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【S1グランプリ王者 笹田氏が語る】トップセールスになる10個のコツ 〜生産性を爆上げする秘訣〜(全6記事)

営業の提案が「ズレる」のは、本音と本気がぶつかり合っていないから トップセールスが定義する「関係性」の作り方

スタートアップ、新規事業、ベンチャー企業、中小企業向け法人営業支援を行うセールスギルド株式会社は、日本最大級の営業の大会「S1グランプリ」を運営しています。今回はそのS1グランプリで優勝した株式会社営業ハック笹田裕嗣氏が登壇したイベントの模様をお届けします。セールスギルド古瀬貴大氏とともに、「トップセールスになる10個のコツ」について語りました。本記事では、「関係性」を作るために必要な視点と、そのためのツールの使い方について語られました。

トップセールスが考える「関係性」の定義

笹田裕嗣氏(以下、笹田):では次の話です。「関係性って何?」というのがみなさんへのお題になります。これもぜひ自分の言葉で考えてみていただけたらと思います。関係性って何ですか?

もしかしたら今年の4月から新人、新卒、後輩が入ってくるかもしれません。その後輩から「先輩、関係性って何なんですか?」と聞かれたら、なんて答えますか。逆に言うと、定義ができていないと、やるべきアクションやコミュニケーションの取り方が変わってきます。

「関係性」は関係なので、相手と自分とのつながりをどう定義するかです。

例えば私の嫁であれば、結婚しているので、関係性で言えば「結婚関係」ですよね。私には息子がいますが、それは「親子関係」です。上司と部下であれば「上司と部下の関係」ですし、友達であれば「友人関係」です。

ではお客さまとの関係とはなんなのかという目線で見た時に、当然営業側からすれば「お金を支払っていただく関係」。お客さま側からすれば、こちらに対して求めていることは「利益を出してもらう関係」ということで、顧客になってからお金だったり商品・サービスを提供することで、関係は成立しています。

一方、契約いただく前の関係はなんなのか。どこを目指していかなきゃいけないのかというところをぜひ考えていくと、私はこういう分解をしています。

関係性とは、「本音と本気の度合い」である。お客さまのことを理解できている、かつお客さまが自分のことをちゃんと伝えてくれる状態が作れている。かつ、我々営業のことをお客さまがちゃんと理解をしてくれているということです。

関係性ができていないと起こる「提案のズレ」

これは別件でみなさんに考えていただきたいんですが、みなさんはお客さまから何屋と思われていますか。これを聞いた時に、けっこう答えられない会社の営業の方って多いんですよね。

「まぁ、何でも屋かな」みたいな回答をしてしまうことが多いんですが、あらためて営業との関係、見込み客段階、契約手前の関係でいくと、お客さまのことを理解する。お客さまにもっと話してもらう。自己開示をしてもらう。そして自分たちのことも理解してもらう。まさに本音と本気、この度合いを高めていくこと。

ここを先に作っていかないと、問題としてなにが起こってしまうのかというと、結局提案がズレちゃうんですよ。さっき「ニーズに合った提案」とお話しさせてもらいましたが、本当に相手のニーズに合った提案をしていこうと思ったら、本音と本気がぶつかり合っていないと会話が成立しないはずです。

なので私は、営業のプロセスを分解・分析をしていった時に、「ラポール」「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」。この4つのステップが重要ですとしています。そして重要度でいくと、この順番どおりなんですよね。関係構築をして、ヒアリングをして、プレゼンをして、クロージングをする。

このご時世、クロージングの重要度がどんどん下がっているというのは、いろんなデータでも出ているんですが、やはりこちら側の言葉をちゃんと理解してもらえる関係を作らなければいけない。お客さま側でもこちらの信頼をしっかり得なければいけないので、あらためて「関係作り」(が重要とお伝えしたいです)。

言葉をかっこよく言うと「リードナーチャリング」という表現もあったりしますが、ナーチャリングは相手とコミュニケーションをとって、メールを送ることを目的にはしないです。

相手が本音で話してくれる「関係作り」につながっているのかどうか。また本気でこちらの話を聞いてくれる状態が作れているのかどうか。この点をぜひ意識いただきたいなということでこちらのポイントを挙げさせていただきました。

