紹介をつなげていくコツは、「紹介して」と言うこと

古瀬貴大氏(以下、古瀬):次の質問ですね、「紹介をつなげていく方法、気持ちよく紹介をもらう方法、秘訣などあれば教えていただきたいです」。

笹田裕嗣氏(以下、笹田):なるほど、ありがとうございます。紹介のコツってよく言うんですけど、ちゃんと「紹介して」って言おうねというのが一番だなと思っています。

もう1つが、気持ちよく紹介もらうところでいけば、結局誰にどんな紹介の仕方で紹介をしてほしいのかというのをちゃんと伝えていただくのが大事だなと思っています。まず大前提は、すでにその相手に貢献しているとか、なにかしら役に立っていること。これはもう大前提。

古瀬:間違いないですね。

笹田:予想以上の成果が出せているとか、取引になっていないけれどもなにかいろいろ情報提供してあげているとか、もっと簡単なところでいくとランチをご馳走してあげたとか、なにかしらの恩を売った前提のもと、誰にどんな伝え方で紹介してほしいのかということを伝える。そうしてあげないがために、紹介が生まれない営業をたくさん見ているので。

ぜひギブをした前提で、ターゲット、「こういう人がいたらぜひ紹介してください」「私のことはこうやってご紹介いただくと違和感ないと思います」みたいに伝えていただくのが良いかと思います。

「この便利なご時世なので、ご紹介できそうな方がいたらこのリンクをちょっと送ってください」みたいなかたちで紹介してもらって、十分価値があるケースが多いので。相手の紹介ハードルを下げることは意識いただいたほうがいいかなと思います。

「ギブ」がないのに、紹介はできない

古瀬:ありがとうございます。でも本当に「紹介してください」と言わない人だったり、あとは具体的なことを言わない人もいますよね。

私の場合だったら、新規営業の立ち上げで困っている人とか。インバウンドの問い合わせ営業しかやっていなくて、アウトバウンドをやりたいけどやれないという、立ち上げに困っている人がいたら、やるやらないは別に「相談の壁打ちをしてくれる人がいるので」みたいな感じで言ってもらえばいいんです。ハードルを下げて言っておけば、たまに紹介をもらえたりするんですよね。

あともう1個は、そもそもギブができていない。

笹田:いや、多いですよね。

古瀬:「くれ、くれ、くれ」という。ただ「くれ」ってお願いだけ言っとこうみたいなね。言われたところで.......というケースが多いんじゃないかなというのは、けっこうありそうだなと思っています。

笹田:結局そのギブ活動をしているからこそ、「こういうことをしてくれるから紹介する」というアクションになるはずです。ギブされていないのに「紹介して」しか言われなかったら、何をどう紹介するのか、説明だけじゃなく体験も提供できないので(困りますよね)。

闇雲に紹介をお願いしてくる人って、相手の信用を借りているという感覚を持てていないので、そもそも「関わらないほうがいい人」に認定される確率がめっちゃ高いです。

古瀬:そうですよね。ありがとうございます。まずギブした上でお願いする、ですね。

振り返りのポイントは「進捗率、良かった点、改善点」の3つ

古瀬:もう1個きました。「日々の活動の振り返りについて、大切なポイントを3つ挙げるとしたらなんでしょうか?」、振り返りですね。

笹田:振り返り。直近の進捗率、良かった点、やり直しなどの改善点、この3つですかね。

古瀬:今何パーセント進んでるのか、今日何が良かったか、やり直すとしたら何をやり直したいか、みたいな感じですね。確かに。

笹田:うちの日報の項目がそうなんですよね。

古瀬:確かにテレアポとかしていたらありますよね。「いや、惜しいのが2つあったんだよな」「こういうふうに言われていて」「あの時こう言っていれば良かったよね」みたいなのを振り返っておけば、また明日から使えますよね。これは大事ですね。

