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『効率化が得意な人と苦手な人の3つの違い』(全1記事)

社会人経験歴は関係ない「効率化がうまい人」の3つの特徴 分かれ目は「めんどくさい」と思った時の行動

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。本記事のテーマは『効率化が得意な人と苦手な人の3つの違い』。社会人経験の長さに関係なく、効率化がうまい人にはどんな特徴があるのか解説されました。 ■音声コンテンツはこちら

効率化が得意な人とそうでない人の3つの違い

本山裕輔氏:今日は効率化について考えてみたいと思います。周りを見渡してみると、ショートカットキーといった効率化のテクニックをいっぱい使いこなしてる人もいれば、そうでない人もいると思います。この両者の違いはいったい何なのかを考えていければと思います。

例えば社会人経験の長さ。これは意外と関係なかったりします。新卒1年目からバリバリ効率化できている人もいれば、逆に管理職であっても、効率化は苦手という方もいらっしゃったり。あるいはその逆のパターンもあったりしますよね。

直感的に考えると「社会人経験が長ければ長いほど、こなした業務量に比例して、どんどん効率が上がっていくんじゃないか」と思えるんですけど、必ずしもそうなるとは限りません。

ではいったいどうしてこんなことが起こるのか。今回は「効率化が得意な人とそうでない人の3つの違い」ということで、私の経験や学んできたことも踏まえながらお伝えします。

「めんどくさい」と思った時に、立ち止まれるかどうか

まず1つ目の違いが、「めんどくさいと思って1度立ち止まれるかどうか」です

例えばパワーポイントで図形を複製したい時に、いちいち右クリックでコピーを押して、もう1回右クリックで貼り付けを押す。これを3回くらい繰り返した時に、「この作業めんどくさいなぁ。もっと楽できる方法ないのかな」と立ち止まれるかどうか。ここが分かれ目になってきます。

めんどくさいと思っているのに、立ち止まるのが難しい理由は、「目の前の作業を早く終わらせたい」という誘惑が強いからだと思います。

「めんどくさいな、もっと楽できたらいいのにな」と思う場面は結構多いです。ただ他にも作業があり、納期も迫っている。しかも効率化の方法を調べたとしても、本当に見つかるかどうかもわからない。今やっている作業は時間はかかるんだけど、時間さえかければ、今の方法で確実に終わらせることができる。だから効率化の方法は後で調べよう。

こんな感じで、後回しになってしまいます。しかも、他の作業もあって忙しいから、結局後で調べようと思っても調べられない。こんなループに陥る可能性があります。

なので「めんどくさいなぁ」と思ったら、いったん勇気を持って立ち止まる。そして、3分とか10分でいいので、効率化の方法を1度調べてみる。この3分の手間を惜しまない姿勢が大事なのではないかなと思います。

効率化がうまい人は、「自分が調べたいこと」を言語化するのがうまい

2つ目の違いは「効率化の方法が見つかるまでしつこく言語化を繰り返せるかどうか」です。

効率化がうまい人は、「自分が調べたいこと」を言語化するのがうまいです。例えばExcelの関数を調べる時に、複数の条件に当てはめて集計したいなら、「条件 複数 集計」と検索して、SUMIFS関数と出会うとか。

あとは「あいうえおかきくけこ」の「かきくけこ」のところだけ抽出したい時に「特定の文字列 右側 抽出」みたいに検索して、RIGHT関数とFIND関数を組み合わせた方法と出会ったりとか。

このように、「自分のやりたいこと」を検索できる状態にまで言語化できるかどうかが、非常に大事になってきます。

でも、言語化するのは難しいですよね。例えばExcelを知って間もない頃に、「列」とか「行」のような概念には慣れてないはずですし、「文字列」なんて言葉も知らない状態からスタートすると思います。いきなり「列 行 条件 集計」とか、「特定の文字列 右側 抽出」みたいに、的確に言語化するのは本当に難しい。

なので、はじめから完璧を求めず、例えば「縦 横 組み合わせて計算」という感じで、自分が知っている言葉を使って少しずつ表現してみる。そうすることで自分が欲しい情報と出会えて、知らなかった用語も徐々に覚えていくようになります。

自分が知りたいことをうまく言語化するためには、自分が知っている言葉で、まずは表現してみる。この繰り返しで訓練するしかありません。本当に泥くさいんですけど、とても大事な意識かなと思います。

テクニックは暗記するのではなく、いつでも“引き出せる”ようにしておく

そして最後は、「いつでも引き出せる状態にできているか」です。これは最初の2つと比べるとハードルは低いかもしれません。

効率化の方法といっても、毎日使うものもあれば3ヶ月に1回くらいしか使わないものもあったりします。毎日使うものであれば、無意識に使えるくらいマスターしておいたほうがいいです。例えばExcelで行や列を追加する操作とか、フォントを変えるとか、使う頻度が高いものは無意識に使えるように練習をしておく。

一方で、数ヶ月に1回しか使わないもの。例えばSUMPRODUCT関数とか、DATEDIF関数みたいなものがあります。分析を本業にでもしていないと、そんなに頻繁には使えませんよね。

関数まで丸暗記するのはほぼ不可能なので、せめて検索すればいつでも思い出せる状態くらいにしておくのがちょうどいいかなと思います。

無理にExcel関数がいっぱい載ってる辞書のような本や、「ショートカットキー100選」のような本を買って、全部覚えようとすると、つまずくことが多いです。

細かい操作を100個以上覚えるのはしんどいですし、例えば「コントロール+Dを押すと、図形を等間隔で複製する」みたいに、1個1個言葉で暗記しようとするのは、世界史の用語を覚える以上に難易度が高いと思います。

それに本を買って覚えようとしても、本の場合は検索性が低くなります。例にあげた「縦・横 組み合わせて計算」のような、ざっくりした調べ方ができないので、欲しい情報にたどり着くためにペラペラページをめくらないといけません。

Excelの辞書的な本を買ったり暗記に走ったりするよりは、いつでも調べて引き出せる状態にしておく。このほうが結果的に効率化につながるんじゃないかなと思います。

以上、効率化についてのコツを3つご紹介してきました。どれか1つでも学びになれば、とてもうれしく思います。

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