2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
今年こそ「やめる」!悪習慣を断ち切り方り、自分の時間を増やして目標を実現する為の方法!認知行動療法の専門家 中島美鈴先生新刊『脱ダラダラ習慣! 1日3分やめるノート』発売記念(全4記事)
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中島美鈴氏(以下、中島):では、(グダグダやってしまう習慣の)やめ方の具体例にいきます。いきなり挑戦的なことをこの人が言っています。「私からスマホをとりあげるとか、そういうのはイヤよ!」と。
私もスマホとは仲良しなほうなので、この本で手厳しく「スマホをやめましょう」とか「我慢しましょう」とか「根性で」なんてことは、いっさい言っていません。なぜならば自分ができないからです。じゃあ、どうするのか。ちょっとここから考えてみましょう。
みなさんはスマホをやめたいですか? お酒? 甘いもの? タバコ? 二度寝? 買い物? 不満のある職場をやめられないとか。あのイヤな人間関係から抜け出せない。ギャンブル、浪費、ゲーム、いろいろあるかもしれません。何か1つやめられないものを浮かべながら、聞いてください。
それで第三者から、こう言われたらどうでしょうか。「中島さん、どうしてスマホをやめられないんですか?」と。私はたぶん、ちょっとムッとしながらこう言うでしょうね。「え、なんとなく」。「お前に言われたくない」みたいな感じでしょうか。
でも、こんなふうに聞かれたらどうですか? 中島さん、「①スマホでネットショッピングとかしてるの? ゲームしてるの?」「②スマホでSNSとかライブとかで、誰かとつながっているの?」「③なんかヤなことがあって、現実逃避してるの?」「④ぬくぬくと布団にいるのが好きなの?」みたいに、スマホをやっている理由を4択くらいで聞いてくれたら、さっきよりも答えやすくないですか?
さっきは「どうしてスマホをやめられないんですか?」と、ちょっと説教くさいんですよね。でも、「4つの理由のうちどれ?」って聞かれたら、私は「ちょっと答えてやってもいいかな」と思うかもしれません。「えっと、②番と④番かなぁ」みたいな。
さあみなさん、これはスマホバージョンなんですけど、4択問題で何か聞かれたら、ちょっと答えやすくなるかな。想像してみてください。
こんなことを聞かれたらどうでしょうね。「中島さん、逆に寝る前スマホが0時間という日もあるの?」。私は言うでしょう。「丸一日お出かけしてた日とか、すぐ寝るね。疲れてるし」「あ、でも仕事で1日中働いた後も疲れてるんだけど、スマホ3時間は普通にするね。なんだろ、なんだろ。誰かとワイワイした日はスマホせずに済むんだよね」みたいな。
スマホ三昧の私の中にも、すごくやる日とぜんぜんやらない日がある。「個人内変動」というんですけど、波があるわけです。これ、けっこう大きなヒントが得られるんです。「あ、なんだ。ぜんぜんやめられない中島さんじゃなくて、やめてる日もあるじゃん」と。やめている日に貴重なヒントが隠れているんです。
なので、みなさんも白黒で決めつけないでください。「私はスマホを毎日やる人じゃない」。特に子どもがやっちゃう方は、白黒じゃなくて変動を見てあげてください。
「寝る前にスマホ時間がすごく増える日とかあるの?」。こんなふうに聞かれたら、どうでしょう。
「平日、早く目覚めて『あー仕事行きたくない』とか思いながらスマホいじったりするかな」「上司に叱られた日とか、妙にストレス溜まった日とか、別に用事はないんだけど、ずっとスマホ触ってるね」「海外ドラマとか次々に出てきちゃってハマっちゃうよね。エンドレスだよね」みたいに、スマホが増える要因についても目を向けてみてください。
さらに、こんなことを尋ねられたらどうでしょう。「そっか、増えてる日と減ってる日があるんだ。最初に聞いた4つの理由の中で、②と④でSNSとか布団が気持ちいいとか言ってるけど、スマホやっちゃう理由って、それ以外もありそうじゃない?」
こう尋ねられたら、こう言うかもしれませんね。「話してて気づいたけど、私、みんなでワイワイしてたら、スマホなんかいらないんだよね。でもなかなか人と会えないし。やっぱりさみしがり屋なんだよね。だからSNSは止まらないね」「あとは仕事のストレスがあるかな。気づかなかったけど、現実逃避でスマホしてたところもあるのかも」。
