仕事を頼まれた時にやっておきたい3つのこと

本山裕輔氏:今回は、「仕事を頼まれた時にやっておきたい3つのこと」というテーマでお話しします。今年の初めに昔のメモを見返しました。確か、社会人2年目の時に書いたメモだと思います。当時、私はコンサルティング会社に勤めていました。

その時にお世話になった上司は、これまで一度もプロジェクトを炎上させたことがないという、本当にすごい方で、自分にも周りにもとても厳しい方でした。社会人2年目の私も、その上司からとても手厚く指導していただきました。

今回は、その当時記録したメモ書きも踏まえて、「仕事の依頼を受けた時にやっておきたい3つのこと」をご紹介できればなと思います。

まず1つ目は「頼まれた仕事の目的を、自分の言葉で説明できるレベルまで確認すること」です。言葉にすると当たり前のように聞こえますが、当時の上司は、この「目的」というキーワードにとにかくこだわる方でした。

例えば「社内のリモートワークの状況を調査してほしい」という依頼を受けたとします。この依頼だけで「はい、わかりました」と簡単に仕事を受け取ってはいけません。何のためにその調査を行うのか、その目的をきちんと確認しましょう。

また、人によっては目的が明確に固まっておらず、曖昧に依頼される場合もあります。例えば「コロナ禍でリモートワークを導入してしばらく経つから、このタイミングで現状把握しておきたい」。このような感じです。この場合、もう一歩踏み込んで確認をしておくことが大事になってきます。

相手を足止めすることになっても「しつこく確認」が大切

「誰が」「何の目的で」現状を把握をしたいのか、「どのような意思決定に使われるのか」、食らいついて確認をしていきましょう。仕事は自分の業務が完了した時点で終わりではなく、次の誰かのアクションにつながっていくことがほとんどです。

相手を多少足止めすることになっても、相手から「しつこい」「面倒くさい」と思われても、自分が依頼された仕事は誰の・どのようなアクションに使われるのか、しつこく確認しておくことが大切です。このしつこく目的を確認する姿勢が、最終的には依頼してきた相手が心から納得いく成果物をお渡しすることにもつながります。

仕事を頼まれた時にやっておきたい2つ目は、「期日を握る」です。これも当たり前の話ですが、油断すると忘れがちですよね。

成果物のイメージや品質には、頼む側と頼まれた側の間で、期待値に対する認識のズレが必ず起こります。一方の期日は、努力さえしていれば必ず期待値をそろえられるものです。そして期日を守ることができれば、そのまま信頼残高を積み立てることにもつながります。

もし可能であれば、期日は1.5倍増しくらいで合意ができると良いと思います。本当は「5日で完了しそうだ」と思う仕事の場合であっても、期日は7日後に設定するイメージです。

見積もり通りに仕事が進まないリスクは意外と多いです。例えば、仕事を進める上での関係者が急に休んでしまう可能性や、途中で緊急の仕事が割り込んでくる可能性、自分が体調を崩す可能性もあります。想定していたよりも仕事の難易度が高い可能性もあります。

先ほどの繰り返しになりますが、期日を守ることは信頼残高を積み立てることを意味します。相手との信頼残高を積み立てるためにも、確実に守れる約束を結ぶ。これが、自分を守ること、ひいては相手を守ることにもつながると思います。

急ぎでなくても、まずは3分間手を動かしてみる

最後の3つ目は「依頼されたら、まず3分だけ手を動かしてみる」というものです。例えば、「急ぎではありません」「お手すきの時で大丈夫です」と依頼された場合でも、3分だけ手を動かすことです。

これにはいくつかの意味合いがあります。まず1つ目は「仕事の難易度を見誤らないため」です。期日が先の仕事が入ると、どうしても期日直近まで放置してしまい、最終的に焦るという経験をされた方も多いのではないでしょうか。そうならないためにも、まず依頼されたらすぐに3分だけ手を動かし、事前に仕事の難易度を確認してみてください。

2つ目は「仕事を溜めないため」です。大した仕事でなくても、溜まってくると気になりはじめ、集中力が低下します。集中力の低下は質の低下につながりますので、仕事を溜めない工夫も大切になってきます。

そして3つ目は「頭の中の無意識」を活用するためです。仕事の依頼が飛んできたら、たとえ急ぎではなくても早めに目を通しておくと、その仕事を放置している間も頭の中の“無意識さん”が勝手に働いて考えてくれます。この話はVoicy第629回ペライチ書評『ガチ速仕事術』の放送でも紹介していますので、気になる方は聞いてみてください。

「仕事を頼まれた時にやっておきたい3つのこと」をご紹介しました。どれか1つでも試していただけると、とてもうれしく思います。