2024.11.26
セキュリティ担当者への「現状把握」と「積極的諦め」のススメ “サイバーリスク=経営リスク”の時代の処方箋
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坂東孝浩氏(以下、坂東):みなさんこんばんは。
武井浩三氏(以下、武井):こんばんは。
松波龍源氏(以下、龍源):こんばんは。
坂東:「手放すTALK LIVE」が始まりました。今日は京都の実験寺院寳幢寺から、直接ライブ配信でお送りしています。私、坂東孝浩と武井浩三さん、それから実験寺院の僧院長の松波龍源さん、3人でお送りしていきます。よろしくお願いします。
武井:お願いします。
龍源:お願いします。
坂東:先に私から「手放すTALK LIVE」とは何かを簡単にご説明してから「仏教の教えに学ぶ、世界基準の組織づくり」というテーマでお送りしていきます。
「手放すTALK LIVE」はゲストを招いて「常識や固定観念を手放す」ことをテーマにしてお送りするトークイベントです。今は月に2回くらいのペースでやっていますね。
僕らが運営している「手放す経営ラボラトリー」がどういうラボかというと、新しい組織や経営スタイルを研究する研究所です。管理しない経営、自律分散型組織、最近だとDAOとかですね。そういったものを進化型組織と言っているんですけれども、進化型組織のリサーチ数はおそらく日本一じゃないかと思います。
2,000人を超えるくらいのコミュニティがありまして、僕らのメンバー、ラボ研究員が200人ほどいます。コミュニティと会社がくっついているというか境目がよくわからない。溶け合っているような変わった組織体(チーム)で運営しています。僕ら自身が「新しい組織とはこういうことかな」と実験しながら、ご機嫌な人と組織が増えちゃう活動を実践しています。
いくつか事業をやっているんですが、メインは左上のDXO(ディクソー)で、これは経営をアップデートするプログラムです。テキストは誰でも無料で手に入れることができますので、まだ持っていない方はぜひゲットしてください。
あとは、今日もスピーカーで出ている武井浩三さんがナビゲーターをする経営塾「手放すじぶんラボラトリー」という経営者のための学び場があります。それから「社長!! 今日も斬らせていただきます」というYouTube番組ですね。経営者に限定して内面をひもとき、その場で公開しています。
坂東:ということで、今日のスピーカーはこの3人なんですが、龍源さんの顔が特にでかくなって……。
(一同笑)
坂東:画面にも龍源さんのプロフィールを出していますが、私からちょっと紹介させてもらいますね。
龍源さんは学生時代に武道と仏教に出会い、生涯の道とすることを決意した。仏教の境涯を深めるために単身で中国の北京に渡り、5年間の武術修行を行う。帰国後仏門に入るが、同時に日本仏教のみに囚われず、ミャンマーやチベットなどの高僧にも師事されたと。
さらに山岳修行、霊地巡礼などの修行を積み、21世紀の日本と世界にフィットした仏教修行の在り方を模索している。釈尊や弘法大師に思いをはせ、今の日本に無理のない仏教を追求する中で、独自の理論に基づいた瞑想法を提唱する。
日本国内よりも、ミャンマーや台湾、アメリカなどの海外での評価が高く、近年は医療関係者から注目を集めており、認知症や生活習慣病に対する瞑想の効果の実証実験を、病院や大学などと連携して進めている。この自己紹介だけでも相当いろいろなキーワードが詰まりまくっているんですけれども。
龍源:(笑)。
坂東:現在の職業が、真言律宗僧侶であり。寳幢寺の僧院長であり、陳氏太極拳第十三世代正統伝承者。太極拳。
龍源:そうですね。
坂東:それから、なんじゃこれ。商派太祖神拳第六世代正統伝承者、これは別の拳法ですか。
龍源:そうです。
(一同笑)
武井:強い北斗神拳みたいなやつ。
坂東:太祖神拳。
龍源:近いと思います。
武井:(笑)。
坂東:ということで、一遍して濃い感じなんですけれども。もともと龍源さんとは武井さんのご縁で知り合い、今回僕らのラボのメンバー20人くらいがこの寳幢寺に来させてもらっています。
坂東:たけちゃんが初めてここに来たのは、どれくらいの時だったんですか。
武井:今年です。
坂東:まだ今年か。
武井:2月の頭か1月の末か。
坂東:行って帰ってきて、「やべぇやべぇやばかったやばかった」。
武井:(笑)。
坂東:「とりあえずやばい」と言っていて、僕らも感化されてポチポチと来させてもらったんです。たけちゃんと呼んでいるのでたけちゃんでいきますけど、たけちゃんから見ての龍源さんは何がやばい?