いきなりスマホをやめるというよりは、まず自分がスマホにハマっちゃう理由を丁寧に丁寧に分析していきます。(これを)自己理解と呼んでいます。これはけっこう時間をかけてやってもいいんです。
今、冒頭でお示しした4つの理由は、本の中にもございます。みなさんがやめたくてもやめられない行動って、どの理由でやっていますか? 「達成感が得られるからその行動にハマっているのかなぁ」「誰かと一緒にできたり、注目されたり、社会的な理由でそれにハマっているのかなぁ」。SNSとかもそうですね。
「『ひまつぶし』という名の、実はイヤなことから目をそらしたい、逃げたいという現実逃避だったのかなぁ」「体があったかくて気持ちいいとか、体の感覚が好きだからやっているのかなぁ」ですね。
まずは、悪習慣がやめられない4つの理由に目を向ける。これを専門的には「機能分析」といいます。厳密にいうと、4つの理由をバーンと提示して「どれですか?」というやり方ではないんですけど、お手軽にやれる方法として挙げています。
想像してください。スマホ三昧、布団スマホをしている時に、お母さんがこう言ってくる。「スマホやめなさい。やめないと、罰金とるわよ。目が悪くなるわよ。時間の無駄よ」。
親が言ってくれる人はいいけど、我々中年は誰も言ってくれなくて。なんなら、自分の心の中の説教をしてくる悪魔なのか天使なのかよくわかりませんが、ずっと自分に言ってくるんですよね。
叱る、説教みたいな言葉を自分にかけている限り、悪習慣って逆にやめにくいんですね。これでやめられる人は、すぐやめられているんでしょうね。
やめやすいのはこういう言葉です。自分にこういう言葉をかけてあげてほしいんです。「スマホをやっている中島さん、本当は何が欲しいの?」「あなたが欲しいものって、本当にスマホなの?」「本当に欲しいものがわかったら、それを満たしてあげるよ」。
そんなドラえもんみたいな言葉をかけてくれる人がいたら、私たちは言うかもしれませんね。「本当はさみしかったんだ」「今日は上司にむしゃくしゃしたんだ」。とにかく、「何が欲しいの?」って、丁寧に聞いてあげるんです。
禁煙外来で「ニコチンパッド」をもらう感じです。ニコチンパッドって、ニコチンに依存している体から、タバコじゃない方法でニコチンを与えているので、タバコであれニコチンパッドであれ、同じニコチンをもらっているんですね。
スマホをタバコだと思ってください。置き換えながら、ちょっとでも害が少ないかたちでやめやすくしていると考える。スマホで得ているニコチンが「ちょっとでも人とつながれること」だったら、スマホをやめる代わりに誰かに実際に会えたら、スマホをやめやすいわけですよね。
「本当は何が欲しいの? それだけあげるからスマホと取り換えよう」みたいな感じです。そういう発想で「代替行動」を考えていきます。
日本人のしつけにもかなり問題があると思うんですけど、「スマホ見ちゃダメ」。このような躾がいいとされているかもしれませんけど、「〇〇しない」という目標って、私の専門の認知行動療法としては、ぜんぜん効果がない目標なんですね。
「見ない」って言われても、見ちゃいたいんだもん。見ますよね。そうじゃなくて、この人が本当にしたい、スマホを通してやりたいものがわかれば、「めっちゃ友だちに会いたい」「連絡したい」だったら、「友だちに連絡する」という目標なら、この人は飛びついてやってくれると思いますね。
少なくとも友だちに連絡しているその時は、スマホ三昧じゃないわけです。スマホを使って連絡しているかもしれませんけれども、永遠と満たされないままネットサーフィンしているよりは、手っ取り早く満たされて健全なわけです。
なので、それでもスマホをなかなかやめられなくて、スマホを触っている自分に気づいたら、「はっ! また触ってる。私って、今ほんとに動画を見たいのかな。何が欲しいのかな。また人恋しいのかな」をリアルタイムにその時の自分に聞いてあげてほしいんです。
自分の傾向って、だいたい1個か2個のパターンをたどる時が多いんですよね。ひまつぶしと言いながらも、なんだかんだやりたいことから逃げているとか、「なんか詰まっちゃう」と言いながらさみしいとか。そんな傾向に早めに気づくのがポイントです。