疲れる努力の前に、嫌われない準備をしてから

「関係性の強化」ということで、コミュニケーションは必ず相手が存在しなきゃいけません。コミュニケーションの見方を変えていくと「発信と受信」ですので、発信と受信のバランスを見た時に、最終的にはパートナー関係につながっていかなきゃいけないですよね。

発信と受信のマトリックスを分けて考えていくと、顧客の自己開示、そして顧客理解、これが双方高まって初めてパートナー関係になれます。これを意識していただきたいなと思っています。

そしてこのパートナー関係を目指そうと思った時に、「とにかくたくさん情報提供すればいい」「とにかくリードナーチャリングだ」ということで、いろんなかたちでコミュニケーション量ばかりを増やしてしまう営業の方が多いんですが、まず前提として、疲れる努力の前に、嫌われない準備をしてからコミュニケーションの総数を増やしていただきたいなと思います。

相手にストレスのかかるコミュニケーションをしてしまっていないかどうか。メールが好き、電話は嫌いと言っているのに電話しまくって「ご検討状況はいかがですか?」って聞きまくっていませんか? 相手から質問をもらったにもかかわらず、その質問をスルーしていませんか? こういった点をぜひ意識いただきたいなと思います。

相手の状況に合わせた情報提供、自己開示をしっかりしていきましょう。

「未来」の部分で相手の期待を高めること

もう1個、類似したみなさんへの問いかけがございます。「情報提供したら仲良くなれるって本当ですか?」ということなんですが、さっきさらっとお話しをしました、リードナーチャリングについてです。

情報提供イコールリードナーチャリングではありませんということで、メールを送ったから、電話をかけたから、SNSで投稿したから自然と関係が深まっているのかといえば、決してそうではない。

関係が深まっていく、さっきの本音と本気という基準で見ていった時に、相手は常に未来の予測をしています。

「期待ができるな」「面倒くさくなさそうだな」「手間かからなそうだな」。こういった部分の相手の期待を高めていく。「ストレスなさそう」「コストがなさそうだな」という未来を描かせること、想像させることがリードナーチャリングです。

みなさんがお客さまに良い印象を持ってもらうためのコミュニケーションですので、情報を送ったから、メルマガ送ったからそれが成立するのではなくて、それを成立させるためにコンテンツを作っていただきたいと思います。この点がここでのお話しでございます。

営業にSNSは必要なのか?

では、もう少しお付き合いいただければと思いますが、「あなたの営業にSNSは必要ですか?」ということで挙げさせていただきました。先ほどTwitterにみなさんアンケートをお答えいただいて、最終的に今139票ですね。ちょっと他の方もご回答いただいているかと思うんですが、ちょっとみなさんまたZoomのチャットにリンクを貼らせていただきました。

みなさん、今一番力を入れたいツールってどれですか? ということで、今Twitterのアンケートを貼らせていただきました。みなさんこちらにまたお答えをご回答お願いできますでしょうか。

現時点の中間発表でいきますと、メール51.5パーセント、Twitter24.2パーセント、電話21.2パーセント、Facebook3パーセントということで、世の中の時勢がわかるような数字だと思います。やはりFacebookがちょっと伸び悩んでるなみたいなところはわかる部分かと思います。

今51人の方から回答いただきましたが、1位、メールです。47.1パーセント、営業で力を入れたいツールはメールですという回答をいただきました。メールすごいですね。続いてTwitterがTwitter25.5パーセント、電話が23.5パーセントというかたちで回答いただきました。

ということで、今みなさんが力を入れたいツール第1位は実はメールだったというところなんですが、ちょっと見方を変えていきましょう。

自分の活動をより有効にするツールはどれか

みなさん自分なりの答えを考えていただければいいんですが、「新規のアポイント、一番増えるツールってどれですか?」というお聞きをすると、けっこう最近だとやはり「Twitterに力を入れたいです」とか、「なんだかんだテレアポかな」とか「電話かな」とか。

「いや、最近だと一斉送信でメールを使って」とか、Facebookで過去のつながりにメッセージを送る、メッセンジャーでやり取りしたほうが取れるんじゃないかとか。いろんな視点が出てくるんじゃないかなと思います。

もう1個、次の問い、ちょっと赤字で文字を追記しました。「今日中に」というともう時間がありませんので、明日までに5件アポイント増やすとしたらどれをしますか?

