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今日からできる仕事の整理整頓術【時短・効率化の前に今さら聞けない時間の超基本 - 吉武 麻子】(全1記事)

「今日もやること終わらなかった」を繰り返さないために 時短・効率化の前にやるべき「時間管理」のコツ

「セミナーに参加したかったけど、時間が合わなくて行けなかった……」。株式会社イノベーションの調査によると、ビジネスパーソンの2.5人に1人はそんな経験をしているそうです。同社が運営する動画サービス「bizplay」は、オンライン配信を通して、いつでもどこでもセミナーに参加できる環境を提供しています。今回は「今日からできる仕事の整理整頓術」をテーマに、タイムコーディネーターの吉武麻子氏が無理なくできるタイムマネジメントのコツについて解説します。 ■動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

従来の時間管理術にある「時間に追われている」苦しみ

吉武麻子氏(以下、吉武):タイムコーディネーターの吉武麻子です。『今さら聞けない時間の超基本』を監修しております。

従来の時間管理術ですと、とにかく時短・効率化で、やることをスキマ時間に埋め込んで、どんどんどんどん時間に追われているという苦しみを持っている方がすごく多かったんですね。

なのでこちらの本では、自分にとって心地よい時間の使い方は何なのか? というところをみなさんに深く考えていただいた上で、その後、限られた時間の中で仕事の成果を出したり、目標に向かって時間を効率的に使う方法だったりを、順序立てて(解説しています)。まずは人生全体で豊かに生きていくためにはどうすればいいのかということを考えた上で、仕事の時間の効率化をはかっていこうとお伝えしている本です。

そして今日は、第2章の「仕事と時間」を中心にお話をさせていただこうと思います。

見積もり時間の「現実」と「自己認識」を一致させるために

どんなに忙しくても時間は生み出せる

「どんなに忙しくても時間は生み出せる」というところを、みなさんよく不思議に思われるんですけれども。それはなぜかというと「忙しい、忙しい」っておっしゃるのは、やはり時間に対して、時間以上にやることを抱えているからなんですよね。まずはそこを精査していくことがすごく大事になってきます。

その上で、一つひとつのやることに関して、どのくらい時間がかかるものなのかというところも、けっこうみなさんザル計算というか(笑)。見積もり時間がどれぐらいかかるのか、だいたいみなさんわからずにスケジュールなどに詰め込んで、「ああ、今日もやること終わらなかった」ってなりがちなんです。

一つひとつどれぐらい時間がかかるのか見ていくことも、すごく大事かなって思います。

1回で完璧に見積もり時間と結果時間が一緒になることは、ぜったいにどの人もありません。何回かPDCAを回しながら、「これぐらい時間がかかるものなんだな」、もう1回やってみたら「まだまだ、もっと時間がかかるものなんだ」って、自己認識と一致させていくところ。現実と自己認識を一致させていくために、PDCAを回していくことがすごく大事になってきます。

なので、まず一番最初におすすめしているのは、「ログを取る」こと。だいたい今何にどれくらい時間をかけているのかというところを、気づいた時だけでもいいのでぜひ記録に取っていただきたいと思います。

そうすると、「これぐらい時間がかかるものなんだ」ということが実際の数字として見えてくるんですよね。そうすると、次に計画立てる時に、「この間このぐらいかかったから、じゃあこのぐらいだろう」って見積もりがつけやすくなっていく。

初めてやることに関しては、その見積もりがまったくわからないと思うんですよね。なので、これぐらいだろうって思った2倍、3倍は時間を確保して進めていただくといいんじゃないかなって思います。

「スキマ時間」はあえて作らなくていい

スキマ時間の使い方

さまざまな場面で「スキマ時間」は生まれてくるんですけれども、スキマ時間を生み出そうとすることよりも、スキマ時間ができた時にパッとやることがあって、すぐに行動に移せるような状況にしておくことがすごく大事かなと思います。

というのも、スキマ時間を作ってばかりいると、結局、その(スキマ時間を作るための)時間をひとまとめにすると、1時間とか時間ができたりするんですよね。なので、あえてスキマ時間を作ろうとするよりは、できた時にすぐ行動に移せる状況にしていただきたいなというのが1つです。

その「すぐ行動できる」ところは、「このタスクだったら1分でできる、3分でできる、5分でできる」と、常に何かしら自分がこまめにやっていること、日々やっていることが「何分時間あったらできるだろう」と、自分の頭の中でもいいんですけれども、何かメモしておくといいと思います。

メリットは、先ほど言ったようにすぐに行動を移せるところがポイントになります。というのも、「じゃあ次何しよう?」と考えている時間が一番もったいないんですよね。その考えている時間をなくすためにも、最初にリストアップをしておく。そうすると、スキマがパッとできた時にそれをやっていけば、どんどんやるべきことは進んでいきます。

