店舗運営を支援する、4つの先進的ツール

黄益氏(以下、黄):抖音電商は、マーチャントさまの店舗運営を支援するための4つの先進的なツールもご用意しており、データを活用した戦略的なビジネスドライブが可能です。ここもぜひ紹介させていただきたいと思います。

1つ目は「抖店」です。これは店舗運営のためのプラットフォームで、商品の登録、検索キーワードの確認、オーダー、CS、物流、ユーザー運営、そして資金の管理。店舗の全般的な運営を一括管理できるマーチャントシステムです。

2つ目は「Buyin」。マーチャントさまがターゲットユーザーにマッチするKOL(Key Opinion Leaderと呼ばれる、特定分野の専門的知識を持ったインフルエンサー)を探すことが可能なKOL施策ツールです。インフルエンサーの売上状況を確認することもできます。

抖音電商で活躍されている数百万人のインフルエンサーにコンタクトしたり、コミッション条件を設定したり、商品のプロモーションや販売の商談をインフルエンサーに申し込むこともできます。

また、インフルエンサー側も(百应で)自分のフォロワーに合った商品を探すことができます。非常に抖音電商の強みを実現する代表的な運営ツールになっています。

3つ目は広告運用ツールの「千川」です。広告と言うとバナー広告をイメージする方が多いと思いますが、千川では「抖音」という巨大なショートムービープラットフォームの広告ソリューションとECを融合した施策を展開できます。

例えば、千川では制作したショートムービーに性別・地域・趣味嗜好などのタグを設定して、ターゲット消費者にプッシュすることができます。非常に種まきに有効です。

ライブコマースの中で一押しの商品やコンバージョン率の高い商品を紹介する前に、千川を活用してライブスタジオに多くのトラフィックを導入し、売上の拡大を図ることができます。その他、ハッシュタグチャレンジやアプリのTopView広告、そして広告アカウントの資金管理など、広告運用を全般的に支援できます。

4つ目は、抖音電商ならではの強力な運営データプラットフォーム「羅針盤」です。例えば商品ページのPV数やカート追加率、コンバージョン率などの従来の棚方ECの店舗運営データも確認できますし、先ほどのBuyinや千川とリンクして、ショートムービーやライブコマース、あるいはコンテンツ施策とECの関連性を俯瞰できます。

ライブコマースの場合は、同時視聴者数や総視聴者数、平均滞在時間など、商品ごとの商品ページのクリック率やコンバージョン率などを確認できます。ショートムービーの場合は、PV数や完全再生率、そのショートムービーがどれぐらい売上につながったか、あるいはそのショートムービーが何人をライブコマースに連れてきたのか。

コンテンツマーケティングとECの運営データを一気通貫で効果測定可能なことも、私たちの強みです。

ショートムービーの3つの強み

:このように、ECの店舗運営に最も重要なデータドライブのソリューションを提供して、(マーチャントさまの)効率良くダイナミックなビジネス展開を可能にします。多くのブランドが出店される、抖音電商の急成長を支える重要なインフラ基盤と言えます。

データに関しては、私たち抖音電商の中のデータだけではなく、他のECプラットフォームのデータも、ぜひ併せて見ていただきたいと思います。国民的なショートムービープラットフォームである抖音、そして抖音電商での施策は、本社の中国全般のビジネスにも効果をもたらしています。弊社の中でビジネスを展開される多くのマーチャントさまも検証されています。

中国では今、マーケットの情報チャンネルの多様化や消費者の多様化が進んでいます。ですので、越境ECを通して中国のマーケットに向けたビジネス展開をされる際は、各販売チャンネルを単独のROI(投資収益率)で見るよりも、全体のROAS(広告の費用対効果)で見ていただくことを推奨します。これは本日、Nintさまがセミナーを主催された背景にもつながります。

ショートムービーの強みも簡単に共有します。

中国の消費者が最も長く利用するショートムービーはアプリで、コンテンツマーケティングの重要な手法になっています。そして抖音が中国最大のショートムービープラットフォームになりますので、抖音でのショートムービー施策は消費者にリーチしやすいというのが1つ目の強みです。

2つ目は、写真やテキストよりも短い時間の中で多くの情報を発信でき、商品の良さを伝えやすい。

3つ目は、先ほどご紹介したレコメンドシステムによって、親和性のある消費者、ユーザーにコンテンツがプッシュされますので、潜在顧客の発見、種まきに適しています。

中国のライブコマースの市場についても簡単に共有したいと思います。右側の図を見ていただきたいんですが、中国のGMVのうちライブコマースは約4分の1を占めている状況で、ほとんどが新規の顧客です。

この先のリピート購買につながるきっかけとなっており、非常に大きな意味を持つのではないかと思います。

中国で多くの企業がライブコマースを採用する理由

:続いて、ライブコマースの強みについても共有したいと思います。なぜライブコマースは購入につながりやすいのか。ライブコマースの中では、よく「今だけ」とお得条件を提示したりしますが、単に大きな割引によるお得感だけではありません。

