残業がほとんどない、フィンランドの働き方

堀内都喜子氏(以下、堀内):今のフィンランドの働き方はどうかというと、残業はほとんどしません。ちょっとこれを言うと語弊があるんですけど、まったくしていないわけではなく、1週間のトータルだったり、1ヶ月というトータルの中で見て、残業はほとんどない働き方をしています。ですので、フレックスタイムを導入している企業が9割です。

私の本のタイトルは『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』となっていますが、このからくりをちょっと話してしまうと、フィンランドって8時から仕事を始める人が多いんですね。ですので、日本の9時から5時というのが、フィンランドの8時から4時です。

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』 (ポプラ新書)

ただ、これは独身であっても子どもがいても、男性であっても女性であっても条件は同じです。残業はほとんどせずに帰っていきます。「残業するほど仕事がないのか?」と言われてしまいますが、仕事はたくさん残っています。

なので、できるだけ優先順位を決めて、終わりを決めてこなしていくんです。でもどうしても残業する必要がある場合は、基本的には最初に許可をもらわないといけないんですね。というのも、残業代が発生してきますから、それって会社にとっては損になります。ですので、「どうしてもこれはしないといけない」という理由が必要なんです。

そういった意味もあって、「短い時間で、いかに効率良く働いていくか?」をフィンランドは目標にして、いろいろな制度を整えてきました。実はコロナ前から在宅勤務をしている人が3割ほどいました。しかも管理職ほどその割合が多くて、毎日ではないにしても、管理職の6割が当時から在宅勤務をしていました。

4週間休みが取れるのは「みんなが休みを取る」という前提があるから

今、コロナでフィンランドも急に在宅勤務をせざるを得なくなりましたけれども、その転換は比較的スムーズにいっています。というのも、ほとんどの家にWi-Fiがあって、環境が整っていて、在宅というコンセプトもだいぶ広まっていたという背景があるからです。

そして日々の働き方もそうですけど、有給休暇も「基本100パーセント消化するもの」という前提です。フィンランド人はほとんどの人が、一番良い時期の夏休みに約4週間休みを取るんです。6月、7月、8月の間にだいたい4週間、交代で取っていきます。

どうやってそれを取っていくかというと、例えば私は今大使館で働いていますけど、夏休みの予定を今月中(2月)に提出しないんですね。約半年前からもうすでにある程度予定を立てていくんです。

それで上司やトップの許可を得て、休みを取ることが可能なんですけれども、早め早めに調整することで、交代で仕事をカバーし合えるんです。その仕事はその人がいなくても必ず誰かができるように、ペアを作っておいたりしています。

あとは大学生のインターンシップ......といっても2ヶ月、3ヶ月のアルバイトなんですが、学生を雇うことで最低限の仕事を回しています。

夏休みの間は、物事が進まないとか、確かに困ることはたくさんあるんですね。でもフィンランド人にとっては、「みんなが夏休みを取る」という大前提でいます。12ヶ月を11ヶ月と考えて、みんなが仕事をしています。「夏は仕事が回らない」「夏は大事なことが決まらない」ということはもうみんなが共有していることで、共通認識として持っているので、それほど混乱なく毎年夏休みが取れています。

働きやすさを実現している、ジョブ型雇用

こういったこともあって、フィンランドでは最近、父親が子どもと過ごす時間のほうが母親よりも長くなってきています。向こうの公園でたまたま撮った写真なんですけど、男性がベビーカーを押している姿をしょっちゅう見ることができます。

こういった働き方を実現している背景として、フィンランドは基本ジョブ型の雇用であることが大きいと思います。そして、組織がフラットなんですね。上下関係が少ないことで、もともと信頼して任せていきます。

「あなたの仕事の範囲はこれですよ」というのが明確になっていることで、今のような在宅勤務もすごくしやすいですし、もともと効率良く、例えば上の人の許可が何重にも必要といったことはなく、非常にフラットな組織ということで、決断も早く、スピーディに物事が動いていき、フットワークが軽いという結果が生まれています。

