2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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紺野:ここからはケースに移らせていただき、まずはコーチングのケーススタディをみなさまと一緒にやらせていただければなと思っております。こういう例がありますというところで、いわゆるベンチャー企業でよくあるんじゃないかと思うケースを、読み上げさせていただきます。
あなたは株式会社ベンチャーマネジメントのカスタマーサクセスチームのマネージャーです。今まで3人のメンバーを見ていたんですけれども、この春から2人が新たにチームに加わって、合計で5人のメンバーを持つマネージャーになりました。
新しい目標に向かってチームメンバー全員と連携を取りながら業務を進めているんですが、困ったことに、チームメンバーの1人であるAさんの様子が少しおかしいことに気づきました。期限どおりに提出物が出てこない。アウトプットには誤字脱字が多い。あとはタスクの漏れも目立つようになってしまいました。
Aさんは以前から一緒のチームで働いていて、仕事のクオリティには一定の評価があったメンバーです。4月から新たに加わったチームメンバーのオンボーディング・研修もAさんが担当しているところもあって、キャパシティオーバーのようにも見受けられます。あなたはマネージャーなのでどうにかして力になりたいと思って、1on1でAさんに状況について聞いてみることにしました。
紺野:今回はこんなケースを取り上げさせていただければと思っております。今から、私がAさん、マネージャーが今日一緒に出ている鈴木さんと仮定して、実演をさせていただければと思っています。先に言っておきますが、今から実演する1on1は、実は良くない例です。良くない例を(実演)させていただければと思っております。
これから、5分から7分くらいの1on1をみなさまに見ていただきますので、具体的に「これが良くなかったんじゃないか」といったところを、メモに残してください。後ほどチャット欄に共有していただきます。マネージャー役がジェイで、メンバー役が紺野ですね。では、実演を始めさせていただきます。
【ロープレ開始】
鈴木:紺野さん、お疲れさまです。
紺野:はい、お疲れさまです。
鈴木:いや、なんだか忙しいみたいですけど、最近どうですか?
紺野:いや、そうですね。難しいですね。けっこうやらなきゃいけないことが多いかなという感じですね。
鈴木:何が忙しいんですか?
紺野:そうですね。何というか今、けっこういろいろやっていて。4月に入ったメンバー2人のオンボーディングを私がメインで担当しているのと、CS業務で顧客のデータ管理や分析をやっていたり。あとは一応、私の持っているお客さまへの対応が30社ぐらいと、お客さまに対しての導入支援と。
あとは月1回、各定例(ミーティング)をお客さまと組ませていただいて、レポート(のご提出)をやらせていただいているのと。あとは既存顧客向けのFAQの作成など、けっこうやっていますね。新しいツールの見直しみたいなこともしているので、ちょっと忙しいかなという感じではあります。
鈴木:なんで仕事がそんなに多いんですかね? 何か手放せるものとかはないんですかね?
紺野:手放す。えっと、そうですね。手放す。うーん、けっこうどれも大事かなという感じになってしまっていますね。
鈴木:なるほどですね。今いろいろと業務がたくさんあって忙しいとお話しいただいたと思うんですけど、例えば導入支援では何をやっているんですか?
