2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
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中川英高氏(以下、中川):では、次は野本さん、おうかがいできればと思います。(パフォーマンスを発揮するために)重要だと思うスキルと、どう獲得されたかという点ですね。
野本周作氏(以下、野本):今の話の流れからすると、やっぱりローランド・ベルガーで得た体力といろんなスキルって、すごく今役に立っているなと思うんですよね。
中川:なるほど。
野本:たぶん、小野澤さんのところに関係する方たちと友だちだったりするんですけど。その方とかも、たぶん僕が床で寝ていたのを見ている人なんですけど。
(一同笑)
コンサルに行かなきゃだめかというと、それは行った人間からするとよくわからないです。ただ僕はたかだか2年半くらいなんで、偉そうには語れないんですけど。
やっぱり、その前の松下電工で培ってきた基礎力を、戦える武器にまで昇華させてくれた、あの経験をさせてくれたというのは、本当にありがたかったなと思います。
だからこれを見ている人たちは、キャリアインキュベーションさんにちゃんと登録をして相談をしよう。僕も、まだ赤坂見附にある頃に登録させてもらって。同じような競合さんのところにも、実は話を聞きに行ったんですけど。
「キャリアインキュベーションさんのほうがいいなぁ」と思って、お世話になってから、もう早13年。懐かしいなみたいな感じなんですけど。ちょっと求められている答えとは違うかもしれないんですが、やっぱり身体が資本ですよね。
それはフィジカルな部分でもそうですし、メンタルの部分でも。なんか風邪をひいたみたいなのもそうですし。体力がないとやりたいことがやれないというのは、すごくあって。やっぱり今コロナの3年目じゃないですか。
去年、1年半前ぐらいから、やっぱり相当つらかった。ぜんぜん出口が見えないし、協力金はもらえるけど、みんなのモチベーションは下がっていくし。
野本:この後オーナーの話も出てくるかもしれないですけど、当時のCEOは、やっぱりもういろんな成長の種を仕込みたいみたいなすごいスピードで走っていくので。それをどう抑えていくかみたいなので、もう本当つらかった時に始めたことがパーソナルジム通いです。
中川:ジムですね。
野本:まったく肩がこらなくなった。もうずっとテニスをしているので、それなりに体は動かしているんですけど、やっぱり週に2回、1時間ずつなにも考えずに自分の筋肉と向き合うみたいな。筋肉、骨盤? 骨? みたいな。
中川:(笑)。
野本:体と向き合う時間って、まあ、マインドフルネスじゃないですけど、本当に大切なんだなと思います。
僕、松下電工の後半の大阪の時に、グロービスの大学院、経営大学院に行っていたんですけど、行き始めて1ヶ月で、入院したんですね。
中川:どうされたんですか。
野本:仕事も飲み会も勉強も、全部捨てないという生活をしてたら髄膜炎になって2週間入院したんです。それ以来、ちょっとでも疲れたら早めにユンケルに頼るみたいな、早め早めに何かを頼って、顕在化しないようにすることにすごく気をつけていますね。
だからやっぱり健康な肉体にいい精神が宿るんだと僕は信じているので。健康管理はそこのところが一番重要だなと思っています。
中川:なるほどね。ロジカルなスキルではなく、その体力とか、体調管理力というのがすばらしいなと思いましたね。
中川:じゃあ、ちょっと上田さんにおうかがいできればと思うんですけれども、スキルとそれをどう獲得されたかという点について、いかがでしょうか。
上田顕氏(以下、上田):そうですね。私はけっこうキャリアをつまみ食いしたみたいな感じで、銀行とコンサルでやっていました。ただレバレッジを相当させてもらったなと思っています。
銀行に3年、アクセンチュアに1年半しかいなくて。だから人によっては、「それしかいないから所詮あんまり知らないでしょ」みたいに言われることが多いんですね。
若いステージで転職される人が怖いのは、たぶん多くの人がそう言うことだと思うんですけど、そのへんは私は、昔からあんまり気にしていなくて。その代わりその期間どれだけやったかが勝負なんです。1年だろうが2年だろうが3年だろうが変わらない。
なので、各々でどれだけ学んだことをレバレッジさせられるかというのは、スキルというか1つあるかなと思っています。それが「身につけなければいけないもの」ですね。経営者って意味だと、空気を読む力、雰囲気をつかむ力というのを社内でも言っていますし。経営陣とか部長とかにもずっと言っています。
これって再現性がないんですね。じゃあどうすりゃいいんですかと言われるんですけど、正直場数を踏んでくれとしか言えません。
オーナーとか、当然株主も、あと、うちの会社も今ホテルでたくさんの社員がいて、いろんな現場に行けば、パートの方も含め多様な方がいます。私もけっこうしょっちゅう行くので話すんですけど。
上田:正直言うと、階層や場面によって言語がいろいろ違うわけじゃないですか。そうすると、やっぱりけっこう空気とか雰囲気って本当に大事で。
