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Bill Oneの新サービスに関する記者発表会(全2記事)

2023.06.19

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経理担当者を悩ませる「法人カード業務の三重苦」 月次決算を加速する「Bill Oneビジネスカード」での解決策

提供:Sansan株式会社

さまざまな分野でDXが進む中、Sansan株式会社が「経理業務のDX」として提供するインボイス管理サービス「Bill One」に、新たなオプションサービスが加わることを発表しました。Bill Oneは「請求書受領から、月次決算を加速する」という目標を掲げ、リリースから3年で1,300社超で導入されています。前編では、法人カードの利用に伴う三重苦を解決するために生まれた「Bill Oneビジネスカード」の全容について、Sansan株式会社の寺田親弘氏と大西勝也氏が解説しました。

SaaSビジネスの理想的な成長モデルを超える「Bill One」

寺田親弘氏(以下、寺田):こんにちは。Sansanの寺田です。本日はBill Oneのオンライン記者発表会にご参加いただきありがとうございます。冒頭は、私から発表概要をお話しいたします。

当社Sansanのミッションは「出会いからイノベーションを生み出す」。人と人の出会い、企業と人との出会い、企業と企業との出会いに、テクノロジーの力で我々自身がイノベーションをもたらしていきたい。そして、我々のサービスを使うユーザー企業のみなさまにイノベーションを起こしていただくという気持ちを掲げています。

このミッションのもと、企業と企業の出会いから生まれる請求書に着目したサービスが、インボイス管理サービス「Bill One」です。2020年5月のリリースから大変ご好評いただいております。

初期は、コロナ禍における請求書の代理受領のニーズを受けた追い風かと思いましたが、コロナが落ち着きを見せつつある中でも受注スピードは衰えず、今なお受注金額は過去最高記録を更新し続けています。リリースから3年経たずしてARR(年間経常収益)27億円、導入社数は1,300社を超え、請求書の総請求金額が、年間16兆円規模まで到達しています。

SaaSの理想的な成長モデルといわれる「T2D3」は、ARRが毎年3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と、5年かけて年間売上を72倍とする成長モデルですが、これを超える成長を見せています。SaaSビジネスに長年携わってきた身としても、この立ち上がりのスピードはまさに驚異的だと感じます。それだけ経理業務のDXに企業が課題感を持っているのかなと思います。

目指すは「請求書受領から、月次決算を加速する」

寺田:Bill Oneは2020年のリリースから、これまでに1,000回以上の機能アップデートを行い、「提供機能」「ユーザー体験」の両軸を向上してきました。Bill Oneが目指すところは、「請求書受領から、月次決算を加速する」。

私自身、イチ経営者の実感値として、月次決算を加速することは確実に企業の経営にとって欠かせないことだと(思います)。裏を返せば、日本の企業を強くするために、いかに早く決算を締めていくかということは、ある種絶対条件だと考えています。

その一方で、月次決算を早くしていくには、いろいろな課題があったと思っています。企業間決済の中で、近年増えてきているのが法人カードの利用です。特にコロナ禍以降、BtoBの決済にキャッシュレス化の波が訪れているほか、企業がいわゆるクラウドサービスを利用することも増えてきています。それによって、カードを使ったBtoB決済が増えていると捉えています。

メディアのみなさんにおいても、法人カードの利用経験がある方は少なくないんじゃないかなと思いますが、その業務プロセス全体には、まだまだ改善の余地がたくさんあります。この領域を、これまでのBill Oneではカバーし切れていませんでした。

法人カードにおける経理業務には、依然アナログな業務が残っています。なおかつ2023年10月からはインボイス制度が施行されて、さらなる複雑化が予想されています。

Bill Oneユーザー企業は無料で発行・利用できる、法人カード

寺田:これらのアナログ業務の課題や、インボイス制度で複雑になる業務課題をカバーしつつ、ユーザー企業の月次決算を加速化する。これが今回提供する「Bill Oneビジネスカード」です。概要だけ簡単にご説明します。

Bill Oneビジネスカードは、Bill Oneユーザー企業であれば誰でも無料で発行・利用開始できる法人カードです。カードのタイプは2種類で、このようなバーチャルカードとリアルカードの2種類になっています。

それぞれのカードは、Bill Oneユーザーであればシステム上で枚数の制限なく発行が可能です。バーチャルカードであれば、即時に利用開始でき、急速に進むBtoB領域でのサービス決済(に利用できます)。そしてリアルカードを使えば、社員が飲食店で支払う際などの接待交際費にも利用できます。

