情シス主体ではなく、事業部発信で行うDX

高橋淳也氏(以下、高橋):弊社の土壌をご説明します。DXを推進していた当時、経営としては主力事業のエン転職が再成長していましたので、この拡大を止めないことがとても大事なミッションでした。

じゃあ情シスはというと、基幹システムのリプレイスなどが動いていたので、そちらのほうが緊急度が高い。私たちの会社はどちらかと言ったら営業の事業が強い会社なので、事業が先行してコーポレートが後からついてくるという風土でした。

ということは、事業部発信でDXをやってもいけるなと思いました。私はもともと制作部にいたので、いける範囲でちゃんと考えていって、制作部長が動かせる範囲で人とお金を動かしました。

企画部に異動したら、今度は上司が事業部長になるので、事業部長が動かせる範囲のお金と人の中でやりくりをするようにしていました。プロジェクトオーナーの権限範囲をしっかり考えながら、できることを着実にやるということを選択しました。

「きっと土壌にタネはある」と考えたんですが、全員一気に育てるのはちょっと難しそうじゃないですか。優先順位をつけなきゃいけないですし、タネの選別をしなきゃいけない。

タネって茶色いじゃないですか。人材で言うと、外から見てわかることって「経験」「異動履歴」「資格」などだと思います。一方で、本当に大事なのって“タネの中身”じゃないですか。中身というのは「主体性」とか「論理性」の部分です。

デジタル人材を集める際には、公募や立候補制が有効

高橋:私たちは採用領域の仕事をずっとしていて、「3Eメソッド」というものを提唱しています。その会社に合った人材を採用して、その方を適切に評価して、足りない部分を教育で補う。そうすると会社の業績が上がって、「また採用したい」とオーダーをいただく。この正の循環をグルグル回したいというのが、私たちの願いです。

この3つの輪の中で一番大事なのが採用です。採用・配置が一番大事なので、ちゃんと意思のある人を配置する。ですのでDX推進人材を集める時には、公募することや立候補制はすごく有効なんだと思います。

さらに、特性まで見られると理想的です。特性とは何かというと、人材の評価の部分はよく氷山モデルに例えられます。氷山の水から上に出ている部分が、態度、資格、経験、スキルです。一方で水の底にあって見られないのが、知的能力、性格特性、価値観・指向。

見えないからサーベイをしましょうということで、私たちには独自開発した適性テスト、「Talent Analytics(タレントアナリティクス)」というものがあります。健康診断みたいなものなので、私たちの会社では毎年これを受けます。

ちなみにこれ(スライド下部)は私の結果なので、写真を撮って流していただいてもぜんぜん大丈夫です。こういう適性テストの結果が全部プールされていて、本人の希望と特性を併せながら人員配置をやっています。

人材を芽吹かせるためには「ポジティブな刺激」が必要

高橋:私の性格特性は、主体性が強いんですね。もう1つ特性として強いのはコミュニケーションスキルで、人の話を聞くよりは、論理的に自分から伝えるのが得意です。なのでDX推進組織の最初のコアとしては、論理性が一定あって、自分からガンガン動くような人を最初に配置をしたほうがいいと思います。

ちなみに冒頭で説明があったkintoneのEPC(エンタープライズ企業のユーザー会)で、この適性テストを受験して結果を見せ合う勉強会をやったんですよ。だいたい主体性が高い人が多かったです。最初のコアとしては、主体性のある人を配置するところがポイントかなと思っています。

タネにある程度優先順位をつけたら、芽を出してもらわなきゃいけないですよね。どうしたら芽が出るかというと、一般的な植物だと水分、酸素、温度が必要ですよね。「春だな。芽を出そう」となるじゃないですか。

このポジティブな刺激は何かというと、今年のkintone hive tokyoの高取(剛充)さんという方の発表を見て「これだな」と思ったんですが、kintoneを触ってみて「こんなに簡単なの? 他の人に感動を伝えたい!」という部分がスイッチだと、私は思っています。

私は学生時代は理系出身で、教養の授業でプログラミングを勉強したんですが、プログラミングの結果が出るまでってちょっと長いんですよね。ちゃんと環境を用意してあげて、プログラミング言語を学んで、コードを書いて一定の処理をして、やっとHello Worldが出てくる。

