2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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紺野佳南氏(以下、紺野):簡単に自己紹介をさせていただければと思っております。本日モデレーターを務めさせていただきます、株式会社EVeMの紺野佳南と申します。あらためまして、どうぞよろしくお願いします。
私は、2011年にキャリアをスタートしました。初めてマネージャーになったのは2014年です。サイバーエージェントグループの株式会社サイバー・バズでマネージャーをやらせていただいたことが、マネジメントキャリアのスタートとなっております。
そこからフリーランスとして独立したり、株式会社EVeMに入る前までは株式会社AppBrewという、コスメアプリ「LIPS」を作っている会社に(社員)約10人のタイミングで入らせていただきまして、そこで広告事業部のゼネラルマネージャーを務めました。
2021年に株式会社EVeMにジョインし、現在取締役COOを務めさせていただいています。本日はモデレーターとして、みなさまに少しでも多くの学びを持って帰っていただけますよう、尽力させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。
では、本日のメインスピーカーのご紹介をさせていただければと思います。まず長村さん、自己紹介をお願いします。
長村禎庸氏(以下、長村):はい。みなさんはじめまして。EVeMの長村と申します。私が初めて入った会社はリクルートで、『ゼクシィ』という結婚情報誌の広告の営業をしていました。
その後、DeNAという会社に入り8年半所属することになるんですけれども、1年単位ぐらいで、さまざまな部署のマネージャーを経験したというキャリアになります。
それから、ハウテレビジョンという会社に取締役のCOOとして入社しました。当時この会社はすごくいいサービスを運営している一方で、マネジメントの力がちょっと弱く伸び悩んでいました。
会社自体すごくいいサービスをやってるので、「マネジメントの力を足せば絶対伸びるはずだ」と思い、ハウテレビジョンに入り2年後にマザーズに上場したかたちになります。
その時の体験をもとにEVeMという会社を設立して、今みなさんにマネジメントの型を教える仕事をしております。今日はどうぞよろしくお願いします。
では、辻本さんもお願いします。
辻本知範氏(以下、辻本):はい。あらためて、はじめまして。よろしくお願いします。辻本と申します。私は、2008年に長村と同じくDeNAという会社に入社をして、さまざまな経験をさせていただきました。
特徴的なものとしては、2009年から2013年まで4年ほど中国事業の立ち上げで、中国に駐在しておりました。そこでは現地のゲーム会社さんと合弁会社を設立して、そこの日本側の代表をしていました。会社では副代表として、チームのマネジメントに携わっておりました。
日本に帰ってきてから、ヘルスケア事業の立ち上げで、珍しく商社さんとの合弁会社を設立させていただいて、新規プロダクトのプロダクトマネージャーを務めておりました。
その後、2017年から人事に転向し、事業部付き人事のグループマネージャーとして、リクルーターやHRBP(戦略人事のプロ)と呼ばれるような複数のロール経験をいたしました。
2020年にオートモーティブ事業自体がカーブアウト(子会社化)することに伴い、転籍することになりました。当時の名前はMobility Technologiesという名前でしたが、そこで人事の責任者を務めました。2つの会社が統合して生まれたのがGO株式会社だったんです。
そこでは、統合に伴い人事制度の統合や採用の立ち上げ、IPOの人事的な準備など、さまざまな経験をさせていただきました。2023年、今年の3月にEVeMに入社をして、今、VP of Knowledge Developmentというロールを務めております。
Knowledge Developmentとは、マネジメントのさまざまなシーンに使う型やナレッジを新規に開発していったり、ブラッシュアップしていったりするような部署になります。あとCxO向けのエグセクティブトレーナーとしても、トレーニングを提供させていただいています。本日もよろしくお願いします。
紺野:はい。ありがとうございます。では、さっそく本日のメインディッシュですね。本題に入っていければと思うんですけれども。ここからはスピーカーをメインスピーカーである辻本さんにバトンタッチさせていただければと思っております。
では、辻本さんお願いいたします。
辻本:はい。今日はメンバー評価に関する型、マネジメントの型をいくつか紹介させていただくことで、みなさまの評価に関する実務のお悩みが1つでも解消できる時間になればと思っております。
アジェンダ(予定表)としては、マネジメントの型は何回もお話をしていますが「そもそもどういうものなのか」を長村から簡単に紹介をさせていただいた後、実際に2つのケースを実践し、締めというかたちで進めていきたいなと思っております。
では、長村さん、最初にマネジメントの型をご紹介いただけますでしょうか。
長村:はい。ありがとうございます。じゃあ、私からマネジメントの型を簡単にお話ししたいと思います。
前提として私たちは「ベンチャーに特化したマネジメントです」というのをまずお伝えしています。(スライドにある)安定した組織とは、主に大きな会社さんを想定しているんですが、安定成長を志向していて、取り巻く環境の変化も緩やかで、かつ事業基盤が強い会社。こういった会社においては、マネジメントはどちらかというと内乱を抑える側面が大きいんじゃないかなと思います。
一方でベンチャーの場合は急成長を志向していて、環境の変化が激しいですね。あと、事業基盤がグラグラで弱いという状況です。もちろんベンチャーに関しては勝ちにこだわる「生き残ってちゃんと勝つぞ」というマネジメントになると思っています。