このBill Oneビジネスカードで決済した内容は、カード利用後に、その会社が利用しているBill Oneの画面上に即時に連携されます。これにより、利用後に決済内容を確認するというアナログな経理業務を効率化できます。

加えて、Bill Oneビジネスカードはインボイス制度などの法制度に対応し、不正利用リスクを低減します。その結果、Bill Oneユーザーの月次決算はさらに加速します。

「請求書受領から、月次決算を加速する」。これをさらに追求するためのBill Oneビジネスカードの詳細な機能や、月次決算の加速になぜBill Oneビジネスカードが貢献できるのか。このあたりを、Bill One事業部 事業部長である大西よりご説明いたします。

「請求書受領サービス」という新市場で、ARR27億円を突破

大西勝也氏(以下、大西):みなさんはじめまして。Bill One事業部 事業部長の大西と申します。私からは、Bill Oneビジネスカードの詳細についてご説明します。まずは、簡単に自己紹介をさせていただきます。

私はSansanに2011年に入社し、1年間のSansan営業を経て、そこから6年間マーケティングの責任者を務めていました。最初のテレビCMなどにも立ち会いまして、Sansanを社会に広めるための活動を行ってきました。

その後、Eight事業部に2年半在籍し、法人向けのサービスの立ち上げなどを行い、2020年12月からBill One事業の責任者を務めています。

さて、冒頭で寺田からもありましたが、Bill Oneは請求書受領から月次決算を加速するインボイス管理サービスです。Bill Oneはあらゆる方法・形式で届く請求書をオンラインでワンストップで受領し、99.9パーセントの精度でデータ化します。

郵送で送られてくる紙の請求書も、メールで届く電子請求書も受領できるので、発行先に負担をかけずに請求書の一元管理を可能にします。

データ化された請求書は、Bill One上で必要な時に簡単に検索ができます。また、請求書処理のステータス管理も可能です。これまで紙での管理が主流だった請求書をクラウド上で一元管理することで、アナログな非効率な請求書業務をデジタル化し、月次決算の加速を可能にします。

2020年のサービス提供開始以降、リモートワークや電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の導入など、働き方や法制度の変化に柔軟に対応できるサービスとして、幅広い業界で導入いただいています。

「請求書受領サービス」という新しい市場を作り、リリースから3年経たずしてARR27億円を突破。今では請求書受領サービスの売上シェアナンバーワンのサービスとなりました。

このBill Oneを介して請求書のやりとりを行う企業ネットワークを、私たちは「インボイスネットワーク」と定義しています。このインボイスネットワークの参画企業はすでに7.3万社を超えています。これだけ多くの企業に利用され、貢献できている。

2020年のリリース当時は「請求書受領サービス」という市場すらなかったことを考えるととても感慨深く、この市場のポテンシャルを感じています。

一見便利な法人のクレジットカード決済の課題

大西:私たちが作り上げるサービスは、請求書を単にデータ化するだけではありません。ユーザー企業の月次決算の加速に資するサービスです。この「月次決算を加速する」というテーマに対して、Bill Oneを通じて価値を提供してきたわけですが、企業間取引にまつわる業務の中で対応できていなかったのが、法人カードの領域です。

今回、法人カード領域に参入することで、月次決算の加速をさらに図っていきます。

企業間決済の手段として最も多いと言われているのが請求書払いですが、近年クレジットカードによる決済も広まってきています。当社が経理担当者1,000名に行った調査でも、約半数が「ここ数年で法人カードの決済機会が増えた」と回答しています。

この法人カードは、一見すると請求書よりも処理が簡単そうに見えますが、実はアナログな業務課題が多く存在し、月次決算の加速を阻害する要因となっています。

まずは、法人カードの業務をイメージいただくために、業務フローを簡単にご説明いたします。カードを利用したい人は、上長に購買申請をします。承認を受けたら、経理担当者にカードの利用を申請します。

経理担当者から承認が下りたら、管理者が利用者にカードを貸し出します。そして利用者はカードを利用できます。

利用後、カードの利用者は経理担当者に証憑を提出します。この「証憑」というのは、領収書や請求書など、カードの利用内容を証明する書類のことです。経理担当者は、証憑とカード会社から発行される利用明細を照合して、事前の購買申請に沿ってカードが利用されているかどうかを確認します。確認後は会計処理を行います。

