2024.11.25
「能動的サイバー防御」時代の幕開け 重要インフラ企業が知るべき法的課題と脅威インテリジェンス活用戦略
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藤岡清高氏(以下、藤岡):ということで、今日はこの3つをお話ししてきたんですけども、伝わっていますでしょうか?
ちょっと時間をオーバーしちゃいましたけども、会場の方も含めて、質問がございましたら、オンラインでも会場でもお願いいたします。
質問者1:本日は貴重なお話を聞かせていただいて、ありがとうございました。
藤岡:ありがとうございました。
質問者1:すみません、私はこの場にいるみなさんとちょっと違って、今は転職じゃなくて就職活動に向かってがんばっているところなんですけれども。
先ほどのお話にも出ていたように、「ヒト軸」と「イシュー軸」のように、新卒採用と転職の採用の時は違うところがいろいろあると思います。
できればもう少し具体的な例とか、「新卒採用ではこういうことが重視されるけど、転職の時はこういうことが重視される」みたいなことが他にもあれば、知りたいなと思います。
藤岡:そうですね。新卒採用だと社会人経験はないと思うんですけども、それまでの生き方や原体験とかが語れると思います。採用の担当者が新卒の人に対して見ているのは、その人ががんばれる理由です。これも先ほどと変わらないんですけど、中途も基本的には変わらなくて。
逃げない理由、がんばれる理由がどこにあるのか。この分野をやるとした時に、この人が逃げない理由は何だという原体験とかを聞きたいと思うんですね。
藤岡:未来を語るのって、誰でも伝えられるじゃないですか。よく新卒の方を見ていてもったいないなと思うのは、「こうしたい、ああしたい」と言うのは誰でもできるんだけど、「その根拠は」と言わないと、その理由がわからないんです。
「自己分析」と言われるけれども、自分の人生を考えた時に、こういう経験をしてきた、こんな環境で育ってきた、こういうふうに失敗をしてきて、こうして克服をして、こういう状況でこういうふうにがんばれたというのを、自分の原体験をつかむというところで説得力が出てくると思います。
がんばれる理由が伝わると、企業が採用する理由になってくるので、自分のそういう生々しい原体験とともに、未来のために自分が特にがんばれる理由を伝えられると良いと思います。
質問者1:ありがとうございます。
佐々木圭一氏(以下、佐々木):今のお話でちょっと僕が思ったのは、だいぶ前なんですけど、就活をした時に「山に登っていた」という話をしたんです。
藤岡:へえ。
佐々木:高校時代に山岳部だったので、標高の高い山にもけっこう登っていて、就活前にもヒマラヤの低い山に登ってきたんです。それを人事部の方は「わあ、すごいね」と非常に聞いてくれるんです。
「山を登るのは就活ですごく評価されるな。なんでだろうな」と思っていたんです。でも、評価がされるのは実感としてあって、その理由が今日すごく明確にわかりました。「こいつ、やり切れるな」というやる気を、たぶんそこで感じたのかなと。
学生なので、まだ社会人として何かビジネスをやり切ったとかはないんですけど、人生の中で「山に登っていました」というと、きっと仕事についても、何か困難があったとしても登り切るんだと想像してくれたのかなって。
藤岡:そうですね。
藤岡:あと、「山」というのが(良いですね)。
佐々木:そうなんですか(笑)。
藤岡:マイナースポーツをやっていた人って、けっこう評価が良いらしくて。つまり「みんながやっていることをやっているだけの人」って、「流されているだけ」に見られるんです。みんながしないことを自分でやって、やりきったという方は評価されやすい。
仕事ってどっちかいうとそうじゃないですか。急に振られた仕事に対しても、自分で課題設定して達成するイメージがある、そういう意味では就活の時には、「なんでそんなことをやっていたの?」と思わせるようなことのほうが伝わりやすいんです。(普通の人は)やらないからね。
なんでそれを課題として自分で設定したのか。「山に登る」という課題設定をした理由にまずは興味があるし、それを達成したという実績もわかる。
逆に僕はサッカー部だったんですけど。
佐々木:メジャースポーツですね。
藤岡:みんなやっているんです。みんながすることをやっても、流されているだけって思われる部分もあるんです。だから、みんなやっているからサッカー部に入りましたって、つまんないですね。
だけど、「自分はあえてこれをやった」みたいなことを言うと、「この人、自分の頭で考えて、問題設定できる人、課題設定できる人だな」と思ってもらえるのかなと。
藤岡:事前にいただいた質問もあるんですかね? ちょっとじゃあ、佐々木さんに質問が来ております。
佐々木:はい。何でしょう?
