CLOSE

LINE HRBPチームの紹介(全1記事)

2022.11.02

Brand Topics

PR

業務時間の50%をビジネスレビューに費やし、人と組織の課題解決 LINEを支える、戦略人事チームの全容

提供:LINE株式会社

市場やユーザーニーズに合わせて都度サービスのあり方を検討し、プロジェクトを効率的に実行するために、柔軟な組織変更を頻繁に行っているLINE。その「人事戦略」を計画・実行し、変化の激しい組織を支えているのが、HRビジネスパートナー(以下、HRBP)です。「LINE CAREER EVENT -多様な組織の日々変わる課題解決に取り組む、HRBPの苦労と工夫」では、HR Business Partner室 室長の大野道子氏が、LINE HRBPチームについて紹介します。

「事業と人事の両方の経験」を活かせる仕事との出会い

大野道子氏:それでは私からLINEのHRBPのチームのビジョンや役割を説明します。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。私はHR Business Partner室の室長かつ、プレイヤーとして担当クライアントを持ちながら、全社横断した課題解決や、HRBP組織全体の統括をしています。

少し自己紹介したいと思います。LINEは4社目になりますが、新卒1社目で営業からスタートして、そこで事業企画や子会社の代表、人事部長まで、かなり泥臭い現場の経験から人事・経営といった一連を幅広く経験しています。

2社目はベンチャーフェーズだった不動産投資の会社で、組織や事業の規模を拡大するミッションを持って、全体統括をする役割を担っていました。

ここまでかなり駆け巡ったキャリアですが、この時にライフイベントとして、結婚・出産という大きなイベントがありました。

このタイミングは「キャリアをどうしていくのか」ということをすごく悩んだ時期でもありました。そんな中、外資系製薬会社でHRBPというポジションに出会いました。

今までの経験をフルに活かせる仕事なのと、事業と人事を両方経験して、それを活かせることに強烈にフィット感がありました。HRBP(Human Resource Business Partner)という役割の概念がまだまだ日本では薄かったですが、外資系のHRBPを経験させてもらったことは、第2のキャリアを作っていくうえで、すごく軸になりました。

LINEへのジョインは、業界経験もなく大きなチャレンジではありましたが、成長期の会社でHRBPを試してみたかったことと、立ち上げフェーズだったこともあり、ジョインを決めました。

サマリーをすると、キャリアとしては人事、事業、マネジメントが軸になります。こういった経験をフル活用しながら、LINEのHRBPを作っていくチャレンジを日々しています。今日のお話では、そんな道のりが少し伝わればと思います。本日はどうぞよろしくお願いします。

全社で80パーセントにHRBPを設置

ここからHRBPについて、役割などを説明します。今日のアジェンダは、HRBPの社内クライアントとはどういったところを指すのかと、HRBPの役割と体制、理想と現実、ここまでの道のりの3つについてお話をします。

まず1つ目です。LINEは2019年からカンパニー制になり、事業にかなり裁量を持たせるような運営をしていますが、そういった観点からも、カンパニーに優先的にHRBPを配置しています。

横断組織としては、かなりのボリュームゾーンである開発センター、プロダクトマーケティングセンター、広報室、セキュリティセンターなど、関連事業子会社も担当しています。

現在のHRBPの配置率です。優先度の高いカンパニーには100パーセント、横断セントラル、事業組織も含めて、全社で80パーセントの配置が完了しています。すべての配置が完了している状態ではありませんが、将来的にはすべてに付けていくような体制を整えようと計画しています。

「人・組織課題を解決しビジネスを成長させる」役割

続いてHRBPの役割と体制です。ここがとても重要で、かつ質問もよくいただくところなので、少しウェイトを置いて説明したいなと思っています。

まず、HRBPのミッションとして掲げているのが「人・組織課題を解決しビジネスを成長させる」ということです。人・組織の課題解決というのは、そもそも我々のコアで専門領域ではありますが、最終的にそれがビジネスの成長につながるのかを強く意識することが特徴かなと思います。