一方でkintoneは、デモ登録してマウスでドラッグ&ドロップしたら「もうできた!」というのには私も感動しましたし、当時の営業出身の部長も一緒に触って、「これおもしろいじゃん。やろうよ」という感じになっていました。たぶん、「できる」という感覚がスイッチになっていくんだと思います。

安心して失敗できる環境で、自信が育まれる

高橋:もうちょっと専門用語で言うと「マインドセット」というものがあります。「Growth Mindset」と「Fixed Mindset」です。Growth Mindsetは学ぶこと・成長することが重要だという考え方。Fixed Mindsetは、人の能力は最初から決まっているという考え方です。

みなさん、もしくはみなさんの会社はどっちの人のほうが多そうですか? 多くの方は両方を持っています。「両方を持っていて、傾向が違う」みたいなイメージなんですが、DX推進だとGrowth Mindsetにシフトする必要があります。

「新たなスキルは習得できる」というふうにマインドを変えていく必要がある。そのマインドはどう変えられるかというと、経験から形成されます。小さい成功体験を積み重ねてあげて、「失敗した」とか「うまくいった」じゃなくて、「チャレンジしたからよかったね。発見があったね」ということが大事です。

ここでノーコードが効いてきます。ノーコードは簡単にできるということがわかる。それからkintoneは1,000個アプリを作っていい。定額ですから、何回でも失敗できるんですよね。安心して失敗できるからちゃんとチャレンジできて、手ごたえがあって自信が湧くというのが、マインドセットの醸成の仕方です。

これでスイッチが入ると芽が出ますので、今度は育ててあげなきゃいけないんですね。芽にスクスク育ってほしい。その時の栄養は太陽や水分だと思います。

イメージとして、太陽はなんとなく「成功体験」かなと思うんですが、成功体験にもポイントがあって、関係者が少ないとか確度が高いものとか、小さなプロジェクトからやったほうがいいんです。成果が出ると自信が湧いてきます。

まだ新芽の状態はちょっと弱い状態なので、ちゃんと成功体験を積ませてあげることが大事だと思っています。私もDX人材を迎え入れた時は、最初は簡単なものから仕事を任せて「ちゃんとできたね」と補うようにしています。

心の成長にとって大切な「ストローク」とは?

高橋:もう1つ「ストローク」というものがあります。ストローク、聞いたことがある人は手を挙げていただいていいですか?

(会場挙手)

ちょっといるけど、ほとんどいない。ありがとうございます。解説しますと、私たち人間の肉体の成長には栄養や睡眠が必要です。でも、心の成長には人との接触から得られる刺激が必要で、これを「ストローク」と呼びます。ストロークは、子どもにも大人にも両方必要です。

ストロークは「あなたの存在を認めています」という存在認知のメッセージです。語源は「なでる」ですね。子どもをなでてあげると、「ここにいていいんだな」「ここで勉強しよう」となるんです。なので、まずはストロークが大事です。

この話をすると「褒めるってことですか?」という話になるんですが、違うんです。存在を認めることが大事なので、「仕事だからやって当然でしょ。DXをやってよ」というふうにやると、めげちゃいます。肯定的と否定的なストロークで言うと、当然肯定的なものが人間関係を前向きにします。

次に「褒めるのは結果が出てからだよね」「かたちになっていないと何も言わない」。これも良くなくて、ストロークも条件付きか無条件かでいうと、当然無条件の愛のほうが子どもはスクスク育ちますよね。これは大人も一緒です。

“過剰な栄養”も“栄養不足”も、人材育成を阻む原因に

高橋:「僕はそれを承認していないから何も言わない」というパターンもあると思うんですが、これが一番良くないんですよ。ノンストロークというのは無視なので、存在を認めていないのは一番ダメなんです。ですのでDX人材が何かやり始めている時は、ストロークをたくさん送ってあげる。