テレアポって、流れていっちゃうじゃないですか。それで「あっ、惜しい」というのをメモっておいて、あとで振り返るのは、超大事ですね。

笹田:古瀬さんもちょこちょこTwitterで絡んでいただいている、うちのメンバーも櫻林という人間も、日報を終わりに書くじゃなくて、業務中に書いているという話をしていました。正しい日報の使い方だと思うんですよね。

日報を1日終わったタイミングで書いちゃうと、思い出せない記憶があると思うんです。日報を先に埋めておくのは、「あぁ、賢い使い方だな」と思って。

古瀬:じゃあ業務しながら、終わっている頃には日報が埋まっているんですね。

笹田:埋まっていくんです。そうです。

古瀬:終わったあとに振り返るのが普通だと思っていたんですけど、確かに終わったら出来上がるって、いいかもしれないですね。

笹田:理想ですよね。

古瀬:今日の良かったこと悪かったことをメモって、あとでそれを見て振り返るんですよね。めちゃくちゃいいですね。良い話聞けた。

笹田:(笑)。

古瀬:ナイスな質問、ありがとうございます。

営業はオンラインでも訪問でも「相手」を意識することが重要

古瀬:また質問があります。「オンラインでの営業(初回訪問)は有効な手段でしょうか?」。

笹田:さっきの古瀬さんの話と重なる部分で、「有効な手段です」という回答になるかなと思います。見極めがちゃんとできるというところと、わざわざ会う価値を、お互いすり合わせができるので、それをした上でわざわざ会った時にはちゃんと提案ができる状態につながっていくんだと思います。

何を「有効」の基準にするかだとは思うんですけど、結論は有効な手段という判断でいいかなと。

古瀬:もしかすると、ふだん全部訪問しているという前提があるのかもしれないですよね。相手先が、例えば介護の店舗を回る営業だった時に、たぶん行かないと難しい。その上で初めてのアポの時という時。でも私だったら、たぶん「オンライン商談を打診してみる」という行動はするかもしれないですね。どうですか?

笹田:確実に聞きますね。

古瀬:そうですよね、笹田さんは部屋から出たくないですもんね(笑)。

笹田:「ちょっと忙しいので、早めにしたいのでオンラインでいいですか」みたいに(笑)。

古瀬:「行くとなると1ヶ月後なんですけど、オンラインだったら明後日でもいけます」みたいな話で。話してお互いに必要そうだったら「また進めましょう」みたいな感じにしますよね。

笹田:相手のお客さんが営業は訪問に来るからこそ云々.......みたいな世界観とか意識を持たれる方だったら、やはり会いにいったほうがいい。この点はやはり「相手」を頭に入れとかないといけませんね。

古瀬:状況によりますよね。ありがとうございます。

アポイントをとるコツは「3回ずつ」言うこと

古瀬:もう1つ、「アポイントをとるコツを教えていただきたいです。toBの求人広告の営業です」。これはまさに笹田さんの得意分野、求人広告ですね。

笹田:けど、シンプルですよね。「ありがとう」をちゃんと言う。「お願いします」をちゃんと言う。日程提示をする。これを全部、各3回ずつ言う形式だとアポ率は上がります。

いろんなことは言わずにちゃんと日程提示を3回言う。もう早めに言わないと3回なんて絶対言えないんで、「明日か明後日、ご都合いかがですか、お願いします」「いや、ちょっとその日は云々」「じゃあ、やっぱりあらためてこの日に」というのを言い続けていかないと、OKをもらえない。

あと「切り返しするな」というのはよく言いますが、切り返す前にまず答えてくれたことに感謝を伝えることと、あくまでテレアポはこっちからの新規テレアポなんで、迷惑電話をかけている前提で電話をかけていかないと「お願いします」が意外と出ないと思っています。

なので「よろしかったらどうぞ」とか、「なにか募集でお困りでしたら、ぜひ私にお声掛けください」「わかりました。じゃあ必要な時連絡します」と言われないように、「ちゃんと会ってください。お願いします」「電話出ていただいてありがとう」をちゃんと3回言いましょうというのが、このご質問の回答でございます。