(スライドを示して)人に寄り添い、事業に寄り添うと記載していますが、人・組織を軸としてきちんと事業成長を意識する、そのために(業務)全体の50パーセントの時間をビジネスレビューに費やしています。費やしきれていない部分もありますが、そういったことを目指しています。

ここはHRBPの個の部分になりますが、ありたい姿として、HRBPそれぞれが担当組織で戦略パートナーになることを掲げています。

戦略パートナーになることについて、いろいろ定義はありますが、私はこのように要約しています。すごく大きな話ではありますが、「組織長や事業リードの意思決定に影響を与える存在になる」ということです。

そのためにはHRBPは必ず経営的視点を持っていること。高い課題解決能力、実行力まで(持っていること)。マインドとしても、高くコミットする力と、根底を支える信頼関係。そういったコミュニケーションの力をすべて備えていることが必要だと考えています。

ただ本当に簡単なことではないので、現状我々もまだまだですが、各BP(Business Partner)が「これを目指す」と掲げています。

HRBPの領域は「人・組織に関することはすべて」

(スライドを示して)今少し大きな話をさせていただきましたが、大きく目指す姿に対して、HRBPが日々社内クライアントのみなさんと向き合う上で、どんなことをしているのかを具体的なアクションとして記載しています。

よくクライアントのみなさんからも、「HRBPが配置されたけれど、具体的に何をしてくれる人ですか?」という質問をよく受けます。そういった時の説明で使っている資料を、実はそのまま持ってきました。

パッと見てもらって、一言で言ってしまうと「すべて」です。人・組織に関することはすべてです。ただ特徴としては、特に未来に向けた戦略や課題解決に起因するアクションに重きを置いています。

ここはすごく重要なところなので少しピックアップさせてもらうと、例えば人事戦略の立案でいうと、人事戦略と同期した人員配置、組織デザイン、エンゲージメント向上施策、登用、育成プランの策定、組織状態策定などです。

組織状態としてはエンゲージメントサーベイやメンバーとの面談など、日々キャッチアップをして分析して、定期的にモニタリングをしています。そういったデータやレポートを元に、ビジネスリーダーとも定例や1on1を定期的に実施しています。そこでビジネスの状態や起きている問題を共有し、打ち手の議論をしています。

もちろん、我々がコアになっている組織開発的な取り組みも行います。カルチャー醸成のための「ビジョン・ミッション・バリュー」の策定だったり、その部門に必要な人事施策なども立案し実行していくようなこともしています。

人事のプロジェクトリーダーとして、縦横無尽に活躍

続いて、HR全体の役割に対してHRBPをどのように位置付けているのかを説明します。

大きくオフェンス・ディフェンスの4象限に分けています。(スライドを示して)HRBPのコアな部分に関しては、画面の左、組織開発・カルチャー醸成・人材開発・育成。どちらかというと未来に向けた、人事の中では「攻め」といわれるところになると思いますが、そちらの領域をコアな役割としています。

とはいえ連携のところ、特に人事の専門領域COE(Center of Excellence)との連携にも力を入れています。例えば制度の運営であったり、評価・採用の実行支援にも力を入れています。

全社施策を部門に合ったかたち、担当組織に合ったかたちでデリバリー・運用していくサポートは、組織・事業をより理解しているHRBPだからこそ実現できると考えています。

続いて、HR全体に対してカンパニー・部門にどう向き合っているのかがこちらの図になります。

対部門から見ると、HRBPはHRに対するフロント。セールスで言い換えるとソリューションセールスだったり、コンサルタントみたいな言い方をすることもあるかもしれません。いわゆる部門に直接的に向き合うフロント役を担っています。

一方で、HRBPから見た時の人事内の立ち位置は、やはりリーダー的な位置付けにしています。少し広げると、人事のプロジェクトリーダーの役割を担うという整理をしています。

