「柔よく剛を制す」の語源

倉貫義人氏(以下、倉貫):倉貫です。

仲山進也氏(以下、仲山):仲山です。

倉貫:『ザッソウラジオ』は倉貫と、「がくちょ」こと仲山さんで、僕たちの知り合いをゲストにお呼びして「雑な相談」の「ザッソウ」をしながら、ゆるくおしゃべりしていくPodcastです。

7月は「老荘思想」をテーマにおしゃべりする企画でお届けしています。ゲストはクラシコムの青木さんです、よろしくお願いします。

青木耕平氏(以下、青木):よろしくお願いします。

倉貫:第2回がヒートアップして、いつもの2倍収録しましたが(笑)。もはや老子・荘子の話を置いてきぼりにして、僕らがただしゃべっていましたね。

青木:でも無為自然に進んでいるよね。

倉貫:水が流れるように。

仲山:そうでしたね。そもそもアジャイルって老荘っぽいですからね。

倉貫:そうなんですよね。「柔よく剛を制す」ってあれ、柔道の話じゃなくて老子の言った言葉らしいですね。

仲山:「柔弱謙下(じゅうじゃくけんげ)」っていう言葉があって。柔らかい、弱い。あとこの前の「謙虚期」という話がありましたけど、謙虚の謙に下で、柔らかくて弱いものが強いみたいな話で。

老荘に出てくるのは、大木と草は大木のほうが強く見えるけど、台風が来た時に大木は倒れたり折れたりするけど、雑草はビュービュー吹かれても元に戻るよね、みたいな話が出てきたりします。

これ『ザッソウラジオ』ですけど、まさに柔弱を地でいってる番組ですよね(笑)。『プレゼンラジオ』とかじゃないですもんね。

(一同笑)

青木:プレゼンラジオ、怖くて出れねぇな(笑)。「じゃあお願いします」みたいな。

仲山:「わかりました。みなさま……」とか言って、そういう感じ。

倉貫:3人とも絶対そういうのできないタイプ(笑)。

青木:いや、無理だわ(笑)。

仲山:そうですよ。しかも僕がチームビルディングをやる時に、最近だと「心理的安全性が~」みたいな話が世の中的に大事だってことになっていますけど。

あれって要するに上の立場の人が心理的柔軟性を持たなければいけないし……。まあ(立場が上の人も下の人も)お互いですけどね、柔らかくなければいけない。あとは弱みをちゃんとみんなに晒すことが大事だよ、みたいな話も出ているじゃないですか。

まさに今までの“つよつよ”なやり方がうまくいかなくなってきたから、「老荘でいきましょう」と言っている、というのが僕の中の位置づけなんですよね。

コントロールを手放し、されるがままで覚えた「多幸感」

青木:でも、それを思うと、僕が(仲山さん主催の)チームビルディングプログラムに参加したのって2016年とかだと思うんですよ。その時の自分はマジでそれがつらかったですよね。柔い感じを求められるのがすごく居心地悪くて。

例えば僕は、未だにあまり得意じゃないんだけど、「あだ名で呼び合う文化」みたいなのってあるじゃん。あれってある種の柔らかさを場にもたらす1つのテクニックだと思うんだけど、あだ名を自分につけて、それで呼ばれるのもすごくむずがゆいし。誰かのこともあだ名で呼ぶのがすごくしんどくて。俺はたぶんほぼほぼ最後まで全員名前で呼んでるみたいな。

仲山:(笑)。ちなみに僕も「あだ名」って言われるとすごく抵抗があるので、ファシリとしては「呼ばれたい名前を書いてください」と言ってました。

青木:あっ、「呼ばれたい名前」! そうそう。

仲山:なので「青木さん」って呼ばれたければ、「青木」とか「青木さん」って書けばいいんですよ。

倉貫:呼ばれたい名前ほど難しいものはないよ(笑)。

青木:そうそう。本当にそういう柔らかさみたいなのがなかったなと思う。今もそんなにないんだけど。あの時の自分を思い出すと、マジでハリネズミみたいになってたなと思うもんね。