武井:僕はCOTEN RADIOの深井龍之介くんから「やばい人がいるから」。
坂東:やばい人いるから(笑)。
武井:「会いにいきましょうよ」と言って、前情報も何もなく、無防備に来たんですよ。僕は、自律分散的な組織や非中央集権的な組織構造、人間の在り方を考える上で、東洋哲学的な思想にすごく惹かれていて。僕自身も、ちょっとだけ韓氏意拳というすごくマニアックな武術をやってみたり。
坂東:ぜんぜん知らない。
武井:本当に無為自然というか、タオイズムみたいな武道で、戦わないやつなんですよ。僕の中には東洋思想や仏教思想の知識が雑多にあったんです。いろいろな言葉は知っている。例えば唯識(ゆいしき)の本も読んだことがあるし。
坂東:もともとけっこう詳しいですよね。
武井:けっこういろいろな本を読んだり、いろいろな人に学びに行ったり教わりに行ったり。
坂東:それなりに。
武井:そう。座禅したりもやっていたんだけど、僕の中で知識が散らかっていたんですよね。
坂東:なるほど。
武井:だから説明があまりうまくできないし、俺自身も腹落ちして活かすことがうまくできていなかった。でもそんな中で龍源さんとお会いして、「これはどういうことなんですか?」と聞いたら全部「これはこういうことでこうでこうだからこうで、キリスト教はこうで、日本の神道はこうで」と、ブワーっと1聞いたら1,000くらい返ってきて。
坂東:1,000返ってきた。大変だね。
武井:情報量は多いんですけど、体系化されているから忘れないんですよ。
坂東:なるほど。つながってくるということね。
武井:これはこういうことだったのか。これとこれはこういう関係性だったのかと見えてくると、自分の日常生活に活かせるようになるじゃないですか。僕は今まで、この感覚をもたらしてくれる宗教関係の方にお会いしたことがなかったんです。
坂東:初体験。
武井:それで「ああ、これが本当の宗教家だ」って。
坂東:なるほど!
武井:日本のお寺さんにはいろいろな方々がいらっしゃるんで、一概にはもちろん言えないですけど、やはり形式宗教になっていて、お経を読むことが仕事、お墓を守る檀家制度がお寺みたいな、けっこうそういうものじゃないですか。
坂東:そういうイメージがある。
武井:お葬式の時にしか接点がなくて。
坂東:そうね。そう思うことがある。
武井:うちのお墓の住職にすごく感謝をしているかというと、「ありがとうございます。だけどそんなにあなたのことを知りません」という。特に教えてもらった記憶もないな。だけど、龍源さんとは本当に1回1日、半日くらいでものすごい量の学びがあって。
坂東:すぐに答えが返ってくるからね。
武井:シンプルに感動なんですよね。「何を学んだの?」と言っても、そんなにうまくは言えないんだけど「とりあえず、みんなも行ったらどう?」と、そこにつながっているわけなんです。
坂東:なるほど。そういう感じ。たけちゃん「5時間で仏教がわかっちゃった」と翌日興奮しながら話していた。
武井:(笑)。一言で言うと、「仏教は哲学だ」とそれがすごく腹落ちして、空の概念の意味がわかった。
坂東:根本のね。
龍源:(笑)。
坂東:なるほどね。今日は1時間半でどこまで話が広がるかわからないんですが、私も4月にお伺いして今日は2回目なんですけれども、何回来ても違う切り口からの学びがあって、なんか落語みたいな感じ?
武井:(笑)。
坂東:古典落語は、全部内容が決まっているのに何回聞いてもおもしろいというような。本当の説法はこういうことなのかな。説法を受けている感じでもないんだけど、すごく豊かな体験というか。
仏教については知らない人はほとんどいないと思いますし、詳しい人もいると思うんですけど、今日のTALK LIVEに参加してもらっている方は、詳しい人にとってもアップデートの機会になると思いますし、今まであまりよく知らないという人は、新しい扉が開く。
しかもそれは、仏教について理解を深めることが目的ではなくて、日本人として、自分たちの生き方として、これからの働き方、会社での経営、組織の中でどう在ればいいのか、そういったところに全部つながってくる内容になると思うので、見てもらえるといいなと思っています。
坂東:いくつかキーワードを挙げていまして、まずは「実験寺院」ということで、何を実験しているのか。さっきのプロフィールをちょっと振り返るんですけど、まずこの寳幢寺を運営しているのが、日本仏教徒協会。
龍源:そうですね。
坂東:説明が「21世紀の仏教徒は? をキーワードに『仏教』の活用と再定義を行います」。再定義をするんですね。
龍源:再定義。
武井:立ち悪ぅ(笑)。
(一同笑)
坂東:「お坊さんではない普通の人々が運営する実験寺院寳幢寺を京都市で展開し、歴史ある日本の財産である『仏教』の社会実装に取り組みます」ということで、ざわざわするんですけれども、そこで何を実験しているのか、活用と再定義は何なのか。今日はお話をうかがっていきましょうか。
龍源:あらためまして、龍源です。
坂東:よろしくお願いします。
龍源:ちょっと今、ハードルが上がり過ぎたんで。
坂東:そんなことない。
(一同笑)
龍源:「ハードルを飛ばなきゃいけない」という思い込みですからね。
坂東:確かにね。
龍源:それを手放しまして、(ハードルの)下を潜ろう。
武井:なるほど。
坂東:さっそく使ってくれてありがとうございます。
龍源:さっき落語と言っていたけど、落語はもともと仏教のお説法から始まっているんですよ。
坂東:そうなんですか!