各部門から来るリクエスト、事業状況などをキャッチアップして、自分たちでできることは自分たちで実行する。必要な時は専門領域につないで対応する。そういった動きをシームレスに行っています。

ただ、ここは今期から特に注力しているところで、コミュニケーションラインが複数になることの非効率を解消するために、「HRワンチーム化」というものを掲げてチャレンジしています。

事業部の各組織ごとに1〜2名のHRBPをアサイン

続いて、HRの組織の中でのHRBP室、HRBPの体制についてです。まずHRの組織は、大きく4室体制になっています。

一番上にHRBPを入れていますが、HR Business Partner室、人事・企画・運用などを行うPeople Insight、労務・福利厚生のEmployee Support、採用メインでやるTalent Acquisition。この4室がコアな室となっています。もちろんセンター直下でPM Success、Talent Management、データ系のチームもあります。

HRBPの各室の体制については、現在6チーム体制になっています。HRビジネスパートナー1から4チームは、カンパニーや部門に向き合うチームで、エンジニアHRビジネスパートナーチームは横断組織である開発組織を担当します。先ほどお話ししたとおり、特に開発はすごくボリュームがある組織なので、専属のチームを組成しています。

ここで(各チームが)各組織にどう関わっているのか、少しだけ触れます。ただ担当するだけではなく、担当としてアサインするケースももちろんありますが、HRBPやHR組織をあえて部門側に組成することもやってます。

「その組織にフィットした体制で、各組織の規模に応じて」ということを心がけていますが、HRBPはだいたい1名〜2名をアサインしています。

(スライドを示して)一番下は今期新設したチームになります。(このチームは)すごく重要なファンクションと位置付けていますが、いわゆるHRBPの中に向き合うチームになります。

HRBPが部門に提供する企画周りや、BPの業務効率アップを支援するチーム、かつHR内のチームの中の室の中の連携をするチームです。

具体的には提案書のフォーマット化であったり、組織のモニタリングのデータ化、取り組み事例を共有したり、HRBP全体のスキルアップ施策のようなことも支援しています。まさにHRBPが大きくなっていく上で重要なファンクションだと捉えています。

LINEにとって、HRBPが必要な理由

3つ目のアジェンダになります。まさにこれからのパネルディスカッションにもつながっていく部分かもしれませんが、理想と現実、これまでの道のりを説明します。

その前に、なぜLINEにHRBPが必要なのかについて少し触れます。特に質問を受けることも多く、疑問に思われる方も多いかと思うので、スライドを入れています。

LINEならではの理由とは限りませんが、特徴的なこととして3つ挙げています。「事業・組織のフェーズや課題感がさまざま」と入れていますが、LINEは本当に事業のスピードが速いです。サービスが立ち上がれば組織も立ち上がります。成熟した組織もあれば、垂直立ち上げで、できたてほやほやの組織もあります。

そういった事業や組織のフェーズ(の違い)から、課題感は大変さまざまです。さらにLINEの人事制度はとても自由度が高いです。(これは)とてもいい面でもありますが、一方で、部門側からすると運用難易度が高い。

事業のみなさんがより集中できる環境を整えるために、HRのサポートのニーズはとても多いです。こういった背景から、LINEではHRBPが必要だと思っています。ちょっと言い換えると、事業とHRを深く理解したHRBPという存在は、絶対的に必要であると思っています。

当時立ち上げを一緒にやったマネージャーともそう強く信じてスタートしたものの、道のりは決して簡単なものではありませんでした。

3年に及ぶ、「新設部門」の地道な実績作りと認知獲得

(HRBPは)立ち上げからちょうど4年になります。カンパニーに全配置して、全社で80パーセントの設置率にはなりましたが、道のりについて少しお話をします。

まず設立時です。立ち上げでは当然かもしれませんが、マネージャー1人、メンバー2人、クライアントもごく一部という、スモールスタートでした。

整備していた2年目です。私はちょうどここで入社しますが、まだこの時点ではHRBPの認知度はとても低かったです。あいさつをすると「何をする人ですか?」と聞かれるケースがとても多かったです。

