お金に関して困っていること、1位は「老後の資金・年金」

――みなさんが知りたいお金や経済の疑問は何ですか? そこで『お金のまなびば!』では、1000人のみなさんにアンケートを実施し、気になるテーマごとにランキング。藤野さんが結果をもとに解説します。

今回の気になるランキングは「お金に関して困っていることは?」。1,000人に聞きました。老後資金2,000万円問題が記憶に新しいですが、みなさんが将来に不安を抱えていることがわかります。

藤野英人氏(以下、藤野):『お金のまなびば!』ですから、「お金に関して困っていることは?」ということに対して、関心のある方がすごく多いんじゃないかなと思います。その中で1位が「老後の資金・年金」。334人と、30パーセントぐらいの人がそう思っているということです。

あと、かなり多くの人が「困ってないが不安」ということがありますね。困ってないのに不安というのは、漠とした不安がある。具体的な何かがあるわけじゃないけど、「なんか足りてないんじゃないかな」と思ってしまうことってあると思います。

お金に対して不安があるのに、漠然と生活している人は多い

藤野:3位の「日々の生活費」は214名。これ、けっこう大変ですよね。じゃあどうすればいいんだろうか? という疑問が浮かぶと思いますが、これはやるべきことがあります。それは、自分の家計であったり、自分の将来をきちんと見て、考えるということ。

(お金に対して)不安に思っている人に、「じゃあ何かしているの?」と聞いてみても、ほとんど何もしていないという場合が多いんです。ただ漠然と、今の給料がそのままあることを前提に、何も考えないで突っ走っている人が多いので、まずは見つめることが大事です。

「困っていないが不安」が2位ということとですが、これはもう1つ原因にあるのが、「困っていないけど知らない」ということなんだと思うんですね。iDeCoやNISAの話をすると、やっている人はまだまだわずかで、多くの人は知らない。もしくは、聞いたことがあるけれどやっていない、調べていない人が多いんです。

NISA、もしくはつみたてNISA、それからiDeCoは、政府が国民のために「将来このままだと足りないかもしれない。さまざまな優遇制度を作ったから、ぜひ使ってね」という制度なんですね。だから、非常にお得です。

「投資をするにも、何に投資をしたらいいかわからない」というのがあると思いますが、便利な制度の枠をいっぱい使ってみるという面で見れば、まずはiDeCoやNISAという制度を使ってみるのがとても大事なことではないかなと思います。

人生100年時代のお金との向き合い方

その時に考えなきゃいけないのは「自分の稼ぐ力」、「毎日の生活費の中から黒字にすること」を心掛けているかどうか、そして「余ったお金を貯金や投資に回していく」の3つです。

自分の収入をどうやって増やすのか、もしくは収入を維持していくのかと、家計の中でちゃんと節約をしながら黒字体質にしていくこと、余ったお金を投資に回して未来に備える。これを、どうバランスよく考えていくのか。人生100年と言われてますから、考えて行動するのは、今からでも全然遅くないんです。僕らはまだまだ先が長い。

80歳の人だって、人生100年時代だったらあと20年あるんですよ。たぶん80歳の人も見てると思いますが、それ以上に若い人が多いですから、今この瞬間、未来のために考える時間は十分にあると思うので、ぜひ未来のことについて考えていただきたいなと思います。