そこをどんなにいいメッセージや、PowerPointを作っていようが、結局現場を率いるかとなった時に、タイミングとかそういう部分で、はっきり言ってアウトプットもそこの場面選びを間違えたら何も伝わらないというのがあるので。
先ほどの楽天は、それがけっこううまかった人がすごい多かった。そこらへんでいかに選手に入り込むかとか、コミュニケーションのところですかね。プロ野球選手なんかは特にそうで、育った環境、生きたバックグラウンドが違いすぎるので、普通のビジネスパーソンがやってきたコミュニケーションプロセスのやり方だと、けっこうみんな詰まって失敗しちゃうんです。
私もそこでけっこう磨かれたというのがあり、その後も、日本ポップコーン社で工場を持っていたので。そうすると当然従業員はまた全然違う価値観ですし。
本当にその空気をどうつかみ、その場を支配すると言うと、かっこよく聞こえるんですけど。そこができないと、けっこう経営の現場って、苦労するんじゃないかなと思っています。
私も周りで、今までいろんなファンド、投資先の人たちと会っているんですけど、けっこう苦戦されるケースは、その辺ですね。大企業とかコンサルとか都市銀行出身の、当然ですけどみなさんだいたいエース級の人が入ってくるわけなので。そこは大きいんじゃないかなと、今も毎日思ってやっているところです。
中川:なるほど。バックグラウンドの違う方々が集まった中で、いかに空気を読んで、彼らに働いていただくかみたいなところが大事ということですね。
上田:そうですね。ボードメンバーレベルでも、コンサルタント出身か金融マン出身かでは、又これもぜんぜん違うじゃないですか。コミュニケーション、価値観が違うので。そのレイヤーもありますし、当然ぜんぜん違うレイヤーもあるとなると、やっぱりどれだけ周りの空気を読めるか、雰囲気をつかめるかかなと思っていますね。
中川:はい、ありがとうございます。では、次のパートに移りますね。
中川:みなさまは現在、(CxOではあるけれども)オーナーで株を持っているということではなくて、PEファンドやオーナーの創業者の株主がいますよね。その株主との関係性において大事にしていることを教えていただけますでしょうか。では、上田さんからお願いできますでしょうか。
上田:はい。私は今は先ほど申し上げた日本企業成長投資、NICというファンドです。5年ぐらいですかね。わりと新しいPEファンドで、ベインキャピタルの方々が中心となってスピンアウトしたようなファンドでやっております。
もともといた、先ほどの日本ポップコーン社、アドバンテッジパートナーズは日本で一番老舗のファンドでした。その後、新しいミダスキャピタルというところでも実は売却した後半年間、日本ポップコーン社の親会社としてやっていますので、3社付き合ってはいるんです。
我々は別にオーナー経営者ではないので。やっぱりあくまで株主が強い。特にVCと違ってPEはさらに強いと思うんですけど。本当に株主との関係性をうまく築かないとだめだなというのは、当然思ってやっているところです。
じゃあ何をやっているのかと言われても難しいんですけど。やっぱり株主が求めている期待値を正しく理解して、かつ言われたままやっても良くないというのが、またあるんですね。
経営者は「あの人ファンドの言うことしか聞かないじゃん」みたいな空気になった瞬間に、信頼されないというのがよくあるんですよね。なので、当然ファンドに言われたことも大事なんですけど、そのファンドに、逆に言うと正しくレポートしたり、むしろファンドにこうすべきと言えるような関係性を築くことが本当に大事なんです。
投資ファンドの世界だと、やっぱりどうしても株主が強いので。だめだったら変な話アウトされるぐらいの気概でやらなきゃいけないポジションでもあります。
ただ、そこでコミュニケーションをしっかりやれないと、どっちみち期待値がずれてきて、その変な雰囲気がまた会社に伝染したりもするので。とにかく株主としっかり期待値を合わせるところかなと思います。
そこが逆にしっかり揃ってくると、私も今、幸いどのファンドもみなさんとよくコミュニケーションを取らせてもらっていますけど、非常に楽しいというか、本当に投資ファンドの世界のいいパターンでありまして、ファンドの目的、会社の目的、従業員の目的、すべてが揃って、全軍が動くとおもしろいなとなるんです。
本当にそこのコミュニケーションのところかなと思っています。
中川:期待値を合わせるというのは、具体的にどういうコミュニケーションをとってそうされてるんですか。
上田:投資ファンドの投資先によってたぶん違うと思うんですけど、まず経営会議、取締役会をどういう頻度でやっているか。ちょっと具体的なんですけど、今うちの会社で言うと、週1、ファンドの方とミーティングしています。逆に言うと週1の経営会議しかしていないんですね。
フェーズによると思うんですけど、私が前やっていたポップコーン、アドバンテッジ(パートナーズ)の時は、なかなかドラスティックな状態だったので。
週1どころかもう細かいすべての会議も一緒にやっていたんですけど。それぐらい話していれば、さすがにもうほぼ一体で動くので。やっぱり少ない機会だったとしても、例えば年間目標だけとかのレベルというよりは、この会社をどういうふうにしたいかとか、どう持っていこうかみたいな価値観をずらしちゃいけないかなと思います。