倉貫:じゃあだいぶ変わったってことですか。

青木:変わったのかはわかんないけど、1回ビッて針が出ちゃうみたいなとこは変わってないのかもしれないけど。でも1回スッと自分の中に整えて、流れに身を任せたら、その先があるっていうことを知るようになったって感じで。

仲山:青木さん、みんなに持ち上げてもらうアクティビティをやった時に「多幸感」って言ってたのがすごく印象に残ってて。

青木:(笑)。

仲山:「自分でコントロールを手放して、されるがままにしてるとすっげえ気持ちよかった」みたいな。

青木:そうなんだよね。あの経験はすごく印象的でしたね。

コントロールすることに過剰にこだわっていた理由

倉貫:さっき休憩中に(青木さんが)話してましたけど、「老荘とか言う前はもともと君主論、マキャベリズム的な人でした」みたいな話をしてましたけど。それこそ老荘の真逆の世界みたいな感じ。

青木:真逆、孔子の向こう側だよね。礼も崩壊した社会でどう生き残るかみたいな感じだったので。

すべてをコントロールする責任を負うみたいなことが正しいんじゃないかってすごく思っていたんですよね。だから流れに任せるってものすごく無責任だ、っていう思い方をけっこうしていた。

でもそれって裏を返すと、もともとはすごく流れに任せたいタイプなんですよ。なんだけど「このままではいけない」みたいな。それを克服して大人になったみたいなところがあるから、過剰にそれにこだわってたところは大いにあって。

そういう人にはマキャベリズムってめちゃくちゃ刺さるんですよ。究極の自己責任論の世界なので。

そういう意味では、「こういう殺伐としたことさえもやって、目的を達成することこそがコミットメントの証なんだ」という言い方をしていたと思いますね。それこそ40歳ぐらいまでは本当にそういうふうに考えていた。

倉貫:だから秩序ある状態とかが好きですもんね。

仲山:組織運営において、なるべく混沌を排除しようとするみたいな。

青木:そう、だから計画とか準備とか好きだし。

ちょうどチームビルディングに参加したぐらいが、経営を始めて10年経ったところで。なんとなく始める時に思っていたことがだいたいできあがった頃でもあって、「このままじゃその先に行けない感」もすごく感じていた頃で。なんだかんだあのTBP(チームビルディングプログラム)が起点になっていますよね。

あの時に自分がいつもやらない系のことをやって、その先に進めた感じ。何かを手放したのに「え? なんか越えられない壁がぬるっと越えられたじゃん」みたいな感じ。

チームビルディングプログラムで目の当たりにした多様性

青木:あと、あの時にすごく衝撃的だったのは、俺が面倒くさくて大っ嫌いと思うことを、嬉々としてやり続けるやつがこんなにいっぱいいるのかってことだよね。

僕はゲームとか苦手だから「こんな面倒くさいの、そんなに一生懸命やらなくてもいいじゃん」って思うけど、めちゃくちゃ楽しそうに一生懸命やる人もいるんだと思ったら……無理して「これも俺の責任だから」って自分がやらなくても、むしろそのほうが前に進むことあるんだな、とか。

倉貫:ストレングスファインダーの強みがみんな違うということですね。

仲山:多様性だね、本当に。

倉貫:自分が苦手だと思うところが、好きで強いやつがいるっていう。

青木:そうそう。あの時にそれが身体知としてわかったんですよ。多様性とか話ではずっと聞くじゃん。「強みはそれぞれ違うよね」とかは頭に入っていたけど。自転車の乗り方を本で勉強して「まずは勢いつけて~」とかっていう言葉でそれを理解してただけみたいな……。

倉貫:めちゃくちゃ頭でっかちですね(笑)。

(一同笑)

青木:身体知になった瞬間があそこだったのかもね。

仲山:あと「壁を越えられた」みたいな表現も、老荘的には「壁とか越えなくてもさ、なんかどっか遠くまで行ったら壁ない所あるんじゃない?」みたいな。

(一同笑)

