。
F太:みなさん、もう本当に大変だと思いますよ。
山本:まさに今回は、生きづらさや働きづらさを感じながら、自分をついつい追い込んでしまっている方に向けて、苦悩の考え方、捉え方、対処法を発信するF太さんに、ご自身の今までを経験を経て見つけた「無理なく自分を生きるコツ」をお聞きしたいと思っています。
実はF太さんは2022年の7月にオンラインセミナーにご登壇いただいたので、今回は約1年ぶりのご登壇となりますね。
F太:ありがとうございます。
山本:前回は、共著の『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』の内容になぞったテーマとなってましたが、参加者からのお声や反響も大きかったですね。
F太:ありがとうございます。
山本:やはりみなさん、同じところに悩みを持っていたり、共感されている方が多いですね。
F太:そうですよね。『要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑』は、実際に働く中でどういうことに悩むかに焦点を当てて書いてあるんです。
今回はどっちかというと、今働いている自分の状態も含めて、今後のキャリアをどうしていったらいいのかな? という話題になっていくのかなと思うので、前回とは違う切り口でお話ができたらいいなとは思っております。
山本:ありがとうございます。
山本:最近、こういうセミナーで登壇はされていましたか?
F太:実はそれも、今日はどこかのタイミングでお話しできるかなと思うんですが、F太としての活動はあんまりしてないんですよ。
山本:そうでしたか。
F太:はい。これから(スライドに)経歴を貼ってもらうと思うんですが、今は具体的に何をしているかというとクッキーの型を抜いてます。
そしてパートナーの家事を手伝ったり、料理とか、今は家事全般を僕が一手に引き受けています。今までは女性が担っていた仕事ってよく言われがちなんですが、それを僕がやっているようなかたちで、自分としてはあんまりお金を稼いでないというか。どちらかというと、お金を稼ぐ人のケアをしているような感覚なんですよ。
今まで見えてなかった視点がけっこう見えてきたり、それによって逆にいろいろと悩むことが増えちゃったりとか、そういう状況です。
多角的にものが見えるようになったのはいいんですが、そういったことも含めて、いろんな立場からの話ができるようになりたいなと思っているところです。
山本:ありがとうございます。じゃあ、フォロワーさんとの交流と言いますか、直接の関わりがなかなかお久しぶりということなので。
F太:とても久しぶりですね。なので今、ちゃんと聞いてくださっている方がいるってことが1つのコメントから感じられたので、今日は自信を持って話ができると思います(笑)。
山本:ありがとうございます。助かります。感想でも大丈夫なので、スライドもしくはYouTubeにコメントをご投稿ください。
F太:よろしくお願いします。
山本:先ほどおっしゃってましたが、プロフィールを読み上げさせてもらいましたら、本当に今まで紆余曲折というか、いろいろとおありだったんだなと思いました。
今回はそんなF太さんの、失礼ながら経歴をきらびやかにお伝えされるというよりかは、あくまでもありのままのお話。打ち合わせの時にも「しくじり先生」と言ってたんですが、まさにそこをお伝えいただければと思っています。
F太:やはり僕自身も、自分自身のキャリアをどう考えてもきらびやかだとは思わないんですよね。
今回OSAKAしごとフィールドさんのイベントに並ぶ人たちを見ても、紆余曲折ありながら、いろんなことに挑戦して失敗するにしてもすごくかっこいいというか、いい失敗の仕方というか、花のある失敗の仕方をしている感じがするんです。
僕は、どっちかというと花もないような失敗の仕方をしているなって思うんですが、逆にそういう失敗の仕方のほうがよりメジャーなんじゃないか? という思いもありまして。
僕みたいな人間だからこそ、他の方が触れられないような部分や着眼点からお話もできるんじゃないかなという期待を自分にしているつもりです。
山本:ありがとうございます。
山本:さっそくですが、F太さんのこれまでについて振り返るコーナーに移っていきたいと思います。学生時代から現在に至るまでのダイジェストを出させていただきます。
箇条書きで、学生時代からその後について4つぐらいテーマを設けております。ここからはF太さんのほうから振り返るかたちで、どんなことがあったのか、高校生の頃から教えてもらっていいですか?
