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『狂犬・木下』と『天才・川原』が語る「勝手に国家戦略会議」(全5記事)

地方は不遇アピールによる「交付金依存」ではだめ まちづくり専門家が語る、地方の「公民連携」の課題

プロデューサー川原卓巳氏が主宰する、自分らしさを探究するオンラインサロン「SENSE」。同サロンが開催するイベント「勝手に国家戦略会議」に、『まちづくり幻想』の著者で、まちづくりの専門家・木下斉氏が登壇。川原氏と補助金・交付金依存症からの脱却について語り合いました。

「いかに恵まれていないか」を訴える地方

川原卓巳氏(以下、川原):じゃあ、ちょっとまとめに入るけど。

木下斉氏(以下、木下):そうね。

川原:1つはコンシェルジュ制度というか、その資格認定みたいなのをやりましょう。今日聞いてくださった方の中でも、それぞれの地方の方がいらっしゃると思うので。

手を挙げてくださる方に関しては、一緒にチームを組んで、認定組織を作り、いいものをちゃんと海外の人に高付加価値で売っていく仕組みを作るのが、まず1つ。今日の提言としてやりたいものです。

木下:そうですね。

川原:(「勝手に国家戦略会議」の)2回目については、正直、観光をもうちょっと煮詰めたいのもあるんだけど、さっきの話で言うと、バリューチェーンからどう抜け出すのかという“シャブ抜き”の話をテーマに据えていいかなと思っていて。それをやらないと、根本解決にならないから。なので第2回のテーマは、「勝手に国家戦略会議 シャブ抜き」でいきます。

木下:(笑)。もはや「何の話か?」みたいになりそう……。タイトルをちゃんとしないと、急に麻薬問題について切り込んでいるのか? みたいな。

でも今の日本は、お客さまからしっかりお代をもらって、地方が自分の魅力で稼いでいくことじゃなくて、「うちはいかに恵まれていないか」をみんながアピールしてお金をもらう、みたいな話になっちゃっている。

どれだけそうなっているかという話は、意外と地方の人もよく自覚していない。逆にその財源って、例えば地方交付税交付金で17兆円弱ぐらい出てるうちの4割ぐらいを、東京都民が負担しているんですよね。

川原:そうだよね。

木下:それも都民はあんまり知らない。都民はどこからそれが取られているのかもよくわかっていないとか、そういうのって全体がよく見えていないので、次回のイベントでぜひ切り込んで。

川原:いやぁ、めっちゃ楽しい。

木下:もう(交付金や補助金という)“シャブ”が流通しているので、ある程度認識していないと、みんなシャブ漬けになっていっちゃうんですが、意識できていれば「あ、これはやばいな」「ちょっとこれは1回考えなきゃいけないよね」とか考えられる。

地域の中でも、みんなすぐに「予算をもらいに」とかなるけど、いやいや。「ここは」という認識ができていれば、誰かしらがブレーキを踏んでいくことで、改善する部分がかなりあると思うんですよ。

「狂犬ツアー」の一般客への開放

木下:でも、そういうのって学校で教えてくれないんですよね。日本の地域や地方とか、国の統治、地方分権です。「地方自治です」と言われているのに、地方自治体ってぜんぜん自治できないんです。

それも次回みなさんにも知っていただいて、「あ、そんなに自由がないんだ」とみんなが認識をすると、かなり見え方が変わって改善の余地も見えてくる気はするので、次回はぜひそこをみんなで共有したいですね。

川原:おもしろい。次回の日程はいつだったっけ? 予定、取っていましたよね。

木下:はい。4月24日。

川原:4月24日、月曜日の、同じく8時~9時。

木下:これ、すごくいい会議だね。しっかり次回予定のリマインドが入る(笑)。

司会者:卓巳さん、実はもうPeatixをご用意させていただきました。

川原:すばらしい。

木下:さすが、仕事が速い。いや~、初回からかなり骨太な。さっき言ったように、みんなが登録していくようなプラットフォームをしっかりやって、外向きにそれをどう作るか、みたいな。うち、地方の視察とかをやっているんですよ。

川原:「狂犬ツアー」ね。

木下:ローカルでやっているうちらのプロジェクトとか、さっきの岩手の紫波町ってオガールプロジェクトとかも……。

川原:オガール、行きたい。

木下:3年連続で、日本で一番視察が来た事例になったりしていて。そういうのはやっているんですけど、一般のお客さまに向けてそれをもっと開放して、しっかりアテンドするとか、サービス化するまではまだやっていないので。

今日の話を聞いて、確かにこれはタクミンとやる価値のあるプロジェクトだなと思いました。インフラは、もうある程度あるイメージではあるので。

あとは、それを外に出したり、まさに多くの人に知ってもらう。僕は、作るのや立ち上げるのは得意なんですよ。いかに多くの人に知ってもらうかは、タクミンパワーを持ってきてやっていただかないと(笑)。

川原:マジで、バチクソ下手なんですよ(笑)。

木下:(笑)。

川原:いいことをしすぎていて、なおかつ本質的すぎて、けっこう一般の人とすぐ離れちゃうから、俺はそれがもっと多くの人に伝わってほしいと思って。ぜひキノピーの動きはウォッチしていただきたい。いろいろリンクを張っていますので。

木下:ありがとうございます。僕も学びながら、この戦略会議を通じて、成長していきたいと思います。よろしくお願いします。

川原:まあな、面があんま良くねえからなぁ~。しょうがねぇ! 