甘いものでもそうですよ。ダイエットできない時、なんか食べちゃっている時に、「あら、私お腹減っているから食べてるの? いや、お腹はぜんぜん満腹なんだけど、おかしいな」と気づく。この観察がとっても大事です。「人恋しいんだ」とわかれば、「友だちにLINEするか」とできて、だいぶ満たされますよね。
この機能分析の考え方は今、刑務所や保護観察所の薬物再乱用防止プログラムや性犯罪防止プログラムにも活用されている、法務省も注目しているやり方なんです。
なので、先ほどの行動の4つの理由、ここでは表現をちょっと変えておりますけれども、「4つの理由のどれかな?」って聞いてあげると、少年でも、「これこれ」と理由を選びやすくなります。みなさまもシンプルに4つ、4つ以外にも「こんな理由があるよ」というのを、どんどん見つけていだけるような気がしています。
ただ、こんな問題もあるかもしれません。「欲しいものはわかったけど、それが得られなくて困ってるの。代わりに何をすればやめれるかわからないのよ」「気軽にLINEできる友だちなんていないっつーの」みたいな。そんな声が聞こえてきそうです。
スマホがやめられない行動の代わりの行動が大事で、それが「友だちにLINEすること」かもしれないとお伝えしました。この本当に欲しいものを満たしてくれる悪習慣の代わりの行動のことを「代替行動」と呼んでいます。でも、これを探すのはなかなか大変なんです。
長期間ハマっているものってありますか? たぶんスマホなんて、流行り出してもう十何年以上経ちますよね。十何年ハマっているものがあるとすれば、私たちのスマホ以外の行動パターンが、だいぶ失われているんですよ。
スマホがこの世に出る前にやっていたことはやらなくなっているかもしれません。ジム通いをやめているかもしれないし、メールをほぼやらなくなっているかもしれませんし、直接待ち合わせして会うことも減っているかもしれません。
スマホ以外の行動が減った段階から代替行動を探していくのって、めちゃくちゃ難しいんです。けど、それでもやっぱり探していかないとやめられないので、今日はその探し方をお伝えします。
今の流れを整理したいんですけど、例えば「動画がやめられない」という女性がいたとして、「動画がやめられない隠れた理由を分析してみませんか?」みたいに誰かが言ってくれたとします。
「え、隠れた理由? 別に隠してないけど」と言いながら、いきなり図が出てきて恐縮なんですけれども、例えばこの女性、いろんなパターンがあったんです。
「やりたくない家事がある時に、動画を流しながら家事をすると、マシな気分で家事がこなせるな」みたいな体験をした女性は、「動画があれば、家事が多少楽しくなるな。動画は便利だな」ということを知るわけです。
またある日は、「わからないことが何かある時に動画で調べたら、知識が得られた」みたいな。今、YouTubeもけっこう役立つものが多いですものね。
またある時には、「夫に気にかけてもらえない。ぜんぜんかまってもらえない時に、自分の部屋にこもって1人で長時間動画を見ていると、『どうしたの? 珍しく部屋にこもってるじゃん』なんて言って、夫が心配してくれたから、ずっと動画を見るようになりました」みたいな場合は、「夫の気を引きたい」というのが、動画を見る理由ですよね。
「上司にむかついたことがあった日に、動画に没頭していれば、ちょっとイヤな気持ちが忘れられた」という人がいれば、これは現実逃避として動画がすごくいい感じで働いてくれていますよね。
「おうちに帰ると、一人暮らしの家がさみしい無音の空間だった」という時に動画を流しっぱなしにすると、あたかも誰かがそばにいるように、みんながワチャワチャいるような感覚があるかもしれません、みたいな。
いきなりこれを並べてみたんですが、真ん中にご注目ください。ここに「動画をかける、動画を見る」ということが、全部入っているんです。でも時間的な前後がぜんぜん違いますよね。
1番目と4番目の理由って、ぜんぜん違いますよね。同じ動画を見るのでも、「家事を楽しくするための動画」なのか、「上司にむかついたことを忘れたいための動画」なのか、理由が違うんですね。
これは同じ人が複数持っている場合もありますけど、仮にお子さんがめちゃくちゃ動画にハマって大変な時に、誰かに気にかけてほしくてやっているのか、やりたくない勉強から逃れようと、少しでもマシな空間にしたくてやっているのかだったら、やっている理由が違うから、本当に欲しいものも違う。だから抜け出し方も違うんです。
