2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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村上篤志氏(以下、村上):まずは私と藤岡さんの自己紹介から始めて、2番、3番、4番がメインコンテンツです。「スタートアップ採用のリアル」ということで、スタートアップ界隈を取り巻く採用の状況を私からご説明させていただいたきます。
もうすでに藤岡さんのZoomの背景にも画像がありますが、ちょうど著書(『スタートアップ「転職×副業」術』)が発刊されたばかりですので……アピールありがとうございます(笑)。そこのコンテンツをメインに深掘って、「ここだけの話」というかたちでトークを進めていければなと思っております。
3番(スタートアップにとっての優秀人材とは?)、4番(優秀人材を採用するための秘訣)あたりは、トークセッションのようなかたちで進めていければなと思っています。
後ほどご説明しますが、5番で質疑応答のコーナーも用意しています。Q&A機能を使ってご質問いただければと思っておりますので、回答できる内容に関しては、藤岡さんと私から回答させていただきます。
では、あらためて自己紹介ということで、まずは藤岡さん、簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
藤岡清高氏(以下、藤岡):みなさん、お忙しいところありがとうございます。アマテラスという会社の代表をしております、藤岡清高と申します。
経歴は見てのとおりなのですが、銀行、金融から始まり、ドリームインキュベータというベンチャーキャピタルですね。コンサルティングとかもしてますけど、ベンチャー投資及びインキュベーションを7年ほどやっておりました。
藤岡:今の会社を創業する背景になったんですが、ドリームインキュベータで投資をした後に必ず起こることが、採用の相談なんですね。起業家さんや経営者さんと話していると、投資後の3ヶ月以内に、「投資してもらったはいんだけど、採用に困っている」と、100パーセント呼び出されます。
2000年頃の当時は、ベンチャーとかスタートアップ専門の人材会社はなかったんです。リクルートさんとかを使ったところで、なかなか良い人が紹介されなくて、されたとしても「年収が高い」とかで困っている。
「スタートアップ人材だけ紹介してくれる人材会社はないのかね?」という話をされて、自分でやりましょうということで起業したのが2011年。13年経って、今に至っております。よろしくお願いします。
村上:すばらしい。ありがとうございます。ちなみにいきなり(質問を)挟んじゃうんですが、ドリームインキュベータ時代にそういう採用のご相談があった時にも、相談に乗ったりされていたんですか?
藤岡:実はそうなんですよ。なので、今のアマテラスの原型はドリームインキュベータ時代にやっていて。
藤岡:今だから言えますし、ウェビナーだからぶっちゃけトークをいっぱいしますけど……。
村上:ありがとうございます(笑)。
藤岡:有志だけで集まって、今のアマテラスみたいな事業をしてたんです。世直しをしようということで、「プロジェクトYN(世直し)」ですね。会社の許可を取って、僕ら有志でイベントをして。
「ベンチャーに行きたい人」と、スタートアップ・ベンチャーで働きたい人たちを土日に集めて、ドリームインキュベータの投資先にマッチングさせていたんですよ。
村上:それは初めて聞きました。「慈善事業」は言い過ぎですが、ドリームインキュベータとしては、別にお金をもらうわけではなくやっていたんですか?
藤岡:1円ももらわずに。でも、投資先に人を送り込むということは一応バリューもあるし、業務として認められたので、経営層からも止められずに「まぁ適度にやれよ」と言われて、土日に集まってイベントをしていました。
集まってくるし、マッチングもちょこちょこ起こっていて、僕らは「スタートアップに行きたい人は一定いるな」と、手応えを得ていたんですよ。ただ、やりがいはあるけど、確かにリクルートさんとかエージェントさんがやるには儲からないなと。
当時、しかも2000年前半の時って、ベンチャー企業の給料はめっちゃ低かったじゃないですか。
村上:まだこの頃はそうですよね。
藤岡:「CXO年収500万円」とか普通にあって。その代わりにストックオプションとかを出してくれるんですけど、そんなストックオプションはだいたい紙切れになるので、「これは儲からねえよな。そりゃ大手がやるわけないよな」というのもわかっていた感じでした。
村上:なるほど、ありがとうございます。それが原型となって、もうそっちに舵切ろうということで、2011年に(アマテラスを)立ち上げられたんですね。
藤岡:いろいろありましたけど、そうなりました。
村上:その話を聞くだけでセミナーが終わっちゃいそうなので、また追々聞かせていただければと思います。
村上:あとは、先ほどちらっと触れた『スタートアップ「転職×副業」術』という書籍が、ちょうど2023年4月28日に出版されました。アマテラスを創業してから10年以上経って、今このタイミングで書籍を出されようと思われた背景は、何かあったんですか?
