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「働き方の壁」を越える ハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキル ~テレワーク vs. 完全出社の綱引きはもうおしまい!~(全5記事)

“見えない仕事”が評価されにくく、次第に感じる疎外感 テレワークVS出社の“綱引き”のもとになる、3つの不安要素

株式会社NOKIOOが開催する「90分腹落ちセミナー」の模様をお届けします。今回のテーマは「​​“働き方の壁”を越える」と題し、「テレワーク」か「出社」か、という働き方の話で留まらない、ハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキルについて徹底解説。本記事では、上層部と現場の働き方に対する価値観のギャップや、組織・個人が抱えている「不安」の正体について解説します。

「テレワークvs完全出社」の綱引きはもうおしまい

小田木朝子氏(以下、小田木):みなさんこんにちは。今日もご参加ありがとうございます。ただいまより、「『働き方の壁』を越えるハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキル テレワークvs完全出社の綱引きはもうおしまい!」、スペシャルゲストもお迎えしてスタートしたいと思います。今日もどうぞよろしくお願いいたします。

沢渡あまね氏(以下、沢渡):よろしくお願いします。

成瀬岳人氏(以下、成瀬):お願いします。

小田木:まず最初に、90分腹落ちオンラインセミナーの簡単な参加ガイドをさせていただきます。

この90分腹落ちオンラインセミナー、今日は「HRライブ」というスペシャル企画として設計をさせていただいておりますが、人材育成や組織開発に関わる方に90分で役に立つ情報をお届けしたい。そして、みんなで元気になりたい。そんなコンセプトで株式会社NOKIOOが企画・設計をしているオンラインイベントです。

今日は「『働き方の壁を越える』ハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキル」というテーマです。続きまして、スピーカーの自己紹介です。おなじみ沢渡あまねさんからお願いできますか。

沢渡:小田木さん、ありがとうございます。みなさんこんにちは。おなじみ沢渡あまねでございます。

小田木:(笑)。つい「おなじみ」って言っちゃいますよね。

沢渡:業務プロセス、コミュニケーション、組織開発が専門の物書きをしています。パラレルキャリア、多拠点居住、そしてハイブリッドワークと、すべてのパラレルの“デパート”みたいな生活をしている人間でございます(笑)。

成瀬:(笑)。

小田木:パラレルのデパート(笑)。今日のハイブリッドワークにぴったりな背景ですね。

沢渡:そうですね。

気合・根性・長時間労働ではなく、連携して成果を上げる

沢渡:もともと経験職種はIT×広報で、社内、社外、グローバルIT、グローバル広報の掛け算で、組織の景色をコミュニケーションを軸にどう変えていくか。そんなテーマに向き合っています。今日もどんな景色の変化が生まれるか、成瀬さんも一緒にわちゃわちゃやっていきたいと思います。よろしくお願いします。

小田木:よろしくお願いします。今日は3人とも黄色の背景で、成瀬さんにも「HRライブ」という背景を背負っていただいてますが、目に優しいことを願いますね。

沢渡:一体感。

小田木:そうそう(笑)。沢渡さん、ありがとうございます。今日もよろしくお願いいたします。

沢渡:よろしくお願いします。

小田木:私も自己紹介をさせてください。みなさんあらためまして、株式会社NOKIOOという会社で役員をしております、小田木と申します。企業の人材育成や組織開発を外からお手伝いさせていただいております。

今日の「ハイブリッドワーク」というテーマに関しては、仕事のやり方はまだまだ良く変える余地があるなと思っています。かく言う私も、気合・根性・長時間労働で「これが仕事だ」と考えて、それが当たり前のがんばり方だと思っていた時があるんです。

(スライドを指しながら)ここに書いてある『仕事は自分ひとりでやらない』。「連携して、1人で上げる以上の成果を上げようよ」という仕事のやり方にシフトした時に、働き方に関してもキャリアに関しても、選択肢がぐっと広がった実感を持ったことがあります。

今回のゲストは、企業向け組織開発の専門家・成瀬岳人氏

小田木:今日は「ハイブリッドワークを実現するための組織スキル」というテーマですが、沢渡さん、成瀬さん含めて、仕事のやり方やチームワーキングという観点でもこのテーマを掘っていけたらいいなと思っています。みなさん、今日もよろしくお願いいたします。

