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第1012回 仕事に役立つABC『失敗した時に考えたいこと』(全1記事)

人間誰しもする失敗、「いつまでも引きずる」「逃げる」のはNG 失敗を学びにつなげる3つのポイント

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル「ちょっと差がつくビジネスサプリ」。本記事では、「失敗した時に考えたいこと」として3つのポイントが語られました。 ■音声コンテンツはこちら

失敗した後、避けたい2つの状態

熊谷翔大氏(以下、熊谷):今日は「失敗した時に考えたいこと」がテーマです。仕事をする中で、成功することもあれば、もちろん失敗することもあるかと思います。今日は後者の「失敗」に着目してお話ししていきます。

「失敗」というのは、目標に届かなかったり、自分が思い描いていた結果にならなかったり、はたまた他人とのコミュニケーションがうまくいかずに嫌な気持ちになったり、いろいろあるかと思います。

もちろん、失敗しなければ気持ちは楽なんですけれども、人間誰しも失敗はあるはずですし、チャレンジして試行錯誤しているからこそ失敗するはずです。失敗から学ぶことも少なくないですので、失敗そのものは、ある意味必要で、非常に大切なものだと考えています。

失敗は大切なものですが、避けたい状態も2つあると思っています。

1つは、失敗した時に必要以上に落ち込んでしまって、いつまでも引きずる状態です。時間は戻らないですし、すぐに次の仕事が目の前にやってきます。落ち込んでだままの雰囲気が周囲に伝わっても、いい効果は正直あまりないと思います。

もう1つの状態が、失敗したのに、失敗を真正面から受け止めずに、ある意味で逃げてしまう状態です。失敗から学べることはたくさんあるのに、それを自ら逃してしまうのも良くないですよね。

つまり、失敗した時には、適切に振り返り、反省をした上で、しっかり切り替えて前を向くこと。これが非常に大切だと思います。

私自身は、昔はどちらかというと、失敗した時は気にしてしまって、ずっと引きずってしまうタイプでした。「でも、それでは長い人生、仕事をやっていけないな」と思い、本を読んだり、人からいろんなお話を聞いたりして、自分なりの気持ちの持っていき方、切り替え方を確立することができつつあると感じています。

失敗を学びに変える3つのポイント

ということで、今日は「失敗した時に考えたいこと」について、私が大事だと思うポイントを3つお話しいたします。

まず1つ目は、他人のフィードバックを正しく受け止めましょう。これは本当に当たり前のことなんですけれども、周囲で見てくれていた方、例えば上司や先輩、同僚など、一緒にその仕事を動かした人がどんなふうに言っているか、しっかり耳を傾けて聞きましょう。

この「正しく受け止める」の意味は、すべてのフィードバックを鵜呑みにしましょう、という意味ではありません。避けたいのは、周りの方が「失敗したけど、ここは良かったよ」と言ってくれているのに、自分自身は「失敗したから全部ダメだった」と思考を停止してしまうこと。

反対に、周りの方がせっかくネガティブなことに対しても真正面から指導・指摘してくれているのに、耳をふさいでしまうことも避けたいですね。まずは、フラットにフィードバックを聞いて、正しく受け止める。これを大切にしましょう。

続いて2つ目ですが、自分自身で、取り組みのプロセスにおいてベストを尽くせたかを振り返りましょう。どちらかと言うと、失敗を引きずってしまいがちな方へのアドバイスなんですけれども、大事なのは「やっておけばよかったと思うことがあるか、ないか」、このことをシンプルに振り返ることだと思います。

その上で、「もしあれをやっておけばよかった」ということがあれば、次の機会から実践すればいいです。反対に、自分なりにはベストを尽くしたと思うのであれば、もう「失敗したことは仕方ない」と自分に言い聞かせてしまっていいと思います。いい意味での開き直る力。これは、仕事をしていく上で大切な能力だと思いますので、少しずつ磨いていけるといいのではないでしょうか。

失敗するからこそ、仕事も人生もおもしろい

最後に3つ目、「将来どこで失敗を活かすことができそうか」を考えましょう。失敗というのは、やはり学びの宝庫ですよね。だからこそ、ネガティブに反省しても仕方ないですので、ポジティブに「次に似た状況になった時には、こんなふうに行動すると結果が変わるかもしれないな」と考えることがなにより大切です。

また、時間軸を少し長くして考えてみると、くよくよ落ち込んで引きずらなくなるはずです。1年前に失敗して落ち込んだことをいまだに引きずっている方は、そんなにいないと思います。ちょっと時間軸を長く捉えてみて、「時が経てば解決してくれるし、学びに変わる」。そんなふうに捉えることができるといいのではないでしょうか。

ということで、3つのポイントをお伝えしました。1つ目は、他人のフィードバックを正しく受け止めましょう。2つ目、自分自身で取り組みのプロセスにおいてベストを尽くせたかを振り返りましょう。そして3つ目、将来どこでその失敗を活かすことができそうか考えましょう。

これはおそらく仕事だけではなく、プライベートで失敗した時にも使えるんじゃないかと思います。失敗するからこそ、仕事も人生もおもしろいんじゃないかと私は考えています。ぜひ、失敗大歓迎のマインドで、いろんなものにチャレンジしていけるといいのではないでしょうか。

もしあなたが、何か今の仕事で失敗してモヤモヤされているのであれば、参考にしてほしいなと思います。また、もし部下や後輩の方が何かで悩んでおられたら、ぜひ伝えていただけるとうれしいなと思います。

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