2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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樋田洋斗氏(以下、樋田):ここまでが座学のお勉強っぽいところでした。ここからは実際にGENさんが投稿したリールを2本ほどみなさまと見ていきながら、そのリールをGENさんがどんなポイントを意識して作ったのかお話しできればと思っています。
ここからメモ必須です。5つリールの特徴を出していければと思います。じゃあちょっとリールを見てください。
(動画再生)
これはどのぐらい回ったんですか?
コンクリのGEN氏(以下、GEN):これは140万回再生です。
樋田:エグっ……(笑)。
GEN:フィードで保存数が高かった商品をリールにまとめて投稿した内容で、フォロワー獲得で言うと1日500人ぐらいが1週間続いたので、だいたい3,000人から3,500人ぐらいの動画です。
樋田:ちなみにこのリール見たことあるよ、というかコンクリのGENさんって知ってるよっていう人って、どのぐらいいらっしゃるんですか?
(会場挙手)
え、けっこういる。人気者じゃないですか。
GEN:ありがとうございます(笑)。
樋田:このリールも見たことあるよっていう人?
(会場挙手)
すごい。ファンですか? ……ファンなんですか!
GEN:ありがとうございます(笑)。
樋田:すごい。またあとでコミュニケーションとってもらえたらと思います。このリールの動画をもとに、どのへんをポイントとして作ったのかをお伺いできればと思います。
樋田:1個目、「人は3秒で飽きる! リールは2秒で勝負」。これ、どういうことですか?
GEN:前提なんですが、基本ショートムービーって一瞬でも「つまらないな」と思ったら離脱されるんじゃないかなと思っています。基本3秒で飽きると思ったほうがいいです。なんなら飽きるシーンはなしにしたほうがいいです。徹底的に省いていくほうがいい。
「リールは2秒で勝負」っていうところなんですけど、この動画は2秒で1回カットを入れてるんですよね。だいたい2秒で1回ぐらいになってると思います。
樋田:早い、本当ですね。
GEN:3秒以上同じ画角とかカットが続くと離脱される傾向にあるというのを聞いたので、2秒に1回カットを入れるというのは、今の動画に関しても意識してます。
樋田:けっこうテンポよくカットして、画角変えて、という感じでやっているんですね。この「素材数の多さが再生数に比例する」というのは?
GEN:これはけっこうおもしろかった話なんですけど、素材数の多さ。何本動画を撮って、その中からリールを作ったか。例えば10本の素材を撮った中で作る動画よりも、30本素材を撮った中で良いシーンだけ切り抜いて動画を作ったほうが、そりゃ質は高くなりますよねっていう話で。
これは本質的ではないかもしれないんですけど、やはりいろんなシーン、いろんな角度から動画を撮って1本のリールを作りましょうという話です。なるべく多く撮るようにしてます。
樋田:なるほど。ちなみにこのリールだったら、どのぐらい素材を撮っているんですか?
GEN:これは20本ぐらいですかね。
樋田:ヤバいですね。めちゃくちゃおもろいですね。
樋田:ちょっとそのまま2つ目のポイントもいきましょうか。2つ目のポイントもけっこう個人的に興味深かったなと思っていて、「ドリルで穴を掘っている様子を載せる!」。
そもそも「穴とドリル」という、マーケティングでは有名な話があって。「ドリルを売るのではなくて、穴を売りましょう」という話があると思うんですよね。その中間みたいな話ですか、これは。
GEN:ちょっとわかりづらい部分はあるかもしれないんですけど、今って「穴を見せてる」人、つまりメリットを伝えてる人がけっこう多いかなという印象です。
ショートムービーって結局エンターテイメントだと思っていて、要は「期待させる」ことが大事だと思っています。なのでどこが一番目を引くポイントなのかを捉えるのが大事かなという話ですね。
例として挙げたいんですが、(動画の)18秒ぐらいのところにいってもらっていいですかね。「流せるトイレブラシ」を紹介している箇所です。
トイレブラシをそのまま流せる商品なんですけど、本来であれば「そのまま流せるし楽だよね」とか「収納しなくていいし衛生的だよね」という訴求をすべき商品なのかもしれないんですけど、個人的に「やたらと洗剤出るな」って思ったんですよ。
樋田:確かに。