この内乱を抑えるマネジメントと勝利にこだわるマネジメントは、似て非なるものだと思っています。その中で、私たちはベンチャー企業に特化したマネジメントの型を、みなさんにお伝えする事業をやっています。
次に「そのマネジメントの型は何なのか」という話です。マネジメントという言葉を聞くと、みなさんの中で想起するものが違うんじゃないかなと思っています。「それは1on1のようなことですか」「目標設定のようなことですか」、今回のテーマの「評価のことですか」のように、一人ひとり何を思い浮かべるかは違うと思うんですけれども。
私たちがお伝えしているマネジメントの型は、ここ(スライド)に書いてあることすべてです。一番は「役割」。「ベンチャーのマネージャーは何のために存在するのか」という役割をちゃんと認識するところから始まります。
「基本動作」とは(スライドの左から)現状把握をして、目標を立て戦略を作り、体制とその体制が動くシステムを作って、最初の成果やモメンタム(勢い)をしっかり生む。それを四半期なり半期なり繰り返した上で、個人に対して目標設定をして評価していく。
四半期や半期の単位で学んだことを、ちゃんと次の四半期に活かしていくことで、学習する。このサイクルがマネージャーとして、やるべきことのすべてかなと思っています。
これは1人でできることではないので「人をどう動かすか」というピープルマネジメントの技術が必要です。またベンチャー企業においてマネージャーは、すごく見られる存在なので「マネージャーとしてどういう人であるべきか」という立ち位置や心得、セルフマネジメントもすごく大事になってきます。
これらすべてが、マネジメントの地図だと私たちはお伝えしています。
次にマネジメントの型と言われるものですね。型とは、仕組み化されたやり方や形式と捉えていただければいいんですが。
「この問題に対しては、こういう型で対処すべし」という50個ぐらいの型のリストがあります。どれが欠けているかを考えて、その型のリストから最適な型を引き出せるようになれば、どんな問題でも解決できるんじゃないかなと考えています。
具体的には次のスライドのように、何か問題が起きたり、ある状況があったりした時に、何の型が欠けてるのかを50個の中のリストから検索します。その上でこの型が欠けているんだったら、「具体的にはこういうコミュニケーションをしよう」「こういう会議をしよう」「こういう思考整理をしよう」と具体的な対処を考えていただく。
問題に対していきなり具体的な対処を考えようとしても、何かよくわからないと「結局は1on1をするんですか」「結局は話すしかないよね」となりがちなんですが。
「何が欠けてるんですか」という型をちゃんと間に挟んでいただければ、取り組みの方針が明らかになるという考え方です。今日、いくつかのケースを扱いたいと思うので、そのケースに関してもこのフレームに沿ってみなさんに解説していければと思います。
欠けてる型に関しては、まず問題に対して1~3つぐらい当たりをつけていただく。50個の型のリストから、「これとこれとこれかな」と当たりをつけていただくのが、私たちがやっている方法になります。今日は50個の型を全部は紹介できないんですが、評価に関する型は時間の許す限りお伝えしたいなと考えています。
はい。それでは、ここからは辻本さんにバトンタッチしたいと思いますので、よろしくお願いします。
辻本:はい。よろしくお願いします。では、さっそくみなさんにも少し考えていただきたいなと思うので、評価あるあるのケースを読み上げさせていただきます。
山田さんは、今年からマネージャーになった新任マネージャーです。ふだんから、メンバーとの1on1もかかさず、うまくマネジメントできている感覚がありました。
そうして迎えた初めて評価業務メンバーと話をする日、みんなも「今期はとても頑張りました」と自己評価は高そうです。確かに最近みんなは遅くまで頑張ってくれているので、軒並み高い評価をつけて、上長に伝えたところ、「いやいや、頑張っている人なんてほとんどいないよ。もっと客観的に評価して」と言われてしまいました
どうしたらよいかわからず、最終的には大幅に直された評価になり、メンバーに伝えると「あんなに頑張ったし、山田さんも『確かに頑張っていた』と言っていたじゃないですか」と不満が噴出し、それ以来1on1もなんとなくぎこちなくなりました。
「自分は評価なんてあんまり気にしたことがなかったのに」と悩む山田さんに、どんなアドバイスがしてあげられるでしょうか。
初めての評価業務に戸惑っている山田さんに対して、みなさんからのアドバイスを考えていただきたいなと思います。
ちょっと1分ぐらい時間をとりますので、先ほどのようにチャット欄に「こういうのがいいんじゃないか」と、なんでもかまわないので投稿してみていただければと思います。
紺野:はい。みなさま、チャット欄「全員」を押していただいて、「自分だったらこういうアドバイスをしてあげるよ」と、ぜひお寄せいただければと思っております。辻本さん、ちょっと思ったんですけど、これ、けっこう難問ですね。
辻本:そうですね。人事評価では、まあよくあると言われればよくあるケースかなと思いつつ。
紺野:はい。
辻本:毎回悩むところですよね。
紺野:そうですよね。私も「なんか経験があるなぁ」とちょっと思い出したりしたんですけど。今日ご参加いただいている中にも、「あ、これは自分も経験があるな」という方もいらっしゃるんじゃないかなと思っております。
もしみなさんだったら、悩む山田さんに対してどういったアドバイスをされますでしょうか。ぜひお答えいただければと思います。あ、早速ありがとうございます。「評価基準を明確にしたらいいんじゃないですかというアドバイスをします」ですね。
辻本:確かにそうですね。「頑張った!」「頑張っていない!」という感じになってしまいますもんね。
紺野:どこの基準で頑張ったかを明確にしておくというところですよね。ありがとうございます。
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