沢渡:よろしくお願いします。本のカバーも黄色でいいですね。

成瀬:(笑)。

小田木:そうなんですよ。偶然ですが、今回のスペシャル企画とセットになっているなと。

沢渡:そうですね。黄色ってオープンなイメージがあっていいですね。

小田木:ありがとうございます。それでは、今日の特別ゲストをご紹介させていただきます。パーソルプロセス&テクノロジー株式会社の成瀬さんにお越しいただいております。成瀬さん、よろしくお願いします。

成瀬:今日はお招きいただいて、ありがとうございます。

小田木:こちらこそありがとうございます。

沢渡:ありがとうございます。

小田木:ぜひ自己紹介をいただけますか。

成瀬:そうですね。もう(肩書が)長いと。社名も長いし、なんかいろいろ長いんですが。

沢渡:(笑)。

小田木:そうですね。どこを見ていいかわからないぐらい長いですね。

成瀬:(笑)。なので「パーソルの成瀬」と呼んでいただければけっこうです。副業として、今は一般社団法人プロティアン・キャリア協会で活動もしておりますが、それ以外にも個人で活動しております。沢渡さんほどではないんですが、私も一応パラレルワーカーかなと思っております。

成瀬氏「普通に働くのが苦手」

成瀬:パーソルという、それなりに大きい会社になってしまいましたが、人材サービス業の中でBtoBのコンサル、今は人材育成支援の事業の立ち上げをやっています。普通に働くのが苦手でして、「やりたいことをやっていいよ」と言われたんです。

小田木:「普通に働くのが苦手」って(笑)。

成瀬:そうなんですよね。

沢渡:パワーフレーズだ。

成瀬:「やりたいことをやっていいよ」というのを真に受けて、「マジっすか?」と言っていろいろとチャレンジしたら……。チャット欄で「普通に働くのが苦手」というのに共感されている方もいらっしゃいますね。

気づいたらいろいろやっている人間ですので、そのぶんいろんな組織の働き方の課題やチャレンジを見てきているかなと思います。今日はよろしくお願いします。

沢渡:よろしくお願いします。

小田木:そんな成瀬さんをお迎えしての今日のテーマと、進行の流れをみなさんと共有したいと思います。本日のセミナーの全体像です。テーマは「『働き方の壁を越える』ハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキル」で、今日はみなさんとわいわい場を作っていきたいと思います。

今日のセミナーの全体像と3つのステップ

小田木:全体として、こんな3ステップで進めさせていただきます。「働き方の壁を越える」という表現をさせていただいた通り、要は働き方の話なんですよね。

ステップ1は、これからの働き方について組織は今どんな不安を抱えていて、個人にはどんな不安やモヤモヤがあるのか。ここを言語化することからスタートし、まずは問題の解像度を上げようと思います。

その上でステップ2が、そんなハイブリッドワークが実現できる組織。個人の選択肢も多いし、企業としてのパフォーマンスもちゃんと上がる組織において、必要な組織スキルは何なのか。

ここを言語化した上で、最後はステップ3。ハイブリッドワークで成果を上げる組織作りに向けて、人に関わる人事やマネージャー、そして事業運営者ができることは何なのか。こんなステップで元気良く、テンポ良く進めていきたいと思います。

沢渡:テンポ良く。ホップ、ステップ、ジャンプ。

小田木:ありがとうございます。そんな感じでいきましょう。そして次に今日のイベントの進行の仕方ですが、ライブな場で出てくるゲストの方の言葉やスピーカーの言葉をみなさんと共有しながら、資料を編集していくスタイルを取りたいと思っております。

ゲストから出てくる生の言葉や着眼点、そしてみなさんに書き込んでいただく課題感を盛り込みつつ資料を仕上げていくスタイルで進行していきたいと思います。ハードルは高めですが、がんばります。

そして最後に、ご参加くださったみなさんの関心や問題意識を取り込みつつ進行できたらいいなと思っていますので、チャットを大いに活用していきたいと思います。

今日のイベント参加者はどんな人たち?