1つ目は、リアルに近い買い物体験を提供できるという「インタラクション&コミュニケーション」です。先ほどもお話ししたように、体験型消費は非常に重要です。

テレビショッピングと違って、ライブコマースは消費者がその場で質問したり、ライバーさまがそれに答えることもでき、信頼関係が作りやすい。さらに消費者の質問やコメントが多ければ、見ている側の購入の気持ちも高まりやすい。これが強みの1つですね。

2つ目は、ショートムービー以上に商品の魅力を伝えやすいことですね。例えば化粧品なら、ライブの中で使い心地やビフォーアフターを伝えられますし、アパレルならライブの中で素材感を伝えられ、コーディネートまでのトータル提案もできます。どの商品のカテゴリでも、従来のECより商品の良さをリアルに伝えられます。

3つ目は、クリエイターやレコメンドによって新しい消費者を獲得しやすい。EC事業には多くのインフルエンサーが参加しており、「このインフルエンサーと同じものが欲しい」「この人のおすすめなら、ぜひ試したい」といった、ある意味ショッピングの民主化が進んでいます。

消費者とのコミュニケーションの場であり、商品をプロモーションする手段でもある。それがライブコマースの意味であり、中国では拡販の目的だけではなく、多くの企業さんがライブコマースを採り入れています。

数値でわかる、飛躍的な成長ぶり

:せっかくですので、本日参加されたみなさまに私たちの最新動向を共有させてください。

ここまで抖音電商の特徴であるレコメンド技術や、ショートムービー、ライブコマースなどのコンテンツ、そしてKOLの話などをさせていただきましたが、私たちは2022年5月のマーチャントサミットで、抖音電商のテーマを「興味EC」から「全域興味EC」にアップデートしました。

コンバージョン経路のところでもご説明したように、ショートムービー、ライブコマース、モール、検索などさまざまなタッチポイントをご用意しており、従来の棚方ECはすでに実装し、消費者の能動的な買い物やリピート購買にも対応しています。

コンテンツとセットで従来のEコマースの棚方ECに加えて、ダブルエンジンで駆動する「全域興味EC」は、おかげさまで飛躍的に成長しており、3月1日に発表した2022年12月までの弊社の統計では、すでに239億件の商品が販売されました。

毎日たくさんの人が抖音を見て、たくさんのマーチャントさまがライブコマースを実施しています。ライブコマースの1日あたりの視聴回数は32億回を超え、特に注目いただきたいのは、モール型販売のCMV比率が28パーセントまで拡大しているところですね。

抖音電商での販売は、自社またはKOLによるライブコマースだけと認識している方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。私たちのプラットフォームでショートムービーやライブコマースによって商品を知り、そのあとで能動的な検索、あるいはリピート購買のニーズが確実に増えています。

28パーセントを具体的な消費者行動データに落とすと、どのくらいのポテンシャルがあるのか。ショートムービーやライブコマースを視聴した消費者、または潜在消費者の消費習慣が抖音電商の中で形成されつつあります。購入を目的とするEC検索の1日あたりの平均PVは4.6億回を超えています。

また、抖音電商のモールを入り口にしたウィンドウショッピングも非常に増えており、モールのデイリー・アクティブ・ユーザーは1.6億人を超えました。また、店舗まで入って、店舗の商品ページをサーフィンする人のPVは1日あたり1億を超えています。

抖音電商という新しいEコマースプラットフォームを確立したということを、ぜひ知っていただきたいと思います。

マッキンゼーが発表した「ソーシャルコマース戦略」の重要ポイント

:商品カートのトラフィックについてもご紹介したいと思います。

Show Windowは、インフルエンサーがブランドさんと長期的なコラボレーションを展開するために、商品リンクを自身のサイトに設置してフォロワーに常時購入できるようにする機能です。これは他のプラットフォームにはなかなかない機能ですので、ぜひ知っていただきたいと思います。

是非マーチャントさまに弊社の全域興味ECへの興味を深めていただき、全チャンネルの拡販方法を採り入れた上で利益を上げていただき、抖音電商と一緒にビジネスの拡大をしていただきたいという思いを込めています。

本日セミナーに参加されたみなさまの中では、すでに抖音電商に参加された方もいらっしゃれば、これから検討される方もいらっしゃると思いますので、このキャンペーンを活用いただけたら幸いです。

最後に、世界的なコンサルティングであるマッキンゼーさまのレポートを紹介して、弊社抖音電商も含む、ソーシャルコマース戦略の重要ポイントを共有いたします。

まず、総合的なインフルエンサーマーケティング戦略を策定すること。そして、ソーシャルプラットフォーム上で自社アカウントを活用すること。また、キャンペーンに実店舗の要素を加えることや、新しいカスタマージャーニーに合わせたECの体制を構築すること。あるいは、人気が出そうなクリエイターやブランドを見出して提携することなど。

そして最後に、「ソーシャルコマースに慣れている中国の消費者を対象に新しい機能をテスト」していただくことですね。

いろんな地域や国におけるビジネス理解や、先行投資にもなりますので、ぜひ本日のお話を参考にしていただけたら幸いです。私の発表は以上になります。ご清聴ありがとうございました。