2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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田中渉悟氏(以下、田中):続けて第2部に行きたいと思います。この本の製作に関わりましたお三方を新たにお迎えして座談会をやりたいと思います。まずお一人目が、この本のイラストを担当されました、ひえじまゆりこさんです。よろしくお願いします。
ひえじまゆりこ氏(以下、ひえじま):よろしくお願いします。イラストを描かせていただきました、ひえじまゆりこと申します。今回は書籍のイラストじゃなくて、イベント用に描き下ろしたスライドを共有します。ふだんこういう場でお話しすることがあんまりないので、ちょっと緊張しています(笑)。
田中:そうなんですか?(笑)。
ひえじま:なんかわかりにくいことがあったら突っ込んでください。
田中:ぜんぜんそうは見えないですけどね(笑)。
ひえじま:あらためまして、イラストレーターのひえじまゆりこです。現在、先ほど下園先生がおっしゃっていた「35歳クライシス」真っ只中で、2人の息子と夫と4人暮らしで育児をしております。
今回私からは大きく2つ。座談会じゃなくて、私の個人の感想を共有したいと思います。1つ目は子育て最前線にいるいちワーママとして、この本を読んで響いた3点。そして2つ目は、この本で紹介している「ママがうつにならないワーク」を私が実践してみた一部を、ちょっとだけ紹介したいと思っております。
『ワーママが無理ゲーすぎてメンタルがやばいのでカウンセラーの先生に聞いてみた。』(時事通信社)
まず、いちワーママとしてこの本を読んで響いた3点をご紹介します。1点目、「子育ての期待値が高すぎないか」という書籍の問いかけです。
先ほど下園先生もお話しされていましたが、例えば私の場合、子どもの習い事に関して「自分が子どもの頃に習っていたことはやらせてあげられるはずだな」と、期待値を勝手に自分で上げちゃっていたなと、この本を読んで感じました。
ひえじま:この本を読んで響いた2つ目は、「うつ=疲労のこと」という点です。子どもが小さいと、けっこう手がかかって疲れることが多いと思うんですけど、この疲れが積み重なったり回復しづらくなると、うつになるのかなと思いました。
心に響いた3つ目が、「子どもの心を守るには、まず親が自分の心を守る必要がある」という点です。以上が私がこの本を読んだり、イラストを描いていった中で響いた3点です。
その次に、自分の心を守るためにはどうすればいいのか、「自分自身のケア」「うつにならないことが必要だ」と本で紹介されています。私も「ママがうつにならないワーク」をちょっとやってみましたので、その一部を紹介したいと思います。
ワークはいくつかあるんですけど、最初に出てくる戦力分析をやってみた内容をお伝えしたいと思います。「まずは自分を知ることが大切」ということで、この8項目のストレス対処能力チェックリストがこの本で紹介されています。
まずこの1〜6までのチェックリストをレーダーチャートにしてみました。1つ目の「体力があるか」の項目は、普通かなと思ったのでレベル3。2つ目、「睡眠不足に強いか」の項目はレベル1。私は睡眠不足にめちゃくちゃ弱いので(笑)。「回復力があるか」の項目はレベル3。「産後の肥立ち」はレベル5。「うつの知識と経験があるか」はレベル2くらいかなと。
全体を俯瞰してレーダーチャートを見ると、なんか私はあんまり強くないなと思ったんですけど、下園先生は「大事なのは強いか弱いかじゃなくて、自分自身をきちんと把握することだ」と書籍で書かれています。
あと自分を把握するためのチェックリストの7番目が、「『この症状が出ていたら疲れている』という、自分なりのサインはありますか?」というところで、これを考えてみました。代表的なのがこの4つかなと思います。睡眠時間が長くなっちゃう、マルチタスクができなくなっちゃう、本の耳読よりラジオ・音楽を聴きたくなる、体に症状が表れてくるですね。
最後ですね、チェックリストの8番目が「ライフイベントのストレスはどれくらいか」というのが載っていまして、ライフイベントがある次の年に心身の不調に陥る可能性がわかるそうです。私は130ぐらいだったので、次の年に心身の不調に陥る可能性は30パーセントですね。ご興味のある方は、書籍をご覧いただいて実践していただければと思います。以上です。