小田木:最初に、おなじみのチャットを使ったオリエンテーションを一緒にさせていただきたいと思いますので、ぜひご参加ください。まず、今日はどんな方がご参加くださっているのか、私たちもとても関心があります。

1番から4番の選択肢をご用意しました。お立場に近いものを選んで、番号だけでけっこうですのでチャットに書き込みいただけますでしょうか。

沢渡:2、1、3、2、3、3、1、3、1、3……。

成瀬:(笑)。

小田木:誰も集計はしていません。沢渡さん、ありがとうございます。

沢渡:2の方(マネージャー)、3の方(人事、総務)が多いですね。

成瀬:4(その他)が気になります(笑)。

小田木:そうなんですよ。いつも4を作っておいて、4が気になる。

沢渡:そうですね。4の方、もしよろしければ「その他」の内容をつぶやいていただけるとうれしかったりします。やはりマネージャー、人事、総務の方が多いですね。ありがとうございます。

小田木:ありがとうございます。

成瀬:もしかしたら、専門家として支援したいという立場の人もいらっしゃるかな?

沢渡:なるほど。(視聴者コメントで)「4、何でも屋」(笑)。

成瀬:そうですね。近い(笑)。

小田木:確かに。あとは1であり4でありとか、複合的に役割や期待を持ってご参加くださっている方もいらっしゃるんだなと拝見しました。

沢渡・成瀬:ありがとうございます。

「人事がハイブリッドワークに理解がない」という悩ましい声も

小田木:じゃあ、もう1つチャットでオリエンテーションに行きたいと思います。今日は「ハイブリッドワークを実現するために必要な組織スキル」というテーマですが、どうして今日のセミナーに参加しようと思ってくださいましたか?

参加の理由や関心ごと、期待していること、どんな観点でもけっこうです。一言、ワンフレーズでけっこうですので、つぶやいていただけますでしょうか。

沢渡:お困りごととかね。

小田木:そうですね。「こんなことを聞きたいと思った」、もしくは「テーマにピンと来た」という感じでもかまいません。

沢渡:(視聴者コメントで)「コロナで急速に変革が起こったような気がしているのですが」、おっしゃる通りですね。「上のほうや人事がハイブリッドワークに理解がない」、悩ましいですね。一緒に悩みましょう。「自己啓発」。

成瀬:「3人が魅力的」。

沢渡:これはめっちゃテンション上がりますね。ありがとうございます。

成瀬:(笑)。上がりますね。ありがとうございます。

沢渡:「管理職自身が出社しないと不安」。

成瀬:マジか。

沢渡:これは非常によく聞きますね。「そこから『管理職になりたくない』という声が生まれてしまっている」、これは悲しきリアルですね。

小田木:悲しきリアルですね。「管理職になると自由を奪われる」「選択肢が少なくなる」というイメージでしょうか。

沢渡:「怖いもの見たさ」。

成瀬:(笑)。

沢渡:ホラーコントではありませんので、楽しくいきましょう。「自分でも組織の壁を越えたいという課題感」、美しい。うれしい。

成瀬:すばらしいですね。

リモートでは組織がバラバラになってしまう……という古い考え

小田木:「『リモートで遠心力が働く』と、古い考えの人が心配をしている」というコメントもありますね。

沢渡:この考えはよく聞きますね。

小田木:「組織がバラバラになっちゃうよ」という心配ですね。

成瀬:「定時出社が今や“刑務所”と呼ばれていました」。すごいですね(笑)。

沢渡:(笑)。

小田木:笑っちゃダメですが、なんかネーミングが。

沢渡:でも、このくらい大きな価値観の揺れ動きが起こっているということですよね。

小田木:そうですね。「Voicy対談を聴いて。成瀬さんの話をもっと聞きたい」というコメントも頂いていました。ありがとうございます。

沢渡:成瀬さんファンが増えている。うれしい。

成瀬:なんか小っ恥ずかしいですね(笑)。

小田木:みなさん、いろんな背景やテーマ観を共有いただきありがとうございます。引き続き、ぜひチャットをオープンにしたままでご参加ください。それではさっそく中身に入ってまいりましょうか。沢渡さん、成瀬さん、よろしくお願いします。

沢渡:よろしくお願いします。

成瀬:お願いします。

組織と個人が抱えている3つの「不安」

小田木:じゃあ。まずはこちらのお題からですね。今日のイベントテーマは、平たく言うと「働き方」をどう設計していくのか。そして、組織の中でどう作っていくのかというテーマです。

これからの働き方に、どんな不安や心配ごとや懸念が、組織や個人にあるのか。これをまず可視化していこうというのが1つ目のお題です。どちらからまいりましょうか?