古瀬:ありがとうございます。日程3回までいかない人が多いイメージですね。1回でくじけちゃうケースが多いですよね。

笹田:「あぁ、そうですか」みたいになりがちですもんね。

古瀬:そうですね。日程を打診した時に、痛烈なNGを食らいながら終わるという。

担当者とつながった時は「1分以内に日時の打診をする」

古瀬:担当者とつながった時は、「1分以内に日時の打診をする」というのを意識していたんですよ。

笹田さんも早く言わなきゃという話もあったんですけど、かけた理由と会いたい理由と「お願いします」「いついつどうですか」というのを、もう1分以内にギュッとして1回もう投げるんですよね。でも95パーセントそこで弾かれるんで、通ったらラッキーみたいな。

笹田:そうですね。

古瀬:一発目はそういう前提という、ジャブですよね。それに対して受け止めて「ありがとうございます。そうですよね」とか、ちょっと状況によるんですけど、質問を投げかけてみるとか。それはそれで「わかりました。ちなみになんですけど」となにか質問して、会話が発展するなら日程打診みたいな、そんな感じですよね。

笹田:その積み重ねですよね。

古瀬:おもしろいですね、ありがとうございます。次、ありました。「本会の資料やアーカイブシェアはありますでしょうか?」、動画のアーカイブ配信をする予定はなかったんですけど、笹田さんのOKが出ればコミュニティ内では貼ろうかなとは思いますという感じですかね。

笹田:OKです。

古瀬:公開はOKですかね? ぜひコミュニティに入ってくださいということで(笑)。ありがとうございます。

「ギブ」を作る方法は、経験・体験をかたちにすること

古瀬:あとはギブを与えられたらなと。「あえてギブを作る方法などございますでしょうか?」。

笹田:シンプルに私がよく言うのは、コンテンツ作るというのは「S1グランプリ」でも話をしたとおりで、経験・体験をかたちにする。

かたちの仕方はテキスト、動画、画像、いろいろあると思って。自分が「なんか聞けてよかったな」とか、「体験してよかったな」とか、ほかの人に伝えたいなと思ったことをかたちに残して、それをコンテンツとして届けると良いのかなと思います。

それを習慣化すると、今度は発想が逆で「これはコンテンツになるな」という感覚が徐々に目覚めてくると思うんですよね。そうなったらもう永遠にコンテンツ配信できる、作れる人になると思うので、ここを目指していただきたいなと思いました。

古瀬:私も最初「ギブってなにしたらいいかわからない」みたいな時があったんですけど、「こういうこと知りたい」とか、「こういう人とつながれるとうれしい」とか、そういうのあったりしますか? みたいなのを最後に言うと、「あぁ、そうだな」「競合情報欲しいかな」とか「ほかの営業代行の手段ってどういうものがあるのか知りたい」とか(出てくるんですよね)。

そこで「あぁ、なるほど」「それだったらテレアポ以外にもメールの送信があって、こういう業者とこういう業者がいて、ここがおすすめです」とかというのを伝えてあげたりとかすると、すごくよろこばれたりします。なので聞いちゃうというのも手ですよね。

笹田:そうですよね。自分で作るだけじゃなくて、聞いて求められたものをコンテンツにしていくような、情報として届けるだけでも十分よろこんでもらえますよね。

「気持ちの良い売上」を作ることにこだわる

古瀬:ありがとうございます。どんどんきていますね。ちょっとスピードをあげましょうか。「今年の営業ハックの目標と笹田さんの個人の目標を知りたいです」。

笹田:ありがとうございます。会社の目標は新年に言ったんですけど、「売上にこだわります」と社内で言っていて。営業会社なんで稼ぎにいきますよという話を、社内で宣言しました。

ただ「売上を稼ぐ」というところが、「気持ちの良い売上を作っていこうね」という、今回お話しさせてもらった内容とも重なるんですけど。相手にとっても「払ってよかった」と思える成果を上げること。貢献して、お手伝いしてよかったお客さんをちゃんと作っていく、育てていく、見つけていくということで。