このストロークとは「握手」とか「ハイタッチ」なんですが、リモートではできないとしても(画面越しに)ちゃんと微笑む、頷く、相手の目を見る、耳を傾ける。それから励ます、挨拶するとかもそうです。ちゃんとポジティブなストロークをしてあげると、「私はこの場所でkintoneを覚えたり、DXをやっていいんだ」という自信が芽吹いていく。

そうなると芽が育っていくんですが、(DX人材を)守ってあげなきゃいけないんです。芽が育たない阻害要因として“栄養不足”もあるんですが、それ以外には「会社の未来が君の肩に掛かっている」という、“過剰な栄養”ですね。

「10年後のことまで考え抜いたのか」「その覚悟で本当に実現できるのか」という、日曜劇場みたいなことをやられると、ちょっとつらいですよね。新芽はまだ弱くて、過度な期待はプレッシャーになってしまうので、ここをちゃんとセーブしてあげる必要があります。

ですので、芽が苗になるまでは守る必要があって、上位役職者が傘を差したり、ビニールハウス的な臨時組織を作ってあげて、そこで育てることが大事です。

私もこれをやり始めた時に、当時の部長に「事業部長に言っておくから自由にやっていいよ。責任は取るから」と言ってもらったので、すごく安心しました。傘を作ることがポイントかなと思います。

給与や福利厚生といった「衛生要因」の動機づけは続かない

高橋:芽が出て、苗が出ました。ここからぐんぐん育ってほしい。じゃあ、どうやったら植物や生き物は生存し続けられるかというと、繁栄できることが大事です。「動機づけ理論」という一般的な理論でもあるんですが、若干エン・ジャパン側でアレンジをしています。

動機づけ理論には2つあります。1つが「衛生要因」で、給与、賞与、勤務時間、福利厚生です。これは不満の防止にはなるんですが、給与が不満だったら嫌じゃないですか。でも、上げ続けると上限がないですよね。なので、衛生要因だけの動機づけは続かないんです。

それよりも「動機づけ要因」という、職場の人間関係や共感できる社会性とかでちゃんと動機づけをしてあげると、やる気が続きます。

もうちょっと解説をします。育ちたくなる環境(動機づけ理論)は7個あると弊社では考えています。1つは「人間関係」ですね。ちゃんと信頼できる仲間と一緒に仕事ができるとやる気が出ますよね。「承認・称賛」は、チャレンジするほどちゃんと応援してもらえること。「達成」は、やったことがちゃんと結果になるということですね。

それに通じる成長ができる「裁量・責任」は、「ここまでできたのなら、新しいツールを入れていいよ。自由にやってごらん。これだけの予算あげるよ」というものです。「貢献」というのは、自分がお世話になった事業部や、昔お世話になった先輩や後輩をちゃんと支援できていること。

それから「主観正義」というのは、業界や社会、自分の会社に対して正しいことをしているんだという実感です。これがあると人はグングンやる気になって、エンジンが回っていきます。

デジタル人材の企画力を構成する3つの要素

高橋:私たちは、デジタル人材の企画力をこういうふうに因数分解しました。「現場をしっかり把握していること×問題解決ができること×専門スキル」です。

kintoneが「専門スキル」の部分なんですが、さっき言った内製開発の組織の専門スキルはあまり重視していません。それはkintone自体が覚えやすいからです。それよりも、現場がわかっていること、それから正しい問題を整理できることに注力しています。

社内異動だから、人と業務を理解しているんです。目を閉じたら「あの人が困っている」というのが浮かぶんですよね。あのお客さんがこんなことを言っていたからやる気が出るし、主体的に取り組むことができる。ですので、正の循環がグルグル回っていきます。

研修内容を説明すると、kintoneは公式資料をフル活用させていただいています。本当に資料がたくさんあるので、それを使って育成しています。

それよりも力を入れているのは「問題解決スキル」で、WHAT、WHERE、WHY、HOWというコンサルが使うようなフレームワークや、ロジックツリーの作り方、鉄の三角形、プロジェクト管理(WBS)。これはコアな技術なので、しっかりと私のほうで研修を組んでやっております。

