ピッチでの筋の良さの見極め方

田所雅之氏(以下、田所):ちょっと演習をしたいと思います。僕がメンタリングしている、今からとあるスタートアップのピッチを見ていただこうと思います。

事業の評価をする前に、みなさんに軸をお渡ししたいと思います。僕は、これまで何千社のピッチを見てきたんですけど、事業の筋の良さを見極めるために、こんな感じの表があります。

顧客解像度が高いか、定量情報が多いか、バイアスを取り除いているか、思考停止の課題になっていないか、冗長性はないかなど。これがピッチでの筋の良さの見極め方です。

今から見せるピッチで、この事業のどのあたりに課題があるのかをみなさんに考えていただきます。自分だったらどんな感じでメンタリングするのか、仮説を考えていただければなと思います。

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田所:よろしくお願いします。最初に、事業の資料などがあればご説明いただいて、残り20分でインタビューをしたいと思います。

メンティー:学校からのお便りをストックするプロダクトを作っています。

会社は3名でやっていまして、私が代表で、エンジニアが2人います。会社の登記は福岡で、実績等はこのようなかたちです。

今回、プロダクトを作った理由ですが、私が子育て中に感じたアナログな部分をデジタル化したいという思いがあります。

1つ目が、子どもはとにかく持ち物が多い。2つ目が、母親は把握しているけど、父親は情報を知らないということが多い。3つ目が、紙とペンを使う場面が多い。そして4つ目が、子育ては何度も同じことを繰り返す、ということです。

ターゲットは、20代から30代の、子育て中のお子さんが2人以上いる家庭です。

年間1,200枚にもなる、学校から配布されるプリントの多さ

メンティー:まず、(スライドの)「情報に埋もれる」ですが、学校からの情報は未だに9割ぐらいが紙で、その上にメールやアプリも増えたので、たくさんの情報がいろんなところから入ってくると。その処理に追われているところがあります。

紙をそのまま壁に貼るといったアナログな方法だったり、人によってはカレンダーアプリを使ったりしていますが、カレンダーアプリって、自分で入力しないといけないので、なかなか続かないところがあります。

さらに実際に計算してみると、紙の枚数が年間1,200枚にもなっていました。プリントの必要・不要を判断して確認や入力などに使う時間が、年間60時間くらいという数字が出てきています。

あと、子どもさんが2人以上いると、学校とか幼稚園とか所属先が違うので、プリントや使っているアプリもバラバラで、それをまとめるのも大変というのもあります。

また、そもそもデジタル管理をしていないというお母さんが多くて、全体の78パーセントにものぼっているという結果が出ています。

そこで、撮影したお便りの中から、日付と予定と持ち物がカレンダーに自動入力されるサービスを作りました。

こちらがアプリのUIですが、プリントを写メで撮ったら、プリントの中に書いてある日付と予定と持ち物だけを抽出して、アプリの中で表示させます。

毎日リマインダーが来るので、家族全員の予定をホーム画面で見ることで、「今日の持ち物はこれだよね」と確認して送り出すことができるというサービスです。

学校はなんでもかんでもプリントに書いてきますが、親が必要な情報は日付と予定と持ち物だけだったりするので、そこを抽出してあげれば、けっこう満足度が高いということがデータとして出ています。

夫もアプリを入れることで、家庭で情報のシェアもしやすくなります。あと入力を自分でやらなくてもいいところも価値提供になると思っています。

3月30日にリリースしましたが、ものすごい反響をいただいています。初日で500ダウンロード、1週間で1,400ダウンロードまでいきました。まだサービスを人力で入力している部分が多く、反映が遅くなってしまうので、いったん1週間で止めてしまいました。

これから再度プライシングをして、有料課金でサービスを再稼働させようと思っています。そこと、これからの事業展開としてのビジネスモデルについてご相談したいと思っています。

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参加者が感じた課題

田所:ということで、どのあたりが課題か、自分だったらどうメンタリングするか、どういう論点で整理するのかを、みなさんで書いていただけますか。お渡しした軸はあくまで参考なので、みなさんの他の軸でもけっこうです。

