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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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安藤広大氏(以下、安藤):No2を育成していく上での「6つのしてはならないこと」の5つ目。「No2の忖度を評価しない」。先ほどの結果管理のところと非常に似ていますが、がんばっている姿を評価しないということですね。プロセスは評価すべきではない。「がんばり」とか「一生懸命さ」「遅くまで仕事をしていること」などは、あくまでも個人的見解であったり主観に過ぎないものを評価することになってしまう。
やはり多くの会社では、No2になるような人間は、創業に近い時に入ってきたメンバーが多くなるのが一般的かなと思うんです。そうすると、ちょっと間違えると、社長を一番気持ち良くできる人間がNo2になってしまったりするわけですね。
つまり、結果を出す能力よりも、プロセスでアピールできたり、プロセスの中で社長に気に入られる方法をしっかり理解している人間が評価されることになると、当然、結果の質を高める、いい結果を出す能力がつかない人間ということなので、No2として機能しなくなってきます。
そこで評価してはいけないですし、当然それで評価されている人間がNo2になってくると、下は白けてしまいますから、プロセスを評価せずに、しっかりと結果で評価をしましょう。
安藤:これは当たり前ですけど、マーケットは会社の結果でしか評価をしてくれません。経過を評価してくれません。一人ひとりの結果の集合体が会社の結果ですので、そういった意味では誰かをプロセスで評価してしまうと、誰かがそれを被らなきゃいけなくなる。

それがましてやNo2です。No2がプロセスで評価されていたら、会社でいい結果を出すために、例えば部下であったり、それから社長である自分がそれを被らなきゃいけなくなるということになりますので、しっかり結果で評価しましょう。
結果で評価する際には、「完全結果」で設定しましょう。完全結果とは「10キロを60分で走る」というような、人によって解釈がずれない設定です。一方で不完全結果は、「10キロをなるべく早く走りましょう」みたいな人によって解釈がずれる設定です。
例えばNo2に対して、「お前、もっとリーダーシップを発揮しろよ」とか「もっと部下の話を聞けよ」といった、よくわからない、社長にしか評価できないような設定を与えてしまうのは良くありません。明確に何をしたら評価をするのか、数値で評価を設定する必要があります。
幹部であっても、「空気を読む力」だけで評価をしてはいけません。

「設定した基準を超えたか」という明確な結果で評価をしましょうということです。ここまでが5つ目です。
安藤:ラストは「No2の顔色を見ない」。1番目とよく似ているんですけど、先ほどから何度か「裏切られたら怖い」ということで、「正直いつもNo2の顔色をうかがっている」というパターンもけっこう多いと思いますが、これも当然NGです。
組織には高さがあり、一番大きな責任を負う社長は、一番遠い未来を見なきゃいけない責任を負っています。そうすると、遠い未来を見る責任に基づいた意思決定が、No2に理解できない時もある。でも、そこでNo2から評価を得られないことにひるんではいけないということですね。
「No2の顔色を見ない」というのは、「No2からの評価を気にするな」ということです。No2の顔色を見ると上下関係が逆転してしまう。上下関係が逆転するということは、1番目のパートナーのところよりさらにひどい状態になります。

事実上は社長が責任と権限を持ってNo2を評価する立場ですが、意識上でそれが逆転してしまうと必ずおかしなことになります。結果的にNo2が社長を評価して辞めていくとか、自分の思い通りいかないことを不満に思って辞めていくということが発生してしまう。
当然、会社での権限上は、No2はすべてを思い通りにはできないんですけど、意識上で上下関係が逆転してしまうと、自由にできないことに対して不満を持ってしまうということです。
なので、社長は自身の責任に基づいて、自身が正しいと考える意思決定をちゃんと行って、No2には責任の範囲で問題が起きたら報告させる体制でなければならない。あくまでも評価者は社長側であることを忘れてはいけないということです。
No2をパートナーにしない。No2を飛び越さない。No2を自由にさせない。No2に丸投げしない。No2の忖度を評価しない。No2の顔色を見ない。

この6つをしっかり実行していくことで、No2の育成をしっかりやっていく。みなさんの何かヒントになればと思います。ということで、いったん僕の講義はこれで終わりにしたいと思います。
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