藤岡:いっぱい来ているんですが、「転職の面接時に使える伝え方」。ちょっと難しいかな。これも答えられますか?
佐々木:そうですね。就活をしている新卒であったり、転職の方の話とかも、実はうかがうことがあって、いろいろ話さないといけないんですけど、危機的な状況での事例のお話を1つさせていただきます。
どうしても前の企業の面接があって、遅刻しちゃうことがあったんです。そんな時になんて言うかというと、僕は電話します。その時に「ちょっと前の企業で遅れてしまって、時間を遅らせていただけませんでしょうか」って普通は言うと思うんです。これだと「しょうがないか」みたいになりますよね。
なんなら「時間管理が甘い。入った後とかも時間を守れなかったりするのかな」みたいに、少なくともポジティブな印象はない。
藤岡:そうですね。
佐々木:じゃあ、それに対して何と言うか。例えば、「前の企業の面接があったんですが、どうしても面接官に帰していただけなくて、非常に長くなってしまったんです。ただ、御社は第一志望なので、きちんとお時間を取って私の思いを伝えたいので、お時間をもう一度再設定していただけませんでしょうか?」。
これは何が違うかというと、両方とも時間をずらしているので内容は一緒なんです。だけど、後者のほうは、「前の企業がどうしても放してくれなくて長くなってしまった」という。これから行く企業にとってみると、「あ、そんなにこの人は魅力的なんだ」と。
佐々木:あとは、「きちんと思いを伝えたいので、再設定してほしい」「この企業が第一志望だ」という。第一希望だったらうれしいですよね。
内容は同じなのにもかかわらず、これから行く相手の企業にとって何がうれしいか考えて伝えられているんです。これは『伝え方が9割』で言うと、「相手の好きなこと」という技術を使っているんです。
その人事部の人、もしくは面接官の人にとってうれしい文脈で言ってあげると、「それだったらぜひ来てくれ。枠として、本当は今日、面接が終わるのは6時半なんだけど、じゃあ6時半のその後に時間を取るので」みたいに組んでもらえる可能性もあるし。
なんなら面接官には、ただ遅れただけじゃなくて、前の企業に非常に囲われているっぽいという印象を与えられるので、初めからゲタを履けちゃえる。
藤岡:すごく価値のあるお話ですね。伝え方だけで、相手の心象がまったく違う。
佐々木:そういう人のほうが内定を取りやすいんです。なんで取りやすいかというと、こういう人はビジネスでもそういうことが言えるんですよ。
藤岡:確かに。
佐々木:なので、やはりコミュニケーション能力はとても大切です。ただ、コミュニケーション能力を上げたい、上げるぞと思ってもなかなか上げられないんです。でも、実は技術があって、ある本があるんです(笑)。
藤岡:『伝え方が9割』ですね。
佐々木:読んでいただけると、技術として今お話ししたものが載っています。
佐々木:「相手の好きなこと」は伝え方の技術の一番初めに出てくるものなんです。今まではストレートに言っていたものも、そういう技術をもとに伝えてあげると、相手に伝わるような伝え方ができるんです。
技術だとわかるとできるようになるんです。才能と思われると、人はなかなかできないじゃないですか。「才能ないし、センスもないし、コミュ障だし」と思っちゃうんですけど、誰でもこういうステップを踏めばできるようになる。
なんなら算数の公式みたいなもので、その公式の通りにやってあげるとできるようになるんです。ぜひ手にしていただけたらと思います。
藤岡:「ノーをイエスにする技術」というところであったりもしましたけど。
佐々木:おっしゃる通り。
藤岡:すばらしい。これは再現性がある技術ですね。
佐々木:そうなんですよ。面接でももちろん役に立つし、なんならビジネスでも役に立つと思います。
藤岡:佐々木さんのお話をもっと聞きたいから、佐々木さんに来ている質問に回答してもらいたいと思います。「佐々木さん、最近、伝え方で損をしていると感じたニュースはありますか?」。
佐々木:伝え方で損をしている? 例えばどういうニュースを想定していますか?
