中国のライブコマースで最大のシェアを持つ「抖音電商」

黄益氏(以下、黄):さっそく、我々のサービスをご説明させていただきます。初めに、弊社のEC事業のCMをご覧いただき、イメージを膨らませていただければ幸いです。では、再生します。

【動画再生】

ナレーター:世界はひそかに変化している。特に私たちが気づかない間に。静かな夜には誰かが世界を賑わせるようになっている。

女性店員:これは弊社のオリジナルデザイン商品です。今からカウントダウンします。5、4、3、2、1、販売開始!

農家:果物が好きなお兄さん、いらっしゃい! 商品は全部、今朝採れたてだよ!

ナレーター:遠く離れた距離でも、対面販売よりも近い関係を築ける。良い商品の評判は、あっという間に口コミで広がる。

男性ライバー:もう1回在庫を増やしますね。

アシスタント:売上が億元を超えました!

ナレーター:億元超えの売上は夢ではない。スタジオのスポットライトが星空のように輝く。

女性ライバー:今日のライブはここまで。明日も同じ時間に見てね! フォローしてね! Byebye。

ナレーター:1人での模索がやがて大きなチームとなり、慎重だった展開が大胆な事業につながる。模索した試みがビジネスモデルとなり、探っていた道が「フルサプライチェーン」につながっていく。蓄積した一つひとつの口コミが、やがて大きなブランド力につながる。

「みなさま、新しいチャンネルがすでに市場のトレンドになっている。これは新しい時代を切り拓くビジネスチャンスである。やるべきことは明確だ。世界の変化を見逃さないようにしよう。そして新しい時代の変化を先取りしよう。さぁ、行動しよう」。

EC事業の新しい選択肢。抖音電商(Douyin EC)。

【動画終了】

:新しい時代の変化を先取りしましょう。CMの中では、ライブコマースのイメージが強いですが、ライブコマースはECの主要なコンバージョン経路の1つであり、このCMでお伝えしたいのは、ライブコマースをはじめとする新しいECのかたちが、マーケットの成長を実現する重要なトレンドになっているということです。

弊社抖音電商は、現在中国のライブコマースで最大のシェアを持っています。みなさまはライブコマースという販売手法に注目していますが、このライブコマースをいかに多くの消費者に見てもらうかが非常に重要です。

新しい潜在顧客の獲得に有効なレコメンド技術

:ここで、抖音のレコメンド技術を紹介させていただければと思います。従来のSNSは、基本一方向の拡散で、まずインフルエンサーの投稿がフォロワーに表示され、(フォロワーの)二次投稿という拡散で口コミが広がります。最終的なリーチや拡散数は、フォロワー数やフォロワーの行動に左右されます。

弊社抖音の拡散方式は右側です。

従来の拡散に加えて、弊社独自のレコメンドエンジンがコンテンツの拡散に助力します。フォロワーへの拡散以外に、コンテンツに興味を持ってくれそうなユーザーにもプッシュします。

そして、一次レコメンドの視聴反応から、レコメンドエンジンがコンテンツの内容を判断して、フォロワー以外のさらに広いユーザーへレコメンドする仕組みです。

ですので、コンテンツの質、つまりユーザーさんのインタラクション次第で、フォロワー以外のたくさんの人へのリーチが可能になり、新しい潜在顧客の獲得に大いに貢献できます。この先進的なレコメンド技術が、私たち抖音電商の価値を最大化します。

また、レコメンド技術に加えて、抖音の膨大なユーザー基盤が抖音電商のもう1つの強みです。抖音はデイリー・アクティブ・ユーザー6億人を誇る、国民的なプラットフォームです。中国の人口は約14億人と言われていますが、スマートフォンを持たないお年寄りや子どもを除くと、2人に1人が毎日抖音を使っている計算になります。

また、従来の広告と異なり、国民的なショートムービープラットフォームで多くのユーザーが毎日抖音を楽しんで見ています。楽しんでいるうちに、自然と自分の潜在ニーズにマッチした商品情報と出会い、商品に興味を持ち、最終的にブランドのファンになるかたちです。

デイリー・アクティブ・ユーザー6億人という膨大なコンテンツ消費者基盤。そして抖音ならではのレコメンド技術によって、それぞれの消費者にパーソナライズされた趣味嗜好のマッチングが、抖音電商の提唱する「興味EC」、すなわちインタレストコマースを実現させ、多くのブランドや企業のビジネスに貢献しています。

