2024.12.23
大量の問い合わせにデスクはお手上げ、現場はブチギレ…… 崩壊したチームを立て直した、kintoneによる業務改善の道のり
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藤岡清高氏(以下、藤岡):最近は副業もかなり出てきています。わりと有名になってきてますが、「副業解禁」という言葉があったからです。
多くの会社、大企業は副業も解禁され始めてできるようになってきました。なので思い切ってしたいこと、自分ができることで、それを評価してくれそうな会社で副業してみる、雇われてみる。雇われるかどうか、値札が付くかどうかっていうのを試してみると良いと思います。
佐々木圭一氏(以下、佐々木):副業がおすすめの理由はあるんですか。
藤岡:本にも書いてるのでぜひ呼んでほしいんですが、副業がおすすめな5つの理由をお話しします。みなさん、副業したことある人ってどのくらいいるのか、リアルな会場だとどのくらいいます?
(会場挙手)
けっこういらっしゃいますね。副業してみると自分の市場価値がわかるんです。転職もそうだけど、副業してみても「自分ってこのぐらいのバリューなんだ」と実感ができるので、まずはそれがおすすめの理由の1つ目です。
藤岡:(副業がおすすめな理由の)2番目が、自分の会社の市場価値も知れるんですよね。
佐々木:自分だけじゃなくて、自分の会社の価値も。
藤岡:はい。自分の会社って外に出るとわかるって言いますよね。自分が社内でこのぐらい活躍してると思ってたけど、外に出てみるとそれはそうでなかったり、逆に「めっちゃエースじゃん」ってなったりするので。やはり外に出て、物差しを自分で作ってみるのもあると思います。
本業での自信を取り戻せることもある。外に出て初めて自分の会社はすごいとか、自分ってすごいとか、いやダメなのかとわかったりします。
ダメなのかってなったら苦しいんですけど、自分のやってることは間違ってなかったとか、しっかり成長できたとか、よそに行ってわかったりするので。それは副業のすばらしい部分だなと思います。
藤岡:(副業がおすすめな理由の)4番めが、転職リスクを減らせるんです。
佐々木:転職リスクを減らせる……これはどういうことなんですか?
藤岡:つまり副業をして、自分の市場価値を知っておくと、「自分のここが評価されるんだ」ってわかるので、いざ転職した時にスムーズにいける。あとまずは副業で入っておいて、「ミスマッチだな」「合わないな」と思えば、契約満了で辞めればいいっていう(笑)。
佐々木:なるほど。もしいきなり転職しようと思って転職しちゃって、その転職先でうまくいかないことがあったら、戻れるかというと……戻れることもあるけど「いやいや」っていうこともあるので。初めから合うかどうかがわかる。
藤岡:そうです。転職をして、ミスマッチだったけど戻れないっていうの、けっこう大変だと思うんですよ。それが減らせるのはとても大きいかなと思います。
あとは「個人に信用と情報が集まる」。重要な鍵ですけども、副業で働くということは、個人の時間で働くので、そこで得られた実績をもとに、ブランドができてきたりとか、個人に仕事が入ってくるんですね。
大きな会社にいると、〇〇会社にいる〇〇さんだから仕事になるんだけど、副業で仕事が入ってくるようになってくるということは、自分に情報とかネットワークが入ってきますから、次につながっていきます。
というのもあって、副業はいろいろ大変なこともありますけど、やはりメリットのほうが僕は大きいと思っていて。市場価値を知るという意味でも、まずは副業で踏み出してみるのもおすすめかなと思っています。
藤岡:ということで、3つ目は伝え方。ここは佐々木さんから絡んでほしいなと思っているんですけども、具体的な伝え方の事例をお話ししようと思います。まずはNG事例からですね。
先ほど「ヒト軸」と「イシュー軸」というお話をしましたが、ヒト軸で話した時のNG事例になります。
みなさんはこんなことを就職活動、転職活動でしておりませんでしょうか? 「高いコミュニケーション力があります」「軽いフットワークがあります」「最後までやり遂げることができます」。
佐々木:良さそうじゃないですか。コミュニケーション能力が高くて、フットワークも軽くて、誠実で最後までやり切る。
藤岡:これを書くだけで、減点になってしまうことがとても多いんです。
佐々木:あら。なんで?
藤岡:書類選考では有利ですけども、解決できることが不明確だし、検証できないじゃないですか。
佐々木:確かにね。書く分には誰でも書けるよと。
藤岡:「コミュニケーション力があります」と、こんなことを書いてしまう人は、本当にコミュニケーション力があるのかと、逆に疑われてしまう。
佐々木:(笑)。
佐々木:じゃあ、なんて書くんですか?