もちろん成果主義ではありますので、1つのことに8時間かけるのか10時間かけるのか、かたや1時間でいいのか? それは関係ないということですね。

フィンランドは労働組合が非常に強いという特色もあります。人権意識が非常に強いので、「長く働くこと」は良いことだと思っていないんです。短い時間でいかに効率良く過ごすかを徹底的にやっていきます。だからペーパーレスも早く始まりましたし、例えば顔合わせだけのミーティングもなかったり、本当に中身重視のところがあると思います。

モチベーション維持のための「快適なオフィス作り」がトレンドに

一方で、人が100パーセントのパフォーマンスをするには、心身ともに健康で、なおかつモチベーションがある程度高くないとできません。やはりやる気が大事になってきますから、それをいかに高めていくかも考えられています。

例えばオフィスだったら、「快適なオフィス作り」というのも最近のトレンドではあります。もちろん今は在宅が多くなって、フィンランドではもうほとんどの人たちは「あまり戻りたくない」とか「半々で仕事をしたい」と言っています。

例えばオフィスでしかできない仕事もありますし、オフィスが快適であればこそ来たいと思えるということで、そういった「オフィスに来る理由」のところもいろいろと努力しています。

写真の右側の女性は立って仕事をしていますけれども、これは20年くらい前から立って仕事をするスタイルがだいぶ出てきて、今ではどこの会社も上下できる机を使っています。座りっぱなしは良くないということですね。

あとは、フリーアドレスもだいぶ前からあったり、多くの企業で社員に個室を与えています。企業ごとでいろいろありますけれども、「いかに快適に過ごしていくか?」ということは、常に頭にあります。

雑談のための「コーヒー休憩」

フィンランドは転職もそれなりに多いですし、流動的な市場ではあるんですが、だからこそ夏休みの間に学生を雇ったり、産休育休も積極的に取っています。男性は8割が育休を取りますし、女性も普通に1〜2年取りますから、誰が来ても仕事が回り、新しい人が来ても(問題なく)、いかにチームとしてチームスピリットを上げて効率良くしていくか。これはフィンランドでもすごく考えられています。

その一例として伝統的なものでは、「コーヒー休憩」とか「エクササイズ休憩」がありますね。フィンランドは1人あたりのコーヒーの消費量が多いと言われていて、みんなコーヒーを飲むんです。別にコーヒーを飲まなくてもいいんですが、「休憩」を大事に考えています。

もちろん、一人ひとり好きな時間に取ってもいいんですが、組織によってはわざと小さいユニットで、週に1回くらいは一緒にコーヒー休憩を取るようにしています。これはなぜかというと、会議で話す時は会議に集中していて、なかなかカジュアルなコミュニケーションが取りづらかったりします。なのでこのコーヒー休憩の中でちょっとした雑談をするんです。

雑談って意外に重要で、雑談する中でお互いのことを知り、新たなビジネスアイデアが生まれる場合もあるので、こういったコーヒー休憩を行っています。

「エクササイズ休憩」というのは、日本のラジオ体操に近いですけど......凝り固まった体をほぐすために、決まった時間にみんなで15分とか運動したりします。フィンランドの場合は、いずれにしてもこういうのは強制ではなく任意です。

このコーヒー休憩も、今在宅が増えてきて聞いてみると、「逆にコーヒー休憩が増えた」とか、「コーヒー休憩を大事に、良い機会として捉えて使っている」なんていう人が多いです。

コーヒー休憩は、今はオンラインでしています。あまり大勢いるとできないんですけれども、4〜5人でやってみると、雑談の中で孤独感が薄まったり、新たにおもしろいアイデアが浮かんできたりします。一緒にお茶を飲みながら、Zoom飲み会のようにするコーヒー休憩が、今フィンランドでは流行っているようです。

最も嫌われることが「プライベートの時間を犠牲にすること」

フィンランドといえば「サウナ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんけど、もともとサウナはどこの家にもあって、日本のお風呂の感覚で日常にあるものなんですけど、いろいろな企業が社員のためにサウナを設けています。