倉貫:壁を越えるとかじゃないよな、みたいな。

仲山:「万里の長城もどっかまで行ったら切れてんじゃね?」みたいな。

青木:なんなら「壁がなかった」って感じなんだよね。

倉貫:壁だと思ってたものが、壁なんかなかった。

青木:「ぬるっと抜けられた」みたいな表現って、まさにそういう感じで。ゼリー状というか、確かにそこにハードルというか、心理的な抵抗感のあるゾーンはあるんだけど。それって別にぬるっと向こうに行けるものだったっていうか。

仲山:越えなくても行けちゃう。

青木:越えなくてもぬるっと行ける、みたいな。なんなら自分でぬるっと行ったっていうよりは、そこに壁がないって感じる誰かに運ばれて、ぬるっと向こう側に行ってたみたいな。

仲山:「ここ行けましたよ」みたいな感じですね。

青木:そうそう。「えー!?」みたいな。

老荘思想が提示するアンチテーゼ

青木:老荘の話なのかどうかわかんないけど、当時はTBPがリアルでやってた時だから、あれって身体性でしかないじゃん。

仲山:身体性でしかない。濃厚接触が売り。

青木:(笑)。だから俺、余計嫌いだったんだと思うんだよ。すごく頭でっかちでさ。座学で学びたいみたいなところがあるのが、身体知だから時間もけっこう取るじゃん。何ヶ月かにわたってね。

倉貫:サッと本読みゃ終わる話を。

仲山:文字にしたら大したことない(笑)。

倉貫:本読むだけならすぐ理解できるのに、理解じゃないっていう。

そのあと青木さんとしゃべってて、僕もがくちょのTBPがあるって聞いて、参加しようかどうか悩んでいたんですよね。で、「青木さん行ったんですよね。どうですか?」って聞いて。

知ったらおもしろくないから、ネタバレだから、中身のことはぜんぜん教えてくれないんだけど。「倉貫さんはね、行きたくないと思ってるでしょ」って言われて。「行きたくないと思ってるなら行ったほうがいいよ」って言われて。

(一同笑)

仲山:そして「最初は帰りたくなるよ」って(笑)。

倉貫:僕もマジでどう呼ばれたいかって、「倉貫」って書いて、みんな周り見渡すとそんなこと書いてなかったから一応直したぐらいの。「会社でも(あだ名で)言われたことないよ」と思ったりとか(笑)。

体使ってワチャワチャとかもイヤだなぁと思いながらやっていたので(笑)。本当同じタイプでしたね。

青木:元の自分を一歩先に進めたいみたいな時に、この老荘の考え方はけっこうアンチテーゼみたいなものを提示してくれるから。(TBPは)2016年だから7年ぐらい経ってるのか。直近7年はその前の10年に比べると、すごく違う軸でやってきたなって感じはすごくする。

倉貫:僕が最初に(クラシコムの社外取締役として)エンジニアチームに入った時がチームビルディングのあとぐらいで。最初はやはり(青木さんは)コントロールしようとしてましたもんね。

青木:してたね、してた。

倉貫:計画というか決めというか。

青木:それを「しない」ってことが、無責任だと思っていたんだよね。俺、無責任っていうことに対する嫌悪感がベースにすごくあるから。

「去らない」という責任の持ち方

倉貫:責任の果たし方の違いみたいな。要はコミットメントに対して成果を出すことを責任とするのか、よく言うフォームを正しくやろうとすることに対してしっかりやることを責任と呼ぶのかみたいな。

見てる場所が違うというか。同じ「責任を果たす」でも、未来に向けての責任を果たすことなのか、今そのものに対して責任を果たすのかは、けっこう違うのかもしれないですね。

青木:昔の自分だったら今を一生懸命コントロールしようとして、「早くその場から去りたい」という感覚だったと思うんです。だけど今の責任の持ち方は「去らない」ですかね。