沢渡:じゃあ、常連の私からいきましょうか。

成瀬:ありがとうございます。

小田木:そうですね。皆勤賞の沢渡さんから。

成瀬:皆勤賞です。

沢渡:ありがとうございます。皆勤賞、褒められた。わーい。これからの働き方に、組織と個人がどんな不安を抱えているか。今回は3つの「ない」で韻を踏んでみたいと思います。

小田木:また韻を踏んじゃう?

沢渡:はい。別に成瀬さんは無理に踏まなくていいですよ。

成瀬:いや、ちょっと考えちゃうな(笑)。

沢渡:1つ目が「見えない」。2つ目が「話せない」。そして3つ目が「示せない」です。上からいきましょうか。「見えない」は単純に進捗が見えないとか、誰が何をやっているのか見えない、困りごとが見えない、または仕事の現在地が見えない。進捗に近いですね。

このように、お互いに離れているとどうしても悪気なく見えなくなり、不安になってしまったりします。管理職であれば、いわゆるマイクロマネジメントをしたがってしまう。そして困ってもヘルプシーキングができない。困っているが、どこで騒いだらいいのかもわからないし、誰に騒いだらいいのかもわからないような状態。

成瀬:(笑)。きついですね。

沢渡:この不安は大きいかなと思っています。

成瀬:わかります。

管理職層がテレワークを敬遠する理由

小田木:こういう状態に陥る個人も不安を抱えますし、現場やチームがそういう状態になることに対しての組織の不安も、両面ありそうですよね。

沢渡:そうですね。組織も不安を抱える。両面あると思います。そして2つ目が「話せない」。これはテレワークに関係する調査結果を見ていても、テレワークがうまくいかない理由の上位に必ず挙がってくるんですが、「雑談しにくい」とか「相談しにくい」。これ、すごくよくあると思うんです。

例えば商談を対面でするにしても、行き帰りの車の中や移動中に、仕事に関係する別の相談ができたり、時にはプライベートな悩みまで聞いてもらえるとか、顔を合わせていると雑談や相談する機会がそこら中で見つけやすかったと思うんです。

それが失われてしまうと、話せない状態になっていく。これは2つ目のネガティブな要素としてあると思います。

そして3つ目が、管理職層において根深いと思うんですが、存在感をPRできない。「管理職だけオフィスに集まります」という会社があるんですが、そこにいない管理職は無視されやすいんですよね。そして「自分がこれだけ成果を出しています」「がんばっています」という、仕事の成果や変化を周りに示しにくいんですね。

そうすると、そこから先の昇進の話に影響したり、担当者も見えない仕事を管理職に評価してもらいにくい状態になると、疎外感を感じたり「不利になってしまうのではないか」という不安が増幅されて、「だから出社する」「だからテレワークを敬遠する」。こんな声もよく聞きます。

タバコ部屋が“晴れ舞台”になっていた

沢渡:コミュニケーションにおいてもそうで、いわゆる過去の価値観が強い組織においては、タバコ部屋が晴れ舞台なわけですね。

私が昔いた会社もそうだったんですが、タバコ部屋で部門長とか部課長がわちゃわちゃやっていて、しかも声の大きい人がわちゃわちゃしているので、そこで物事が決まる。そこでかわいがって取り入ってもらって、意思決定の輪に加わっていく。

タバコ部屋が晴れ舞台の世界に慣れていってしまうと、そこを奪われてしまうということは、自分たちのコンフォートゾーンが失われてしまう。さらには自分たちが存在価値を示していく舞台がなくなってしまう状態になるので、「それを避けたい」という心理は理解はできます。

3つの「ない」でまとめてみました。「オールド・ボーイズ・コミュニケーション」と(視聴者コメントで)書き込みがありましたが、私も何かのWeb記事で見ました。最近は「オールド・ボーイズ・コミュニケーション」と言われるらしいですね。

「オールド・ボーイズ・コミュニケーション」が、女性や若手など多様な人材が活躍するダイバーシティ&インクルージョンを妨げる。こういう現象もあります。

成瀬:なるほど。

小田木:「3ない」ということでした。

成瀬:さすが皆勤賞。

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