藤岡:ここ数年でいうと、スタートアップ転職ががかなり市民権を得てきたなと思うし、大っぴらに語ってもいいのかなという時代背景と、ちょうど重なったところがあって。
みなさんご存じのとおり、優秀な人が起業したり、スタートアップに行く人も増えてますが、7、8年前って「なんかワケがある人が行く世界」「大手へ行けないからベンチャー」とか、むしろ親ブロックや嫁ブロックに合うような職種だったんですよ。
「もう、なんでベンチャーなんかに行くの」「離婚するわよ」って言われたりしたんですけど、今は意識が高い人ほど起業する時代になってきた。時代の転換点かなと思って。
転職の本や副業の本はあるんですけど、スタートアップ×転職の本・副業の本って確かになくて。第1号になるからということで、さすが東洋経済さん、興味を持ってもらって「出しましょう!」という話になりました。
僕はずっと(スタートアップ転職・副業の本を)出したかったんですけど、時代の背景と重なって、たぶん今ぐらいがちょうど社会の潮目になったのかなという感じですね。
村上:要は、書籍としても売れるぐらいというか、読む人が増えて、ある程度の見込みが出るぐらいの時代背景になって、タイミング的にも合ったんですね。
藤岡:そうですね。
村上:ありがとうございます。
村上:かなりラジオやメディアにも出演されていますが、これはTBSラジオに呼ばれて出た時なんですね。
藤岡:『BRUTUS』の元編集長の西田(善太)さんという方がパーソナリティですね。
村上:あとはかわさきFMさん等にも出られたり、(著書も)かなりいろんな本屋で平積みと。
藤岡:これはけっこう最近の写真です。丸の内丸善、みなさんも近いと思うんですが、レジのすぐ隣の台に置かれていたり、紀伊國屋に関しては2ヶ所で平置きされてる。これと違う場所でも平積みされてました。
村上:そうなんですね、すごい。これは別に藤岡さんが「置いて」と言うわけではなくて、ちゃんと書店員さんが(笑)?
藤岡:はい。ぶっちゃけ、自分で行って置きに行こうかなと思ったら、もうすでに置かれてました。
村上:それはすごい。すばらしいですね。あとは、おしゃれな代官山蔦屋や中目黒蔦屋でも置かれているんですね。
藤岡:代官山蔦屋に関してはポップ付きですね。僕の直筆のポップもあります。
村上:おお、すごい。本当だ。しかも、けっこう本が少なくなってるってことは、売れてるということですよね。
藤岡:そういうことなんですよ。一番良いところに置いてもらってます。やはり、代官山の辺りはスタートアップに意識が高い人が多いんだと思うんですよね。
村上:特に読者層も被るんですかね。
藤岡:そうですね。
村上:わかりました、ありがとうございます。後ほど、書籍のコンテンツ含めてお話しさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
藤岡:お願いします。
村上:一応、弊社の紹介もさせていただければと思います。弊社はAttack株式会社と申しまして、採用支援サービスをやってます。
それこそ、藤岡さんとこういうお話しをさせていただいている経緯も、アマテラスを利用している企業さまが自分たちでスカウトを送ったり、候補者対応するのが大変だからということで、「RPO(採用代行)サービスない?」という声が出ていました。
藤岡さんからも本当に何社もお客さまをご紹介いただいて、最近は私のインタビュー記事もアマテラスに掲載させていただいてます。
藤岡:そうですね。
村上:ありがとうございます。戦略立案から実行支援まで、スタートアップ・ベンチャー企業さまの採用活動を丸ごとサービス展開している会社です。
実際はスタートアップ・ベンチャー企業さまだけではなく、メガベンチャーさまや大手企業さまの案件も多かったりするんですが、もともとはスタートアップの代表の方とやり取りするプロジェクトも多かったりしますので、もしご関心のある方々は、ぜひお問い合わせいただければなと思います。
村上:では、コンテンツに入りたいと思います。まずは「スタートアップ採用のリアル」ということで、今日のセミナーにご参加いただいている方々におかれましては、ご認識のとおりかなと思います。シンプルに言うと、「スタートアップを取り巻く採用の環境はけっこう厳しいよ」という話になっています。
アマテラスさんや弊社がお手伝いするのは、比較的、中途・キャリア採用がメインではあるんですが、市況感としてまずは新卒の話をさせていただきます。コロナの影響もありましたが、2023年卒では(求人倍率が)1.58倍。
リクルートワークス研究所が出している資料ですが、新卒の全企業の全求人でならして1.58倍なので、数字で言うと3社で2人を取り合っている感じですかね。
なんですが、これを企業規模で見るとすごく世知辛くて。「300人未満」という青いグラフが一番上に突き出てると思うんですが、スタートアップ企業さまは基本的には小さい会社だと思います。
なかなか新卒(採用)をやってるスタートアップ企業さまはないかもしれませんが、いずれにしても規模の小さい会社さまほど求人倍率が厳しい。5.31倍ですね。逆に、紫色の大手企業のところは0.37倍と、求人に関してもまだまだ(大手企業への)応募のほうが多い状況になってます。
新卒の人気企業ランキングを見ても大手企業ばっかりが並んじゃいますが、企業規模で、小さい会社さんは如実に苦労されているというところがあります。
村上:さらに中途です。これはリクルートさんじゃなくてパーソルキャリアさんの(調査の)数字なんですが、2023年6月の数値は「doda」全体での倍率が2.26倍ですね。1人の候補者を2、3社で取り合っているということです。
さらに、dodaさんの数値は企業規模では出ていないんですが、IT・通信、コンサル、人材サービスあたりが比較的求人倍率が高く、スタートアップ企業さまもIT系が多いかなと思います。このあたりは他の業界と比べても突出して求人倍率が高く、1人の候補者を6、7社で奪い合っている状況になっています。
さらに、今日は資料を用意してませんが、エンジニアに特化すると10倍を超えてくるような状態になっているので、スタートアップの採用は厳しい環境があります。
藤岡さんの肌感覚として、この数値はどうですか? アマテラスとしても納得の数字か、それとも「もっと厳しいよ」なのか、「そんなことないよ」なのか。
藤岡:これは平均値でならしてますが、現実としてはもっと厳しいと思ってるところが多いのかなと思っていて。
メディアに出ていたり、大型の資金調達に成功した有名な会社は比較的採りやすくなってるけど、そんな会社は本当にごく一部なので、現実的にはけっこう厳しいところが多いかなと思いますね。
村上:ありがとうございます。みなさんもそんな環境の中でご参加されていると思うんですが、一応市況感を確認させていただきました。
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