生産性を高める2つの方法

鈴木麻希氏(以下、鈴木):おはようございます。グロービス経営大学院の鈴木です。毎週土曜日は「グロービスキャリアノート」というメディアから、キャリアを考える際のヒントとなる記事をピックアップして紹介します。

今回は「仕事で生産性が高い人」についてお話しします。ニュースでも「生産性の向上」という言葉を聞く機会が増えています。成果を最大化するためには、がむしゃらに仕事に取り組むのではなく、限りある時間と労力を費用対効果高く使うことが重要です。

そもそも「生産性」とは何かと言うと、「何かを作るために投入したもの」と「その結果生み出された成果物」の比率です。つまり、インプット分のアウトプットの割合が生産性です。この値が大きいほど効率良くアウトプットを生み出せた状態、つまり生産性が高い状態であると言えます。

生産性を高めるには2つの方法があります。1つ目はアウトプットを増やす方法。同じ労働時間に対して、できるだけ多くの成果物を出す方法です。もう1つはインプットを増やす方法。成果物はそのままに労働時間を少なくする方法です。生産性が高い人とはこのどちらか、もしくは両方を実現している人と言えます。

生産性を高める上で最も重要な姿勢

では生産性が高い人は具体的にどのようなことを意識しているのでしょうか。今日は「仕事で生産性が高い人」の特徴を、7つご紹介します。

特徴の1つ目は「常に生産性を強く意識していること」です。どんなに小さな業務であっても、投入するインプットはできる限り抑えつつ、いかに成果を最大化できそうかを自然に考えています。実際に手を動かす前に生産性を強く意識し、どうアプローチするかを考える。この姿勢は生産性を高める上で最も重要になります。

特徴の2つ目は、「優先順位をつけるのがうまい」ということです。最終的な成果物を軸に、優先順位をつけています。インパクトの大きい業務の優先度を上げ、重要そうでないものは思い切って優先度を下げる、もしくは捨てるという選択も上手に取っています。

特徴の3つ目は、「情報の整理をきちんとしていること」です。情報を必要な時に素早く取り出せるようにしておくことも、地味ですが生産性の高い人が大事にしていることです。デスクトップやフォルダがごちゃごちゃしていると情報を探す時間がチリツモで増えていき、最終的に生産性を下げることにつながります。また、効率良く情報整理ができるデジタルツールを使いこなせる人も生産性が高い人に多いです。

目標設定も重要

特徴の4つ目は、「ふだんからインプットの量が多い」ということです。業務に関わることだけでなく、さまざまなことにアンテナを張って知識を増やすことも、生産性の高い人は意識しています。限られた時間の中でより効率的に仕事のアウトプットを出すことにもつながります。

特徴の5つ目は、「時間管理能力と集中力があること」です。タスクを分解して「今の時間はこれに集中するぞ」と1つに決めて取り組むことも生産性を上げるために重要です。マルチタスクだと、あちこちに気が散って中途半端に手を付けることになり、結果的に余計な時間を費やしてしまうことがあります。生産性が高い人はこういったことをなるべく避けて、1つずつ集中して取り組むことを意識しています。

特徴の6つ目は、「議論をまとめる力」です。1人ですべてをこなすことは難しいので、チームでの仕事も多くあると思います。その中で、できる限り議論や会議での生産性を上げるということも重要視しています。

最後の7つ目の特徴は、「高い目標を掲げていること」です。自分に厳しく、「いかにアウトプットの質を上げるか」「いかに効率良く仕事をするか」といったマインドを意識高く持っている人が多いです。

すぐ手が届くような目標だと現状のままこなせてしまうので、自分の生産性を見直す必要性を感じにくくなってしまいます。生産性を高めたいという場合は、まず現状の目標を1段階高くストレッチさせるのが良いかもしれません。

今日は「仕事で生産性が高い人の7つの特徴」についてお話ししました。いろいろ特徴はありますが、やはり根底にある姿勢は、あらゆる業務において生産性を強く意識しているということです。そのマインドを持つか否かで、考え方や仕事の取り組み方が大きく変わってきます。

今日のお話が生産性向上のヒントになったらうれしいです。では、今日はここまでとします。