2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
Self-Defogging Glasses Are Real Now(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:12月に入り冬は始まったばかりですが、屋内に入ったりマスクをつけたりするたびにメガネが曇るのには、すでに手を焼いている人はいませんか。
ここで、日常的なメガネユーザーに朗報です。このたび、極薄でお手入れ不要の曇り止めコーティングガラスが開発され、学術誌『ネイチャー ナノテクノロジー』でお披露目されました。
従来型の曇り止めは、水分の表面張力を低下させて膜状に変化させ、光の拡散を防いで視界を見えやすくする仕組みです。
このたび開発された曇り止めは、太陽光の熱を伝える赤外線を吸収します。塗布された表面が温まって水分が蒸発するため、曇ることがありません。金クラスタを酸化チタンで挟んだごく薄い層でできており、厚さはわずか10ナノメートルです。これと比べてしまうと、金箔などは分厚く感じてしまいます。
その圧倒的薄さと、吸収するのが可視光線ではない赤外線だけであることから、視界をクリアに保つことに長けており、メガネや車のフロントガラスなどへの使用に適しています。
試験では、このコーティングは曇りの除去にも防止にも優れていることがわかりました。コーティングを施した面は、そうでない面よりも3倍も速く曇りが除去されました。天気が曇りでも効果は衰えず、直接の日射がなくても曇り止め効果は有効でした。
コーティングが極薄であるため、高層ビルの窓などの大きな物や、くねくね曲がる面への使用に適しており、透明な面のアンダーコーティングなどへ利用すれば、傷や化学物質などによるダメージを防げます。この技術が町のメガネ屋さんで使われる発表はまだありませんが、もしそうなったら僕は真っ先に買いに行きます。
この程度のニュースではびっくりしないよというあなたには、口をあんぐり開けてしまうような、あごについてのニュースをお届けしましょう。
現代の鳥のあごには、くちばしがあります。
あたりまえですね。現在の鳥のくちばしの形状は、まったく異なる形状の歯が生えた先祖のあごが進化したものです。つまり、鳥の先祖である恐竜から、今の何千種にも枝分かれした鳥へと進化してきたと考えられています。
このたびヨーロッパで発見されたある鳥の化石が、現代に至る「くちばし」の進化の概念をひっくり返してしまいました。
2週前の『ネイチャー』誌上において、その研究論文が発表されました。論文は、1世紀以上にもわたって信じられてきた鳥のくちばしの進化の概念に、挑戦状をつきつけるものでした。
1800年代後半、ダーウィンと同時代に生きた生物学者トマス・ヘンリー・ハクスリーは、現生鳥類を共通の祖先から分岐した2つの系統に分類しました。
一方は「古顎類」。ダチョウやエミュー、キーウィのような飛べない鳥からなる100種に満たない鳥類です。
もう一方は「新顎類」です。現生鳥類の1万1000種以上が該当すると考えられています。
両者を大きく分けるのがくちばしの構造です。特に着目するべきなのは、口の天井部の「口蓋骨」と「翼状骨」という骨です。古顎類の翼状骨は、頭骨の基部や口蓋骨とつながっているため、上あごは固定されていて動きません。
現生鳥類の祖先である恐竜の上あごも固定されたものなので、現生鳥類の祖先も同様の特徴を備えていたと長い間考えられてきました。この考えは、古いあごを意味する「古顎類」という名前にも表れています。
その一方で、新顎類は可動性の高い上あごを持っています。翼状骨は、周辺の骨をつなぐ関節の役割を果たしていて、口蓋骨は頭骨に固定されていません。そのため、上あごが柔軟に動く構造となっているのです。
可動性の高い上あごには、さまざまな利点があります。噛む力は強く、扱えるエサもさまざまです。新しいあごを意味する「新顎類」という名のとおり、現生鳥類の多くが持つ“新しい特徴のあご”は、後の時代に進化したと考えられてきました。祖先である恐竜の上あごに可動性はないため、固定された上あごを持つ鳥類が、祖先の古い特徴を残しているとされてきたのです。
さて、あごの構造などの非常に重要な形質は、一朝一夕で進化しません。変化は最少の段階で起こったはずであり、新顎類のあごの進化は後に起こったものと考えられました。シンプルイズザベストを提唱する「オッカムの剃刀」の進化生物学バージョンですね。
ところが、このたび見つかった化石は、そんな道理をひっくり返してしまいました。現代の鳥の遠い仲間で、6700万年前の「イクチオルニス」という鳥類種に属する骨が見つかったのです。
頭骨のわずか2つの断片が見つかったのみでしたが、それがたいへん重要な部位でした。1つが「翼状骨」だったのです。
3D画像分析や現生鳥類の翼状骨との比較の結果、この古代の鳥類の翼状骨は、古い時代ではなく新しい時代の鳥類に似ていることが判明しました。わかりやすく言えば、この太古の鳥の上あごは、現代の鳥のような可動性があったのです。
こうして、これまでの鳥のあごに関する進化の定説がひっくり返り、現生鳥類の祖先の上あごは、従来考えられていたように固定されたものではなく、可動性があったことがわかりました。
「古顎類」は進化の過程であごの可動性を失い、「新顎類」の可動性の高い上あごが旧式だったのです。
従来説のような、整頓された道筋を辿らないのが、生物進化のおもしろいところではないでしょうか。
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