なので、このコアを育てることで、ツールが変わっても会社の変革に貢献できるデジタル人材を育てようと思っております。

「完璧な会社」は存在しないからこそおもしろい

高橋:「そして『宝島』へ」ということで、今日のまとめです。先ほど、会社が「島」だとお伝えしました。島由来のタネから芽が出て、花が咲きます。島由来のタネから出た花なので、その会社にしかない花なんですよね。そこから生まれている果実がDXの成功なんじゃないかなと思っています。

私自身、昨日も今日も(Cybozu Days 2022に)参加させていただいていろんな事例を聞いたんですが、各社でDXの事例も違っていて、それでいいんじゃないかなと思っています。

たぶんそこ(各社ならではの取り組み)を目指していったほうがよくて、正解を押しつけるというよりは、自社流にどうやっていくか(が大事です)。自社の中からどんどんタネが芽生えていくと、島がちゃんと宝島になっていくんじゃないかなと思っています。

まずは土壌をしっかり調べる。DX推進をする立場の人たちが、なんで自分はやりたいのかという気持ちをちゃんと整える。その上で人材を見つけて、人材を芽吹かせて、ストロークを送って励まして、やいのやいの言うものから守ってあげて、「ずっとやり続けたい」という動機をちゃんと醸成してあげると人は育つ。

2,000社くらいの企業を取材させていただいたり、求人広告を書かせていただいたんですが、「完璧な会社って存在しないんだな」というのが私の持論です。いろんな会社がありますが、会社は法人なので「人」なんです。みんな個性があるし、完璧な会社がなくて凹凸があって、だからおもしろいと思うんです。

ですので、私は会社の特徴を活かすDXをやってきましたし、そのお話がみなさんのお役に立てば、これ以上の喜びはございません。ご清聴ありがとうございました。

(会場拍手)

人材育成において、専門スキルよりも重視していること

渡會さくら氏(以下、渡會):高橋さま、ありがとうございました。ここから残りのお時間までは質問タイムということで、みなさまを代表して私からいくつか質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

本当に熱いお話をしていただいたんですが、土壌にあるタネ、つまり社内のメンバーの方を育成されて育てていくところをメインにお話しいただいたと思います。

とはいえ、最近も中途入社で新しく入られた方がいらっしゃるとうかがったんですが、外から採用される時のポイントについて、高橋さんがどういったところを見られているのか、もしよろしければおうかがいしたいです。

高橋:わかりました。先ほどご説明した資料にあるんですが、このDX人材は企画力を前提に考えていまして、専門スキルはあまり重視していません。

専門スキルはもう教えればいいと思っているので、まずは私たちの会社や任せたい仕事とか、やっていただきたい事業に関する知識があって、一定の論理性があることを重視してポテンシャル採用をしています。

渡會:なるほど、ありがとうございます。そうなると、IT未経験の方とか、人材業界以外から来られている方もいらっしゃるんですか?

高橋:はい。本当にぜんぜん違うところからも来ています。最近来た方はメーカーからですし、その前はブライダルもいました。

渡會:本当にバラバラなんですね。なるほど。ありがとうございます。

高橋:社内のタネを育てるやり方は型化されたので、外を育てるやり方もやってみようかなと思っています。

情シスとの衝突を防ぐことができた理由

渡會:次に、中を育てる話ももう少し詳しくおうかがいできればと思うんですが、まずは自分の土壌から始めるというお話があったと思います。

自分の土壌から始めるとはいえ、「高橋さんのところでは何をやっているの?」というかたちでチームの方から横槍が入ったり、隣の部署から突かれたりとか、そういう社内の障壁はございましたか?

高橋:なかったというか、ないように進めたんですね。

渡會:ないように(笑)。

高橋:例えば今回で言うと、内製開発組織を作るので、普通にやると情シスとケンカしやすいと思うんですが、「先生、教えてください」と最初から情シスを巻き込みにいったんですよ。

渡會:なるほど(笑)。

高橋:「内製開発をやろうと思うんですが、何か注意したほうがいいことありますか?」と、ちゃんと頼る。他部署に対して尊敬と感謝の念、リスペクトをちゃんと持って接して教わって、「こういうことをやります」と事前に説明しておきました。