GEN:やたら出るなと思って。このほうがユーザーさんが惹かれそうだよねって思って、その先に「これぐらい洗剤が出るんだったら、トイレきれいになりますよね」って(訴求ができるのかなと思いました)。要は「惹けるポイント」をちゃんと捉えた上で動画を作らないといけないんですね。
GEN:僕の中でこれは検証動画だったんですけど、「30秒以内に7つの商品を紹介したらバズる」という説があって。テンポよく構成しないと、30秒以内に7つは入れられないんですよ。かつ伸ばすとなったら、本質的に必要な情報で、無駄のない動画ができると思っていて。それで再生数が取れた事例になってます。
樋田:なるほど。最大限30秒の中にどんだけ詰め込むのかを考えて、かつ入れるのであればドリルでもなく穴でもなく、ドリルで穴を掘ってるところを入れるべきであるということですね。
この1本目のリールについて、天野さん的にはほかにポイントとしてどうですか。
天野彬氏(以下、天野):「3秒以内」というのはすごく具体的で実践的だなと思いました。YouTubeが注目されてた時に、ジャンプカット(同じショットを、時間の経過を飛ばしてつなぎ合わせる手法)という概念がすごく広まりました。つまりテレビとYouTube動画では、テンポの切り替えの早さがぜんぜん違うという議論があって。
やはりショートムービーだとジャンプカットどころじゃない、超ジャンプカットが必要で。もっと切り詰めてやらないと、人のアテンションがもたないのかなというのが1つありました。
あとこの「7選」という切り口もすごくおもしろくて。例えば具体的に数字が入っている「〇選」とか、あとは「専門家が選ぶ〇〇」とか。こういう切り口がいいというのは、それこそネットの記事にどういうタイトルをつけると読まれやすいか、バズるかとか。わりとそういうところでずっと研究されていることでもありました。
みなさんがTikTokとかリールの動画を見て「おもしろいな」って思うのと同時に、日々「この記事、なんか読んじゃったな」とか、そういうものもストックしておくと、切り口として使えるんだろうなと思って。
だからそういう意味では、ショート動画なんだけれども、人の目をどういうふうに向けるかという意味では、いろんな知恵が使えるなと思いました。
樋田:自分が日常生活の中で惹かれるものは、必然的にほかの人も惹かれますよね。ちなみに今の「7選」系のコツは、このあとキャッチコピーの話が出てくるので、その部分でもちょっと触れられたらと思います。
樋田:では2本目の動画にいけたらと思います。
(映像再生)
これもけっこう回ったんですか?
GEN:これは再生回数で言うと36万回再生ぐらいで、目的としてはフォロワー獲得を狙った動画です。1週間平均で300人ずつ、だいたい想定で2,000人ぐらい獲得できた動画かなと思います。TikTokでも2,500人獲得できた動画になってます。
ちょっとリールにまったく関係ない裏話なんですけど、これ実はPR商材で。企業さんに、この昇降デスクが12万ぐらいするんですけど「半額で、6万で買わせてください」って営業をかけて、実際に承諾してもらえたもので。
コンクリの昇降デスクなので僕も欲しいし、フォロワーさんも見てて「いいな」って思うし、再生数も取れそうでフォロワー獲得もできそうで、企業さんにも還元できそうだなと思って。
で、実際に結果が伸びて、申し込みも12件ぐらい入って、すごく喜んでいただけました。「今度、可能であればタイアップで商品を一緒に企画しませんか」みたいなお声掛けをいただいた背景があります。
樋田:めちゃくちゃ夢ありませんか? 自分が好きなもの、欲しいものを企業に「PRで出せ」って言って、そこからその企業と一緒に仕事するんですか(笑)。いやぁ、めちゃくちゃおもろいですね。
樋田:この動画に関してもポイントが3つあります。それぞれお話しできればと思うんですけど、「アフレコに挑戦! 想いを伝えよう」。これはどんな感じですか。
GEN:これも最近意識し始めたことなんですけど、みなさんアフレコは読み上げで使ってる方が多いと思っていて。
アフレコに関しては、やはり気持ちを伝えるとか、自分の感情を乗せる、フォロワーさんの中に入り込むために必要で、そのために使えるかなと思っていて。
なので僕の中でも、アフレコを入れた動画のほうが再生回数は伸びやすい傾向にあります。一概には言えないんですけど、アフレコに挑戦してみてもいいんじゃないかなと思います。
樋田:おもしろいですね。やはり音や声が入ってる動画は、もう顕著に違うんですか?