こんなふうに、理由をずっと尋ねていく。ご本人に尋ねていく。自分自身に尋ねていくと、ちょっと自己理解が進むわけです。そしてこの人は、こう言うかもしれません。「そうそう、私動画でもないとヤバかったわ。日常生活が回らなかったわ」みたいな。
ここでちょっと自分自身に言ってみるんですね。「本当に欲しかったものって、何だったんだろう?」
「そうねぇ......家事なんてしたくなかったし、でもしなきゃいけなかった。ちょっとしたわからないことを調べるのに、YouTubeは便利だったしね。他の家族はみんな私になんて関心ないから、わざと部屋に閉じこもって気を引こうとしていたのもあるかな。でもいざ1人の空間にいると、無音で耐えられないんだよね。さみしいの。それで誰かの声がずっと聞こえてたらいいでしょ。上司にむかついた時なんかは、現実逃避したかったね」。だいぶいろんな理由、いろんな欲しかったものが見えてきました。
「なんだか1人で解決しようとしてたように聞こえる」「その必要があるのでしょうかね」「今考えたら、動画以外でも当時の自分を満たせそうですか?」と、質問をしてみましょう。
例えば、やりたくない家事を他の家族に頼めば、動画をわざわざかけてまでやらずに済んだかもしれません。動画でわからないことを調べなくても、ググればもっと早くて、他の動画を次々サーフィンせずに済んだかもしれません。
夫と何かコミュニケーションを取りたかったのであれば、コーヒーでも入れてあげながら、夫婦でコーヒーを飲みながら会話ができたかもしれません。上司にむかついたのなら、誰かに愚痴を聞いてもらうのもよかったかもしれません。さみしい無音空間、さみしいなら、部屋に1人で閉じこもらなきゃよかったかもしれません。
こんなふうに、動画以外の行動で本当に欲しかったものを満たしてあげると、案外動画よりフィットする。誰かに話したほうが、絶対にスッキリしますよね。なので、やめたい行動と同じ役割を果たす代替行動を考えていきましょう。
とはいえ、代替行動、王道(の行動)が取れないから私たちは困っているんですよね。「ぶっちゃけ、家事を家族に頼むとか無理。うちの夫は無理! 動画を見て自分でやったほうが手っ取り早いじゃん」。
そうなんですよ。手っ取り早いから、悪い習慣にハマっていたんですよね。なので、代替行動を考えられた方の中で実践できない方がいらっしゃるとしたら、実はこの図の青の部分がやりたくないことであったとか。
実際にそんなことはやったことがないので、ちゃんと効果があるか疑っているとか。「今の問題行動ほど魅力的で効果的なものはない! だからそれ以外はやりたくない!」みたいな思いがあるのかもしれません。
代替行動がお利口さんすぎるものは、やめましょう。例えば、「明日から動画なんか見るのはやめて、早起きして朝ごはんを作ります!」とか「深夜まで動画見るの、健康に悪いからやめます!」とか。
これ、めちゃめちゃ世間では「すばらしい! 立派!」と言われるものなんですけど、続かないです。自分には到底できそうにないようなシャキっとした目標はやめましょう。
「じゃあ、代替行動をどうやって見つければいいの?」。あなたの中にもうすでにあるんです。あなたの過去、強み、いくつかの例から選んでもいいでしょう。借り物みたいな特別すぎる対処法は続かないわけです。
1つずつ説明します。1つ目、「過去の成功例や例外を生かすこと」ですね。例外を探しましょうということでしょうか。
たぶん、本日まで動画漬けじゃない日のほうが多かったはずです。「動画を見なくて済んだ日はありますか? 秘訣は?」と、自分に尋ねてみましょう。
「子どもを2時間だけ預けてカラオケに行ったらスッキリして、その間は動画を見ませんでしたね」「なるほど、カラオケに行くといいんだ」「子どもをちょっと誰かに見てもらうというのはいいんだ」と、ヒントがあるかもしれません。
「動画を見なくて済んだ日には、どういう成功した対処法があったでしょう?」「動画三昧になっちゃった日は、どんなふうにやっちゃったんでしょう?」というのを明確化しながら整理していくといいかもしれません。
「友だちと会っていると、動画を見たくても見れないんだよね」みたいなのも、重要なヒントになりますね。「あ、友だちと会っていると満たされるのかな」とか。
また「強みを活かす」という方法もぜひ取り入れてほしいんです。「みなさんの強みは何ですか?」と尋ねると、たいていの人が「強みなんかありません」とおっしゃるかもしれませんが、ご自身の人生を振り返って、こんな浮き沈みグラフを書いていただきたいんです。