すごく過剰にコントロールしようとは思わないけど、去ることを前提としていないというか。一時的にわちゃわちゃしちゃうかもしれないけど、その状況の中に自分はいる。責任の持ち方の考え方が、ちょっと変わりつつあるって感じですかね。

倉貫:前は「早くゴールしたい」って感じでした。

青木:そう。「早く作りたい」とか「早く完成したい」とか。

倉貫:ゴールに早くたどり着いて、途中の仕掛かりをなくしたいというか。モヤモヤした状態を抱えておきたくない。

青木:倉貫さんが「納品のない受託開発」というビジネスモデルでやってるけど、まさに納品したい感じよ(笑)。納品したい感じがすごくあったのが、その納品というゴールってもう来ないんだなっていう覚悟が、ある種の今の責任感。

仲山:結局常に変化し続けるってことは、変化に対して受け身的に、その都度都度でやっていくことだから。

青木:「上善如水」でさ、水がどんどん低い所に流れていっちゃうみたいなことで。行くとこまで行くよねっていうのに付き合う責任感みたいな感じ。

仲山:その場からいなくなると、付き合えないですもんね。

青木:そうそう。だけど自分に何か意図があると付き合えないじゃん。「こうなってほしい」とか「ここらへんで止まってほしい」とかって思ってると、行くとこまで行けないから。最近よく言うのは「1年に1年だけ進むタイムマシンに乗って、どうなるか見に行こう」って(笑)。

倉貫:スピードは1年に1年しか進まないからね。

青木:1年しか進まないタイムマシンだから。だけどやはり行ったらわかるじゃないですか。なので、健康であれば、あと40~50年ぐらいの未来にはタイムスリップできるので。いろんな「どうなるのか」みたいなのは、見には行けるじゃないですか。

流れの中に「淀み」が発生するわけ

倉貫:その「上善如水」的なことでやった時に、流れ続ける前提だとそういう感じだけど、淀む時ってあるものですか? 流れているのを受け身受け身でやっていくのはできるけど、「なんか流れなくなったな」みたいに感じて、それが永遠に感じることがあるんじゃないかなと思うんだけど。

青木:たぶん「淀み」が自然に生じることは僕はないと思っていて。行ってほしくないほうに流れていくという悪い変化に感じられることは、1つのパターンとして、シナリオ1としてあって。

もう1つは自分が自然に流れていく方向が嫌だから、あるところでなんとかとどめようと、堰を築いたりとかした時にそういう淀みみたいなことが一時的に発生することはあるけど。結局それも長くもたないというか、「こんなの絶対崩れるやん」みたいな感じになるから。

停滞感というよりは、「良くない流れだと自分が感じてしまう」流れが続く状況はあるよね。「そっち行きたくねぇな……」みたいなのがずっと続いちゃうみたいな。ただ振り返ると、そんなに悪くもないっていうのが多いんだよね。

仲山:「そっちに行きたくない」というのは、要は「コントロールしたい」という価値基準に照らした時に、「そっち(コントロールができなくなるほう)に行きたくない」ということですね。

「停滞」しているのに、株価や外国人の日本評が好転する謎

青木:いろんな見方があるのでごく一部なのかもしれないけど、最近ヨーロッパとかアメリカとか、いわゆる欧米の知識人の日本評が一時に比べるとすごく変わってきていて。

例えば1990年代ぐらいからぜんぜん経済成長していないのに、未だに社会はすごい秩序を保っていて、インフラもそんなに崩壊しておらず、国民の教育レベルも極端に下がるとかもない。1990年代だからもう30数年経ってるわけだけど、「経済成長って実はいらなかったってことを日本が証明したんじゃね?」とか。

この先の資本主義が行き詰まった未来において、日本という事例があることは「未来の輝かしい財産なんじゃないか」みたいなことを言う人がちらほら出てきている。でも、この期間の日本人は誰もそんなこと思ってないですよ。自分たちが未来に向けて価値あるものになっている実感がない。