デメリットに関しては、先ほど私も「あえてスキマ時間は作らなくていいよ」と申し上げたんですけれども。というのも、スキマ時間ばっかり作ってしまうと、常に時間に追われている、「何かやらなければ」という強迫観念に追われてしまうところがあって、心も体も休まらないんですよね。

なのでスキマ時間の活用も、24時間すべてでスキマを意識しなければいけないわけではなくて、仕事で主に「ここではやるべきことがある」というところ、「ここで効果を出さなければいけない」というところの中で、ぜひ活用していただけたらいいんじゃないかなと思います。

目標は6ヶ月→3ヶ月→1週間で棚卸ししていく

盲点! 目標を立てる時は時間も意識するべし

私は「年間目標は立てる必要はない」とお伝えしているんですね。なぜかというと、年間目標を立てても、「1月のうちに新年の目標を忘れている人が8割〜9割」と言われているぐらい、みなさん忘れてしまうんですよね(笑)。

年間という大きな目標は、事業されている方は3ヶ年計画、5ヶ年計画のように大きく立てていく必要はありますけれども、あくまで個人で計画を立てる時は、そんなに大きく立てなくていいよとお伝えしています。

忘れてしまうのもありますし、動いていくと結局、目標が変わってきたりするんですよね。なので年間ではなくて半年、6ヶ月でできることを、まずはざっくりと立ててみようとお伝えしています。

なぜ6ヶ月かというと、次(に考える目標)は3ヶ月なんですけれども、3ヶ月だと具体的な計画が立てやすいんですよね。1ヶ月、2ヶ月先はけっこう予定が入っている方もいらっしゃると思います。そこに猶予期間をプラスした3ヶ月が、具体的な計画を立てやすい。

そこだけだと本当に目の前の計画になってしまうので、さらに少し先というところで、6ヶ月の単位で、具体的にやりたいことや目標を立てるようにしましょうとお伝えしています。

そこから3ヶ月、先ほど言ったように具体的に立てていくところです。3ヶ月の中でもだいたい1ヶ月を上旬・中旬・下旬ぐらいに分けて、「3ヶ月の目標がここだから、1ヶ月半あたりでこのぐらいの目標」のように、マイルストーンを置いていくイメージです。

そこから1週間単位で具体的に、今週は何をするのかと計画立てていくと、長期的な目線を持ちつつも、今何をするのかというところとのギャップがなく、(進捗が)見やすくなっていきます。

1年という大きな単位ではなくて、6ヶ月、3ヶ月、そこから1ヶ月、1週間といったように棚卸ししていくことをおすすめしています。

振り返りの3つのポイント

タスク自体も、1週間で見てくださいってお伝えしているんですね。それはなぜかというと、毎日ToDoタスクを出していくと、どうしても突然仕事が入ってきたり、突然家族が体調不良になったり、臨機応変に対応しなきゃいけない場面が都度都度出てくると思うんですね。

それを毎日「今日もまた」「あ、今日もまた」「今日もまた」ってなってしまうと、それこそ本当に自己否定に入ってしまいます。ではなくて、1週間単位でタスクを考えて、例えば月曜日に突発的なことが起きたとしても、まだ火水木金とあるので、そこで調整していく。そういう感じで、1週間で見るようにということをまずおすすめしています。

なので振り返りも1週間単位。1日の「今日はここまでできた」っていう軽いチェックは確かに必要なんですけれども、しっかりと振り返りする時は1週間単位で、「今週やるべきことはここまで進んで、次週は残ったところ」というように、次に向けて振り返りをするようにしていただいています。

その振り返りの中でも、まず最初に成果、できたことから目を向けていただいて、「自分がんばった」と、まず褒めるところから(笑)。そこから客観的な目線になって、改善点を見ていただきます。

あともう1つ大事なのが「手放し」です。今週は何が手放せたか、これは手放さないと自分はずっと時間に追われてしまうと、気づいた部分をぜひ振り返りポイントとして入れていただく。

その3つを中心に振り返っていただけると、やるべきことがより明確に見えてくるかなと思います。

まず見つけるべきは「自分にとって心地よい時間の使い方」

視聴者へのメッセージ

『時短・効率化の前に 今さら聞けない時間の超基本』でお届けしてきましたが、時間を効率的に使う前に、自分にとって心地よい時間の使い方は何なのか。ビジネスの仕事の面でも、自分の気持ちを大事にした上で、効率化・時短はできます。

自分にとって何が心地よいのか、何をしていきたいのか、まずはそこを見つけて、その後に「では限られた時間の中でどう成果を出していくのか」。そのように時間を活用していただけたらすごくうれしいです。

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