CLOSE

スモールビジネス「起業後の心得」~成功する起業家とは?~(全5記事)

「事業計画書」作りに尽力する人は起業に向いていない 1万社を支援して気づいた、起業に成功する人・失敗する人の特徴

東京・立川を拠点に起業に関連したさまざまなイベントを開催しているStartup Hub Tokyo TAMA。本記事では、13年間で1万社超の中小企業・個人事業主を支援した株式会社ウェイビーの伊藤健太氏が登壇したイベントの様子をお届けします。今回は質疑応答セッションで、伊藤氏が参加者から挙がったさまざまな質問に答えました。

「事業計画書」作りに尽力する人は起業に向いていない

伊藤健太氏(以下、伊藤):相談相手を間違えると、とてもやっかいです。「自分で事業をやったことのある人か」とか、やっている人でも「うまくいっている人か」といったことを見るのはとても大切です。

(スライドに)「公庫のアンケートの衝撃」と書いていますが、独立起業前の方が誰に起業の相談をするかというアンケートがあって、「本当か?」と思うんですけど、「ご家族とか友だちとかに相談する」が圧倒的に多いんです。

基本的に、家族とか友だちに相談して、いいアドバイスが出てくるわけがないじゃないですか。事業を本当にやったことがあって、うまくいっている人が相談相手です。やったことがない人が悪いという意味ではなく、やったことがない人は、やったことがないからわからないわけです。

お金を生み出すということは、今までとは違う種目ですので、その種目の中でお金を生み出せている人を相談相手にすることを意識されるといいと思います。

これが最後です。「事業計画を作りましょう」というのは、起業の本とかでもよく出てくるアクションです。誤解を恐れず言えば、銀行からお金を借りるための事業計画や、補助金のための事業計画はちゃんと考えないといけませんが、売上がいくら上がるかなんて予想はほぼつきませんので。

そこに時間を使うのではなく、「どうやってお客さんに自分たちの存在を知ってもらうのか」や「なぜお客さんが自分たちの商品を買ってくれるのか」をとにかく徹底的に考えて、絶対売れる状況を考え抜く。それが事業計画だと思ってください。

ですので、事業計画としてはマーケティングや商品の強さ、セールスといわれるあたりに重みを置いて考えていただくことが極めて大切になります。

「事業計画書を作るんだ!」みたいなかたちで、事業計画書作りに勤しむ人がいますが、そんなことよりも1人目のお客さんを見つけるべきです。事業計画を作る前に、「買ってくれる人が見つかりました」ということを、ぜひやっていただきたいと思います。

ちょっと抽象度を上げると「事業計画」に勤しむ人は計画偏重な方で、起業には向いていません。起業はアクションの連続体ですので、いかに早く1人目のお客さんを見つけられるかで、一気にリアリティが上がります。

最後のほうはちょっと駆け足になってしまいましたが、全体を通して、とにかく「売上を上げる」ということですね。ここに焦点を当てていただく。

そこを目がけて今自分は何をすべきかという感じで考えていただけるといいと思います。これにて僕の話は終わらせていただきます。ありがとうございます。

起業に成功する人・失敗する人の特徴

司会者:ここからは、伊藤さんにみなさんからいただいたご質問に答えていただこうと思います。

それでは1つ目の質問です。「抽象的な質問になりますが、成功する人の共通点と失敗する人の共通点を教えていただきたいです」。

これは本当に抽象的な回答になってしまうかなと思いますが、成功する人が「だいたいみなさん共通してやっているよね」とか、失敗する人がやりがちな失敗がもしあれば、お教えいただけますか?

伊藤:すごくいい質問だと思います。成功している人と失敗している人は、「成功」と「失敗」をどう定義しているかが本当に違います。うまくいっている人ほど、「失敗」を成功のために必要なプロセスだと思っています。

柳井(正)さんの本に『一勝九敗』という本があります。日本を代表するグローバル企業を作られている経営のプロですら、新しい事業を作る時は、「10回やって9回は失敗する」とおっしゃっているわけです。

事業を作ったことのない、初めて起業する人の多くがが、1個目の事業でうまく当てようと思うわけですよ。でも柳井さんは、10回やって9回は失敗するとわかっている。10回やって9回失敗して1回当たると。