質問者2:ニュースなんかを見ていると、会見の広報担当者の仕切りが上手だったり下手だったりします。あとは謝罪会見なんかでも、上手かったり下手だったりすると思います。
佐々木:なるほどね。
質問者2:そういうところで、佐々木さんの視点で、「こういうところがうまかったな」とか、例えば番組の中での伝え方で、「ここはもう少しこうすれば、もっと数字を取れていたのにな」みたいな、気になったところがあったらご教授いただきたいなと思います。
佐々木:今日はそこまで話すつもりはなかったのですが、せっかくご質問を頂いたので。謝罪会見だけでなく、個人的な謝り方にもコツがあります。これは本にも書いてないんですけど。
謝り方のコツは3つあって、1つは「なるべく早いタイミング」。そして2つ目は「直接」。最後が「相手が想像している以上に謝る」。この3つをぜひ覚えておいていただけるといいと思います。
佐々木:まず、「すぐに」というのは何かというと、謝らないといけないことがあると、なんとなく自分の気持ち的に先延ばしにしたいんです。負い目があるから。「いや、仕方ない。今度たまたま会った時に言おうかな」みたいに思うんです。
でも相手の気持ちからすると、「なんで謝ってこないんだろう。こんなことをされたのに」みたいにすごく思うんです。
何遍も何遍も思っているうちに、その不満な気持ちって、日に日に大きくなっちゃうんです。なので、謝るんだったらなるべく早いタイミングで謝ってしまうのが一番リスクが低くなります。
あとは「直接」。これもLINEで謝るみたいな。それでも良いんですけど、やはりLINEで「すみません」と言うよりは、会いに来て「すみませんでした」と言われる。どっちのほうが、より相手は許しやすいか。「え、来たの? 仕事は大丈夫なんですか?」みたいになりますね。やはり直接謝るのが大切です。
佐々木:3つ目が、「相手が期待している以上に謝る」。人間は「すみませんでした。この部分は、僕が悪かったです。でも、この部分は御社の部分もありますよね」と言いたくなるんですよ。
だって、本当に自分が悪いだけじゃなく、相手にも悪い部分がある。こっちの言い分もあるしとか思うんですけど、そうじゃなくて「いや、これは本当に私の責任です。本当に申し訳ありません。全部私の責任なので、これも謝らせていただきます」と言うんです。
相手から「いや、この部分は私も悪かった部分もあるんだけどね」と言われたら、それでこの話は終わります。でも、逆にぎりぎり薄皮でむいて、「この部分は悪いけど、ここはあなたのせいだよね」と言われるとムカっとするんですよ。「いやいや、でもこれが起きたのも関係あるよね」という話になるんです。
芸能人の謝罪も実はそうで、例えば文春とかに(詳細が)書いてありますよね。
その時の謝り方として、「それは全部本当です。すみませんでした」と言うとそれ以上言えないんですけど、「この部分はそうだけど、こう書いてあるこの部分は違います」と言っちゃうと、それが逆にガソリンになって、またさらにすっぱ抜かれる。今までの世の中の謝罪を見ていただくと、非常にわかりやすい。
自分の謝り方についてもそうです。自分としては、「全部私の責任です」と言いにくいけど、でも言われたほうとしては「いやいや、佐々木さん。全部ではない。私も言われてみれば、ちょっとコミュニケーションに気をつけてやっておけばよかったなと思います」みたいに、逆に言っていただけると、もうそれ以上になりません。
今日はここまでやるつもりはなかったんですけど(笑)。せっかくの質問でしたので。
藤岡:ありがとうございます
藤岡:あと、オンラインの方から2個ほど質問が来ていたものに答えていただきます。
「現在、メーカーの工場で勤務しております。今の仕事をやり切ったとしても身に付くスキルはなく、転職活動でアピールできる点がありません。そんな中で転職していくには、どのような取り組みがありますか? 副業が1つの方法だと、今回のセミナーを受けて感じました」。
私がこの方にアドバイスするのであれば、副業ですね。こういう方は、あなただけじゃなくて多くいらっしゃるんですね。今の職場でどんなにがんばってもスキルが付かないし、市場価値はないなという方は少なくありません。そのままがんばってもしんどい場合は副業ですね。外に出ましょう。
ここでよくあるのは、「副業でやれる仕事がなかなかないんです。お金を払ってもらえるようなバリューもスキルもないんです」という方がいらっしゃるんです。これも本(『スタートアップ転職×副業術』)に書いているんですが、無料副業という手があります。けっこうあるんです。「お金は要らないから経験させてください」という。
いろんなプロジェクトに入らせてもらって、会社のほうにお手伝いで入ったりするわけなんですけども、やっていくうちにネットワークができたり、そこでの経験を活かして似たような仕事を積み重ねていくと、それでだんだんお金が来るようになります。
なので、まず成果が出せる副業を、無料でもいいからやっていくと、転職できるようになったりします。
佐々木:無料の副業は、どこで探せばいいんですか?