倉貫:「失われた、失われた」って言い続けてますからね。

青木:「失った、失った」って言って、誰もそれを逆行させることができなくて、それこそ「水の如し」で低い所、低い所にどんどん行っちゃうみたいな。「世界第2位の経済大国や!」とかって言ったけど、もういろんなランキングが下がっていく一方みたいな。

だけど、良いことかどうかわかりませんけど、今の米中関係やロシアの問題とかで、冷戦の頃みたいにまた世界がデカップリングしているわけじゃないですか。日本が経済的に一番成功していた時って冷戦期で、つまりは世界が二分されている時にこそ、少なくとも西側陣営の中での日本って特異な立場として重宝される。

けれども1個になったら、それは良いことなんだけど、日本が相対評価されるとそんなに良くないみたいなことが起きるみたいになって。今またデカップリングしているから、相対的に「あれ? 日本じゃね」みたいな感じになるから、急に株価が上がったりするみたいな。良い悪いは別として、本当に何もしていないのに勝手に上がったり下がったりするような(笑)。

(一同笑)

停滞に見えて、現場は良心的に、必死に動いていた

青木:正しいやり方だったかどうかはわからないけど、日本人はその場その場でなんかやりくりはしてきたんだと思うんですよ。未来への投資とか革新とか先行投資とかはできていなかったにしても、みんな現場現場ではかなり良心的に、必死でやりくりをしてきて、なんとか持っているみたいな状態が続いて。

停滞みたいに見えるかもしれないけど、なんかそこは動いていて、全体の流れに急にピタッと合う瞬間とかが、30年後にまたその匂いがしてくるなんて思っていないですもんね。就職氷河期と言われた我々の世代からしてみたら(笑)。

(一同笑)

倉貫:GDPっていう1個の尺しかない、物差しがそれでしかないとしたら停滞に見えるけど。別のものがもしかしたらあるのかもしれないですよね。

青木:ブラック企業とかずいぶんなくなっちゃったじゃないですか。あるにはあるんでしょうけど、大手を振って歩けないみたいな感じになったり。ジェンダーバイアスも、いろんなこともあるけど、でもそれがおかしいってことが普通に言えるようになるとか。

イギリスとかでさえ産業革命の直後って児童労働が普通だったのが、今は少なくとも先進国の中では児童労働がダメになり。最近だとサプライチェーンで、ほかの国でやっていることでも児童労働みたいなのがあったら、大変な事件になっちゃうみたいな。世界って良くなってるよな、みたいな(笑)。

(一同笑)

最適化から自律、そして「老荘」へ

仲山:SINIC理論ってあるじゃないですか。オムロンの創業者の立石(一真)さんが作った未来予測理論で、原始時代から未来までの螺旋なんですけど、今が最適化社会っていう位置づけなんですよね。

それまでの工業化とか情報化みたいなのが進んできた弊害みたいなのが、いろいろ強制的にリセットされて最適化されていくという意味合いの「最適化社会」なんですけど。それが2005年から2025年までが最適化社会なんです。

青木:あれ? ピタッと来るんじゃない、それ。

仲山:ちなみに2005年と2025年の真ん中の、2015年のところで出てきたのがSDGsだったりとかするんですけど。そこからだいぶ風向きも変わって、今青木さんが言ったみたいな状況になってきてて。最適化社会は再来年までなんですよね。

青木:次は何なんですか?

仲山:その次が「自律」なんですよ。自律社会。それが2033年までってことになっていて、そのあとが自然社会なんです。なのでめっちゃ「(自律型組織である)ティール組織からの(自然を重視する)老荘」っていう流れが、SINIC理論の中にはもう言われていると僕は思っていて(笑)。

倉貫:いやぁ、先駆けちゃいましたね。

青木:先駆けたなぁ。でも確かに最適化社会って、要するにデフラグ(PC内部のストレージを最適化する処理を指すPC用語)じゃないけどさ。

仲山:デフラグ、まさに。

青木:停滞にも見えるけど、実は壮大なデフラグが行われていて。

仲山:そうですね、OS入れ替えみたいな。

青木:でも、本当にそんな感じあるよなぁ。