1回目をやりました。失敗しました。2回目をやりました。失敗しました。3回目をやって失敗しました。ただそれを失敗として片付けないで、「なぜ失敗したのか」を分析すれば、次やる時の確度がちょっとだけ上がるじゃないですか。

こうやったら失敗したということがわかると、「次はこれはやらない」と、1個ずつちゃんと分析をしていくことで、ちょっとずつかもしれませんけど、成功の確度が上がっていくわけなので。

何が言いたいかというと、一番の失敗は、今日お話ししたことですが、何もやらないことです。起業における最も最悪な失敗は何もやらないことで、評論家になることです。起業は行動する種目ですので、最大限行動できるということが、成功する人に共通することです。行動の量と行動の早さですね。ここに行き着くと思います。

司会者:ありがとうございます。1歩目を踏み出すのは大変なことかなと思いますが、ぜひみなさんも挑戦していただければと思います。

スタートアップとスモールビジネスの違い

司会者:続いてのご質問です。「初歩的な質問で恐縮ですが、スモールビジネスとスタートアップの違いは何でしょうか?」というご質問をいただいております。本日のタイトルにもなっていますが。

伊藤:スタートアップとスモールビジネスは決定的に違います。まず間違えないでいただきたいのは、どっちが偉いとか偉くないの関係ではなく、種目が違うということです。野球とサッカーは違いますよね。それと同じで。

スタートアップは、岸田(文雄)さんになってから国としても推していますけど、わかりやすく言えば、メルカリみたいなものをイメージしていただくといいんじゃないかと思います。アプリを持っている人は開いてもらうとわかりますが、メルカリは今10周年なんですね。「10th」と書いてあります。まだできて10年ぐらいしか経っていないわけですよ。

今は下がっていますので4,000億円になっていますが、たった10年で時価総額が最大で1兆円ぐらいの会社になったわけですよ。時価総額1兆円の会社なんて、日本の中でも数えるほどしかないわけです。

何が言いたいかというと、めちゃめちゃ短期間で、世の中の常識やルールなど、産業構造を変えていくのがスタートアップという種目です。いかに短い期間で業界を変えていくかがスタートアップという種目です。

スモールビジネスは、例えば僕は今熊本に住んでいますけど、駅の目の前でラーメン屋さんをやりますとか。こういうのがスモールビジネスです。スモールビジネスは、自分がやりたいこととかできることで、目の前のお客さんを喜ばせていくみたいなイメージ。

スタートアップももちろんそうですが、どちらかと言うと時間軸とインパクトの大きさなどの捉え方がぜんぜん違うものだと思ったらいいかと思います。

基本的にはスタートアップは、短い時間で産業構造を変えるようなやり方になりますので、お金がたくさん必要だったりします。銀行融資とかではぜんぜんなじまないので、いわゆるエクイティといって株式を発行して投資家からお金を得て、そのお金を使ってどんどん前に進んでいく種目です。

熊本でラーメン屋さんをやって、初日から赤字だったら、このラーメン屋さんはまずいわけです。初日から売上がちゃんと出て、毎月黒字でやっていかないとダメなのが、スモールビジネスだと思っていただくといいかと思います。

解像度を上げるための取り組み

司会者:続いてのご質問です。「自分のやりたい起業のアイデアがあるのですが、何から進めたらいいのかわからず一歩を踏み出せません。『止まった車を動かす』はまさに自分のことだなと思ったのですが、そういった状態の人は、何から始めるのが一般的なのでしょうか?」といったご質問をいただいています。

先ほどの伊藤さんのお話に何か付け加えるとしたら、どういったことがございますか?

伊藤:回答は先ほど言った通りですが、まず環境を変えていただく。具体的なリアリティを上げていかないと次のステップに行けないと思うんです。

リアリティを上げるとは、解像度を上げるということです。解像度を上げるためには、自分がやりたいことに近いことや同じことをやっている人と、仲良くなれるかが次のステップだと思うんです。けっこうハードルはあるかもしれないんですけど。

自分はまだ独立していません。でも、自分のなりたい姿の人や、独立してうまくいっている人にどうやってコミュニケーションを取ったらいいのかとか、どうやったら知り合えるのかって、ここにギャップがあると思うんです。このギャップを潰せるかが、次のステップに行けるかどうかの違いです。

逃げないでここに踏み込めると次のステップへ行けます。「あ、この人だ」という基準が見えるようになると、「こういうことをやったらいいよ」とかいろんなアドバイスをいただけるので。

