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IVS2023 LAUNCHPAD KYOTO テープス株式会社(全1記事)

ECの現場で感じた、SaaSを使った業務自動化の「限界」 プログラミング経験ゼロでも使える、EC特化ノーコードツール

「IVS2023 KYOTO」内にて、次世代の起業家の登竜門とも言われる日本最大級のスタートアップピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」が開催されました。本記事ではテープス株式会社の田渕健悟氏による、ECに特化したノーコードツール「TēPs(テープス)」についての6分間のプレゼンテーションをお届けします。

SaaSを利用した業務自動化に感じた「限界」

田渕健悟氏:ECに特化したノーコードツール「TēPs(テープス)」を紹介します。私は元エンジニアで、前職ではECの物流関連のSaaSを立ち上げて、累計1,000社以上のEC事業者をサポートしてきました。

多くの現場に常駐し、1日中業務を見るということを何度も経験し、EC事業者の現場の課題を肌で感じてきました。その中で思ったのは、「SaaSで業務を自動化するには限界があるな」ということです。

この図をご覧ください。縦軸が要望の数です。多くの人から求められた機能は優先度が高く、開発することができたんですね。

でも、数が少ない1社1社固有の要望は、どうしても優先度を上げられずに開発することができなかったんです。

実際に現場を訪れてみると、SaaSで自動化できてたのはごく一部で、実は個社固有の業務のほうが膨大にあったんです。

例えば、仕入れ販売を行っている事業者の場合、Amazon・Shopifyから毎日受注情報を手作業で取ってきて、1件1件購入された商品を確認し、自社発送なのか、メーカー発送なのかを仕分けしていました。

ほかにも商店街の店舗さまの場合、店舗に置いてある在庫をECでも販売したいけれども、店舗の在庫はExcelで管理しているので、ECの在庫はシステムで管理している。ここがつながってないので、毎日手入力をしていました。

ほかにも無形商材を販売している事業者の場合、注文が入るとスプレッドシートで管理しているライセンスキーを1行1行コピーして、メールに貼り付けて送信していました。

この例はごく一部で、個社固有の業務はまだまだ膨大にあるんですね。

プログラミングの知識ナシでもワークフローを自由に作成

これを本気で解決しようと思うとSaaSでは無理で、1社1社オリジナルのシステムを作るしかないんです。しかし事業者の大半は中小企業で、システムを作る余裕がありません。

これを解決するのが、今日ご紹介するTēPsです。TēPsはECに特化したノーコードツールです。TēPsでは小さなパーツを「ノート」と呼ぶんですが、ノートをつなぎ合わせてビジュアルにプログラミングできます。

画面上でこれらのノートを組み合わせることで、現場の担当者のようなプログラミングの知識がない方でも、業務を自動化するワークフローを自由に作ることができるんです。

こちらが実際にワークフローを作る画面です。たくさんのECプラットフォームや外部サービスと連携しています。例えば楽天市場の中でも、「受注情報を取得」「商品情報更新」といった細かいノートがたくさん用意されています。さらに出店先のAmazonとShopifyから情報を取得し、Googleスプレッドシートに一気に集計することも可能です。

各ノートの設定も簡単です。Googleにログインするだけで簡単に接続することができます。ワークシートを選択し、値を設定するだけで完了です。ワークフローは指定した時間にクラウド上で自動実行され、APIを介して安定して動作します。

組み合わせ次第で、数万通りの業務を自動化できる

ほかにも条件分岐を利用して、例えば高額な購入者さんのみに特別なメールを送信して、社内にはChatworkで通知したり、もしくはLINEで通知もできます。ほかにもkintoneのようなCRMと連携したり、FTPサーバーを介して基幹システムとの連携も可能です。

組み合わせ次第で何千、何万通りもの業務を自動化でき、スクラッチ開発で作ると数百万、数千万円かかるシステムも短時間で構築可能なんです。今、TēPsでは約2,000個以上のワークフローが自動で稼働しています。例えばどんなものがあるか、ちょっと見てみましょう。

売上を集計するものだったりとか、在庫が切れたらチェックするみたいな、単純な自動化のワークフローもけっこう多いんですが、中には「ちょっとしたPOSシステムを作りました」みたいな、「これはすごいな」ってやつもけっこうあるんですよ。

既存の業務の自動化のみならず、こういった「がんばって発想を駆使して、なんとか形にしました」みたいなものも、TēPsにはけっこうあるんです。

TēPsは月額課金モデルで、上位のプランほどノートをたくさん使えます。現在ユーザー数は1,000を超え、ローンチから2年、ARRも順調に推移しています。また解約率は低く、ネガティブチャーンも実現できています。

「TēPs」でECの現場を変えていく

今後の展開です。今はECのバックヤード領域だけに特化していますが、今後は接続先を増やすことで、例えばマーケティングや経理業務、EC事業者のあらゆる業務で利用されている状態を目指すと同時に、対象となる市場の領域も広げていきます。

余談ですが、実は本日TēPsからChatGTPを使えるノートを公開しました。例えば商品キャッチコピーを自動生成したり、カスタマー対応を自動化したりという用途が考えられるんですが、まだまだいろんな用途が考えられて、どんなふうに使われるか私たちも楽しみなノートです。

最後に、TēPsはノーコードのプログラミング環境です。プログラミング環境を手に入れたユーザーは、既存の業務を自動化するだけでなく、まさにプログラマーのように新しい発想で、今までになかった業務やビジネスを生み出していくと私たちは考えています。

「返信を忘れるぐらいのめり込んで自動化しておりました」。これはユーザーさんからもらったコメントなんですが、この人はすごくクリエイティブに火がついてる状態なんですね。こんな人たちを、ECの現場に大量発生させたいんです。

そして、こんな人たちが無数の現場でのめり込みまくることで、ECの現場の風景はどんどん変わっていくと思うんですよね。そんなのを一緒に目撃してほしいと思っております。ありがとうございました。

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