(一同笑)

木下:それ、変えられないでしょ!

川原氏と木下氏のビールの思い出

木下:でも、みなさん初回から本当にありがとうございました。1時間、しょっぱなからちょっとぶっ飛ばしモードですけど。

川原:楽しかったね~。

木下:うん。でも、アウトプットも見えてすごく良かったなと思います。

川原:これを繰り返していくことによって、人をより巻き込めるだろうし、議論も深くなるだろうし、使える人の力も増えていくと思うので。

木下:でも、本質はすごくいい話ができたので、ぜひそれは多くのところでも発信していきたい。ボランティア依存のお仕着せのガイドじゃなくて、ちゃんと外目線、要は需要側に向いたやつを地方でやる。シンプルなんだけど、ないんだよね。

川原:やばい。もう終わりますけど、アフタートークで重富さんがビールサーバーの準備をしていて、むっちゃビール飲みたくなってもうた。

木下:重富さん、ビールなんかね。瞬間移動装置みたいので、ちょっと……。

川原:マジで俺、全ビールを重富さんに注がれたいんだけど、どうしたらいいんだろう。

木下:広島行っても、もうすごい行列で飲めないんでしょ。

川原:そう、すごい人気なのよ。重富さんをピン止めして、みなさんにご紹介して。重富さんがビール注いでらっしゃるから、画だけでたぶんちょっと酔える。

司会者:ちょっとピン止めしますね。

川原:「あ、だめです」みたいな感じになってる。だめじゃない。

司会者:だめですか? 

川原:いや、大丈夫です。重富さんは、そういうシャイなところがあります。

木下:でも今、なんかすごく準備されています。

川原:僕らのために、注ごうとしてくださっているんだと思います。

木下:あ、下げた(笑)。

川原:消えちゃった! ちなみに僕らが「Voicy FES」で対談の時にべろんべろんに酔っぱらったのは、重富さんが会場でビールを注いでいて、そのビールがうますぎたためにおかわりしまくって酔っぱらったという、一応裏話がありました。

木下:そうなんです。もう、本当に伝説的な人なんですよね。注ぎ方でこんなにビールの味わいを変えるという、先駆者で。いろんな人が全国から、重富さんの弟子になりたいというので行かれていて。

重富さんのビールを飲む「Voicy FES」の前の週ぐらいに、山口の宇部に行った時に、宇部にもビールスタンドができていて。昭和のなんとかというサーバーを使って出しますと言うから、「なんかおもしろいじゃん」と行ったら、案の定重富さんの弟子の方で、すげえなと本当に思いましたよ。

川原:確かに。重富さんの弟子は、全国に配置したほうがいいよね。

木下:そうそう。やっぱりうまいというか、入れ方であれだけ変わるのがやっぱりすごいよなぁ。あの時は、8種類ぐらい入れ方を変えて。だから、8種類は飲まなきゃなと思って飲んでいたら、途中で同じのを2回飲んじゃったりして。

結局、十何杯飲んで、もうべろんべろんに……(笑)。ビールでこんなに酔えるんだなと思うぐらい酔った。でも、あれだけ入るのは、やっぱりうまいんだなと思いますね。僕もビールは1杯、2杯は飲むけど、あんなに十何杯飲んだのは初めてかも。

川原:飲めるんだよねぇ。クリーミーで、すいすい喉を……。

木下:(笑)。喉をね、ぐって。

川原:なぜか最後は重富さん締めになっちゃったけど、飲みたすぎてちょっと拾っちゃった。

木下:まさか重富さんが聞いてくださっているとは。さすがでございます。

川原:いやいや、本当にありがたいですよねぇ。

補助金・交付金依存症からの脱却

司会者:ちなみに次回のテーマって決まりました? 

川原:「シャブ抜き」です。

司会者:本当にいいですか? サムネ、作っちゃって大丈夫ですか?