例えばメジャーリーガーになりたいと思っているけど、メジャーリーグの試合を見たことがなく、草野球の練習をしていてもなかなかたどり着かないわけですよ。

でもメジャーリーガーに紛れて1回でも試合に出させてもらったとか、1回でも試合を生で見ることができれば、「もっとこういう練習をしないといけない」とか、「バットはこう振れないといけない」という基準ができてくるわけです。この基準が解像度であり、解像度をいかに上げられるかが、起業準備前の方や起業直後の方がやらないといけないところです。

環境が遠いですが、基準を上げるためにはやっている人に近づかないといけないので、腰を引かずに、ちょっとだけがんばってほしいと思います。ここが大きな分岐点になるので。

うまくやっている人は行動量の桁が違う

司会者:続いてのご質問です。「起業済みですが、お客さまに会うのに苦戦しています。SNS発信を学んでいる最中で、成果を上げるのにとても時間がかかりそうです。その間、必要に迫られてライスワークをしていますが、時間が足りず、エネルギーも分散してしまいます。何かアドバイスをお願いします」といったことです。

伊藤:今日は独立前の方もたくさんいらっしゃいますが、今ご質問いただいた方は、すでに独立され、チャレンジされているという意味でとてもすてきな方だと思います。独立された後はご質問いただいた方のような状況になる方がたくさんいらっしゃいます。

SNSを使ってお客さんに知っていただくみたいなことは、あくまで方法の1つです。お客さんに自分の存在を知ってもらって、買ってもらったりアポを取る方法は数十〜数百あるわけです。

その中でどれが自分にとって一番いい方法かを、全員があらゆる方法を試して、なんとか見つけて、「もっとうまくできないか?」と深掘りする。みなさん、そういうことをしています。今うまくいっている人たちも、まったく同じフェーズとプロセスを経ています。

今のSNSのやり方だけでは、ご本人も時間がかかると思っていらっしゃるのであれば、もっと量と精度にこだわって、行動を上げていかない限り、次の突破はなかなかありません。なので、そこを見直すしかないと思います。

このご質問いただいている方がそうかはわかりませんが、僕の経験で言うと、お客さんに知っていただくとか、伝えるための行動はほとんどの人が弱いですし、数がまったく足りません。足りないというのは、うまくやっている人がやっている量と、うまくいっていない人がやっている量は桁が違うと思ってもらっていいです。

うまくいっている人がどれぐらいの量をやっているのか、どれだけ時間をかけているのか、どれだけ改善しているのか、どれぐらいの意識でやっているのかという解像度を上げていただくことで、「今の自分の基準じゃダメだな。このレベルでやらないといけない」と、わかっていただけると思います。

ご質問いただいた方のご状況がすべてわからないので、ちょっと違ったことを言っているかもしれませんが、起業した方に本当によく訪れる出来事ですから、僕の回答は一般論だと思って聞いていただけたらと思います。

独立したあとに困るのは「事業計画書がない」ことではない

司会者:続いてのご質問です。「私も完璧準備を目指していたと思います。そのため、『事業計画書にこだわらない』というのは、私にとって衝撃的なご意見でした。納得をしているつもりですが、それでも必要な資金調達額が曖昧であったりすると不安になります。何かコメントをいただけると幸いです」ということです。

伊藤:準備や事業計画を作ることって別に悪くないんです。ただ、僕が言いたいのは、「計画通りいかないから計画を作る必要がない」と言っているわけではなく、「起業」という種目は、勝てば官軍の世界なので、どんな優れたプランを作っても、結果が出なければ何の意味もありません。

「結果」とは、最初のステップで言うと、1人目のお客さんをいかに早く見つけるか。これだけです。「1人目のお客さんをいかに早く見つけるか」の連続なんです。別に計画を書かなくても、1人目のお客さんをさっさと見つけちゃえば、それでおしまいと言えばおしまいなわけです。

一番難しいことは、お客さんを見つけることや売上を立てることです。ですので、計画を立てる前に、早く売ってみることが大切です。例えば、商品がなかったとしても「あるんです」と言って、一回売ってみるんです。

それで「買いますよ」と言ってくれる人がいれば最高ですし、相手のいろんなリアクションを見ていくのも大切です。実際にはないので、売れたとしても「すみません、実はまだ準備中なので」と言ったらいい話なので。早く1人目のお客さんを見つけることだけにまず集中してほしいと思います。