田中:ありがとうございます。
下園壮太氏(以下、下園):これ、すばらしいじゃない。
田中:ものすごくまとめてくれましたね、紙芝居形式で(笑)。
下園:レーダーチャートにすると、本当に良いですよね。おっしゃるように、自分の強いところ・弱いところがわかった上で、それで戦いにいくのと、なんとなく戦いにいくのでは大きく違います。先ほどの富士山の話じゃないですけどもね、例えば「靴はサンダルじゃダメだな」「マメができるな」と思ったら、準備をするとかできますね。
田中:では次は向山さん、お願いしてよろしいでしょうか。
向山奈央子氏(以下、向山):こんにちは、向山です。ライターを担当いたしました。よろしくお願いします。今回時事通信出版局の新井さんから、「これを本にしたい」と言った時のきっかけがありまして。私が何年か前にWebで連載した、下園壮太先生の「働くママのメンタルレスキュー」というWebコラムでした。
これは私が企画して、何回か連載させていただいたものなんですけれども、これを新井さんがご自身の子育て中に見て、これを本にしたいということで連絡をいただいたのがきっかけでした。
あとでみなさん検索していただければわかるかと思うんですけども、このWeb連載に関しても、実はちょっと私の思いがありまして。ちょっとそのお話を早口でお話しさせていただきますね。
向山:私自身は2004年に子どもを出産し、1年の育休後、職場復帰しました。当時は情報誌の編集部で働いておりまして、復帰後、かなりのパニックに陥ったんですね。今までガンガン働いて100パーセント仕事に猛進していたところを、子育てが入り、保育園の送り迎えとハードな仕事の両立ということで、育休から明けて職場復帰した1ヶ月は、かなりのパニックに陥りました。
それを見かねた先輩ママの友人が「そんな最初からエンジン全開じゃムリよ。前みたいにエンジン全開で働くのはムリムリ。まずはエンジンを温めるところから始めなきゃいけないよ」と言われて、それがすとんと腹に落ちまして。
「そうか。私はぜんぜん違うステージに来たんだ」と思って、そこからなんとなく落ち着いて働けるようにはなりました。友人のエールが心に響いたんですね。すごく助けられました。
なんですけれども、その後子育てと仕事の両立に猛進しまして、ブルドーザーのようにドドドドっと10年間を過ごしたんですけども、ふと気づくとまんまと「うつ状態」に陥っていたんです。みなさんこの「無理ゲー」の本を読んでいただくとわかると思うんですけれども、まさか元気だけが取り柄の私がうつ状態になるなんて、ものすごいショックだったんです。
そのタイミングで、ちょうど下園先生にちょっと運命的な出会いをさせていただきまして、下園先生とのカウンセリングを受けながら、うつ状態を脱することができたという経験があります。
向山:そして元気になって、「ついで登山」じゃないんですけれども、本当にメンタルの知識がないまま、私は10年間を過ごしていたなと反省しました。なんとか今働くワーママさんたちに、自分なりにメンタルの知識をかみ砕いて伝えたいと思って企画したのが、「働くママのメンタルレスキュー」というWeb連載でした。
そしてそれを見てくださった新井さんが、今回なんと書籍化を実現してくださったということで。私が友人ママからもらったエールが、今度はWeb連載を通じてママたちに届き、新井さんがそのバトンを受け取って、また新たに、今まさに最前線にいるママさんたち、きっと今ここにいらっしゃるみなさんに届くのかなと思うと、ちょっとうれしいです。
すみません、ちょっと長くなりましたが、そんないきさつがありました。
田中:ありがとうございました。下園先生は今までこういったワーママとかママさんというのに限定したお話は、コラムとかでは書いていたけど、本は初めてなんですね?
下園:そうですね。ワーママさんに向けての本は初めてです。
田中:そういうことなんですね。Web連載を向山さんと、そして今回の企画を実現させたのが、時事通信出版局の新井さんということで。編集を担当された新井さんからも一言よろしいでしょうか?