これは圧倒的に「電話」が多いんですよ。やはりなんだかんだクロージングしていく、アポ取りしていくとなると、もうなんでもいいからとにかく電話をかけたほうが、今日中の5アポだったら反応高いよね、効果出るよねという回答が多いです。

一方でまた違う問いです。「一番手軽にできるのはどれですか?」というと、「手軽と言ったらとりあえずTwitterかな、140文字だし」みたいなかたちの回答が増えてきます。「電話よりはメールのほうが楽かな」とか。

そうしたらこれまた違う問いです。「やり取り、コミュニケーションを資産化できるのはどれですか?」でいくと、やはりTwitterとかFacebookのSNSなんですよね。

結局、電話をかけても一対一のコミュニケーションにしかならない。

今回の「S1グランプリ」、もう1個私が持っていたテーマとして「レバレッジ」という言葉があるんですが、自分の活動をより有効にしていくために、どれが使えるのか、なにを使っていこうかと思った時に、コンテンツ化していくということが1つのキーワードでした。

ただコンテンツ化のツールは、やはりTwitterやFacebook、YouTube等も含めて、SNSかなというところです。

コンテンツ化することでの「レバレッジ」の効果

そしてもう1個です。「最も関係強化ができるツールはどれですか?」。これは正直人によって回答はまちまちなんですが、こういったツールを選んでいく、コミュニケーション手段を選んでいくにあたって、みなさんが営業したい相手は本当にSNSがベストなのかということを考えなきゃいけないんですよね。

最後、もう1個「接触回数を最大化できるのはどれですか?」と言った時に「Twitterかな」とか、最近だとインプレッション数も出ますからね。

「Twitterかな」とか、「なんだかんだ身内のつながりでいけばFacebookかな」とかいろんな視点もあるんですが、最後の判断軸としては、お客さまが使っているのはどれか。自分が取引をしたいと思っている相手が使っているツールという目線で、今年のトップセールスを目指すという目線でジャッジをしていただいたほうがいいかなと思います。

これらの共通点は、全部スマホで完結できること。もちろんメールや電話をパソコンでやるというケース、Twitterはパソコンから投稿していますという方もいらっしゃると思いますが、どれもスマホから対応できちゃうんです。なので、みなさんの貴重な営業時間をスマホに投資するとなった時にどれを選べますかというのは、常に頭に入れておかなきゃいけないというところです。

今回のテーマは「トップセールス」なので、今年トップセールスになる、短期間でトップセールスになるということであれば、SNSをやっているよりもこのスマホにかけている、ボタンを押している時間を、ツイートを投稿するんじゃなくて、電話をかけていたほうがアポ増えませんか?

そういった発想は持っておいたほうが良いという部分です。

ただ、繰り返しですがコンテンツ化することによってレバレッジが効いていく。関係作りにつながっていく。自分の知名度・認知度を上げていく。

何に時間を割くのかの「線引き」

さまざまな効果がSNSにあるというのも事実なので、ここはぜひ各ツールにおいての費用対効果を短期・中期・長期で意識いただいて、「本当にTwitterやっている場合なのかな」「本当に電話ばっかかけていていいのかな」、このあたりの線引き、ジャッジはしていかなきゃいけないですよね。

私も偉そうに言っていますが、TwitterやYouTube、TikTok、いろんなコンテンツ配信をしてきた中で、「本当にこれに時間を割いていいのか」っていうのは常々考えていかなきゃいけない。そんな時代になったなと思います。

なぜこんな発想になったのかでいけば、昔ほど大量生産、とにかく投稿しておけば、とにかくコンテンツを上げておけば伸びるかでいくと伸びづらい時代になったからというところですね。

YouTube、TikTokでいけばとにかく本当に毎日投稿、1日3本YouTube動画上げていたら伸びたんです。上げれば上げるほど。ただ、今って動画を上げれば上げるほど、コンテンツを上げれば上げるほどアカウントが育っていくか、伸びていくかでいくと、その成長速度が鈍化してしまっています。

ユーザーが増えたこと、AI等で分析スキルが上がったこと、評価がされづらくなったみたいなところもあるので。繰り返しになりますが、あなたがこのスマホで営業ができるこの便利なご時世の中でどのツールに一番時間を割くべきか、ここはぜひ考えていただく、そんなことが大事な時代になったなというところで投げかけさせていただきました。

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