藤岡:いろんな副業サイトにいっぱいありますね。特に自治体のプロジェクトがけっこうあって。例えば僕の事例だと、地域創生のプロジェクトをやりますと。お金は払えません。だけどもそれ以外は全部なんとかするから、移住者を増やすためのプロジェクトをやっているから、入りませんかと。
佐々木:すばらしい。
藤岡:そうすると、例えばそこでWebマーケに通じたいろんな方々につながれる。移住者を集めて、そこで仕事をして、その経験が増えてくると、けっこう横展開ができたりするんです。
他の地域の経営者からプロジェクトが入ったりして、だんだんお金が来るようになります。それがお金になるまでの経験値になるんです。
佐々木:それはいいですね、確かに。初めはお金を払ってくれるところで探したと思いますが、お金は要らないから自分の興味のあるところだったら、できますよね。
藤岡:(見返りは)少しかもしれないけど、でも経験をもらえるという発想を持っていればいいと思うし。
佐々木:なるほど。
藤岡:ただ、この方が工場で何をしているのかわからないですけども、副業だったら今の経験が少しでも活きるような副業を探してもらうと良いかもしれませんね。
藤岡:次です。「ビジョンとは、つまるところ何なのでしょうか。最近落ちた転職面接、8次面接まで行き役員にも2人面接した挙句、『明確なキャリアビジョンが共有されなかった』と不採用になりました。ビジョンとは何なのか、考えれば考えるほどわからなくなりました」。これはシビアですね。どう理解したらいいですか?
佐々木:悲しいですね。
藤岡:悲しいですよね。うーん。でも、ここで言うビジョンというのは、キャリアビジョンのことですよね。
佐々木:「明確なキャリアビジョンが共有されなかった」とは誰が言ったのですか?
(質問者のコメントで)「先方企業からのフィードバックでした」。なるほど。「明確なキャリアビジョンが共有されなかった」。つまり、その方のキャリアビジョンがわからなかったと言われたんですね。自分はどういうことをその会社でやりたいかというところが、その役員には伝わらなかったという意味なんでしょう。
藤岡:「伝わらなかった」という理由だったらね。「君の言うことはわかるんだけど、違うんだ」と否定されたんじゃなくて、「わからなかった」と言われたということですかね?
佐々木:そうでしょうね。面接って必ず誰かが必要になるので、採用するかしないかじゃなくて、採用は絶対すると思うんです。つまりもう1人のライバルがいて、ライバルと比べられた時に、その方のビジョンのほうが、うちで活躍してくれるとその会社は思ってしまったということなんでしょうね。
佐々木:もちろん、この会社でもきっと活躍できる方だったとは思うんですけど、世の中にものすごくたくさん企業がありますので、その方自身がやりたいと思っていることを他の会社でそのままいっても、「ぜひお願いします」という企業もあるんじゃないかなと思いました。
藤岡:結果が出なかったですけど、そこはポジティブに捉えてもいいのかなと思っていて。(8次面接まで行ったということは)自分自身は評価されていて、たぶん競合の人に負けたんだと思うんですね。絶対評価は高いはずなんです。
たぶん、「キャリアビジョンが共有されなかった」ということだと思うので、やりたいことが伝え切れてなかった。
先ほどのお話で「逃げないって何だろうか」とか、「目的を絶対達成する」という強い思いとかを出しましたけど、伝え方になるのかな。「本当にこの人はこれをしたいのかな?」というところが、ライバルより、よっぽど強くアピールできなかったということだと思うので。今日のセミナーが少しでも役に立って、伝え方の技術がアップすることで解決できればなと思います。
自信をなくす必要はないと思いますよ。やはり最後の最後のこういうところってありそうだから。就職活動って必ずしも強いものが勝つわけじゃないんですよ。ちょっとした愛嬌だったりと、もしかしたら出身大学が同じとかで贔屓されることもありますから。
もし1次面談だったら問題なんですけど、ここまで行っているんだったら、もっともっとたくさん動いたら、きっとどこかで採用される方なんじゃないかと思います。
藤岡:とりあえずね。わかりました。じゃあいったん時間も押してしまいましたので、ネットワーキングの時間に入りたいと思います。
佐々木:ありがとうございました。
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