新井晶子氏(以下、新井):ご参加のみなさま、今日は本当にお忙しいところありがとうございます。まずは御礼申し上げます。時事通信出版局で編集をしております新井晶子と申します。
今、この本の企画の経緯というのは向山さまからかなりお話しされたので、話すことがちょっとなくなってしまいました(笑)。
田中:いやいや、どういう思いでこの本を新井さんが作ったのか。
新井:今みなさまのお話を聞きながら、いろいろこの企画の出発点からちょっと振り返っていたんですが、私自身が2018年に長男を出産しまして、よく考えたらその後すぐコロナなんですよね。本当に記憶が曖昧で。
会社にも行けなかったり、保育園が閉まったり、いろんなことがありすぎて、この5年間を振り返ると本当に1年ごとにいろんな状況が変化しているなと。そういう意味でも、ワーママに限らず、本当にみなさん過酷な状況で今生きていらっしゃると思うんですけれども。
私自身が2018年に出産をしまして、1年の産休・育休を取りまして職場復帰をしたんですが、向山さんもおっしゃっていたように、私もパニックというんですかね。自分の机でちょっと泣いていたようなこともありました。この本にも書かれているんですが、軽いうつ状態だったのかなみたいな、うつっぽい感じがきっとあったんだろうなと、今となっては思うんです。
その時に、本当にたまたまなんですが、先ほど向山さんからご紹介のあった下園先生のWeb記事を拝見して。
今回の書籍の1ページを紹介させていただきます。これは後半のQ&Aにあるページなんですが、「プチうつケア 職場復帰の3ステップ」ということで、ここにある「まずは仕事に慣れる。次に場所に慣れる。最後に人に慣れる」という、一見なんてことないような言葉を、私がたまたまWeb連載の記事の中で見たんです。
「え?」と。私はまったくこんなことを知らなかったし、すごくそこで心が軽くなったような気がして。「すごいな。こんなこと誰も教えてくれなかったのに」というのが率直な感想で、軽く衝撃を受けたようなところがあって。
私がそれこそエンジンがなかなかかかり切らないところからの今回の企画だったので、すごく時間を要してしまったんですが、なんとかこういったかたちで書籍にさせていただくことができました。
新井:ふと思うのは、今回の先生の本は、なかなかあるようでないものだと私は思っていまして。やはり「子どもはこう育てたらいいよ」とか、「睡眠不足にはこうだよ」というような類の本はけっこうたくさんあると思うんですけど、「じゃあお母さんの心はどうしたらいいの?」という。
子どもの育て方ではなくて、「お母さんの心のケアってどうしたらいいのかな?」という本が意外とないような気がしていたんです。
そこで今回こういう本を作らせていただきました。今は共働き世帯もすごく増えていると思うんですけれども、出産して、今後職場復帰する方も多いですよね。それこそ例えば赤ちゃんの母乳のやり方とかって病院で教わると思うんですけど、そういうのとセットで読んでいただけるといいなと思っています。
田中:なるほど。自分をケアする方法を。
新井:やはり予防が大事だと思うので、準備として知識をあらかじめ持っておいて、予防していくというのが一番大事だと思います。そういうこともセットで、自治体とかでやってほしいなというような思いもちょっとありつつ。ちょっと長くなってしまいましたが、そんな経緯で編集させていただきました。ありがとうございます。
田中:ありがとうございます。今、ワーママ当事者のお三方からもお話を聞きましたけども、ワーママじゃない方、ワーママの同僚の方とか、ご家族、パートナーにも読んでほしいですよね。新井さんはそういうところも加味して本を作られたんですか?
新井:もちろん。帯にも書いたんですが、「パパも必読」ということで、やはり一番お母さんに近い存在は旦那さんだと思うんですね。一番コミュニケーションを取る量が多いのは配偶者の方だと思うので、まずはぜひご夫婦で読んでいただきたい。
あとは職場でコミュニケーションに困っているような方もたくさんいらっしゃると思うので、上司でも部下でも同僚でも、職場の方もぜひ。パラパラっとめくっていただくだけでも、はっとするような部分がたくさんあると思うので、お気軽に手に取っていただきたいと思います。
田中:ありがとうございます。
下園:1ついいですか?
田中:どうぞどうぞ。
下園:いろいろ会社でお話しする時に、いわゆる「女性の力を発揮しましょう。そして異次元の少子化対策をやりましょう」と今言うんですけども、例えば会社の男性上司とか、あるいは社長さんとかが、このことをしっかり認識していないんです。
女性のキャリアを考えるだけではなくて、やはり「子育ての大変さ」をちゃんと認識していただかないといけない。キャリアのことばかり考えて、「子育てって大したことない」というイメージがあると、復職の時にむちゃくちゃな負荷をかける。
女性ご自身も、キャリア上のブランクがあるみたいな雰囲気を感じ取る。そこでまたがんばっちゃうところがあるので、そのあたりの雰囲気の調整は、これから本当に日本で必要になっていくんだろうなと思っています。
田中:雰囲気の調整ですか。
下園:はい。
田中:難しいですね。それを政策でやっていくのか、一人ひとりの意識を変えていくのかというところなんですかね。
下園:そうなんですよ。どっちもなんですよね。やはり政策だけ変えても、いわゆる組織の風土みたいなやつがありますから。「他の人からどう見られているか」とか、「どう期待されている」とか、そういうのに我々って反応しちゃうんですよね。
田中:そうですね。
下園:だから、メンタルヘルスは雰囲気なんですよ。雰囲気作りが重要になります。
田中:雰囲気作りということで、今穏やかな雰囲気がこのZoomにも流れていると思いますけれども、どうでしょう? ご参加いただいているみなさまで、いろいろ感想を書いてくれている方もいらっしゃいますので、ここから質疑応答とクロストークの時間に入らせていただきたいと思います。
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