「2人以上の子どもがいる」というところ。メンティーは2人以上子どもがいるのかもしれないですけど、他の要素みたいなことは、特に変数としてはないですよね。

おそらく小学生は今、1学年あたりだいたい100万人いるので、未就学児と中学まで入れたらだいたい1,000万人ぐらいいるんですよね。1,000万人だと層が広すぎるんですけど、2人以上きょうだいがいるとなると、フェルミ推定していくと200万組ぐらいだと思うんですよ。200万組でも、けっこう高いですよね。

あと、公立の小学校をやるか私立の小学校でやるかであったり、いわゆるワンオペでやっているのか、ツーオペなのかみたいなところもある。そういう変数とかを設けずに、どこが初期仕様なのかを考えずにやっている感じがあったりしますよね。

「利益が出る価格、会員の数を確保できるのか」。そのあたりを検証する前にプレスリリースを出してしまって、パンクして、オペレーションが回っていない状況ですよね。

「スケールのボトルネック」。今、プロダクトを、Androidアプリで見ると、ダウンロードしたけどぜんぜん対応してくれないとか、めちゃめちゃ悪いレビューがあって、☆1.2ぐらいなんですよ。

どんなにいいレビューがあって、どんなにそのあとプロダクトが良くなったとしてもiPhoneアプリやAndroidアプリで最初に点数がめちゃ下がっちゃうと、リカバリーできないですよね。デジタルタトゥー的な感じで。

田所氏の指摘した課題

田所:僕はこんな感じで捉えています。まず、顧客解像度。おそらくメンティー自身が顧客なので、(子どもの数を)2人で取り上げていたり、あと学校からのプリントが年間1,200枚みたいな具体的な数字があって、ある程度顧客解像度はあるのかなと思っています。

ただ、全体を通して客観的なファクターに乏しいところや、とりあえずプレスリリースを出すみたいな、教科書的に対応しているが戦略性に欠けるところ。要は目の前に課題がありそうなんでとりあえずやりました、みたいな。時間軸がなく、短絡的な感じでやっちゃっていますよね。

あとは、狙うべきセグメントの解像度が低いですよね。小学生を持つ親が対象だと広すぎるのでアクションの示唆が出ないというところで「きょうだいがいる」というところですけども。もしかして自分と似たような方々と考えていたら、バイアスがかかってしまう。本当はもっと違う層なのかもしれないんですけど、そこを無視している可能性もあったりすると。

あと、プレマチュア・スケーリングへの対応ですね。バケツの穴が空いているにもかかわらず、水をいっぱい入れてしまっているみたいなところかなと思っています。

(スライドの)「自分ごとで始まっている」「父親が知らないというインサイト」があるというところから始まっていて、課題の解像度はある程度高いのかなと思いますね。

ただ(スライドの)「情報に埋もれている」がどういう状況なのかについての詳細な記述はないですよね。

子どもの情報のフローと親の情報フローがあって、そこのコミュニケーションコストが発生しているみたいなところがあると思うのですが、そこがちゃんと深掘れているのか。

(スライドの)定量的な負が示されているけど、ペルソナがはっきりしないところとか。

良いインサイトだけど、どのタイミングで負が発生したのかが明確じゃないところとかですね。UI/UXでどのような価値を提供しているのかが不明瞭とか、ツッコミどころはいっぱいあると。あとは、この部分っていうのが実際のボイス・オブ・カスタマーになっているかどうかっていうと、そこもなかったりとかですね。

あとは、戦略性に欠けた顧客獲得施策で、バケツに穴が空いているにもかかわらず水を入れてしまって、結果としてプロダクトのレビューが非常に低いというところかなと思っています。

PRはやっているんですけどUXが悪いことによって、結果として、その後のマーケティングに対して不利に働いている状況かなと思っています。

課題のペインの深さに対するソリューションの精度

ということで、僕がどんな感じでメンタリングをしたのかを少しお見せしたいと思います。

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メンティー:……以上です。

田所:ありがとうございます。これは全部手入力しているんですか。

メンティー:いったんOCR(活字や手書きテキストの画像を文字に変換するソフトウェア)を使って、それを人が見て日付・予定・持ち物などを管理画面で入れているかたちです。

田所:言ったらヒューマン・イン・ザ・ループってやつですね。ヒューマン・イン・ザ・ループってわかります? 

