若いメンバーが仕事でパフォーマンスを発揮できない理由

熊谷翔大氏:今日は「自分の強みを認めよう」がテーマです。これは日頃私が感じていることですが、自分の強みを正しく認めてあげることは、良い仕事をする上でとても大切だと思います。

20代の若手の頃は「自分は〇〇ができていない」ということばかりを気にして、自分の強みにはあまり意識がいっていませんでした。

考えが変わったきっかけの1つは、転職でした。転職活動を通じてキャリアアドバイザーの方にアドバイスをもらったり、転職してからの仕事を通じて、周りの方とは良い意味で違う自分に気がつきました。

特にグロービスは中途入社しかいませんので、さまざまなキャリアや経験を持つ人たちが集まってきます。その中で「意外と自分が強みとしていい部分もあるんだな」と思えるようになりました。

もう1つのきっかけは、チームのマネジメントをするようになったことです。メンバーの中には、たくさん良いところがあるのに自分でそれを認められず、自信を持つことができなかったり、自信が持てないからこそ、うまくパフォーマンスを発揮できない方もいます。

そんなメンバーと接するたびに「非常にもったいない」と思い、いろんな声かけや働きかけをしました。

もちろん過信するのはダメですが、自分の強みを正しく認め、自信を持って仕事をするほうが絶対に力が発揮されると思います。なにより本人が楽しいはずです。自己肯定感がぐっと高まって、しっかりとパフォーマンスが発揮されるイメージです。

自分の強みを正しく認めるための3つのポイント

じゃあ、どうすれば自分の強みを正しく認めることができるのか。今日は、私なりに「これが大事だな」と思うポイントを3つお話しします。

1つ目は、誰かと話しましょう。自分1人で考えるのではなく、誰かと話しながら自分自身を振り返るイメージです。自分1人で考えるとどうしてもネガティブな方向に思考がいきがちです。職場の上司や先輩、後輩に聞けそうな方は、ぜひフラットに聞いてみるのがいいかと思います。

ふだん一緒に仕事をしている人は、わざわざ「あなた、これが良いよね」と口にしないだけだと思います。何かしら「この人はこれが強いな」と感じているところがあると思いますので、ぜひ聞いてみましょう。

同僚にはちょっと聞きづらいなという方は、例えば斜め上の他部署の先輩や、学生時代の友人に聞いてみるのがいいと思います。いきなり「私の良いところ教えて!」と言うとびっくりされると思いますので、例えば「お互いに褒め合う会をやろう」みたいな感じで持ちかけてみることをおすすめします。

2つ目は、職務履歴書を書いてみましょう。これはよく言われることかもしれませんが、自分の仕事・キャリアを客観視したい時は、職務履歴書を書くのが最も良い方法の1つだと思います。転職時に使うツールの1つですが、転職する・しないを問わず、年に1回は更新することをおすすめします。

書くことで自分の伸びしろにも気づくことができますし、なにより振り返ってみると「こんな仕事もやってきた自分はなかなかすごいな。やるじゃないか」ということに気づくことができるはずです。

「自信」を持てない理由は職場の先輩と比較をするから

最後、3つ目は、他流試合をしましょう。職場とは異なる場に足を運んで何かをする感じです。なかなか強みを認めることができない理由の1つに「職場の身近な人と比べてしまう」ということがあると思います。

というのも、同じ職場の中には自分よりも在籍年数が長く経験豊富な先輩がたくさんいますよね。総じて先輩のほうがテキパキと仕事ができると感じる方も少なくないかと思います。それによって「自分のほうが劣っている」と思ってしまう、そんなイメージです。

外に出てぜんぜん違う業界や会社の方と交流をしてみると「〇〇さん、そんなこともされてるんですね。すごいですね」と、ふだんはなかなか言ってもらえない切り口でコメントをもらうこともできるはずです。

ということで、3つのポイントをお伝えしました。1つ目は「誰かと話してみる」、2つ目は「職務履歴書を書いてみる」、3つ目が「他流試合をしてみる」。グロービスに学びに来ておられるビジネスパーソンの方は、3つ目にお話しした他流試合をすることを大切にしている方が多いかと思います。

自分1人で考えるのではなくて、他者と交流をして自分の強み・良いところに気がついて、初めて認めることができるのではないかと思います。グロービスのような学びの機会も良いと思いますし、外部のセミナーなどに参加してみるのも、良い他流試合のアクションかなと思います。ぜひ外に目を向けて、一歩踏み出してみてください。

それでは今回はここまでです。それでは本日も素敵な1日をお過ごしください。