2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
トレンド経営学『出世競争を意識してしまうあなたに』(全1記事)
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加藤想氏:新入社員として入社した時点で転職を検討している人が、この10年間で20倍以上に増えている。こんなことがニュースになるほど、最近はキャリアの選択肢が広がっています。
ただ、転職が当たり前になってくるほど、「自分は本当にこのまま同じ会社にいていいのか?」という不安を持つ人も多いようです。
ちょうど先日、大手企業に勤める友人がこんな悩みを打ち明けてくれました。「今、自分は会社の中で、出世ルートに乗れていない気がする。自分なりにがんばったつもりだが、あまり評価してもらえない。転職すべきか今のままでいいのか迷っている」。こんな内容です。
自分の出世について悩んだことがある人は多いと思います。私も実際に悩んだ時期もあります。キャリアに迷うことは悪いことではなく、必要なステップです。ただ、そのことばかりにとらわれてしまって悩むことは避けたいと思います。今回は、この悩みに直面した時に私を助けてくれた考え方を3つご紹介します。
まず1つ目は、評価軸を変えることです。「思ったとおりの評価ではなかった」ということは、自分の評価と上司の評価がずれていたということです。
上司から評価されないからといって、自分のアクションの価値が低いかというと、必ずしもその2つは一致しません。自分の市場価値が上がる行いをしていたか、まずは自分の中で再評価することも重要です。
もちろん、上司とのすり合わせは本当に大事だと思います。ただそれ以上に、やっていることが市場にとって価値があるか、つまり顧客に喜ばれることができたかが大事です。
無印良品を成長させた松井(忠三)社長も、もともとはあまり評価をされた人ではありません。むしろ「使いにくいやつ」と思われていたようで、無印良品への異動も左遷に近かったようです。
ただ、「やらないといけない」と思ったことは、最後までやりきらないと気が済まない。このプロ意識を持って仕事に取り組んだ結果、今のキャリアにつながったそうです。
同じ上司と一生働き続けるということはありません。職務履歴書に胸を張って書ける価値のある仕事ができたのか。このように(自分自身に)問いかけてみるのも良いのではないでしょうか。
続いて2つ目は「振り返りをして、動作レベルで計画を立てる」です。過去を振り返ることはとても大事です。「もっとこうすれば評価されたんじゃないか」とか、振り返ることで反省点や気づきが得られる場合もあります。
そこで「次はこれをがんばろう」と意気込む人もいるかと思いますが、個人的には意気込んでも変化しないのが人間だと思います。
「意識する」という動詞表現よりも、「具体的に何をすれば良いか」という動作レベルまで落とし込まないと、行動を変えるまではなかなかたどり着けません。今からでも、動作に移せる表現で言語化をすることがおすすめです。
最後に3つ目は「目の前のことに一生懸命取り組み続けることがプロ」という考え方を持つことです。大きなことを成し遂げることは、社会人人生の中でも一度あるかどうか。重要なことは、目の前の仕事に対し、いかに手を抜かずに向き合い続けることができるか。これだと思います。
グロービスの講師の中にも、30代後半の時点で係長という役職だった方で、現在は上場企業の社長をされている方もいます。この方も同じことを言っていました。
重要な仕事の多くはめんどくさいことが多いです。腐らずに、愚直に目の前の仕事に取り組み続けることが、真のプロフェッショナルだと気づかされました。
今日は「出世競争に悩んだ時の考え方」についてお話ししました。評価軸を変える、動作レベルの行動計画を立てる、目の前のことに一生懸命取り組む。これらによって私自身は少し前向きになれました。不安を抱える方が少しでも前向きになるきっかけになればうれしいです。
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