藤岡:OK事例です。ヒト軸対イシュー軸。イシュー軸で話す。「私は1人目の事業開発、もしくはカスタマーサクセスをして、事業開発チームを立ち上げることができました」。カスタマーサクセスチームを立ち上げたことがあります、もしくはできますということですね。
「The MODEL型の営業組織を作ることができます。Webマーケでリード獲得体制を作ることができます。もしくは1人でWebマーケで集客することができます」。非常に具体的ですよね。より一歩、仕事の中身に入り込んだことを書いている。あと雇う側からすると、この人を雇った理由がしっかりわかるんです。
佐々木:なるほど。
藤岡:「雇った理由は、この人は1人目の事業開発をして、事業開発チームを作ることができるから雇ったんです」と言えるように伝えてあげるようにする。
ここは採用側ががんばっているところなので、どんなイシューからどう解決できるのかというのもちゃんと伝える。これがOK事例ですね。
藤岡:どんどんいきますね。NG事例。
佐々木:あ、また出ました。
藤岡:「◯◯代理店の◯◯部門にいました。売上いくら、達成率120パーセント、新規獲得何社、部門として目標を達成し、高い評価を受けました」。
佐々木:いいじゃないですか。部門の実績としてもとてもいいです。売上3億円を達成して、達成率はなんと120パーセント。20社も取りました。目標を達成し、高い評価を受けた。なんでダメなんですか?
藤岡:本当にこの人ができるのかどうかはわからないからね。(この成果が出たのは)会社の力がすごいのか、メンバーがすごいのか。
佐々木:なんて書けばいいんですか?。
藤岡:OK事例です。先ほどの「名札軸」と「値札軸」の流れでいくんですけども、OK事例です。赤字のところが先ほどにはなかったところですね。「個人成績トップ」。
佐々木:お、それは絶対いいですね。
藤岡:「30人中1位」となると、ちょっとイメージは良くないですか? その会社で30人のところで1位と書ける。
藤岡:次の部分がけっこう大事で、「既存先紹介顧客の定着率が高いことに着目し、『既存先満足度』をKPIに設定」。この人は法人営業としての仕事の取り方です。
佐々木:新規をばんばん、ではなく。
藤岡:はい、自分の目の前のお客さんを満足させる。そして、それによって紹介をもらうという。そういう取り方がいいんじゃないかって、自分で着目したという。
佐々木:うん、採用したいパターンですね。
藤岡:こういう仕事の取り方だから、解約率も低いんだと言っています。だから個人の仕事のスタイルがちょっと見えてきましたね。数字も出ているし、「この人はこういう仕事の仕方なので、既存客としっかり関係構築できそうだな」と。
佐々木:なるほどね。
藤岡:伝えるべきは「会社がこうした」ではなくて、個人としてこうして、その結果こんな結果を出しましたということです。
佐々木:確かに。これだと、「この方がやったんだな」とわかりますね。
藤岡:そうなんです。ということで、先ほどの「名札軸」「値札軸」とありますけども、名札軸は「会社がすごい、部門がすごい」みたいな話です。
値札軸は「自分がこういうやり方でこういう結果を出して、このぐらい稼げる人間だ」という、自分の値札を話すことです。
藤岡:あと、「(独自の工夫による成果のすごさを)定量的に伝える」と書いていますけども、数字に落とし込むのもとても大事なことです。先ほどの「コミュニケーション力があります。がんばります」というのは検証ができない。わからないですよね。
僕はすべての仕事は定量化できると思っています。管理部門であったって定量化できるんですから。だから定量化する努力をすると、採用する側も「この年収に対して、この人はこのぐらいのリターンを取るんだな」ってわかりやすいので、採用しやすくなります。
佐々木:数字は確かに強いですよね。これとはちょっと話は違うんですけど、『伝え方が9割』という本も、内容で言うと「伝え方が大切」という本なんです。だけど、『伝え方が大切』という本だと、そこまで売れてないと思うんです。でも、内容は「伝え方が大切」なんです。
あえて「大切」を数字に置き換えたら、例えば「99パーセント」と言うことができるかもしれないし、「8割」と言うこともできるかもしれない。でもいろいろ作った上で「9割」というのが一番はまるなということで、「9割」と書いた。
やはり「伝え方が9割」となると、なんかそんな気がする。数字が入っていることによって、説得力が出る。
藤岡:確かにありますね。
藤岡:採用でもそうです。「伝え方が大切」と言われたら、ちょっと手に取るぐらいにはなるけど、「そうだけど、だから何?」となりません? 「大切」を「9割」と言い換えて訴える。天才的なワーディングですよね。
佐々木:ありがとうございます。
藤岡:伝え方における定量化の重要性をお伝えしました。
藤岡:そして時間も時間なので、ちょっとまとめに入っていきたいと思います。「備えよ、常に」ですね。
転職というライフイベントですけども、やはり「一緒に働きたい会社や人と出会った時に起こる」と私はイメージしました。転職って、計画通りにいく人って何パーセントだと思います?