メンティー:わかりません。

田所『ダブルハーベスト』って本が出て。僕は(著者の)堀田さんと仲がいいんですけど。

言ってみたら、OCRで自信のないところを人がやりますみたいな感じでやって、「持ち物:○○」みたいな感じでアウトプットしている感じかなと思います。ワープロとかWordで書かれたものだったらいいんですけど、手書きのものもけっこうありますよね? 

メンティー:そうですね。

田所:先生なんで字がきれいという前提だと思うんですけど、機械で読み込めなかったり、予定が吹き出しみたいに入っているパターンもあるので、そのへんが2~3割だったら、ヒューマン・イン・ザ・ループみたいな感じかなと……。

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田所:なぜこの話をしたかと言うと、OCRが使われているけど、手でもやっていますって話で。まだ精度が高くない状態で、例えば予定に10パーセントエラーが生じていたら、お金を払いたくないという人もいるじゃないですか。

「精度が何パーセントならお金を払ってもいい」みたいな検証を、まずやらないことには、エラーチェックにやたら時間がかかってしまって。

みなさんもそうだと思うんですけれども、「Sansanで入力したら10枚に1枚エラーが発生します」となったら、絶対使わないですよね。

なんでリリースを出す前に、PSF(プロブレム・ソリューション・フィット=顧客が抱える問題を解決する製品を提供している状態)の段階で、例えばデータ版とかを出して、精度が95パーセントだったら、98パーセントなら、99パーセントなら100人中これくらいがお金を出しますみたいな検証をかけないのか。

課題のペインの深さに対して、どれぐらいのソリューションを出すのかといった記述がなかったので。パシャっと撮ってやるサービスはいいんですけど、「99.9パーセントじゃないとお金を払いません」って感じだったら、相当なリソースをかけないと難しいってことになりますよね。

なので、そもそものノックアウトファクター(ユーザーが商材やサービスは選ばないと決める要因)として、これが実現できるかの確認をした感じですね。

PRの前に顧客に確認すべきこと

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田所:500ダウンロードや1,400ダウンロードをされましたというところは大事ですけど。アクティベーション率(製品の価値を実感できるような特定のアクションを起こしたユーザー数)とリテンション率(新規ユーザーが一定期間内で再び使用した割合)、定着率のほうが大事かなと思っていて。そのへんはいかがですか? 

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田所:いわゆる逐次投入で、戦略性がないってことですよね。

一般的な企業だったら、教科書的なところで言うと、広告出して、プレースリリースを出して使ってもらうみたいな感じかもしれないんですけが。

まったくリテンション率や継続率とかNPSみたいな、ある意味どれぐらい満足するのかみたいなことを検証せずにとりあえず出しちゃったという感じだと思うんですよ。なので、そのあたりの整理を始める感じですね。

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田所:ヒューマン・イン・ザ・ループでやってしまうと、予定をパシャっと撮った彼女たちの感覚では、すぐにそれが反映されたらいいって話なんですけど。その成功率だったら、使えないのよって話だと思うんです。

確かに引き合いはありますと。でもPRとかをやっちゃうと、バケツの穴が空いているにもかかわらず水を入れた状況です。今いったん止めているのは、いいと思います。

大事なことはどうしたらお金を払ってくれるかで、これは答えを顧客側に託すしかないんですよ。

QCD、どんなクオリティ、精度が95パーセント以上でお金を払うのか、99パーセント以上でお金を払うのかみたいなところですね。

あとはそのデリバリーコストですね。要は、今ヒューマン・イン・ザ・ループでやっているので、リードタイムが1時間だと「払います」なのか。それとも10分後に返ってこないと払えないという話なのか。もしくは24時間後でも払うという話なのか。そのへんなのかなと思うんですよね。