龍源:そうなんですよ。誓願寺という京都のお寺さんのところで始まって。落語の時にチョンチョンとするじゃないですか。あれは戒尺音木と言って、戒律関係の行事をする時に使う……。
坂東:仏具ですか。
龍源:そう、仏具。仏教の教えをわかりやすく笑いを交えつつ、専門知識がない人たちにもわかるように話したのが落語の起源なので。
坂東:今日も非常にわかりやすく、そして笑いも交えながら。龍源さん、けっこう悪口が得意だと言って。
龍源:悪口が得意(笑)。
坂東:ちょいちょいディスるのがすごくおもしろくて。
龍源:根が武術家なので攻撃的に。
坂東:攻撃的に(笑)。YouTubeでどこまでディスれるかわからない。ギリギリまで。
龍源:炎上?
武井:神回(笑)。
龍源:ライブでまずいところはあとで編集していただいて。
坂東:ああ、そうですね。確かにあとから(編集)できる。
龍源:(もし)ライブで聞いていたら、忘れてもらうのが大事。
坂東:そうですね。
龍源:なんでしたっけ?
坂東:何を実験しているか。
龍源:まず先ほどうちのHPを見ていただいたと思うんですけど、「仏教の社会実装」という言葉を使っています。仏教というものは昔から日本にあるわけです。それが社会実装されていた時期もあると、私は思っているんですね。
例えば平安時代。それこそ弘法大師空海さまが、朝廷を中心に社会実装して、仏教という考え方を基軸に国家の運営がなされ、人々の生活があった時代は確かにあったと思うんです。時代が変化すると、ものの考え方もそこに生きている人の考え方も変化していくわけですよね。
今、この21世紀の日本という時空間で、我々の心、世界観と言ってもいいかもしれないです。物事をどう認識して、平たく言うと何が善で何が悪で、幸せとは何で普通とは何なのか。「明確にこういう基軸で私は行きます」というのは、どう考えても仏教にはなっていない。
直感的に考えてもそうなっていないと思いますし、自分の生きる基軸や価値判断の基準になるものは「一般的には持っていないのが現状なんじゃないかなという気がするよねー」と思ったわけですね。
坂東:「するよねー」と思った(笑)。
(一同笑)
龍源:僕は、今の世の中にそんな不満はないですけど、ベストだとも思えないわけです。すべてハッピーでこのまま進んでいったら、日本や世界はもっとハッピーになって、「人類は最高!」という感じになるとは残念ながら思えないですよ。「なんかおかしいぞ」という考え方があって、気持ちの良くない部分もある。
龍源:「それはなんでかな」と考えた時に、それこそ世界認識やものの考え方の根本がはっきりしない、揺らいでいる。あるいはなんか変なものを根本にしてしまっているからじゃないのかなとすごく思いまして。
であるならばそこをはっきりすると、人間はもっとハッピーになれるんじゃないか。少なくとも私はハッピーになるんじゃないかと思って。いろいろとものを考えたり、人に教えてもらったりする中で、それが仏教じゃなかろうかと。仏教かもしれない。
「絶対に仏教だ」と言うとちょっとカルトっぽくなるので、「仏教かもしれない」ぐらいの感じなんですけど。「たぶん仏教だ」となった時に、仏教の社会実装ですよね。日本人のものの考え方の中心が仏教というよりは、仏教的な、もっと言うと仏教哲学的なものになるといいんじゃないかと思いまして。
それをどうやっていったらいいかが、わかんないんですよ。わからないからどうしたらいいか。仮説を立てて実証実験をして、フィードバックを得て仮説を再検証して、また実証実験しての繰り返ししかないじゃないかとなりまして。ある時ここに来られる若い方々と「僕たちの活動は何なんだろうね」となんとなく雑談していた時に「まさに実験寺院ですね」と誰かが言ったんですね。
坂東:そういうことだったんですか。
龍源:そうなんですよ。「実験寺院っていい響きだね。じゃあそう名乗ろう」とそんな感じのノリで。
坂東:そこからなんですね。
龍源:実験寺院という名を気に入っているんです。
坂東:なるほど。
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