やっていけばやっていくほどリアリティが上がっていきます。最初に計画したものが、意味がないとは言いませんが、やっていない時に書いた事業計画と、少しやり始めた時の事業計画って、まったく解像度とレベルが変わってきますので、準備偏重にならないでいただきたいなと。

相談する人によっては、「計画を作りましょう」みたいなところに落とし込む支援家の方もいます。それはそれで正しい部分もあるんですが、そういう人たちは僕とはちょっと考え方が違います。どっちがいい・悪いではなく、僕の中ではリアリティを感じなかったりしますので。

独立したあとに困ることって、計画がなくて困るのではなく、売上がないことです。売上をどうやって立てるかに対して、とにかくエネルギーを使ってほしいなと思います。

多くの人は「あれもこれも」とはできませんので、まずは「1人目のお客さんをいかに早く見つける」の1つだけに絞っていただいく。次のステップで、目標を少しずつ具体化、より高めていくほうがいいかなと思っています。

副業でも「商売人感覚」を持つ

司会者:続いてのご質問です。「会社員で副業やパラキャリから始めようという場合、一番意識したほうがいいことは何でしょうか? 私もやりながらバランスを取るのに苦労をしているので、アドバイスいただけるとうれしいです」というご質問です。

伊藤:副業であっても、まったく変わらないと思います。うちの会社でもけっこう副業の人に仕事をお願いすることもありますし、会社としても副業OKにして、メンバーが副業をしたり、自分で事業を作ったりといろいろあります。

究極、商売人感覚を持っているかが大切です。「永遠に副業ではなく、いつか会社を辞めて」みたいに考えているかはわかりませんが、いずれにしても商売なので「自分の力で稼いでいく」という意識を持って、過ごしていただくことがとても大切です。

会社から最低限のお金がもらえる今の状況をラッキーだと思って、フルでゼロからやるという意識を持っていただいて、副業に使える時間の中でしっかりと目標を立てて、ステップを踏んでいくことができたらいいのではないかと思います。

事業アイデアの多くは「大発見」ではない

司会者:続いて、「自分のやりたい事業をやっている人がいない場合はどうしたらいいでしょうか?」といったご質問です。

伊藤:本当にいないのかもしれないですが、ビジネスって誰の課題をどう解決するかという話なので、「誰」が共通していたり、やり方は違ったとしても近いかたちでアプローチしている会社はあったりします。逆に本当にいないんだったら、なぜいないのかと考えたほうがいいと思います。

資本主義のすごいところは、可能性があるところには誰かがすでに着手しているケースのほうが圧倒的に多いんですよ。何十億人も人がいて、「誰もやっていません」みたいな状況は、逆に不自然に思ったほうがいいぐらいの話だったりするので。

大発見の可能性もありますけど、多くの場合は大発見ではなくて、自分のリサーチ不足だったりします。独立起業のタイミングでよくあるんですけど、「伊藤さん、絶対に言わないでください。これはもう真似されたら困るので」みたいなことを前提に説明される方がたくさんいるんですけど、僕からしたら「ぜんぜんそんなのよくある話ですよ」といったケース。

この方がというわけではなく、自分の事業って自分の子どもみたいに思えて、主観がすごく強くなって、「ものすごくいいものだ」と思い込む部分があるんですよ。僕もそうでした。なので、ちょっと否定されたりすると、自分の子どもを悪く言われているような感じがしちゃって。

若い頃は、僕も人の意見やアドバイスを受け入れることができなかったりしたわけですよ。「いや、ぜんぜんこいつわかってないな」と思ったりして。でも、よくよく考えると、社会のシステムってすごくうまくできている部分があります。

そこは「いない」と決めつけるのではなく、そうじゃない可能性のほうが高いので、「なぜいないんだろう?」と考えて、本当にチャンスがあるのかをちゃんと見極めていただくのがいいかなと思います。

お客さんに会う時の注意点

司会者:続いて最後の質問にいきたいと思います。「深いお話、ありがとうございます。お客さんに会う時に注意すべきことは何でしょうか? お客さんが嫌になったり、気まずくなってしまうのが心配です。例えば言ってはいけないこととか、何かアドバイスをお願いします」ということです。