よく投資ファンドあるあるで、なぜか店舗に行くとEBITDAという言葉を知るようになるみたいなのが、あるじゃないですか。そういうのも大事なんですけど。どういうふうに会社を持っていこうとか、そのへんをずらしちゃうと、けっこうやることもずれちゃうかなというところですね。
中川:なるほど。ありがとうございます。
中川:では野本さん、お願いできますでしょうか。
野本:僕は5社中後半3社がオーナーで、一代で大きくしたオーナーの直下だったんですね。4社目はPEファンドさんが入っていたんですけど。創業オーナーはずっと残っていたので。
ファンドさんにはオーソドックスに王道を行けばわかってもらえるんだと、そこで知ったんですが基本的に僕はオーナーマネジメントにすごく寄っている(笑)。
中川:なるほど。
野本:だから参考にならないかもしれないんですけど。
中川:まぁ投資先にもいろんなパターンがありますもんね。
野本:うちも今、有利子負債がすごくたくさんありますし、優先株を政府系のところから出していただいているというのもあって、いろんなステークホルダーと関わりがあるので。
究極的に言うと、上田さんと同じで、相手が気になっているところはなんだっけというのをすごく丁寧に見るようにします。だからすごく怒られて「くそー!」と思うことはあるんですけど、そこに腹を立てても、何の意味もないんですよ。自分の気持ちは晴れるんですけど。
なので、そこらへんを鑑みると、これはさっきの性弱説にもつながるんですけど、みんなやっぱり背景に抱えているものがあるので。
これは公表されている話なんですけど、うちの会長は、1年半前に自分で10億円借りてきて、うちに対して増資という形で突っ込んでくれているんですね。
やっぱりそういうところで不安があったり、なんか思うことがあったりするんだろうなという時に、それを前提として、でも会社としてはやるべきことをやらなきゃいけないので。正直にコミュニケーションをとっていくみたいなことをしていますし。
業績がなかなか上がらない中で、うちをずっと助けてくださっているファンドさんとか銀行さんとかも、やっぱり大変ですよね。社内で「エー・ピー、このまま助けるのか」みたいなことを言われる部分があるでしょうから。
そこに対してはしっかりと説明責任を果たして。でもだめなところはちゃんと素直に言いますし。そこらへんを常に考えながらやっているというところですかね。
あとは人の答えをパクって恐縮なんですけど、上田さんがおっしゃった、空気を読む力は僕、最初に大きな会社で経営企画にいたおかげで相当強くなったと思っています(笑)。
中川:めちゃくちゃ必要な環境ですよね。
野本:これは特殊能力だと思っているんですけど。やっぱり相手とか、その場のみんなが何を考えてるのかに常に心を寄せていくというところが、僕が一番大切にしていることで。あとは本当に強がらない。素直に失敗した時は、「ごめんなさい、次はこうしますので許してください」と謝る。こういうことかなとは思う。
中川:ありがとうございます。よくわかりました。
中川:では、小野澤さん、株主との関係性において、大事にしていること、お願いできますでしょうか。
小野澤香澄氏(以下、小野澤):はい。今は株主さんはベインキャピタルさんがメインで入ってくださっています。先ほど野本さんがおっしゃったローランド・ベルガーで、野本さんが床に寝ていたのを見ていた方と、お仕事しているんじゃないかと想像しているんですけれども。
私は、株主さんと直接お仕事するのは初めてなんですね。なので、何が良好で、何が不良好な関係なのかというイメージがつかない中で今やっております。そう思っている、思えているということはたぶん良好なんだろうなという、謎のポジティブシンキングがあって。
どういう関係性であるかというと、仲間という感覚でいます。
本当に私の数百倍頭のいい方なので、これは「適材適所」の考え方で、私がやる役目と頼らせていただく役目があるという関係性から考えて、仲間だなと。
あとは少し前にお話しさせていただいた「学ぶ」というか「真似る」というところで。その方が何かを発言される時に、「いったいこの人はなんでこの発言をするんだろうな」と考えて、「こういう観点かしら」というのを、本人に聞きに行く。
「この前、こういう発言をしていましたけど、こういう観点ですか」と聞きに行くと、ぜんぜん違う観点で、また「あの時はこうですかね」みたいに言ってくださるので。「あ、なるほど」と。
そこから学ぶなのか、真似るなのかということをしている関係性ですかね。
中川:なるほど。コミュニケーションにおいて、特別に意識することも特になく、けっこうナチュラルにやっているという感じなんですか。
小野澤:もちろん株主さまだという意識はあります。その上で、その方の成功はなにか? は基本的には理解しているつもりです。
そのベースに乗っかった上で、通常のコミュニケーションに関しては、ナチュラルだと思います。
中川:なるほど。けっこう基本的な人対人のコミュニケーションにおいて、大事にしていることを、そのままやっているという感じですね。
小野澤:そうですね。そのつもりなんですけども。本当のところは、相手に聞いてみないとわからないですね。
中川:ありがとうございます。
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