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田所:これは論点の話をしていて。プリント管理は非常に手間だけど、そもそもお金を払うかどうかの基準みたいなこと。小学生や未就学児はめちゃめちゃ多いので、仮説でもないと、どのセグメントからやったらいいのかみたいなことも出てこないですよね。

それをやらずに、戦術のほうでPRを出している。なので、先ほど言った、上からじゃなくて下から上になっていると。どの程度のことが解決されてお金が払われるかといった問いが非常に大事です。その気づきを与えるための会話をしています。

良い商品は顧客の「あ、いいな」を引き出し、習慣化を促進する

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田所:OCRの精度がどんどん上がっていくという前提条件でいったら、どんな感じで機械学習のライブラリーやOCRのライブラリーを使っていくのかみたいな、プロダクトの設計になると思うんですよね。

今回はいったん引き上げたので、ここからはいかにして、僕だったら100人ぐらいのユーザーに絞り込んだ上で彼女たちがお金を使うレベルの検証をするのかなと思います。

500人ぐらいユーザーがいらっしゃると思うんですけど、ユーザーはどういうタイミングで、どうなったら頭の中で電球が光るんですか?

メンティー:どうなったら、電球が光る……? 

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田所これは虫の眼のことですね。結局すべてのプロダクトって、iPhoneだろうがZoomだろうが、みなさんも僕もそうですけど、最初のユーザーってド素人なんですね。iPhoneを初めて手にした瞬間はド素人なんです。

使っていく中で認知変容があって、行動変容があって、習慣変容があって、どんどんどんどん使う価値変容が起きるんですね。階段って、1段1段しか上がっていかないんですよ。でも、1段1段の差分に、僕は神が宿ると思っていて。

いけてるプロダクト、いけてるサービスは、ここの誘い方がめちゃめちゃうまいんですよね。頭の中で電球が光るって、いわゆるマーケティング用語で言うとアクティベーションとかBtoBで言うオンボーディングです。

最初の1段目や2段目が大事なんですね。そこがボトルネックになっちゃうと、後でどんなに機能が充実しても、そもそも使わない。その視点を、問いとして投げています。

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メンティー:それは、満足するとか、お金を払うポイントとか……。

田所:いえいえ。ユーザーって、このアプリを使いたいわけじゃないんですよ。ユーザーが自分の時間のコストが減ると実感したり、備忘録的に使えるとわかるといったこと。アハモーメントと言いますけど、「あ、これはいいな」と思うのがどういったタイミングなのかということですね。

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田所:ユーザーは自分のアハモーメントをいちいち考えないですね。メンター側がそこを構造化して整理することが、僕は非常に大事だと思っています。

課題に対して専門家でありつつ、UXに関しては素人目線を持つ

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田所:最初は認知して、「あ、いいな」と思ってダウンロードしますと。ダウンロードしてから、ぶっちゃけ撮影・アップロードする人っておそらく100パーセントではないですよね。

メンティー:はい。そうですね。

田所:何パーセントぐらいですか。

メンティー:今のところ20パーセントとかですかね。

田所:ここの歩留まりは、やはり良くないんですよ。ダウンロードをしても、何か課題があるんですね。

メンティー:アップロードしない理由……。あー、所属先という学校登録とかをさせるところなんかに……。

田所:撮影・アップロードする人がだいたい300ぐらいで、そこから実際に日々のオペレーションに反映している人って何パーセントぐらいいるんですか。年間60時間、月だと5時間。週ならだいたい1時間をスケジュールに使っていますとかだと思うんですけど。

1時間使っているのが、「これを使うと10分に短縮された」みたいな実感を持つことだと思うんですよね。そういう人がだいたい何人ぐらいいるのかなと。

メンティー:まだインタビューできていないですね。

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田所:自分の中で「やっぱりインタビューしなきゃな」という、人の眼的なところがありますよね。いわゆるアクションのスマート化みたいなところだと思うんですけど。