Eコマースを拡大させる、抖音のエコシステム

:私たちのデイリー・アクティブ・ユーザーが6億人を超えた背景には、抖音のエコシステムで多くのクリエイターとマルチチャンネルネットワーク機構が活躍していることがあります。抖音電商調べのデータでは、2021年12月現在、抖音では260万人以上のクリエイターが活躍しています。

トップクリエイターや著名人だけでなく、大きな影響力を持つKOL(Key Opinion Leader=インフルエンサー)やKOC(Key Opinion Consumer=インフルエンサーより消費者に近いユーザー層)の方々が積極的に発信しています。

加えて、クリエイターを支援するMCN(マルチチャンネル ネットワーク)が1.4万社以上あり、毎月の平均インタラクション数は1,382億回を超えます。

ファッションから金融、教育、スポーツまでコンテンツの幅も非常に豊富で、中国の消費者にとって抖音は重要な情報ソースでもあります。抖音のエコシステムの中でクリエイターやMCNがブランドのマーケティングと拡販のパートナーとなり、積極的にEコマースの拡大をお手伝いしています。

世界のEC小売額の約52%を占める中国

:私たちは2020年6月に独立したEコマース部門を発足し、本格的に事業展開を始めました。おかげさまで、多くのマーチャント(店舗)さまと消費者に支持され、すさまじい勢いで成長しています。2021年、Eコマース関連のショートムービー投稿数は月平均1.8億回、ライブコマース視聴回数が約500億回、Eコマース検索数も55億回を超えています。

GMV(流通取引総額)も右肩上がりに拡大し、2021年1月時点で前年度比で約50倍まで飛躍的に拡大し、2021年度のGMVは前年度の3.2倍に拡大しました。コンテンツを媒体に多くのマーチャントと消費者をつなぎ、エンゲージメント獲得に大いに貢献しています。

2021年の年末に日本チームを設立し、日本のブランドさまの進出支援や在日インフルエンサーへの支援をさせていただいています。

抖音電商全球購買で中国のマーケットに向けた越境EC(国内から海外へ向けて商品を販売するEC)の展開をご検討される方がいらっしゃいましたら、随時お問い合わせいただければと思います。

また、日本語のホームページも立ち上げて情報発信をしていますので、よろしければ訪ねてみてください。

続いて、中国のEC市場および新しいECについてご紹介します。みなさまもご存じの通り、中国は圧倒的な差をつけて世界一のEコマース市場です。オンラインの消費者が非常に多く、その購買力も年々高まっていることから、当分の間、世界首位の座を維持すると思われています。

国別のEC小売額を見ますと、中国は全世界のEコマース取引総額の約52パーセントを占め、2位の米国の19パーセントを大きく引き離している状況です。

中国で広まる「新しいEC」の3つの特徴

:越境ECは、日本のブランドさまが中国に進出する際の重要な貿易手法であり、その成長の可能性についてはみなさまもご存じかと思いますが、中国のECマーケットのトレンドや消費者意識の変化については、先ほどのCMの中にもありましたように、先取りしていただいたほうが良いと私は思っています。

では、どういったニーズの変化が起きているのか。新しいEコマースをみなさまのビジネスに採り入れることがすでに不可欠になっています。また、新しいECは、決して中国のマーケットだけではなく、アメリカや日本においても、今後ますます広がっていくと考えられます。

ライブコマースやソーシャルコマースを代表する新しいECには、「消費型体験」「ユーザーファースト」、そして「マルチシーン統合」の3つの特徴があります。

1つ目の「消費型体験」は、従来の大量消費から消費者はモノからコトへ、体験をより大切にするようになっています。「意味消費」ですね。そのために、多くのブランドがOMO施策(ECサイトとリアル店舗を融合した顧客体験の向上を目的とするマーケティング手法)を採り入れて、リアル店舗を体験の場所として提供しています。

特にエンターテイメント要素を強く押し出したものは「リテールテイメント」と呼ばれ、海外ではすでに定着していますが、日本でも今後大きなブームを起こすと言われています。

2つ目の「ユーザーファースト」に関しては、今みなさまが日々使っているインターネットサービスやスマートフォンアプリも、気づかないうちに自分好みにカスタマイズされており、「自分のことをよくわかっていて便利だ」と思うことも多いのではないでしょうか。

消費者の獲得も同じですね。従来の顕在ニーズを起点に、消費者が検索をするEコマースから、例えばAIやライバーからレコメンドされるEコマースへシフトしているのがマーケットのトレンドです。ですので、潜在顧客を獲得するために彼らにリーチしやすいプラットフォームの活用を検討しなければならないと思います。