紺野:導入支援はけっこういろいろやっていて。実際に基本機能が使えるように、お客さんに対してオンボーディングのプロセスをいろいろやっているんですよ。そういう「このステップで使うんですよ」みたいなものを、一社一社に対してカスタマイズしてやっているのと、あとは、お客さまごとに導入目的が違ったりするので、導入目的ごとにどういうふうにオンボーディングの設計をしていこうかを考えて作っていますね。
鈴木:そんな仕事をやっているんですね。それは忙しくなりますね。
紺野:そうですね。けっこう忙しいかもしれないです。
鈴木:何か離せる仕事はないんですかね。
紺野:そうですね。今はけっこう、いわゆる人が介さなくてもできるメルマガやFAQの作成業務を優先して(いるので)、お客さま一社一社に対して直接やりとりをするハイタッチ業務に取り組んだほうがいいのかなとは思っています。なので、メルマガやFAQの作成に関しては、優先度を落とすことはできるかもしれないと思ってはいます。
鈴木:なるほど。でもそれだとハイタッチになるので、さらに紺野さんが忙しくなるかなと思っていて。やはりカスタマーサクセスという計画上、顧客もたくさん増えていくので、効率化が大事だと思っています。なんか効率化のアイデアとか、他はないんですかね。
紺野:そうですね。ゆくゆく効率化していくために、「こういうところで困っているから、こんなFAQを作ろう」「こういう導入サポートの設計をしていこう」みたいな感じで、お客さまと直接お話しさせていただくハイタッチ業務(を通すかたち)で、FAQやロータッチ業務の根幹を作っていく必要があるかなみたいなことはちょっと思っていました。
鈴木:そうですね。理想はわかるんですけど、結局ハイタッチになるとお客さんごとに要望も多様になっていって増えていくので、フォーマットができる気がしないです。もっと他に効率化のアイデアはないんですかね。
紺野:効率化のアイデアですか。そうですね。効率化になるかわからないんですけど、今は月1回やっているレポートの数を減らしてみるという感じですかね。ちょっと私の中では今思い浮かばないです。
鈴木:なるほど。でも、それは今そういうレポートができているから受注できて、売上にヒットしていると思うので、もっと効率化のアイデアを出してもらって、また報告していただければと思います。
紺野:効率化ですよね。なるほど。
鈴木:そうですね。とにかくカスタマーサクセスは効率化なので、ぜひお願いします。
紺野:なるほど、わかりました。了解です。ありがとうございます。
鈴木:はい。じゃあお疲れさまです。
【ロープレ終了】
紺野:5分ほどのロールプレイングを実演させていただきました。1分お時間を取りますので、今の1on1の良くなかった点を、ぜひチャット欄に書き出していただければと思っております。どうですかね? みなさん。「こういった1on1ってあるの?」と思うかもしれないんですけど、実は意外とあるんじゃないかと思っておりまして。
本日はマネージャー役をジェイ(鈴木)が、メンバー役を紺野がやらせていただいたんですけれども、「ここはマネージャー役のジェイさんが良くなかったんじゃないかな」といったところがありましたら、ぜひチャット欄までお寄せいただければと思っております。さっそくありがとうございます。
鈴木:ありがとうございます。
紺野:キモトさんから「オープニングがない、どんな時間かわからない」「傾聴姿勢がない」と、すごくたくさんのコメントをいただいております(笑)。実際見てみて、ジェイさんはいかがですか?
鈴木:そうですね。大前提として、ロールプレイングなので(笑)。
紺野:はい、そうですね(笑)。
鈴木:でもすごいですね。確かに確かに。
紺野:「ジェイさんが基本冷たい」というコメントをショウゴさんからもいただいております。
鈴木:まったくです(笑)。
紺野:みなさん続々と本当にありがとうございます(笑)。
鈴木:続々と。すごい。
紺野:いくつかピックアップして読み上げさせていただければと思っております。カトウさんから「冒頭の抽象的な『最近どうですか?』は冷たくないですか」、あとは「マネージャーがメンバーの業務を把握できていない」というところもありましたね。ハタノさんからも「アイスブレイクがなく、雰囲気がとても堅い状況で、アイデアも気持ちも出しにくい空気」といったところですね。
鈴木:気持ちを出しにくいですよね。
紺野:すごく特徴的な1on1だったんじゃないかなと思っております。みなさまもぜひ、メモをチャット欄までお寄せいただければと思っております。ではここから、解説に移らせていただければと思っております。
紺野:まず、先ほどの1on1には、実は欠けている型がありました。先ほど長村からも「型」という話やキーワードが出てきたと思うんですけれども、実はこの「型」が3つ欠けていました。
1つ目は、あとで細かくご説明させていただきますけれども、「コーチングの土台」です。上司からコーチへ、立場の変更を宣言して、コーチングのマインドに入っていかなければいけないというところですね。
2つ目は「話しやすい環境づくり」です。みなさまからもすごくチャット上で(コメントを)いただいておりましたが、この型が欠けておりました。
3つ目として実は、コーチングにはちゃんとフレームがあるんですね。「要因分析フレーム」に添えば、きっと今のコーチングもうまくいったんじゃないかなと思うんですけども、この型が欠けていたと。この3つの型の解説にこれから移らせていただければと思っております。