F太:鮮やかに覚えてるんですが、僕自身の人生を振り返った時に、自我が芽生えた瞬間がターニングポイントの1つになります。高校3年生の冬に、いよいよ自分の将来のことを真剣に考え始めたんですが、その時期にようやく自我が生まれたなっていう感じがするんですよ。
この話を周りの人とするとけっこう盛り上がるんですが、もし心当たりがあったらちょっと思い浮かべてみていただきたいんですけど、どうでしょう? ご自身の自我が芽生えた瞬間っていくつぐらいだったと思います? 直感で思い浮かべてほしいです。
これを自我と言っていいのかよくわからないんですが、自分の将来について自分で真剣に考えて、自分で未来を選択するということをやり始めたのって、僕は高校3年生の冬ぐらいだなと思っています。
F太:僕は宮城県の大衡村というところの出身なんです。村出身で、そういうところだと自分の行く中学校って1個しかないし、高校も自分の勉強の成績に応じて自動的に決まってくるみたいな感じなんですよね。だから選択肢って、あるようでほとんどない感じなんですよ。
高校になって初めて大学を選ぶ環境に置かれて、自分自身は何のために勉強するんだろう? ということを考え始めた時に、ようやく「自分で選ばなくちゃいけないんだな」という環境に投げられた感覚があるんですよね。
山本:確かに。それこそ、うちのスタッフとも昔そういう話をしたことがあって、「高校ぐらいまでは記憶がない」という話をしていた者もいて。
F太:そうなんですよ。
山本:(視聴者からのコメントで)「高3だ」とおっしゃっていますね。
F太:同じですね。早い人だと、小4ぐらいからそういう意識があったなという人もいますし、「未だに芽生えてないかも」という方もいらっしゃったりするんですよね。自分自身の重要なターニングポイントが浮き彫りになってくるから、知り合いと一緒に話をしてみるとおもしろいんじゃないかなと思います。
山本:確かに。ありがとうございます。(視聴者コメントで)「自我の芽生えは20歳を超えてからの気がする」という方もいますね。
F太:わあ! おもしろい。そうなんです、やはり本当に人それぞれなんですよ。
山本:確かに。
F太:その時期(高校3年生の冬)に目標を決めて、初めて「がんばる」というやり方を覚えたというか。「何のために勉強するんだろう」ということを一生懸命考えた結果、これはちょっと僕のずるいところでもあるんですが、「わかんない」っていう結論に達したんですね。
「たかだか18年しか生きてないのに、自分のやりたいことなんて見つかるはずなくない?」という結論に達したんです。「だったらそれを見つけるために大学に行けばいいんじゃないの? そのために勉強すればいいんじゃないの?」という理屈を発見して、これが自分にスポッとハマったんですよね。
だったら、できるだけすごい人が集まりそうな大学に行くために勉強すればいいと。これの何がいいかというと、自分自身の将来にまつわる悩みやコンプレックスとかを全部未来の自分に丸投げできるんですよね。
山本:なるほど(笑)。
F太:とりあえず、すごく考えなくちゃいけないことはいっぱいあるけど、向こう1年はそれを考えなくていい環境を手に入れることができたんですよ。このやり方は、今までの人生でもたくさん使う場面があって。悩みをうまくペンディングする技術がけっこう大事なんだなって、ここで学んだんですよね。
山本:なるほど。
山本:(自我が芽生えた時期は)「大学生」とか「高3」とか、そのあたりのコメントが多いなと思ったんですが、人によっては「5歳頃」だという話もいただきますよね。
F太:そうなんですよ、おもしろいですよね。でも話を聞いていると、「本当に小さな頃から自分で考えているな」という感じがする人っているから、年齢はまちまちなんですよね。
会社に入った後に真剣に考え始めるっていうタイミングの人もいると思うし、もちろん早いからいいという話でもぜんぜんないんですけどね。