仕事終わりにサウナに入って帰るとか、それと同時に接待の場としても使われていたりします。大使館にもサウナが2つありますが、コロナ前は月1回「サウナの夕べ」というのを行って、著名人とか、インフルエンサーとか、私たちがお近づきになりたい方や仕事の上で大事なお客さまをサウナに招いて、一緒にサウナに入ってご飯を食べて、飲んで、サウナに入ってということをしていました。

一緒に2〜3時間過ごすと、なぜかすごく仲良くなるんですね。サウナの中では誰もが平等です。肩書きも取っ払って、これほど平等な場所はないと言われていますけれども、サウナはそういった意味でも使われています。

あとは日本の社員旅行に近いんですけれども、「レクリエーション」もフィンランドでは行われています。ただちょっと違うのは、これも就業時間内に行うんですね。ふだんの仕事をしている時間に、ちょっと1日どこかへ行って、みんなで何か楽しんでまた戻ってきます。

やはり「家族がいる」ことが前提なんです。もちろん独身の方もそうなんですけど、フィンランドで最も嫌われることが「プライベートの時間を犠牲にすること」です。ですので、そういった時間を就業時間に設けていたりもします。

働く人への「チェック」が多いことでのメリット

あとは「満足度調査」とか「改善の話し合い」とか上司の360度評価は、フィンランドでは頻繁に行われます。そのあとの「ストレスチェック」とか「メンタルケア」もそうなんですが、例えばフィンランドの外務省に属している大使館でいうと、外務省はコロナが始まった時、在宅になった時にもストレスチェックが行われました。

ほぼ毎月のようにいろいろな(チェックが行われます)。現在のメンタル状況とか満足度とか、今度オフィスに戻ってきた場合も、そのチェックが行われます。

その結果を必ずフィードバックして、みんなで話し合う機会を設けるんですね。もちろんその場で提案することもできるし、面と向かって言いづらいことは、アンケート調査の中で「組織をもっと良くするには、こうした改善点がいいんではないか」とか、もしくは「こういったシステムがあるとすごくいいのに」とか、そういったいろいろな意見を出し合う機会を年に何回か設けています。

もともとフラットな社会で言いやすい雰囲気はありますけれども、何度も何度もやっていることで、「今はここで言うべきなんだ」と(学ぶことができます)。もちろんすべて受け入れられるわけではありませんけれども、それだけ「良くしよう」という姿勢が感じられます。

フィンランドが重視している「生涯教育」

フィンランドの特徴として、自然が非常に身近なこと。特にコロナになって、なかなか旅行に簡単には行けないんですけれども、身近な自然に出かけることがフィンランド人にとっては幸せを感じることでもありますし、仕事のストレス解消にもなっているようです。

フィンランドには「自然享受権」というものがあり、それが誰の所有の森であっても、誰もが自由に森に入れて、そこにあるベリーを採っていいんですね。なのでそういう(自然の中でリラックスしたり)、コテージに行ったりなんていうのもしています。

フィンランドと言えば「教育」という方も多いと思うんですが、私自身感じているのは、非常に「生涯教育」、つまり一生涯学ぶ教育を大事にしているということです。企業としても、社員が必要としているスキルを学ぶことを応援しているし、それを身につけるための学び(のサポート)というのもあります。

例えば、大学の学位を取るために社会人大学に入って勉強する人も多いです。実は30代、40代で大学で学んでいる人の人口割合は、フィンランドが最も多いと言われています。

この理由として、やはり大学院まで年齢関係なく無料で勉強できるというのがありますし、さらに企業もそれに協力的で、例えば少し早く帰ることが可能だったり、1年間サバティカルで休みを取るなんていうことも、今はちょっとしづらい時代にはなってきたんですけど、そういったこともしています。