伊藤:やはりビジネスですので、相手の人に「この人と会って良かったな」とか「この人に時間を取って良かった」と思われることですよね。いい人かどうかです。

礼儀からコミュニケーションをしっかりしているとかは当たり前の話だと思いますが、併せて、「この時間が良かったな」と思ってもらうために、相手にとって何がお役に立てるのかを考えることがすごく大切です。

いわゆる営業ですよね。セールスや営業で一番に売れる人ほど、物を売っている感覚がなくて、目の前のお客さんの課題解決を本気でしようと思う、御用聞きだと思っているわけです。

自分の商品を売るなんてことは考えていなくて、お客さんが今、人生を楽しいと思っているかとか、困っていることはないかを聞いていくわけですよ。自分の商品がたまたまそこにハマればいいんですが、ハマらないと思ったら、売ることは絶対にしないわけです。

せっかく時間を取っていただいているので、自分ができることで少しでも目の前の人がうれしくなるとか、喜んでいただけることを考えることは、極めて大切なことだと思います。

ただ、経験がないと、なかなかそんなところまで考えられないと思いますので、シンプルに誠実な姿勢で、「これから事業をやりたいと思っていて、自分としては何々さんみたいな方がお客さんの想定だったりしますので、大変お忙しい中だと思いますが、30分でもいいので、ちょっとお話を聞かせてください」とお願いするのも1つの方法だと思います。

自分勝手にならず、目の前の人が時間を取ってくださっていることに感謝をして、自分のできることをやって貢献していくというスタンスが最低限できていたら、トラブルになるなんてことは絶対にありません。

そこも場数かなとは思いますが、ちょっとずつ意識を持っていただくと、どんどんコミュニケーションもうまく取れるようになっていくと思いますので、あんまり心配されずにお客さんに会いにいってもらえるといいかなと思います。

楽しんで起業する

司会者:たくさんのご質問にご回答いただきましてありがとうございました。

伊藤:ありがとうございます。

司会者:お時間となりましたので、本日はここまでとさせていただきたいと思います。最後に伊藤さんに、これから起業を目指すみなさんに一言を頂戴してもよろしいでしょうか?

伊藤:今日は本当にご参加いただきありがとうございました。新しい時代の幕開けみたいな時に生きている僕たちですので、一人ひとりが楽しくやって生きていくことがすごく大切だと思っています。

独立起業に関しては、自分のやりたいことやできることが先行しがちですが、そういう方ほどなかなかうまくいかなくて。商売というのは、やはりお客さんがいらして、競争相手がいて、自分のできることややりたいことだけでは、なかなか通用しない。

でも自分のできること・やりたいことってめちゃめちゃ大切な要素です。そこを大切にしながら、自分にとっては誰がお客さんなのか。そのお客さんは何に困っているのか。その困っていることに対して、競争相手はいるのかいないのか。いたとして、競争相手はどれぐらい強いのか。自分はその競争相手にどうやって勝てるのか。

こういったところの分析をちゃんとしていくことがとても大切だと思います。最初のステップは絶対に学習です。徹底的な学習です。競争相手をリサーチしたり、自分の中でもっとこの領域に対して詳しくなっていくだったりとか。

あとは起業に関しても、ファジーに起業を捉えるのではなく、売上が上がらないことが最大課題で最初に訪れる課題なので、ここまで言語化していただいて、「じゃあ売上はどうやったら上がるんだっけ?」とブレークダウンしていくと、「この力が必要だよね」と見えてきます。

物事を抽象的にせずに、少しそれを分解して、物事の正体を突き止めて、あとはアクション。起業は学問ではなく、アクションの連続です。勉強してうまくいくという話ではなく、「アクションにつながる学習と、アクションをしていくこと」を大切にしていただくと、とてもいいかなと思います。

今日ご参加いただいたみなさんが、ご自身の人生をより楽しくされることが一番重要なことだと思っていますので、楽しんでと言うとちょっとおかしいですけど、楽しんでやっていただけるといいのではないかなと思います。ありがとうございました。

司会者:最後にすてきなお言葉をいただきました。ありがとうございます。それでは、本日の伊藤さんとのお話はここまでとさせていただきたいと思います。伊藤さん、ありがとうございました。

伊藤:ありがとうございました。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 一度の失敗では倒れない大企業ならではの事業戦略 『図解・ビジネスモデルで学ぶスタートアップ』著者が語る、新規事業の勘所

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!