山本:そうですね。ちょうど最新のコメントでも「社会人1社目ぐらい。会社に入ったあとかもしれない」とおっしゃってます。悩みをペンディングするんですね。
F太:そうなんですよ。そのやり方に味をしめたわけじゃないんですが、僕はかなり追い詰められないと未来のことを真剣に考えない癖があるみたいで。でもこれは、おそらく聞いてくださってる方にも心当たりはあるんじゃないかなっていう気はするんですよ。
ギリギリにならないと、本気で将来のことを考えるのって難しいじゃないですか。しかも僕はちょっと遅いんですよね。高校3年生の冬なんて、みんなちゃんと勉強し始めていないとおかしいのに、冬になってようやく考えるっていう。みんなよりワンテンポ遅いんですよ。
結局大学の時も、大学生の4年生の冬なんて就活が完全に終わってなくちゃいけないのに、その頃にようやくちゃんと考え始めるところがあって。みんながマジでやり始めてもう終わってる、ぐらいの時に尻に火がつくところがあって。これはたぶん、想像力の問題だと思うんですけどね。
山本:不安なんだけれども先送りしてしまう、みたいな。
山本:ちょっと話はそれるかもしれないんですが、学生の頃の夏休みとか思い出したら……まさに私は8月31日ぐらいに追い込むタイプだったので、いろんな局面でそんなことしていたなと思い当たる節がございます(笑)。
F太:自分の中でいかにリアリティを感じ取るかっていうのを「臨場感」という言葉で説明している本が昔あったと思うんですが、リアルに考えないとやばい。
車が遠くで走っているのを見ても何も感じないと思うんですが、赤信号なのに間違って信号を渡ろうとして目の前を車が通り過ぎたら、めちゃくちゃびっくりするじゃないですか。でも、別に轢かれてはいないんですよ。
「自分が轢かれたわけじゃないんだけど、危なかった」という臨場感って、目の前を車が通り過ぎたほうが感じるじゃないですか。あれと同じで、近ければ近いほど、人間って「やばい」という感覚を帯びるんですよ。
でも、それって想像力の問題です。遠くにいる車に轢かれることを想像して「やばい」って思うこともあると思うんですが、リアルな想像をどこまでの射程距離で感じられるかは人それぞれ違うんですよね。僕はけっこうぎりぎりにならないと臨場感を発揮しないから。
F太:もちろん、高校3年生、高校2年生ぐらいから「将来、何をしようか」ということを臨場感満載で・リアリティたっぷりに感じられる人もいると思うんですよね。そういう人は(早い時期から)大学を探し始めたり、本を読み始めたりとか、人より先んじていろんなことをやり始めると思うんです。
僕自身もぎりぎりになってから火がつくのは本当にしんどいしつらいから、「前もってやりたい。準備したい」って思うんですけど、残念なことに前もって準備をしても、自分自身はリアリティを感じてないからやらないんですよ(笑)。
山本:確かに。それこそ勉強も、学生の頃は座学をやっていても自分事として捉えてないから、なんとなく流れていくような感覚があって。
F太:そうなんですよね。
山本:でも社会人になって専門の仕事をしてから、「大学の時にやった勉強を今もう一回学びたいな」って、ようやくその時に気づくんですよね。
F太:そうなんですよね(笑)。実際に仕事をして失敗して、「あちゃー」というリアリティを感じて、初めてその時に「あの時、もう少しこれを勉強しておけばよかった」とか、危機感とともにリアリティを感じて、自分に必要なものが何なのかというアンテナが立つんですよね。
その状態で本屋さんに行くのがすごくおすすめです。ガッチガチにビンビンにアンテナが立った状態で本屋さんに行くと、自然と自分が必要な本がわかる瞬間があるんですよね。ふわっとしている時よりも、そういう時に本屋さんをふらつくことは、僕はけっこうやりますね。
山本:確かに。選ぶものが自分が悩んでいることに関する書籍だったり、今まさにフォーカスしたいことだったりしますよね。
F太:そうなんですよね。
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