佐々木:計画通りにいく人ですか。
藤岡:つまり、転職したいなと思って、サクッと転職ができるということですかね。自分のキャリアプラン通りにいく人って、どれくらいいると思いますか。これは、ちゃんと数字に出てるんですよね。
佐々木:じゃあ僕があえて言うと、そうですね、今ハードルが高そうな言い方をされていたので、思い通りにいく人は2割。
藤岡:実は2パーセントと言われています。
佐々木:2パーセント!? そんなに少ないんですか。
藤岡:はい。これは世界的なリサーチ会社の調査結果です。スタンフォード大学の心理学者であるクランボルツ教授に提唱された計画的偶発性という理論があって、キャリアが計画通りの人は2パーセントしかいないという話です。僕と佐々木さんが出会ってしまって起こる、みたいな感じですね。
藤岡:働きたい社長と出会ってしまって、もともと考えてもなかったんだけど、出会ってしまったから転職する。こんな会社にたまたま出会ってしまって転職するとか、そんな感じなんですよ。なので大事なことは、その時にビジョンとスキルをしっかりと伝えられるかなんです。
佐々木:出会った時に。なるほどね。メイクせずに歩いていて、イケメンに出会ってしまってもダメだと。初めからメイクをしとけと。
藤岡:そう。いつ出会ってもいいように。
佐々木:コンビニ行く時も、いるかもしれない。
藤岡:そうです。いるかもしれません。たぶん恋も計画通りにいくことはないと思いますね。
佐々木:突然ね。
藤岡:ただ、出会った時にちゃんと準備できているかどうか。というのはあるんですけども、でもビジョンとかスキルを出会った時に伝えられなければ、たぶんその縁ってなくなっちゃうんですね。
なので、いつでも伝えられるようにしておくかどうかが、特に大事なことです。波が来た時に乗れるのはスタンバイしている人だけと言われます。
佐々木:それは藤岡さんですか?
藤岡:佐々木さんがサーファーなのを知っていますので……。
佐々木:それは別に要らない情報です(笑)。
藤岡:(笑)。波が来た時に沖に出ても遅いんですよ。沖に出ている人だけが波に乗れると言いたいんですけども。
現実を言うと、転職もふっとチャンスが来たりするんですよね。その時にビジョンやスキルを語れないと終わっちゃう。だから、いつでも話せるように準備をしておくことが、現実的にはとても大事です。
藤岡:私の個人的な大学時代の親友のKくんの話をします。彼はまさにこういうのを実現した人です。彼は大学の地理学科にいました。彼は大学時代から「環境問題を解決したい」って言っていたんですよ。すばらしくないですか? 20年前当時からそう言っていたんです。それで新卒で日立に入ったんですけども。
佐々木:「この木なんの木」に。
藤岡:はい。3日で辞めました。「環境問題について君にやらせる」と言われて入ったんですけど、入ったらいきなり違う職場になってしまったんです。
(そこで上司から)「いやいや、大企業は終身雇用だから、まずは現場でまったく違う部門の空気を吸ってこいよ。先は長いから」と言われたんです。「いやいや、僕は環境問題をやらせてくれると言ったから入ったんですよね」ということで、3日で辞めたんです。
佐々木:すごい。
藤岡:僕は彼に言ったんです。「せっかく日立みたいな会社に入ったんだから、なんで辞めるんだよ」と。
佐々木:そう言いますよね。親もびっくりですよね。
藤岡:でも環境問題をしたくて、それをしてくれると約束したのに話が違うと思って、彼は環境ベンチャーに転職しました。それは小さな知らない会社で「大丈夫か?」と思っていました。
(Kくんは)そこで働いていたんですけど、時代が追いついてくるんですよね。ESDsなど環境問題に企業が取り組みはじめています。
藤岡:今、彼は大手自動車メーカーでエンジン開発の仕事に関わっています。まさに「環境問題を解決したい」という思いでずっとやっているから、いろんなところから引く手あまたです。
彼は学生時代から一切ブレてないです。大企業をすぐ退職した彼に「お前はアホか」と言っちゃいましたけど、彼は正しかったんです。一切ブレずに環境問題に取り組んできたから、市場価値はたぶん3,000万円~4,000万円ぐらい。もっとかもしれないですね。環境に優しいエンジンを作る人間ってそんなにいないですから。
常に彼は「自分はこうしたい。こういうスキルを学んできた。こういうことができる」と言い続けたから、常にチャンスがあって、チャンスが生まれてきた時にしっかりグリップできたんです。
佐々木:なるほど。「何を目指したいか」という、自分の信念を持っておくと。
藤岡:持っておくと、いろんなところで働くにしても引っかかってくる。引っかかるというか、なんなら「来てください」という話になってくるじゃないですか。
佐々木:そうですね。
藤岡:スキルもしっかり身についていくし、伝える力も身につくし、(企業側から)断られることがなくなるという話があります。ビジョンとスキル、どちらかの伝え方があればなんとかなります。
佐々木:なるほど。
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