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総資産300億?!プロの投資家が尊敬する人とは?(全1記事)

積立投資で300億円を築いた偉人が「質素倹約」を貫けたワケ 無駄遣いせずに投資を継続できる人の特徴

レオス・キャピタルワークス株式会社のYouTubeチャンネル『お金のまなびば!』は、ふだんは語りにくいお金や投資、経済の話について、ひふみシリーズの最高投資責任者の藤野英人氏や、ひふみシリーズのメンバーと一緒に学んでいくチャンネルです。本記事では「プロの投資家が尊敬する人」をテーマに、日本の「公園の父」と言われる本多静六の生き方や考え方を語りました。 ■動画コンテンツはこちら

20代から退職するまで、積立投資で300億円を築いた偉人

司会者:藤野さんが影響を受けた偉人をあえて1人挙げるとするなら、どなたになりますか?

藤野英人氏(以下、藤野):難しいですけど、1人挙げるとしたら本多静六さんですね。本多静六さんはすごい人なんですよ。造園家で、日比谷公園や明治神宮の杜を作った人です。

この人がさらにすごいのは、東大の教授で頭脳明晰、公務員ながら株式投資で現在の価値で300億円もの資産を作ったんです。

司会者:ええ!? 時代で言うといつの時代でしょうか?

藤野:だいたい明治時代から昭和の戦争ぐらいにかけてです。この人は造園業の仕事をしながら、給料の4分の1をずっと積立投資に充てたんですね。一発逆転で何かすごい株で勝負して売ったり買ったりじゃないんです。積立の投資を20代から退職するまで続けることによって、結果的に300億円もの資産を築いたんです。

さらにこの人が格好いいのが、300億円もの資産を作り、退官してから匿名でいろんなところに寄付をしまくり、最後はほぼゼロになって亡くなったんですよね。ものすごく格好いいですよね。

司会者:すばらしい人物だというのが本当に伝わってきます。本多さんと言いますと、レオス・キャピタルワークスの公式note「ひふみラボ note」でも北康利先生の連載でおなじみで、10月7日には本多静六伝の発刊記念イベントもありました。たくさんあると思いますが、藤野さんは本多さんの魅力をどこに一番感じていらっしゃるんですか?

藤野:彼のすごいところは飽くなき好奇心です。日本中を旅して、各地に公園をたくさん作るわけですよ。明治神宮の脇の森は、原宿の脇から通ると自然なかたちで杜がありますが、これは100年くらい前に本多静六さんが100年後の姿を想像して作った人工林なんです。

100年後の未来を考えて物事を設計するってなかなかできないじゃないですか。それを各地で行い、日本中にすばらしい公園を作っていった。

「質素倹約」を貫けた理由

藤野:そういうことをしながら、ずっと投資も続けた。民間の起業家とかではなく、公務員です。要は質素倹約に努めて、無駄遣いをしないでそれを投資に振り向けることで巨額の資産を作った。すごいと思いませんか。

司会者:彼にとって、「質素倹約」は辛いことではなかったということですね。

藤野:彼はいくつかいい言葉を残していますが、「仕事の道楽化」もその1つです。仕事そのものが趣味だったら辛くないですよね。たぶん彼は公園技師として公園を作ることが楽しくて仕方なかったのだと思うんです。

楽しいから、おもしろいから、趣味だからどんどんやる。すると、素敵な公園ができる。素敵な公園ができると、次の発注が来る。「本多先生、また作ってくださいね」ということになる。そして、またいい仕事をする。

本多静六さんからはいろいろ学ぶところがありますが、「仕事の道楽化」は私の中でも非常に重要な言葉になっています。

司会者:藤野さんの仕事にも、それは活かされていますか?

藤野:今もそうなんですけど、私がとても大事にしていることは、「おもしろい」とか「楽しい」とか「ワクワクする」ということなんですよ。「おもしろい」という言葉っておもしろくありませんか? 「面が白い」と書きますけど、あれは当て字ではなく、その通りなんです。面が白くなることがおもしろいことなんですね。

フラッシュをたくと顔が白くなるじゃないですか。人は何かを見たら、ハァーっと驚く。その驚いたところに光がぱっと当たって、顔が真っ白になる感じがおもしろいということなんですよね。

本多静六さんが言った「仕事の道楽化」にもつながると思うんですけど、やはりおもしろいことを発見していく。そうするとワクワクして、顔が真っ白になるような感じになる。

それを探し続けて、そういう会社に投資をしたり応援したりすると、結果的にそのおもしろい会社が世の中の人たちに受け入れられて、会社のお客さまが増え、売上と利益が増えて株価が上がるということなんですね。

仕事を道楽にするためのポイント

司会者:仕事が道楽って本当にすてきなことだと思いますが、実際には仕事が道楽になっていないという方もいらっしゃると思うんですね。

藤野:そうですね。

司会者:それを道楽にするためのポイントがあれば教えてもらえますか?

藤野:これは私のやり方ですが、嫌なことも楽しむということです。嫌な人、意地悪な人っていっぱいいるじゃないですか。みなさんもたぶんいっぱい会っていると思うんですけど(笑)。その時に「なんでこの人は性格が悪いんだろう?」とか「どうしたの? 何かあったのかな?」みたいに、「おもしろいな」と思うと不快にならないじゃないですか。

私がものすごく大事にしている言葉の1つに「美点凝視」という言葉があります。相手のいいところをじっと見る。どんな人にも、どんなことにもいいところがあるわけですよ。欠点とか嫌なところは全部見ないようにして美点だけじっと見る。

ベンチャー投資で、実績もない、お金もない、人脈もない、売上もない会社に投資をする時には、その会社や人の良さをじーっと見つけるしかない。それを発見できないと投資ができないわけです。そういう面でも、美点凝視は大事なことかなと思います。

実際に北先生の本多静六さんの本を読むと、非常に厳しいところもあるけれども、ベースは明るい。人の良いところ、物事の良いところを素直に信じることができたところが大きいのではないかと思いますね。

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