「幸せだった頃はどこだったかな? 小学生の頃だったな。中学校の部活、バレー部でよかったよなぁ」なんて感じで書いていくと、自分の人生の中でも、わりかしうまくいっている時期にヒントがありそうです。そこが何かの強みなんですよね。
例えば、「バレー部でみんなで力を合わせて県大会に行ったよなぁ。結果が残せるものには燃えるんだ!」とか「『みんなで力を合わせて』というのが好きだ。私はさみしがり屋なんだ」とか。
いろんなことがわかると、この人の強みというのは、みんなでできること。そして結果を残す。そういう達成に関する活動が燃える、というところが強みかもしれません。
それでも浮かばない方もいらっしゃるかもしれません。本を買ってお読みいただくと、いろんな例が載っています。なるべく自分に似たプロフィールの例、代替行動の例を見つけてください。
例えば、「動画をやめたい」と言っていた女性の中で、動画の代わりになる代替行動としては「タイムロックコンテナ」があります。「タイムロックコンテナ」って、みなさんご存じですか? 絵を用意したんですが、スマホをアクリルのようなケースに入れて、「〇時間」みたいに設定すると、設定した時間が終わるまで絶対に開かないという、Amazonとかにもよく売っているコンテナです。
「夜間、触りたくない時間にスマホを入れてしまうとよかった」という人がいたり、「充電する場所を寝床じゃなくて、もっと離れたところにしただけでも、寝床でスマホがだいぶ改善できたよ」とか「代わりにおいしいものを食べたよ」とか。
「仲良しの人とバイキングに行ったら、すごくおいしくて楽しかったよ」とか「酒飲んで無理やり寝ちゃったら、スマホをいじれなかったよ」とか、いろんな実践例があるんですけど、どれか参考になりそうなもの、あります? なんてことを、ここから選んでもいいですね。
「タイムロックコンテナは興味があったんですよね」「酒飲んで寝るのもいいかも」みたいな。この力の抜けた対処方法がいいんでしょうね。
さあ、これまで学んできた代替行動は、2条件が揃いました。やめたい行動と同じ役割を果たして、本当に欲しかったものを満たしてくれる。それから、過去に経験があったり、興味があったり、得意である。強みが活かせる行動であると、いいでしょうね。さらに、あと2つ条件を重ねたいと思います。
代替行動が自然と周りから褒められる行動であるといいかもしれませんね。
私は刑務所とかにも勤務しているのでこんな例になっちゃうんですけど、例えば、手元にお金がない人が窃盗すると刑務所に行くことになるんですけれども、手元にお金がない時に「窃盗する」という悪習慣を改めるために、「真面目に働く」という代替行動を設定したとします。
でも、例えば1回100万円くらい窃盗していた人が、真面目に働いて月20万もらった時に、いいか悪いか、相当この人はがっかりするわけですよね。「真面目に働いたのに、ちっともいいことがない」となるわけです。こうなると「手っ取り早く100万円もらえる」みたいに問題行動のほうが復活してきやすくなるわけです。
そうじゃなくて、この人にとっては例えば「真面目に働くと、ものすごく親がよろこんで褒めてくれる」とか、金銭的な報酬ではないけれども他のかたちで満足するような、そしてそれなりに欲しい結果がもらえるような代替行動を設定するといいわけですね。
また、「代わりの行動が、問題行動と両立しない」というのもいいですね。「そんなにスマホで動画がやめられないのなら、海に潜ったらどうだ」と。海の中にはスマホを持ち運べますけど、わざわざそこで動画を見る人っていないですよね。だからマリンスポーツを始めました、とか。
これは盗撮の例なんですけど、「ダンスをやっている間は両手を使っているから、スマホで盗撮できません」とか。ちょっと極端な例なんですけど、とにかくやりたくてもやれないような活動をぶち当てちゃうというのも、1つの手です。
こんなふうに、4条件が揃いました。代替行動、大変です。本当に欲しいものを満たしてくれて自分の強みが活かせて、あわよくばそれをやっていると周囲から評価されるとか。いい目にあって、問題行動と両立ができないような代替行動って、難しいですよね。ここから、具体例を入れていきます。
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