さらに修士とか博士を取ると給料に反映されたり。学位でなくとも、例えば何か新しいスキルを取ったら、それが評価に反映されたり、そういった応援をしています。

失業率が高く、新卒制度がないからこその「学び」の重要性

実はフィンランドって失業率が非常に高くて、今、6パーセントちょっとです。日本に比べると常に高いです。常にリストラに遭う不安というのはありますし、厳しい世界でもあるんですね。

さらに新卒制度がないんです。新卒制度がないので、大学を卒業してすぐにはなかなか仕事に就けなくて、中途採用のかたちの採用になってくるので、(新卒も関係なく)中途採用の人と同じような土俵で戦っていくことになります。

どうするかというと、学生時代にインターンシップとかして経験をつけることもしますし、もしくは、さらにいろいろな学びを重ねていくことで、よりその人としての価値を高めています。そういった意味で、再教育、生涯教育を非常に推奨しています。

特にこれからは未来のAIの世界とか、いろいろ変わっていく中で、「今学んでいることが20年後、30年後、はたしてどのくらい役に立つのか」と問われる時代ですよね。そうすると、やはり今学んだことでは十分でない可能性が高いです。

ですので、常に学び続けるということが国にとっても財産になってきますし、その人にとっても大事ですし、企業にとっても大事だということで、再教育が非常に応援されています。

「やり直しがしやすい国」でもある

逆に言うと、やり直しがしやすい国でもありますね。私の周りでも、40代、50代になって、まったく違う分野に学んでチャレンジしている人が本当にたくさんいます。これだけ国としても力を入れているのは、やはり人が一番の資源で、1人も無駄にできない。その人の能力をいかに高めていくかということ(を重視しているからです)。

高度経済成長の時は、ルーチンワークを長く続けることである程度の利益が得られていた時代だと思います。これからの時代は創造力だったりクリエイティビティ、イノベーションが必要で、アウトプットしていかなければいけない。

でもアウトプットするには、やはりインプットが必要ですから、そういった意味でインプットする時間も環境も必要です。ワークライフバランス、そして学びの場を作っていくことが非常に大切だと思っています。

教育について、ちょっと時間が少ないので1つだけ。大人の学びとは違いますけれども、去年フィンランドで大きく教育(制度)が変わり、18歳まで義務教育になりました。

15歳で実際義務教育が終わって、社会に出ることが可能なのかというと、日本もフィンランドも同じで(かなり難しいです)。フィンランドの場合、18歳までは高校に行くか職業高校に行くかで半々ずつくらいです。

18歳まで義務教育とすることで、授業料だけでなく教材もすべて無料になりますし、逆に、行かなかったりドロップアウトしたりする場合は、自治体と家庭と本人が、次に行く場所を探さないといけなくなるんですね。義務教育にすることで、その義務が生まれるんです。そういったことで国民のスキルを全体的に上げていきたいようです。

フィンランドでの働き方は、日本では無理なのか?

国としていろいろ動いていることもたくさんありますけれども、こういった働き方や組織を作っていくのは、北欧は小さい国が多くてフィンランドは人口も少ない(からできることで)、日本では無理なのではないかとか、みなさん簡単にそうおっしゃるんですけれども。

例えば、人口規模や自治体と比較すると、例えば県レベルで考えるとそれほど変わりないですし、それほど一人ひとりが違うかというと、そんなこともないんですね。

私は日本の法律のもとで大使館の仕事をしていますけれども、それでもやはり日本の法律ってそれほどフィンランドと変わらず、有給の日にちもそうですし、働く就業規律なんかもすごく変わるわけではないんですね。

それが当たり前に守られているということ、「当たり前のことが当たり前にできている」のがフィンランドであって、それが日本ではできないという考えをまずは捨てていただきたいなと思います。

コロナになって大きかったのは、今までこうあるべきとか、こうじゃなきゃいけないっていうことが、大きくガラッと変わったことだと思います。例えばテレワークの選択肢って、前はあんまり考えられなかったと思うんですけど、今はこれほど増えていますし、ジョブ型も変わってきています。