3つ目の「マルチシーン統合」は、技術の進化によって、従来の画像やテキストでの訴求がメインだったEコマースから、例えばビデオやライブコマース、そしてSNSを活用したマルチシーンを統合したモデルに移行しています。みなさまも、新聞・雑誌だけでなく、SNSや動画投稿サイトをプロモーションに活用されている方が多いのではないでしょうか。

消費者のカスタマージャーニーをフルカバーするソリューション

:続いて、弊社抖音電商の特徴を紹介させていただきます。先ほどの新しいEコマース市場の特徴と同じく、中国の消費者の行動傾向を共有したいと思います。

こちらは、カテゴリ別のアプリケーションの月間使用時間の推移を表すデータです。

注目していただきたいのが、黄色のショートムービーを表している部分ですね。2018年頃から急速に増加し、2021年1月時点で2018年の4倍に伸びており、中国人ユーザーがふだん最も時間を消費するアプリケーションになっています。

消費時間の多さはトラフィックの多さを意味します。ショートムービーは消費者が新しい情報を取得する主要な経路になっており、ブランドさんにとっても消費者と接点を持てる、コンテンツマーケティングの重要な手法になります。

これは中国の抖音だけでなくて、グローバルでも同様です。例えばTikTokや、YouTubeさんが始めたShorts、InstagramさんのReelsからもショートムービーの市場意義がうかがえるのではないかと思います。

先ほどご説明したように、ショートムービープラットフォームとEコマースビジネスの相乗効果から、弊社抖音電商の抖音がEC事業をスタートしました。

初めにユーザーの購入行動の観点から、従来のEコマースと弊社抖音電商を比較させていただきます。従来は、外部でプロモーションをして、ECサイトの中でコンバージョンするかたちになっているのに対し、弊社抖音電商はコンテンツ投下から販売まで、消費者のカスタマージャーニーをフルカバーするソリューションを提供しているのが大きな特徴です。

外部で投下する時、大きく2つの課題が生じると考えられています。1つは消費者の離脱です。媒体から媒体へと変更する時、どうしてもUX・UIが変わったり、場合によっては消費者情報の登録の手間が掛かるので、ここで離脱が発生します。

2つ目は、施策の効果が測りにくいことです。効果測定に関して、プラットフォームが異なることから、正確な顧客動向のデータを入手することが困難です。

抖音電商の場合、コンテンツで消費者との距離を縮めて、興味を持った消費者がプラットフォームの中でそのまま商品をクリックして購入できるソリューションを提供しているので、コンバージョンの経路が短くなり、離脱率を抑えられるようになっています。

さらに、コンテンツ施策のマーケティングデータとEコマースのデータをプラットフォームの中で確認できるため、中のデータを見ていただいて、ブランドさまの新しいコンテンツ施策のブラッシュアップや次の商品開発に役に立てられるような商環境を構築しています。

新しいECのコンバージョン経路

:まだ抖音のアプリケーションを使ったことのない方も多いと思いますので、コンバージョン経路を説明させていただきたいと思います。抖音アプリを開くと、左から右にレコメンドされるコンテンツが途切れなく自動的に流れてきます。私たちはこれを「Feeds」と呼んでいます。

ユーザーさんはFeeds上でコンテンツを見て、興味がなければスワイプするだけで、次のおすすめコンテンツが流れてくる仕組みです。ですので、消費者は特に考えたり、検索することなく、自分の興味のありそうなコンテンツを視聴し続けられます。

このコンテンツの中には、ECにつながるショートムービーやライブコマースもランダムに表示されるようになっています。おもしろいと思った場合は、ショートムービーから①番のカートをクリックしてそのまま購入できます。

②番はライブコマースを見た時で、本当に街をぶらぶらして気になるお店に入るような感覚でライブコマースを視聴して購入につながっていくイメージです。

また、ショートムービーとライブコマースだけではなくて、抖音電商は従来のECモールと横断的な検索も用意しており、明確な買い物目的の消費者にも対応しています。ショートムービー、ライブコマース、モール、検索。抖音電商はさまざまなタッチポイントとコンバージョン経路を提供していることをご理解いただきたいと思います。

ちょっと動画を再生しながらご説明します。左側はショートムービーのコンバージョン経路ですが、ショートムービーが流れてそのまま購入につながっています。

右側はライブコマースの場合で、こちらも時間をかけてライブコマースを見に行くわけではなく、レコメンドFeedsからショートムービーとライブコマースがおすすめされ、そのまま購買につながるイメージです。ふだんのようにコンテンツを楽しんでいるうちに、興味を持ったライブコマースに入っていく。

これが非常に重要なポイントだとご理解いただけたらと思います。