紺野:まずは「コーチングの土台」についてご説明させていただければと思っております。みなさまからもすごくたくさんコメントをいただいていたんですけれども、「コーチングって何なんですか?」といった際に、ここがすごく大事なんですよね。特に「傾聴」ですね。傾聴と質問によってメンバーを導いてあげるのがコーチングになっております。
なので、ただ質問をしてあげるだけではダメなんですね。ただ質問してあげるだけだと、詰めになります。先ほどの1on1でも「なんとなく基本冷たい感じがしました」みたいなコメントがあったと思うんですけれども、質問だけを投げ掛けてしまうと、やはりどうしても詰めっぽく聞こえてしまうところがあるので、傾聴もセットで、ぜひ使っていただきたいなと思っております。
コーチングの土台で一番重要なことは、まず「上司」という立場から離れましょうというところですね。上司ではなく、ここにも書いてあります「コーチモード」に切り替えていただいて「一緒にゴールまで目指していきましょう」といったところをぜひ身につけていただきたいなと思っております。
やはり上司・メンバー間の関係性ですと、コーチングはやりにくいんですよ。なので「今日は僕、ちょっとコーチに徹するね」というふうに最初に宣言してみてもいいと思います。立ち位置を変えるところをぜひやってみてください。
あとは「3つのコーチングマインド」と書かせていただきました。メンバーへの愛情や相手の気づきといったところを重視してあげることや、「それはダメだよ」という話を入れずに、評価・判断をしない。メンバーが心から安心して話せるように、そういったマインドセットといったところを行ってからコーチングに臨むことが、非常に重要なポイントとなっております。
紺野:2つ目の「話しやすい環境づくり」といったところで、ジェイさんがすごく画面に寄り気味で「で? で? で?」というふうに言っていたのを、みなさん覚えていますかね? やはりそうすると非常に圧迫感があって、なかなか話しづらいところがあるんじゃないかなと思っております。
なので、オンライン上でコーチングする際は、画面の正面からあえてずれて、ちょっと空間を作ってあげてもいいと思います。少し空間にゆとりがもたらされるので、話しやすい空気が作れます。
あとは、体は正面じゃなく、斜めを向いて横にずれることによって「そっか、そっか、そっか」と(聞くことができ)、いわゆる「1on1ですよ」「これは面談なんですよ」という感覚を少し和らげることができるんじゃないかなと思っております。
「他の作業をしていませんよ」というところでは、例えば、コーチングのタイミングで、マネージャーがPCをずっとカチャカチャカチャカチャ打っていたらどう思いますかね? 「メモを取っています」と言われたとしても、「この人、別の作業をしているんじゃないかな」と思ってしまうこともあると思うんですよね。なので、他の作業をしていないことも大切です。
メモをペンで取っていれば「あ、ちゃんと聞いてメモしてくれているんだな」と思われるんですけれども、やはりPCだとどうしても「もしかして今、Slackを返しているんじゃないかな」みたいなことを思われてしまう可能性もあります。なので「今はあなたとのコーチング、この時間に集中していますよ」といったところを、逆にアピールしてあげるのも非常に有効かなと思っております。
スケジューリングといったところでは、いつもの1on1とは違うミーティングタイトルを設定してあげてもいいと思います。「1on1」というスケジュールがカレンダーに入っていると、メンバーはどうしても身構えてしまうところがあると思うので、「ちょっと雑談しよう」とか、場合によっては「お茶をしましょう」「ランチに行きながら話しましょう」みたいなかたちにしてみてもいいんじゃないかなと思っています。
メンバーの緊張を和らげるために、いつもの1on1と違うミーティングタイトルにするなど、ぜひ工夫していただきたいなと思っております。
紺野:最後に「要因分析フレーム」についてご紹介させていただきます。実際のコーチングの型には、要因分析フレームというものがあるんですね。起こったことの要因を探って、次の一手につなげてもらうという際に、非常に有効な型なんですけれども。
先ほど私は、業務過多に陥っていて何を手放せばいいか迷っている状態でしたので、なぜそれが起きているのかという要因分析をスピーディに行いたかったのですが、その際にこの要因分析フレームが非常に使えます。
まずは、結果の認識として「今はどういう状態なの?」といったところを聞いていただいた後、「じゃあそれは何が要因として挙げられそう?」と(質問を投げかけ)、メンバーから「これが要因なんじゃないですかね?」というように、いくつか当たりをつけてもらいます。そして、要因を深掘っていただいて、行動を改善して、「じゃあ次に何をしていきますか?」といったところで、次の一手を実際にメンバーから言ってもらいます。
その後、「この面談が終わった後は何をしますか? 僕に手伝えることはありますか?」と実行を促進します。この一連の流れに沿ってコーチングをしていただくと、すごくスムーズに進むのではないかなと思っております。
先ほどの1on1で欠けている3つの型について、ご紹介をさせていただきました。このとおりに進めれば、きちんとコーチングできるはずですので、みなさんもぜひ実践していただきたいなと思っております。
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