多くの人が関心を持つ「習慣化」

熊谷翔大氏:おはようございます。グロービス経営大学院の熊谷です。本日は、「仕事に役立つABC」と題して、仕事の成果を高めるために当たり前だけどバカにせず、ちゃんと取り組みたいことをテーマにお話しします。

今回は、「習慣化のコツ」がテーマです。仕事、プライベートを問わず、自己研鑽に励むあなたは、勉強したり、健康作りをしたりといろんな取り組みにチャレンジされていると思います。

そこで大切になってくるものの1つが、習慣化です。仕事においてもプライベートにおいても、現状の自分を変えて成長するための取り組みは、なかなか一朝一夕にはいきません。日々コツコツ続けていくことがとても大切だと思います。

さて、そこであなたに質問ですが、何かを習慣化することは得意でしょうか? おそらく「習慣化したいな」と思いつつもうまくできないと感じている方のほうが多いのではないかと思います。

かくいう私も習慣化はけっこう苦手でしたし、今もいろいろ苦戦しながらやっているというのが正直なところですが、グロービス経営大学院の事務局という仕事柄、グロービスで学ぶビジネスパーソンの方から、「どうすれば習慣化をうまくできますか」という質問をよくいただきます。

そんなこともあり、ここ数年いろんな人に聞いたり、本を読んだり、自分自身で試してみて、これがいい方法ではないかというものができてきましたので、今日は私が考える習慣化のコツを3つお伝えします。

自分の取り組みを可視化するメリット

1つ目は「記録しましょう」。これは当たり前というか、「聞いたことがないよ」という方がほとんどいないのではないかと思いますが、とにかくシンプルに記録するということですね。レコーディングダイエットなどがわかりやすい例かと思います。

方法としては、カレンダーの取り組んだ日に丸をつけるとかでもいいですし、とにかく自分の取り組みを可視化、見えるようにしましょう。

それを積み重ねていくと、やっていない日が目に付くようになる、つまり空白ができることに対して気持ち悪さみたいなものが出てくると思います。

個人的におすすめの記録方法ですが、今だとスマートフォンのアプリをうまく使うのがいいかと思います。勉強にも運動にも本当に便利なアプリがたくさんありますので、1度調べてみてください。

2つ目は、「取り組む事柄のサイズをできるだけ小さくしましょう」。これは、取り組む回数とか、時間の最小単位をできるだけ小さくしてハードルを下げるという意味です。

習慣化がうまくいかない理由の1つは、取り組むハードルを自分で上げてしまっていることだと思います。例えば読書なら、毎日1時間や30分など「まとまった時間やらないといけない」と考えてしまいます。

そうすると、例えば仕事で疲れていたり、他にやることがある時に「え、今から1時間もやらなくちゃいけないの」と悲観的になり、すごく大変なことのように勝手に感じてしまいます。

それを防ぐためもハードルを下げましょう。例えば読書だったら5分とか1ページとか、極端に目標を下げてしまう。そうすると、「まぁ5分ならやろうか」「1ページなら読もうか」と、気持ちが楽になります。

この2つ目のコツも当たり前ですが、ぜひ騙されたと思ってやっていただきたいと思います。とにかく、最初はとことんハードルを下げる。スモールスタートでいいと思います。

「また始める」ことの重要性

最後の3つ目ですが、「三日坊主の自分を許しましょう」。これはマインドセット、つまり習慣化の捉え方になります。続かずに挫折する自分に嫌気が差してしまう場合がありますが、これを防ぎましょうという意味になります。

真面目な人こそ、どうしても完璧にやりたくなって、継続が途切れると同時に気持ちが切れてしまう。そんなサイクルがあるかと思います。私もどちらかというと、そういうタイプでしたが、それは非常にもったいないことだと思います。

もし三日坊主で終わってしまったのであれば、3日続いたことを自分でしっかり褒める。これが非常に大切です。その上で、また始められるタイミングで始めればいいかと自分を許しましょう。

私が20代前半の頃、とある有名な起業家の方とお話しする機会がありました。その方が、「三日坊主も何回も続ければ習慣に変わるよ。三日坊主を反省するよりも、また始めることのほうがとっても大切だ」と言われました。私の頭の中にずっと残っていた、そのありがたいアドバイスを、最後に紹介させてもらいました。

ということで、今日は3つの習慣化のコツをお伝えしました。1つ目は記録しましょう。2つ目が取り組む事柄のサイズをできるだけ小さくしましょう。3つ目は三日坊主の自分を許しましょう。

どこかで聞いたことがある内容だったかもしれませんが、やっぱり基本的な内容が習慣化においても一番大事ではないかと思います。個人的には「方法」よりも、3つ目にお話しした習慣化の「捉え方」。これがうまくできるかが大切な気がします。ぜひ参考にしてもらえるとうれしいです。

そして何より、あなたがそもそも何かを「習慣化したい」と考えていることがすばらしいと思います。まずはそんなあなた自身を褒めてあげるところからスタートしていただければと思います。

今回はここまでです。本日も素敵な1日をお過ごしください。