GEN:再生回数は企画によって変わるんですけど、コメントで「声が好き」とか「声が良くてもう1回見ました」とかがあったりするので(笑)。
樋田:それ、GENさんだから……。
GEN:それでなにかしらファンになってもらえるきっかけになると思うので、そういう部分では使ってもいいかなと思います。
樋田:そういう意味でいくと、商品とかサービスの魅力についてはテキストで触れてしまって、よりGENさんのことを好きになってもらいたいという魅力訴求として声を入れるということですね。
GEN:そうですね、人間感も出ると思うのでいいと思います。
樋田:おもしろいですね、ありがとうございます。
樋田:4つ目はもうSAKIYOMIの十八番ですね。
SAKIYOMIのアカウントをフォローしてくださってる方であれば、「Instagramキャッチコピー150選」とか、とんでもない量のキャッチコピーを出しているので、またぜひ見てもらいたいんですけど。リールでも同じようにキャッチコピー、コピーライティングの要素はあるんですよね。
GEN:そうですね。この動画だと、上から3つ目の依頼する形式を使っています。「ちょっと見てほしい」みたいな形です。
これはライティングとあんまり関係ないかもしれないんですけど、例えば「本当は教えたくない昇降デスク」とかいう切り口もできると思うんです。でもシンプルにフォロワーさんに見てほしかったので「ちょっと見てください」「ちょっと時間空けて見てください」っていう意味も込めて、依頼する形式にしました。人間お願いされたら見てしまうみたいな心理効果もあると思うので。そういう意味で「ちょっと見てほしい」にしました。
樋田:SAKIYOMIの中でも行動経済学の話をけっこう出していて。おそらく今回でいくと、フォロワーを取りにいくようなコンテンツとして「ちょっと見てほしい」のような、気を引くような言葉を出してると思うんです。これはリーチを取る動画でも使えるんですよね。
まさに天野さんが出してくださった「7選」とかも、かなり使えるコピーライティングだなと思います。スライドに書いてあるのはGENさん一押しの5つのコツなんですけど、またこのカンファレンスが終わったあとにも、SAKIYOMIの公式アカウントでもそういった投稿を出してるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
このままパクってもけっこう伸びる、成果につながるものもかなり多いので、みなさんぜひさっそく使ってみてもらえたらと思います。
樋田:最後、5つ目。「フォロワー転換率から刈り取りコンテンツを見つける」。ちょっと専門的な言葉が急にいくつか出てきているので、それぞれ解説をもらってもいいですか。「フォロワー転換率」って?
GEN:フォロワー転換率というと、リーチの中からどれだけフォローされたか。リールでフォロワー獲得しやすいコンテンツって何かという話です。
結論を言うと「親和性の高いコンテンツ」が僕の中の傾向としてあります。コンクリートの家なので、無機質なインテリアグッズとか、例えばコンクリートの部屋の実話とかを流すと、フォロー率が高くなる傾向にあるかなと思ってます。
ただ考え方的には、現在のフォロワーさんに向けて投稿した結果、外部に伸びるようなコンテンツがわりと理想的かなと思っていて。親和性が高い、質の良いフォロワーさんが獲得できるかなと思います。
樋田:なるほど。そもそもリーチは伸びなくてもよくて、本質的にはフォロワーさんたちに向けたコンテンツを作ることを意識するんですね。
刈り取りのコンテンツを測る指標としては、フォロワー転換率を数字として見ていくイメージですね。この辺りは再現性が取れるものなんですか? 「刈り取りコンテンツとしてこういうものが再現性高いよ」って。
GEN:ここはアカウントによってぜんぜん違うかなと思っています。分析していく中で、やはり投稿をストックしていく中で見極めていくものかなと思っていますね。たぶんそうあるべきで、僕だけのフォロワー獲得ができるコンテンツを探して、そこを中心に発信していくのが理想かなと思ってます。
樋田:なるほど、ありがとうございます。ご自身のフォロワー転換率の中で高いものを中心に選んでいきましょうということですね。
SAKIYOMIもそうですし、天野さんも本を出されてるので、みなさんぜひ買ってご一読いただければと思います。ではこれにて終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。
GEN:ありがとうございました。
天野:ありがとうございました。
(会場拍手)
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