なので、まずはHRBPを知ってもらわなければいけないというところから、実績作りと認知度を上げていく活動をすごく地道に続けました。

HRBPを体験してもらうこと、実績を出して理解してもらうこと。そこから少しずつ信頼が生まれニーズが高まる。組織をスケールさせる上でも近道だと思っていたからです。

ちょうど3年目の樹立と確立のフェーズになりますが、こういったかなり地道な活動をしてる甲斐もあって、少しずつ「HRBPついてくれない?」という声が増えてきました。

会社の大きな変化として、Zホールディングスとの経営統合などがあり、人・組織の課題が大変顕在化してきた要因も重なって、経営からも「この組織ってどんな状況? 大丈夫?」「ここ、HRBPついていたっけ?」という声が聞こえてくるようになりました。

実際の実績としても、複数組織で組織開発や課題解決の実績が出始め、可能な限りHRBPを配置する方針を打ち出したのもこの頃になります。まだまだ2021年という状況です。

期待値が上がり、中身が問われるフェーズへ

(スライドを示して)2022年に拡大とあるように、全社の8割に配置できる状態、クライアントは6倍になりました。HRBP自体のメンバーの成長もありました。マネージャーを配置することにも成功しました。

一方で、拡大してくると自然とHRBPの期待値は上がっていきます。「かたちはできたけれども中身はどうなのよ」が問われるフェーズになってきています。

まさに今はその時点にいると思っていて、これからはよりクオリティアップと、引き続きそれに合わせた組織のスケールに目下取り組んでいきたいと思っています。

簡単ですが、立ち上げから現在に至るまでの道のりを、少しぶっちゃけて説明しました。

「戦略的パートナー」になれるまであと一歩

ちょっと戻りますが、冒頭に説明したビジョンになります。戦略パートナーになるというところ(です)。

道のりの1つとして、戦略パートナーになるうえで、今どの時点にいるのかを今日あらためて説明したいと思います。

段階的にはこんな整理をしています。オペレーション問い合わせ、ソリューションカスタマイズ、マネジメントサポート、戦略的パートナー。

どれも全部やりますが、少しずつ上(のレベル)に持っていくことを目指している中で、現在地はどうでしょうかというところで言うとスライドのあたりです。

立ち上げ当時のHRBPに対する認知と期待でいうと、「なんでもやってくれて」「サポートしてくれて」というニーズは多いものの、事業の成長、事業の戦略を実現するためには、戦略的パートナーであることがやはりとても重要だと思っています。

という意味で我々は常に戦略的パートナーを目指していますが、現状はこのちょうど間というか、マネジメントサポートを平均的にもメインでやっていて、今後はそこで諦めずに戦略パートナーになっていきたいと思っています。

そのために特に今期から取り組んでいることが、HRBPのレベルアップ。期待値が上がっていることもありますが、HRBPのレベルアップと、社内クライアントのみなさんとより信頼構築を高めるということで、自然に期待される状態を目指したいと思っています。そのために、全員で努力と成長をしていきたいと思っています。

以上、私からHRBPの役割とビジョンと、今いる地点について説明をしました。

目指すビジョンとか、若干きれいごと的なところも多かったかと思います。この後のパネルディスカッションで、部門に日々向き合っている4人のメンバーに日々の奮闘であったり、苦悩みたいなものを語っていただきたいと思います。

ということで、パネルディスカッションにバトンを渡したいと思います。よろしくお願いします。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

LINE株式会社

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 海外拠点がサイバー攻撃者に狙われやすい“4つの理由” 実例からひもとく「EDR」+「SOC」の効果と特徴

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!