渡會:なるほど。

高橋:自分が逆の立場でやられたら嫌なことはやらないようにしていて。たぶん勝手にやられたら嫌だし、頼ってほしいのに頼られないって、無視されて悲しいじゃないですか。そこはケアするようにしていました。

渡會:なるほど。障壁はないように進められたとのことですが、マルテー大塚さまからも「IT部門に人事権までないから」というコメントもあったと思います。まずは自分の目の届くところからやってみる、ということですよね。ありがとうございます。

健康診断のような適性テストや、年数回キャリア希望のアンケートなどを実施

渡會:「まずは自社を知れば、そこにタネがあるんじゃないか」とお話しいただいたかと思います。とはいえエンタープライズ企業になってくると、組織の畑も大きくなってきて、タネも本当にいっぱい埋まっている状態かと思います。

そんな中から「このタネ良さそう」という目利きはどのような感じでされたのか、詳しくおうかがいしてもよろしいですか?

高橋:私たちの会社は人材の会社なので、社員についてはしっかりやっている部分があります。例えば、年に2回くらい社内公募や異動希望のアンケートを取って、ちゃんと希望を聞いたり。

渡會:年2回! 多いですね。

高橋:はい。年に2回ほど「部署を異動したいですか? 職種を変えたいですか? 勤務地を変えたいですか?」といった希望を聞いたりしています。あと、迷っているメンバーがいると、役員陣や管理職から「こういう希望があるみたいだけど、他の部署の話聞いてみる?」と声をかけることもあるんですよ。

渡會:ええ!

高橋:「この子は企画に興味がありそうだから、1回話を聞いてみて」と依頼を受けて私が面談し、「まだ営業でがんばったほうがいいよ」と助言したりしてます。

渡會:なるほど、そういう会話もできるわけですね。まさにその部分で、ご紹介されていた適性テストを活用されているんですね。全社員が毎年受けられるとおっしゃっていたかと思いますが、これは役員の方も受けられるんですか?

高橋:どうなんですかね。役員まではわからないんですが、私も受けていますよ。

渡會:管理職の方も受けられる。

高橋:はい。だいたい健康診断でも「コレステロール値が上がったよ」みたいなことを言われると思うんですが、あれと同じように「なんか変わったんだよ」と、よく話したりします。

渡會:そうなんですね。

外部を頼るだけでなく、社内に眠る芽を育てていく

渡會:先ほど高橋さんの実際の波形もご紹介いただいたと思うんですが、こういった特性は経年によって変わってくるものなのか、それとも一定してあまり変わらなかったり、やっている仕事の内容に応じて影響されるものなのか、そのあたりはどうなんですか?

高橋:大きくは変わらないんですが、波形の増減は変わってきたりします。1つは、営業とかで説明しなきゃいけないスキルがあったりすると、論理的表現力は否が応でも鍛えられます。あとは、けっこうしんどい仕事ばかりしていると、ストレス耐性が弱くなっていったりもします。

渡會:へえ! メンタル的なところを見る1つの指標にもなり得るんですね。

高橋:そこも見ていますね。

渡會:なるほど、ありがとうございます。まだまだお話をうかがいたいところではございますが、そろそろお時間ということで、最後に高橋さまから今日来ていただいているみなさまに一言メッセージをお願いしてもよろしいでしょうか。

高橋:お忙しい中、今日はお時間を取っていただいて本当にありがとうございました。普通のDX系の話とはあえて違う切り口にしました。オープニングでも社会学の先生がお話しをされましたが、DXはデジタル・テクノロジーだけではなくて、社会学とか人材系のノウハウが必要なんじゃないかなと思っております。

私たち自身がしっかり実験をしてみなさんにお届けすることで、みなさんの会社でDX人材が育っていく。外を頼るんじゃなくて、みなさんの会社の中にいる人を信じて、そこから芽やタネを育てていくところをぜひご支援していきたいなと思っております。

渡會:高橋さま、ありがとうございました。それでは、本セッションは「人材戦略のプロに学ぶ! 現場で活躍する『デジタル人材発掘・育成』のセオリー」ということで、エン・ジャパンの高橋さまにお話しいただきました。高橋さま、どうもありがとうございました。

高橋:ありがとうございました。