経理担当者が抱える「法人カード業務の三重苦」

大西:法人カードは利用者にとっては便利な決済方法ですが、その裏側では経理担当者にはさまざまな業務が発生しています。私たちは経理担当者が抱える課題を「法人カード業務の三重苦」と定義しました。この三重苦とはいったい何か、1つずつご説明します。

三重苦の1つ目。これは「アナログ業務」です。法人カードの管理には、証憑の回収、目視での確認といったアナログな業務が残っています。実際に当社が行った調査によると、法人カードの利用に当たる課題として、「利用明細と証憑との照合に時間がかかる」と答えた人は51.8パーセント、「証憑の回収に時間がかかる」と答えた人は34.8パーセントと、特にこの2つの業務が大きな負担になっていることがわかりました。

では、なぜこの2つがこれほど負担になっているのか。例えば、AmazonなどのECサイトで物を買った時、カードの利用明細には取引先として加盟店であるAmazonの名前が書かれていますが、証憑にはAmazonに出店しているお店の名前が記載されています。そのため、カードの利用明細だけ見ても、その証憑とひも付いているのかがわかりません。

このように、明細と証憑に書かれている取引先名が異なる場合、ひも付けるための手掛かりは金額と日付になります。経理担当者は明細を1件1件目視で確認し、同じ日付、同じ金額が記載されている証憑を探さなければいけません。特に会社規模が大きくなると、利用者も利用件数も多く、確認するのは非常に大変です。

また、カードの利用明細はあるものの、それにひも付く証憑が提出されていないこともたびたび発生します。その場合、1件1件利用者へのリマインドを行う必要があります。調査の結果、こうした管理業務にかかっている時間は、平均で月4.7日ほどでした。1日でも早く締めたい月次決算において、大きな障害になっていると言えます。

インボイス制度や電子帳簿保存法への対応、不正利用リスク

大西:そして、三重苦の2つ目。これは「インボイス制度と電子帳簿保存法への対応」です。インボイス制度は2023年10月に開始する、消費税の仕入税額控除に関する制度です。すでにメディアでも多く取り上げられており、ご存じの方が大半かと思います。

インボイス制度が始まるまでは、税込み3万円未満の取引であれば、カードの利用明細があれば仕入税額控除が認められます。しかしインボイス制度開始後に当たっては、金額を問わず、法人カードの利用明細だけでは仕入税額控除が受けられないことから、すべての証憑を回収し、かつ適格請求書の要件を満たしているかを判断する必要があります。

また、2022年1月に改正された電子帳簿保存法によって、紙の書類・電子の書類ともに、法要件に従った保存が求められます。クレジットカードの証憑は、これまで紙であることが大半でした。しかし最近では、クラウドサービスの利用料など電子で発行されることも多くなっていますので、紙と電子の書類が混在しています。これらの書類を電子帳簿保存法に則って保存するには、業務フローを見直す必要が出てきます。

最後の三重苦の3つ目は「不正利用リスクへの対応」です。カード番号やセキュリティコードがあれば誰でも使える法人カードは、利便性が高い一方で、社員の私的利用や適切でない購入先での利用など、カードを不正に利用される可能性もゼロではありません。

そこで、不正利用を防止するために、カードの利用額や用途を制限するなどの対策を取る必要があるので、そのための管理工数が発生します。法人カードは、利用者にとっては決済がより便利になる一方で、管理する経理担当者にとっては、このような三重苦が存在していました。そのため、法人カードの利用自体をためらっているという企業も少なくはありませんでした。

カードの利用明細とBill One上の証憑を「自動照合」可能に

大西:企業の月次決算加速を支援しているBill Oneとして、この三重苦を見逃すことはできません。企業間の決済手段として、従来から広く利用されてきた請求書と、急速に利用が拡大している法人カード。この両方の業務課題を解決することで、企業の月次決算をさらに加速できると考え、Bill Oneビジネスカードの提供を決めました。

Bill Oneビジネスカードは、Bill Oneを契約している企業であれば無料で利用できる法人カードです。カードはシステム上で枚数制限なく発行可能。そしてバーチャルカードであれば、即時に利用を開始できます。

法人カード自体はすでにマーケットとしても確立されており、各社それぞれにおいてさまざまな強みを有していますが、Bill Oneビジネスカードは当社がこれまで培ってきたデータ化技術を活かして法人カードの課題を解決し、月次決算を加速させることを第一に考えた設計になっていることが特徴です。

