2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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澤円氏(以下、澤):みなさん、こんばんは。澤でございます。では、今まで隠れていらっしゃった助松さんと三浦さんにもご登場いただきまして、3人で進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
一同:よろしくお願いします。
澤:助松さんとは、ギターの話でよかったでしたっけ?
助松裕一氏(以下、助松):(笑)。
澤:たぶん裏で事務局が青くなっていると思うんですけどね。事前ミーティングでは、(助松さんが)僕の後ろにあるギターをめざとく見つけて、ギターの話で盛り上がりました。でも、今回の話題にもちょっとギターの話が入ってますよね。
助松:そうですね。
澤:はい。ということで3人で進めていきたいと思います。じゃあさっそく、助松さんから自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
助松:はい。かしこまりました。
澤:(スライドを見て)かっけ!! かっけー!
助松:(笑)。
三浦功嗣氏(以下、三浦):本当だ。かっこいい。
助松:すみません、事前に(スライド写真を)お見せしてなかったので、澤さんは初見ですね。助松裕一と申します。よろしくお願いします。
下に書かれていることが、私のキャリアの実績でございます。統一感がない感じでいろいろやってきていますが、実は私のキャリアは営業から始まっております。
具体的に言うと、車のディーラーの営業で一応新人賞をもらいました。当時、20年以上前ですが(TOYOTAの)「WiLL Vi」という車があったんです。私は、全国で一番この車を売りました。2ヶ月で12台売ったこともありました。(ここでは)いろんなことをやって楽しかったんですけど、やっぱり自分にはもっとやりたいことがあるなとジョブチェンジしまして。
自分でバンドを始めました。まさに、この今見えている写真がいわゆる「アー写(アーティスト写真)」というやつなんですけど(笑)。PhotoshopやIllustratorを使ってフライヤー、ジャケット、Tシャツなどを作っていました。その後いろいろなきっかけもありまして、デザインの仕事に移りました。
助松:そこから、20年にわたり大手自動車メーカーの開発業務、製造、マーケティングなど全方位でUIUXの仕事に携わりまして。特に開発業務では自動運転やそのあたりのUX(ユーザー・エクスペリエンス)・UI(ユーザー・インターフェース)デザイン開発をやりました。
その後は、最近ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)で、UXを基点とした要素や技術やプロダクトを用いたサービスデザインを構築したり、ビジネスデザインをワンストップでやったり、伴走型で支援させていただいております。
今までのキャリアで最も大事にしてきたことは、仕事は自分を最大化させる手段だということ。特にスキルに関しては貪欲に身につけてきたと思っています。
その(身につけた)スキルはすべて仕事でアウトプットするようにしております。それらがスペシャリストのスキルの磨き上げに起因しているのかなと思っております。
私が一番大事にしているのは、お客さまの課題を解決すること。それを最もモチベートしているので、それがすべての……。なんでしょう。スペシャリストの基だと思っております。本日はよろしくお願いします。
澤:はい。よろしくお願いします。
助松:お願いします。
澤:情報量多いな~! すごいですね、ありがとうございます。
澤:では、次に三浦さん、自己紹介をお願いします。
三浦:ありがとうございます。助松さんみたいなかっこいいスライドがなくて恐縮なんですが……あまりジェイエイシーの宣伝にならないように簡単に申し上げますと……。
まず参加者のみなさん、ご参加いただきまして、ありがとうございます。ふだん(みなさん)に携わらせていただいている「転職のジェイエイシー」というところももちろんあるんですが。
私のおりますIMSというサービス部門は、いわゆる転職プラスアルファ(の部門です)。つまり、今日のテーマにも非常に近いところですが、副業・兼業というかたちで、必ずしも転職しなくても、新しいキャリアや機会を手に入れるプロジェクトをご紹介しています。
実はこのIMSは2020年からスタートしております新設部門になります。(そこで、部長を)やらせていただいております。今日のテーマでもありますスペシャリスト、そしてデジタル。もうみなさんご存知のとおり、マーケットでは人がいなさすぎて、とにかく誰かに助けてほしいという状況です。
企業のみなさんが困っているこの領域において、スペシャリストというまた新しい切り口でみなさんの新しい機会、チャンスにつながるような情報提供ができればと思っております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
澤:はい。よろしくお願いします。副業というキーワードは、今、マーケットではホットトピックですけどね。では、さっそく内容に入っていきたいと思います。まずは、なんと言っても、助松さんは転職回数が?