気持ちの良い売上を作っていこうと話をしたので、それがうちの会社の目標になりますね。私個人の目標は「S1グランプリ2連覇」を社内で言っております。私じゃなくてうちの社内の誰かができたら理想だなと思いますね。

古瀬:なるほどですね。

笹田:私がまた出なきゃいけないのか、ほかのメンバーに託せるのかということをちょっと話を聞きながら今やっています。

古瀬:なんですか、めっちゃ楽しみなんですけど。

笹田:会社として、そういう人を育てることが私の個人目標ということで、今年は掲げておりますので。

古瀬:これはおもしろい。ありがとうございます。

実績がない業界で新規営業する時の訴求の仕方

古瀬:まだきていますね。「もし自社製品で実績がない業界で新規営業する場合、どのような方法で営業されますか」。

笹田:なるほど。業界で実績がないのであれば、実績の横展開じゃないですけど、「こういうところが似た業界で」とか、共通点を作って伝えていくしかないと思います。

実績の訴求というのは結局「本当にできるの?」という、安心感をいかに訴求できるかという話と、相手が想像できる状態を作るという話になるので、その目線で見ると、すでにある実績をお客さんの言葉や業界に置き換えて、当てはめて、共通点を見つけて伝えるということを意識いただくべきかなと思います。

古瀬:ありがとうございます。ちょっと私からいくつか聞きたいことがあって、時間があまりないんですが、「CPS」という言葉がすごいいいなと思いました。「成功顧客獲得コスト」、なんかもっと広めていきたいですよね。

「受注したい、したい」と言ってあれやこれやして、CPA安く受注するのは、企業目線だよね、自社目線だよね、というのがあるじゃないですか。

だけどそのお客さんも成功するという(視点があると)、そんなお客さんをどう獲得するかの議論になりますよね。自社と合っているお客さんを獲得して、必ず成功させて、よろこんでもらって、LTVが長くなって......という世界軸の話だと思うので、そういうところに目を向ける人が増えるといいなと思いました。

笹田:いいですよね。

古瀬:すごい素敵な言葉だなと思って。

笹田:代行会社とかだと、なおさらそういう場面に直面します。無形商材メインでやっていると、どうしてもコミュニケーションが商材になったりとか、対話が商材になったりするので、この目線って大事だなということを、仕事柄感じて出た一言でございます。

古瀬:めっちゃ刺さりまくっていました。

笹田:ありがとうございます。

「特別扱いされている」と感じてもらうための方法

古瀬:これ、最後にしましょうか。「特別扱いと感じてもらえる方法や秘訣など、時間あれば教えてください」。

笹田:一番手っ取り早い方法は即レスですね。「一番優先度が高い」といかに思ってもらうかが大事だと思います。結局「私のことを大事に扱ってくれているな」と思ってもらうためのコミュニケーションは、まずはリアクションを示すことから始めていただくのが大事です。

一方で、言われたことにちゃんと対応する。特別扱いの前に言われたこと、やるべきことをやってねという前提があって、プラスアルファが特別扱いと思ってもらえるポイントだなと思っています。まずは丁寧に大事に、「あなたのことを思っています」と態度で示していただく。そこから始めていただけると良いかなと思いました、というのがこの質問の回答でございます。

古瀬:ありがとうございます。ちょうど1時間半ということで、笹田さん、長時間ありがとうございました。みなさんも平日の夜にも関わらずご参加いただきましてありがとうございます。

今年もまたS1グランプリのために準備していきますし、セールスギルドのコミュニティ内で勉強会とか交流会とか、あとSlackでの交流など、「営業で自己実現」を掲げていますので、ぜひやっていきたいなと思います。

ぜひその輪の中に入っていただいて、みなさんでつながって、学んで成長して、選択肢がある状況になって、自己実現していくことをみんなでしたいなと思っています。ぜひよろしくお願いします。それでは、みなさん本当ありがとうございました。

笹田:ありがとうございました。