このカードを使えば、先ほどご紹介した「法人カードの三重苦」を解決できます。ではここから、具体的にどんなことができるのか、Bill Oneビジネスカードの具体的な特徴についてお伝えしていきます。

まず、三重苦の1つ目「アナログな業務」。これをデジタル化することで、業務効率化を実現します。調査で最も(多く)課題として挙がっていた利用明細と証憑の照合を、Bill Oneビジネスカードでは自動化します。

Bill Oneにアップロードされた証憑を、我々がこれまで培ってきたデータ化技術を基に自動でデータ化し、カードの利用明細との自動照合を実現します。

証憑と明細の金額が異なる場合はアラートが表示され、確認の手間を削減できます。このアラート表示は、Bill Oneビジネスカードならではの機能で、現在特許申請中です。また、カードの利用後、利用者にはBill Oneから証憑アップロード依頼のメールが届きますので、経理担当者が都度利用者に証憑提出のリマインドを行う必要もありません。

さらに今後、紙の領収書をスマホのカメラで撮影し、それをBill One上に即時にアップロードできるようにする開発も進めております。この機能を使うことで、複数の領収書を一括で撮影してアップロードできるようになる予定です。

カードの不正利用リスクを極限まで低減できる仕組み

大西:続いて、三重苦の2つ目「インボイス制度、電子帳簿保存法への対応」。まず、インボイス制度への対応については、カードを利用した後、受け取った証憑が適格請求書かどうかを確認する機能を、10月のインボイス制度開始前に実装予定です。また、カード利用後に提出された証憑は、電子帳簿保存法の要件を満たしたかたちで保存されます。

そして、三重苦の3つ目の「不正利用リスクへの対応」。Web上で何枚でも発行できるBill Oneビジネスカードですが、利用先や利用者、利用可能期間などを制限することで、不正利用のリスクを極限まで低減することが可能です。

法人カードは利用上限額などを設定できるものは多いですが、利用先まで制限できるカードは多くありません。Bill Oneビジネスカードでは、カードごとに特定ジャンルの利用先を排除することができます。

さらに今後は、カードごとに利用先を1ヶ所のみに限定できる機能も実装予定です。また、利用状況はリアルタイムで管理でき、不正な利用を検知することも可能です。

このように、法人カード業務の三重苦を解決し、月次決算をさらに加速できるようなカードとなっています。このBill Oneビジネスカードは、初期費用・年会費・発行手数料は無料。そして、1企業当たりの利用上限は最大1億円。高額なサーバ費用や広告宣伝費などに対しての利用も可能です。

そして、すでにここにあるような有名企業を含む200社ものみなさまが、Bill Oneビジネスカードの導入を決定してくださっています。先ほどご紹介した法人カードの三重苦に悩んでいた企業はもちろんですが、これまで法人カードを利用してこなかった企業にも導入を決定いただいております。

まだサービス開始前にもかかわらず、これだけ多くのみなさまが導入を決めてくださったのは、これまでBill Oneが経理DX、月次決算の加速を実現してきたという信頼感、そして今後のBill One事業への期待感の表れなのではないかなと思っております。

このBill Oneビジネスカードの提供開始は6月1日からです。今後、さらなる価値を提供できるようにアップデートを図ってまいります。

「Bill Oneビジネスカード」の2つのマネタイズポイント

大西:最後に、Bill Oneビジネスカードのビジネスモデルについてご説明いたします。マネタイズポイントは2つあります。

1つ目は証憑のデータ化料金です。Bill Oneは、データ化する請求書の枚数に応じて料金が決まるビジネスモデルです。カードの証憑も請求書と同じ扱いとしておりまして、請求書のデータ化料金にカード証憑のデータ化料金が上乗せされるということで、Bill One全体の売上高が増加します。

そして2つ目は、加盟店などから支払われるカードの利用手数料。これが今回新たに加わる、法人カードならではのマネタイズポイントです。すでに導入を決定してくださっている200社がBill Oneビジネスカードを使って支払う予定の金額は、月間合計6億円となっております。

この金額を1年後には月間50億円、すなわち年間600億円まで増やしていきたいと思っています。新たに法人カードを備えたBill Oneは、来期末のARRは今期末目標の倍となる、ARR60億円以上を目指したいと思います。

Bill Oneが目指すのは月次決算の加速、そしてその先にある企業経営の強化。リリース当初から変わらないこの思いを実現していくために、今後もサービスをさらに進化させてまいります。ご清聴ありがとうございました。

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