ユーザーのエンゲージメントやリテンション率みたいなことも、そこだけだったら僕はすごく思考停止だなと思っていて。すべてのプロダクトって、(スライドの)こんな感じでちょっとずつちょっとずつ上がっていくんですよね。

多くの1回目の起業家は、(スライドの)レベル5の観点でプロダクトを作っちゃうんですよ。ただ99.9パーセントのユーザーって、レベル1から始まるんですね。

なので課題に対して専門家でありつつ、UXに関しては素人目線を持つ必要があるんですよ。そういったところが虫の眼で大事なポイントですね。

ここのレベル1とか、レベル2の人に対して、彼女たちがどう使っているかの観察とか、インサイトを引き出すことが大事です。

ちょっと長くなるんで、解説はこれぐらいにしたいと思うんですけど、こんなメンタリングをやりました。

こういうのがけっこう平均的な起業家だと思うんですけど。現状の未充足の解像度を高めるとか、プロダクトを使ってからエンゲージを高めるところのある程度の仮説がないにも関わらず、いきなりプレスリリースを出しちゃうのは、プレマチュア・スケーリングになっちゃうと思うんですよね。そういうことを防ぐことが大事だと思います。

製品・サービスの課題を確認する顧客エンゲージメントマップ

田所:1時間ぐらい経ったので、ちょっとラップアップしたいと思います。

僕は(スライドの)顧客エンゲージメントマップというのを作ったんですけど、どこに課題があって、どこに歩留まりがあるか。

先ほど、ボトルネックとスループットって話がありましたが、そのあたりを見ていくと。

あとは、モチベーショングラフというフレームも作ったんですけど、プロダクトなしの現状、いわゆるママの心理状態ですね。「あ、プリントがない」、ママ友にLINEする、みたいなところがプロダクトがあるとどうなるのかといったモチベーショングラフをやるとか。

メンターとして、UXの知見やマーケティングの知見があることで、重要なポイントの下出しができるのかなと思っています。

まとめとしては、メンタリングとは何かと言うと、よく整理することが言われるんですけど、そうじゃないと思っていて。構造を理解した上で、具体的な施策の示唆を出してあげることかなと思います。

これやれ、あれやれというアクションを指示するよりも、インタビューができていなければ、内発的動機が生まれるように背中を押してあげることが大事です。

起案者の持つWhyは、非常にすばらしい。大事だと思うんですけど、近視眼的になりがちだったり、自分の認識バイアスがすごくかかってしまうと思うんですよ。そこに対して、起業参謀として行動の質を高めてあげる。そんな存在かなと思います。

今日は、(スライド最下部の)コンセプトと(スライド下から2番目の)戦略の話があったんですけど、メンタリングのスコープとしては、ここ(上から2番目)の戦術の部分が非常に大事だと思うんです。

1個1個のテンプレートの使い方も、非常に大事だと思うんですね。

武器も戦術的なテンプレートや経験もなかったら、やっぱり形骸化しちゃうと思うんですね。先ほど言いましたが、深めるから狭める、いわゆる実際の施策レベルに落とさないと、スマートに落としていかないと、背中って押せないと思うんですよ。なので、このあたりの戦術的な知見も大事だと思っています。

ただ、僕が数をこなしてきて思うのは、やっぱり下から上です。いきなり戦術の細かい話をするのではなくて、そもそものコンセプトの検証から、そこからのどういうセグメントを攻めるのか。

プロダクトでは、どのセグメントを攻めるかの論点も整理しました。当然ユーザーセグメントが変わったら、顧客獲得の仕方やエンゲージの高め方も変わるんですね。その上で、戦術をどうしていくかみたいな話をするのが大事かなと思います。

まさにこの(スライドの)コンセプト、戦略、戦術、行動の土台で積み重ねることかなと思いますし、もう1つの軸としては5つの眼を身につけることが大事ですね。

ということで、僕の講演パートを終わらせていただきます。