前例にとらわれずに見直していくことはとても大切だと思います。ペーパーレスもそうです。まずはトライしてみて検証して、振り返ることも大事だと思います。

「すばやくトライをしていくこと」の強み

テレワークが始まって、みなさん「やってみたけどダメだった」って言いますが、はたして本当にダメだったのか。じゃあ、どこがダメだったのか、もっともっと検証していかないといけない部分はあると思います。

フィンランドの強みは、この「すばやくトライをしていくこと」だと思いますね。なんとなく日本は完璧主義で、悪いことではないんですけれども、1個1個リスクを減らして、いかにこの石橋を叩いて叩いて叩いて渡っていくかというところがあると思うんです。

それも大事なことではあるんですけれども、まずやってみないとわからないこともありますから、すばやくトライをしていく。私自身、フィンランド人と多く仕事をして感じるのは、フィンランド人は意外にクレイジーなアイデアが大好きなんですね。

「こんなアイデアはバカかな?」とかいうことを、実は言ってみると、「えっ、それおもしろいからやってみようよ」とか、意外にそう言ってくれるんです。

そういうのが積み重なっていくことで、「却下されるかもしれないけど、とりあえず出してみよう」っていうアイデア発想のハードルが下がって、さらによりおもしろいアイデアが出ていくこともあるので、もっともっとそういったことを進めていくことが組織としても大事だと思っています。

「平等」とは「一律」ではなく、個人の価値観に合うようにすること

そして、それにつながっていくんですけれども、「多様性を知る」ことも1つ大事です。男女の性別だけでなく、結婚している・していないとか、LGBTQとか、いろんな人がいていろんな価値観があるということをまずビジネスの中で知っていって、その価値観を考えるのが大事だと思いますね。

今は個人の価値観で物事を選択していくとか、それぞれの価値観に合ったものを選んでいく時代ではあるかなと思うんですね。例えば今、環境対策や気候変動の問題にすごく価値観を置いている人は、それに沿ったものを選んでいますよね。

もちろんそれとは違う考えの人もいるわけなので、その価値観に寄り添っていくというより、寄り添った選択肢を作っていくことが求められている。フィンランドはそういった方向に行っているなと感じます。

フィンランド人ってけっこうおとなしい人たちだと言われがちなんですけど、自分の権利は主張するんですね。今までフィンランドで子育て支援のいろんな制度ができてきたのもそうですし、法律を変えてきたのも、やはり声を上げたからこそ変わってきている。主体的に関わっていくというのは大事だと思っています。

あとフィンランドを見ていて思うのは、若い人たちの力を信じ、若い人たちに任せていくと(いう風土があります)。もちろん経験を持っている人たちも大事ですので、そういう人たちはできるだけ支えていく(側に回る)ことも必要だと思います。

「平等は一律ではない」。フィンランドは平等ということに重きを置いていますけれども、けっしてみんなに同じものを求めているのではなくて、その人その人の価値観に合ったことで平等にしていくということです。

効率とウェルビーイングの課題

最後に、効率とウェルビーイングをアップさせるというのは、フィンランドも同じく課題として抱えています。また少子高齢化、高い失業率がフィンランドの今の抱えている課題で、日本にも少子高齢化という意味では近いところがあります。だからこそ、フィンランドはより良い人材を集めたい。よりクリエイティブで、よりイノベーティブな人が欲しいということで、世界一のワーキングカルチャーを創ろうとしています。

場所にとらわれず働いてくれる人を探したい。そして、その人たちがさらに、すべての人たちがスキルを伸ばせるような社会にしていきたい。福祉国家ですので、これらは全て税金で成り立っているんですね。税収入を増やして、さらにウェルビーイングを高めていって、ハッピーな国にしていきたいというのが、今のフィンランドです。

ちょっと時間を超えてしまいましたが、QAに行きたいと思います。みなさん、どうもありがとうございました。

今井広夏氏(以下、今井):堀内さま、すばらしいご講演をいただきまして、ありがとうございました。本当にフィンランドはちょっと未来を行っていて、先進的で、率直にうらやましいと思いました。これからの日本にとって学ぶところが多々あるのではないかなと思います。