木下:「日本の地方のシャブ抜き問題」です。

川原:(笑)。そうだね。確かに、それをやるとBANされるから開催できないね。

司会者:BANされますしね。

木下:そうね。「シャブ」はやばいだろうね。

司会者:シャブはやばいです。

川原:だから、なんかうまくやってください。

司会者:じゃあ、なんかいい表現……。

川原:今、降ろすから、ちょっと待って。うーんとねぇ……。

木下:でも一応、「補助金依存の悪循環」というジェネレーターを使って作った、僕の手作りポスターみたいなものがあって。宮城県の麻薬撲別運動のポスターを加工してネットで作ったやつなんですけど、そういうのもあるので。

次回はそれを披露しながら、いかに麻薬のように、みんなが補助金がないと仕事ができなくなっていくかっていう、このあたりの問題はけっこう深刻なので。あんまり認識していないんだけど、かなり異常なんですよ。

地方交付税交付金って日本以外にはほとんどない仕組みだし、悪いことばかりではないんだけど、やっぱり薬が効きすぎちゃって麻薬になっちゃった、みたいな感じです。ある程度機能したところで止めなきゃいけなかったんだけど、止め時を失っちゃってずっとやっている感じだから、このあたりはね……。

(コメントを見て)サビとヤク抜き(笑)? いろんな。なんか急に大喜利みたいになっている(笑)。タイトル(笑)。

でも、依存症ですね。補助金・交付金依存症からの脱却は、みなさんが思っている以上に、地方の自治体はこのハードルがめっちゃ大変なんですよ。

公民連携って、「稼ぐことを前提に、公共と民間で連携することがすごくいいことじゃん」「税金がかからないで地域はもっと良くなるなら」と、普通・まっとうな人はシンプルに思うと思うんですよ。

これが、めちゃめちゃ大変なんです。もう補助金・交付金を使わないと仕事だと思えなくなっちゃうぐらい、そうなっちゃっているんでね。だから、稼ぐよりも消費して。消費すると言うんですけど、予算って使うとずっと出さなきゃいけないもの、いっぱいあるので。

気づいてみると、もらっているよりも自分のところから出している金のほうがでかくなったりするんですけど、そういう金勘定の教育も日本では受けないじゃないですか。どんな立派な大学受験でも、金勘定は試験に出ないでしょ。

だから金勘定って、東大を出ようとどこを出ようと、みんな素人と一緒なんです。ぜんぜんだめなんだから。そのあたりの深刻さ。

「これ、数字が合っていないですよね?」と言って、初めて「え、本当ですか?」みたいな、本当にそういうレベルなんです。

川原:でっかいリボ払いみたいな感じだよね。

木下:あー、そうそう。本当に「貧乏父さん」がやばい資産をリボ払いしているみたいな感じです。

川原:なー、やべぇ(笑)。その話題、めっちゃおもろい。予告編はこんな感じで、この話ばっかり1時間やりまーす。

オフラインでの生会議への期待

木下:はい、やります。それも聞けば、地方衰退の理由はよくわかります。それでは豊かにならないよね。でも、戦前は豊かだった産業都市っていっぱいあるので、なんでその時はできていて、戦後はぜんぜんできなくなっちゃったのかという部分の謎でもあるんですよね。

戦後って、だいたい県庁所在地だけがでかくなっているんです。その理由とかも、次回はちょっと触れていきたいなと思います。

川原:やばい、予告編が魅力的すぎる! どうしよう。明日やろう!

(一同笑)

司会者:エイプリルフールです(笑)。

木下:『朝生』化して毎日やります、みたいな。だんだんげっそりしてくる。もう待てない、みたいな(笑)。

川原:オールしたら。いやマジで、朝まで生会議は本当にやりたいんだよねぇ。いろんな論客を集めて。

木下:そうですね。ここはけっこうテーマが……。

川原:電波に乗るとやばいところまでリアルで踏み込みたいから、朝まで生会議で。仕事終わりのガチガチの官僚だったり、中心の人たちでしゃべれる人を呼んで、フェスみたいなのやろうよ。

木下:それ、すごくいいと思う。リアルがいい。

川原:俺もリアルじゃないと、さすがにちょっと怖くなってる部分もあるから。

木下:うん……(笑)。

川原:あくまで「勝手に国家戦略会議」は予告編みたいな感じで、ここで集まった人たちをリアルに集めて、夜な夜な……。

木下:やる。

川原:シャブフェス。シャブフェスじゃねえよ(笑)。

木下:それ、危ないやつ。すぐBANされます。

川原:危ない。ダメダメ。白い粉は持ち込み不可ですから、あくまで。

木下:勘違いした人が通報して、本当に……。

川原:(笑)あー、おもしろい。終わりたくないけど、そろそろ時間もあれやから終わろうかな。

木下:そうですね。初回なので、じゃあちょっと腹8分目ぐらいで。

川原:いやいや、12分目(笑)。

木下:12分目いってる? 危ないよね。でも初回にしては、個人的にも解決に向けたフォーカスもできたし、すごく良かったなと思うので、ぜひこの調子で。

川原:肩が温まってきましたね。

司会者:本当にありがとうございました。

木下:「国家戦略会議」、参加していただいたみなさんも、ぜひ引き続きよろしくお願いします。みんなで変えていきましょう。

一同:ありがとうございます。

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