助松:8回です(笑)。
澤:まあ、相当多いほうですよね。
助松:そうですかね。
澤:さっきいろいろ聞いてみたら、ちょっとこれ、聞きようによっては悪口っぽく聞こえるんですけど、パッと見、一貫性がぜんぜんないですよね。
助松:はい、一貫性がないですね。
澤:さっき(助松さんが)最後にすごく大事なことをおっしゃっていたのは、顧客課題を解決するところがモットーであり、それにすべてをかけている。要はビジネスのありようの一番根本の部分が、トッププライオリティになっているということですよね。
助松:そうですね。
澤:それが自分の大事にしていることだなと気づいたのは、いつぐらいですか?
助松:実は、初めの20代はオラオラで(笑)。もう自分本位でやっていたんです。だから(気づいたのは)いつかと聞かれると、もう大失敗した時ですかね。不具合を出したり、お客さんにむちゃくちゃ怒られてというタイミングで。遅いかもしれませんけど、30代に入るぐらいでした。
澤:30歳になる前だったら、遅いことはないような気がしますけど。
助松:そうですかね。
澤:これ、誰としゃべってたんだっけ。誰かと話をした時に、50代で大コケをやるのはけっこう難しいんですよね。
助松:うん。
澤:あ、山口周さんだ。山口周さんとしゃべってる時に、周さんがマネージャーの人に「10回転んでみろ」と言われたんですって。これを物理的に試しにやってみると「3回目を過ぎたあたりから、思いっきり転べなくなるよ」と。受け身を取るようになっちゃうんです。
助松:うん。
澤:だんだん転び方がうまくなっていく。キャリアに置き換えると、40代、50代はうまいことをやれるようになる。そうすると、たぶん気づきも減っていくんじゃないかなと思うんですけど。
でも、助松さんの場合、ぶっちゃけぜんぜん違う業界に行かれて、なおかつぜんぜん違う仕事をされている。立ち位置も変わるから、もうその都度慣れるって……。慣れてこう、惰性でいくことができないですよね。
助松:そうですね。
澤:そのアジャストというか、そこに適応していくのは、どういうマインドセットでやられていたんですか。
助松:やっぱり私は仲間が大事。基本的にゼロイチとか、新しいことをやろうとすると、自分の力でどうしようもなくなってくるので、周りのメンバーをものすごく大事にしています。
言い方は悪いですけど、周りの人を頼ることですかね。困ったら「ちょっとごめんなさい、教えてください」という頭を下げるんじゃないですけど、常にそういう姿勢でいました。
澤:やっぱり仲間を大事にするのは、バンドマンならではのマインドセットですかね。
助松:そうなんですかね。
澤:いや、まあだってバンドは、コラボレーションしないと成り立たないですもんね。
助松:まさしく、そうですね。ドラムはギターをひけないですし、ギターはドラムをたたけない。
澤:ちゃんとバランスをとることがすごく重要だよねという話ですね。ありがとうございます。
澤:このまま一気に音楽の話に突き進んでいってしまいそうな予感がするんで、ちょっと自分を律するために、三浦さんに止めていただきたいんですけど。
三浦:ストッパーとしてがんばります。
澤:(笑)。じゃあ三浦さん、助松さんの場合には、同時ではなく、けっこうシーケンシャル(連続的に)にたこ足でいろいろなことをやられてると思うんです。たぶん副業は、そのマインドセットを同時性を持って進めていくことかなと思うんですけど。
副業をされる方、副業でもいいから手伝ってほしいという企業を見ている三浦さんからして、副業の捉え方というか。例えばこれから(副業を)始めてみようと思う人たちに対するアドバイスを、ちょっといただいてもいいですか。
三浦:ありがとうございます。今ちょうど助松さんのお話をうかがっていて、今日一番メインでお伝えしたかったことと共通してるなと思ったんです。仲間を大事にすることは、ちょっと言葉を置き換えるとコミュニケーションだと思うんですね。副業やスペシャリスト系の方は、私たちもついついその方に……。
なんていうんでしょう。澤さん的に申し上げると、どういうスキルタグがついているかで、ついつい企業さんのプロジェクトにおつなぎしがちだったりもするんです。それも大事なんですが、実はけっこうコミュニケーションスキル(が大事)。
さっき助松さんがおっしゃられていたように、自分のタグをちゃんと理解されている人は、自分に何のタグがついていないかも理解されている。
例えば、3ヶ月や半年のアドホック(限定目的の)プロジェクトの中で、自分とチームのパフォーマンスを最大化させようした時、できないことを事前に明確に告げる能力が必要なスキルだなと思っています。常々いろいろなプロジェクトに参画させていただいて思うところです。
三浦:ご視聴いただいているみなさんにアドバイスと言ったらおこがましいですが、澤さんのご質問に答えるかたちで申し上げると、できることを磨くのも大事なんですが、案外できないことをちゃんと言語化できることも大事かと思います。
それが定常の仕事であれ、プロジェクトベースであれ、パフォーマンスを出すには(できないことを言語化することは)すごく有効だと日々思います。
澤:はい。ありがとうございます。いや、今めちゃくちゃ重要な話が出てきたと思うんです。自分でできないことをまあまあ認識することはそんなに難しくないと思うんですけど、カミングアウトするのがけっこう難しいと感じる人は多いですよね。あるいは怖い。
三浦:いや、間違いないですね。
澤:できないことによって、自分のバリューがめっちゃ下がるんじゃないかと思う人。ちなみに助松さん、できないことの認識はどうお考えですか?
助松:そうですね。まず今、澤さんがおっしゃったとおり、大前提は人間関係だと思います。心理的安全性や担保……まぁ、担保という言い方もすごく嫌なんですけど。やっぱり人間関係がしっかり構築されていることが、大事だと思います。
澤:そうすれば、自分ができないことを言語化しやすい……。僕はけっこうできないことをできないとすぐ言っちゃうんですけど。僕が「ポンコツだ」と言っていたら、最近Google先生に聞くと、「澤 ポンコツ」とタグがつくようになっちゃったんです。
(一同笑)
自分でポンコツだと言ってくれると、なんやかんや「澤さんは、これができないよね」と言ってみんなが助けてくれる。特に僕は、発達障害をカミングアウトしてるんですけど、ADHDのかなりひどい状態でグレーじゃなくて、完全にブラックなんです。
方向音痴が激ひどなんですよ。だから「言っとくけれど、僕は、たどり着けないからね」と最初に言っちゃうんです。(聞いた人は)「そんなバカな」と思うんですけど「いや、本当に迎えに来ないと、行けないよ」と言っています。迎えに来なくて本当に迷ったらざまあみろと思いますからね。「ほら見ろ、お前言っただろ!」と。
まぁ、社会人としてどうなんだというのはあるんですけど。
副業では、自分についている強烈なタグを意識し、自分についていないタグを除外し、ついていないタグを認識して、それをちゃんとアウトプットしていくのが大事。それをやっていくと、必然的に自分の強みにフォーカスをして、活動できるようになってくるのかなと思います。
澤:今度は、助松さんにちょっとうかがいたいんですが。「強み」と「スキル」という2つのキーワード、さっきちょろっと出てきたと思うんですけど、(助松さんは)スキルを身につけるとおっしゃっていましたよね?
助松:うん。
澤:これは、自分の強みの延長線上のスキルなんですか。それともやりたいことがベースになるんですか。
助松:あぁ~。その質問に対しては、強みがまったく認識できてなかったんです。
澤:おー、なるほど。
助松:今の答えで言うと、初めは好きなことで選んでいました。
澤:なるほどね。たぶん好きなことに対して貪欲なのが強みだったんでしょうね。
助松:そう。それに後から気づきましたね。
澤:うん。言語化と逆になりますけど。でも、それはそれですごく重要なことではありますよね。「おもしろそうだ、楽しそうだ」で選んで、結局失敗はしてないわけですし、まあ、失敗してないこともあるんでしょうけど、今のところ死んでないですもんね。
助松:うん。そうですね。
澤:致命傷を負っていない。僕がよく言っているのは「キャリアでは、致命傷さえ負わなければだいたいかすり傷だから気にしないでいい」と。まあ、嘘とかつかなければ、そんななかなか一発で致命傷を負うようなことはないと思います。
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